独立監査人の監査報告書

 

 

 

2024年8月23日

株式会社Enjin

取締役会 御中

 

PwC Japan有限責任監査法人

 

東京事務所

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

岩 崎 亮 一

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

田 村   仁

 

 

 

<連結財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Enjinの2023年6月1日から2024年5月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Enjin及び連結子会社の2024年5月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

アズ・ワールドコムジャパン株式会社の株式の取得に伴う企業結合に係る会計処理

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

【注記事項】(重要な会計上の見積り)及び(企業結合等関係)に記載のとおり、会社は、前連結会計年度に行われたアズ・ワールドコムジャパン株式会社(以下、アズ・ワールドコム社)との企業結合(株式取得による子会社化)について、暫定的な会計処理を行っていたが、当連結会計年度において、暫定的な会計処理を確定させ、取得原価の当初配分額を見直している。

見直しの結果、暫定的に算定されたアズ・ワールドコム社ののれんの金額97,915千円は、31,531千円減少し、顧客関連資産が48,000千円、繰延税金負債が16,468千円それぞれ増加した。

株式取得に係る取得原価は、被取得企業から受け入れた資産及び引き受けた負債のうち識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して企業結合日以後1年以内に配分する必要がある。特に、無形資産の時価は、観察可能な市場価格がないことから、専門的な評価モデルを用いて算定する必要があり、会社は超過収益法を採用して、評価対象の無形資産に関連して生み出される将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことによって、時価を算定している。当該算定については、売上高の成長率、顧客減少率及び割引率を主要な仮定としている。

将来キャッシュ・フローの予測に含まれる売上高成長率及び顧客減少率の将来見通しは、将来の需要動向や競争環境等、外部環境の影響を受ける可能性がある。割引率の決定には、高度な専門的知識を必要とし、その妥当性は時価の算定に重要な影響を及ぼす可能性がある。また、当該企業結合にかかる取得原価は金額的な重要性が高いことから、当監査法人は、アズ・ワールドコムジャパン株式会社の株式の取得に伴う企業結合の会計処理が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 

当監査法人は、アズ・ワールドコム社の株式の取得に伴う取得原価の配分により識別された無形資産の公正価値評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した

 

・当該企業の取得に関する取引を理解するにあたり、契約書等の関連資料の閲覧及び照合、経営者への質問により、取引概要及び目的について理解するとともに、会計処理との整合性を検討した。

 

・株式取得に関連して行われた識別可能資産及び負債への取得原価の配分に関連する会社の内部統制の整備状況を評価した。

アズ・ワールドコム社の株式取得に関連して行われた識別可能資産及び負債の取得日における時価評価に係るモデルの適切性、利用された基礎データの信頼性及び利用された仮定の合理性について検討した。これらの検討にあたっては、監査人の利用する専門家を関与させ、実施した具体的な手続は以下を含む

 

・経営者が利用した外部の企業価値専門家の適性、能力及び客観性を検討した。

・事業計画に反映された将来キャッシュ・フロー予測について、経営者へ質問をするとともに、重要な仮定である売上高の成長率の合理性及び既存顧客の減少率については過去の実績と整合しているかを確かめた。

・顧客関連資産の測定に使用する割引率について、企業価値評価の専門家を利用し、利用可能な類似会社の外部データの検討等を行い、その合理性を確かめた

 

 

ダイレクトブランディングサービスに係る売上高の実在性及び期間帰属の適切性

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、【注記事項】(重要な会計方針) 、(収益認識関係) 及び(セグメント情報等) に記載されているとおり、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識している。

主要な取引であるダイレクトブランディングサービス売上高は2,683,750千円(全体の売上高の82.1%)である。当該サービスは、オウンドメディアや複数のメディア媒体の中から顧客のニーズに合わせてメディア露出のサポートを行っている。

収益の認識については、契約内容において一定期間で履行義務が充足される場合は、契約期間にわたり均等に契約に定められた金額に基づき収益を認識している。一時点で履行義務が充足される場合は、サービス提供が完了した時点において収益を認識している。

年間を通じたダイレクトブランディングサービスに係る売上高の実在性及び当該売上高に含まれる一時点で履行義務が充足される取引の期末日前の期間帰属について、より慎重な監査上の検討を行う必要がある。

会社においてダイレクトブランディングサービスの収益認識は金額的・質的重要性が高いことから、ダイレクトブランディングサービスに係る売上高の実在性及び期間帰属の適切性を監査上の主要な検討事項であると判断した。

当監査法人は、ダイレクトブランディングサービスに係る売上高の実在性及び期間帰属の適切性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した

 

・会社が採用した会計方針について、前期からの会計方針に変更がないことを各取引の業務プロセス及びフローを確認したうえで、経営者へ質問を実施し、確認した。

 

・収益認識に関する一連の業務処理については、主に、受注プロセスや履行義務の充足の確認のプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

 

・ダイレクトブランディングサービス売上高の実在性については、申込書、役務提供の証憑、請求書を照合した他、特定の得意先の案件を対象に、取引の合理性について経営者に質問するとともに関連する証憑を閲覧した。

・売上高の期間帰属の適切性については、役務提供の証憑を照合した他、期末日後、一定期間経過後に修正された取引記録を対象に、案件の内容及び修正経緯の合理性を追加的に評価した。

 

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する

   連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<報酬関連情報>

当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

 

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