2023年6月30日に提出いたしました第74期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)内部統制報告書の記載事項に誤りがありましたので、金融商品取引法第24条の4の5第1項に基づき内部統制報告書の訂正報告書を提出するものであります。
「3.訂正箇所」に記載しております。
1.訂正の対象となる内部統制報告書の提出日
2023年6月30日
2.訂正の理由及び財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯
2.1 訂正の理由
内部統制報告書の「3 評価結果に関する事項」の記載事項に誤りがあり、開示すべき重要な不備があると判断したことから訂正することといたしました。
2.2 財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯
2024年3月期決算の過程で、当社の連結子会社であるニシカワ・シーリング・システムズ・メキシコ S.A.DE C.V.(以下「本件連結子会社」といいます。)において棚卸資産の帳簿価額と実際残高との間に多額の差異があることについて会計監査人より指摘を受けたことを契機として、棚卸資産の残高に疑義があることが確認されました。これを受けて、当社では同社における棚卸資産の資産性の評価について検討が必要と判断し、社内調査チームによる調査が実施されました。当該調査の結果、一部の棚卸資産につき修正すべき事実が発覚したため、過年度の決算を修正すべきと判断いたしました。
当初の内部統制報告書における「2 評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項」に記載のとおり、財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社5社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しておりました。当該判断については、現時点においても適切であったと判断しております。当該評価範囲の中で、本件連結子会社において試算表と勘定明細との調整手続の一部属人化や決算手続の文書化の不足、並びに勘定明細の査閲に関する手続運用上の不備が発生していました。また、当社において連結子会社の決算数値が十分にモニタリングされていませんでした。さらに当社及び本件連結子会社において全社的な内部統制のうち、リスクの評価と対応、情報と伝達、ITへの対応及びモニタリングに関する統制に不備が発生しました。財務報告に係る内部統制の評価は、2023年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠いたしました。しかしながら、当社の管理統括本部内におけるグローバル経営戦略本部において本件連結子会社の決算体制をモニタリングしていたものの管理・指導が十分でなかったことに加え、グローバル経営戦略本部から内部統制の評価手続を行う部署であるコンプライアンス推進室にリスク情報の共有を行う旨の規定が存在しなかったため、コンプライアンス推進室はグローバル経営戦略本部のリスク認識を考慮した評価手続の要否を十分に検討できませんでした。その結果上記不備を発見するには至りませんでした。
これらの内部統制の不備は、本件連結子会社における決算財務報告プロセスの整備及び運用状況の不備、当社における決算財務報告プロセスの運用状況の不備、当社及び本件連結子会社における全社的な内部統制のうち、リスクの評価と対応、情報と伝達、ITへの対応及びモニタリングに関する運用状況の不備であり、財務報告に重要な影響を及ぼすものであるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。これを受けて訂正の対象となる内部統制報告書の評価結果に関する事項を訂正するに至りました。
当該事実の判明が当事業年度の末日以降であったため、訂正の対象となる内部統制報告書の提出日においては、当該開示すべき重要な不備を把握することができず、2023年3月期の内部統制は有効と判断するに至り、訂正の対象となる内部統制報告書に記載することができませんでした。
3.訂正箇所
訂正箇所は を付して表示しております。
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
記
2023年6月30日、当社は内部統制報告書を提出いたしました。当時、当社の経営者は、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した結果、2023年3月31日における当社の財務報告に係る内部統制は有効であるとの結論を下しました。しかし2024年3月期に、当社の連結子会社であるニシカワ・シーリング・システムズ・メキシコ S.A.DE C.V.(以下「本件連結子会社」といいます。)において、棚卸資産の帳簿価額と実際残高との間に多額の差異があることについて会計監査人より指摘を受けたことを契機として社内調査を行った結果、当社及び本件連結子会社における全社的な内部統制の不備並びに決算・財務報告プロセスの不備に起因した、棚卸資産に関する単価の誤り、数量誤り及び決算整理仕訳の誤りによる棚卸資産の過大計上と、これに伴う売上原価の過少計上が判明いたしました。これを受けて当社は2023年3月期及び2024年3月期の第1四半期から第3四半期までの四半期報告書、並びに2023年3月期の有価証券報告書について修正を実施しました。
これらの誤りを社内の全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスにおいて発見できなかったことについては、主に下記の内部統制における開示すべき重要な不備があったと認識しております。
(全社的な内部統制における開示すべき重要な不備)
(1) 本件連結子会社において、棚卸資産に関連する決算処理につき、内部統制の構築が不十分であり、業務が一部属人化していました。
(2) 当社の管理統括本部内におけるグローバル経営戦略本部において、各連結子会社の決算体制につきモニタリングは実施していたものの、業務の引継ぎの状況や親会社からの支援の要否について十分な検討ができておらず、また、関連部署への情報伝達が十分に行われていませんでした。
(3) 本件連結子会社において使用されている在庫管理システムの仕様に関する理解が不十分であり、棚卸資産の単価に与える影響が把握されておらず、在庫管理システムの運用管理が十分に機能していない状況でした。
(決算・財務報告プロセスにおける開示すべき重要な不備)
(1) 本件連結子会社における棚卸資産に関連する決算処理につき、業務手順書、マニュアルの整備が不十分であり、また担当者の交代に際して十分な引継ぎもできていませんでした。
(2) 棚卸資産の残高明細表の合計金額と試算表残高を照合し、差異に関する調査がなされるべきところ、両者に差異が発生しているにもかかわらず、十分な調査がされていませんでした。
(3) 上位者や他担当者による残高明細表内において異常な項目を検知する手続及び残高明細表の合計金額と試算表残高の整合性の検討や、差異調整をする際の決算整理仕訳の査閲が求められるべきところ、これらの手続きが適切に実施されていませんでした。
(4) 本件連結子会社における決算数値の比較分析により異常値を発見すべきところ、実施された決算数値の比較分析に不十分な点があり、異常な数値の推移を十分に捕捉できる運用になっていませんでした。
(5) 当社による連結子会社の財務諸表数値の分析により異常値を発見すべきところ、分析方法に関するマニュアルが不十分であり、モニタリングが十分に実施できていませんでした。
当社は、これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスについて、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
上記の開示すべき重要な不備については、当事業年度末日以降に判明したため、当該開示すべき重要な不備を当該事業年度末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、財務諸表及び連結財務諸表において適切に反映しております。
当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、当社及び本件連結子会社において下記を含む再発防止策を講じて、適切な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
(全社的な内部統制)
① 本件連結子会社における決算処理の文書化状況の調査及び不足部分についての文書化
② グローバル経営戦略本部における内部統制の役割を強化し、各連結子会社の状況把握を行うとともに、支援の要否を検討
③ 本件連結子会社で使用されている在庫管理システムの仕様の理解にもとづく補正手順の文書化および担当者への教育の実施、ならびにシステム運用管理体制の見直し
(決算・財務報告プロセス)
① 担当者の交代による引継ぎが適切にできるような新たな手順書の作成と教育の実施
② 各勘定科目明細表の査閲に関する業務手順書の作成と上位者、別担当者による承認の徹底
③ 本件連結子会社における各勘定明細や業務システムと試算表との一致確認の徹底及び決算整理仕訳について、仕訳作成者・システム入力者以外の上位者による査閲及び承認の徹底
④ 本件連結子会社における財務数値の比較分析方法について手順書の作成と教育の実施
⑤ 当社経理部における連結子会社の財務諸表数値の分析方法について手順書の作成と教育を行うことによるモニタリングの強化
以上