第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症における活動制限の緩和により経済活動が正常化、サービス需要や設備投資の拡大傾向など、緩やかな回復が続くことが期待されました。一方、世界的な金融引き締めに伴う景気の減速、長期化する物価上昇による消費の落ち込みや人手不足の深刻化など、依然として先行き不透明な状況も継続しております。

このような環境のもと、企業や自治体における業務効率の向上を期待したデジタル化やDX関連投資が引き続き増幅しております。情報セキュリティ業界では管理体制における課題、またSNS普及による炎上事象などインシデントが多数発生、社会経済活動に与える影響は拡大かつ深刻化しており、対策を提供する当社グループへのニーズは、これまで以上に高まっております。これらの社会的な追い風を受けて、3事業ともに当第3四半期連結会計期間の黒字化を達成しました。一方で、投資有価証券評価損29,999千円を特別損失として計上いたしました。

 

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4,751,318千円(前年同四半期比47.1%増)となり、EBITDAは376,475千円(前年同四半期比66.4%増)、営業利益は102,303千円(前年同四半期比7.8%増)、経常利益は68,477千円(前年同四半期比91.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9,811千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,167千円)になりました。

 

(注) 当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から非現金支出項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。

・EBITDA=税引前四半期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 ①デジタルリスク事業

 デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスク対策を支援するソーシャルリスク対策と営業秘密情報の持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。

 ソーシャルリスク対策は、リスク検知時の初動対応コンサルティングを含むWebリスクモニタリングを主力サービスとして提供しています。また、SNSリスク低減のための社内規程作成支援や従業員向け研修の提供など、幅広い形で企業のSNSリスク対策サービスを支援致しました。

 インターナルリスク対策は、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出し対策や、経済安全保障の観点による情報管理強化支援を目的に製造業・金融業を中心に新規導入が進み、KPIとしていたユーザーID数が2024年2月期の目標の20万を大きく上回り、25万IDに達しました。上期に進めていた提供体制の強化が業績貢献に繋がっております。また、さらなるリード獲得を目指し、展示会・イベントへの出展を増加させ、順調にリード獲得を進めています。

 

 以上の結果、売上高は1,929,937千円(前年同四半期比13.2%増)、セグメント利益は825,200千円(前年同四半期比32.1増)となりました。

 

②AIセキュリティ事業

AIセキュリティ事業は、フィジカルな警備事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備業界のDXを推進しております。
 株式会社AIKの主要サービスである「AIK order」については、登録者数拡大が続いており、案件成約数CMGRが24.5%で成長しています。さらに、警備サービスを提供する株式会社And Security、ISA株式会社、SSS株式会社と共同開発した、警備管制業務をデジタル化する「AIK assign」のサービス提供を開始いたしました。
 また、警備サービスにおいては、イベント再開や警備業界の人手不足による需要増加を取り込み、前期から強化してきた警備員の採用活動も奏功し、順調に業績を拡大しております。

 

 以上の結果、売上高は1,094,787千円(前年同四半期比11.1%増)、セグメント損失は566千円(前年同四半期は21,034千円のセグメント損失)となりました。

 

③DX推進事業

DX推進事業は、行政の住民サービスのデジタル化支援、エンジニアなどのDX人材の派遣サービス、プロパティマネジメントサービスを展開しています。

行政の住民サービスのデジタル化支援では、デジタル田園都市国家構想の追い風を受けながら、各自治体への住民総合ポータルアプリの横展開が進んでいます。そこで、複数プロジェクトを推進できる社内体制構築、DX人材の派遣サービス強化に向けた採用活動を強化しております。

エンジニアなどのDX人材の派遣サービスにおいては、株式会社JAPANDX、株式会社GloLing、プレイネクストラボ株式会社の3社の業務連携強化を目的に、オフィス統合や人材交流などの取り組みを推進しております。

 

以上の結果、売上高は1,799,781千円(前年同四半期比211.6%増)、セグメント利益は46,800千円(前年同四半期は100,803千円のセグメント損失)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は6,672,600千円となり、前連結会計年度末に比べ、672,198千円増加いたしました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加303,982千円、ソフトウエアの増加115,864千円、のれんの増加117,487千円であります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は4,320,183千円となり、前連結会計年度末に比べ、654,796千円増加いたしました。主な要因は、短期借入金の増加378,600千円、1年内返済予定の長期借入金の増加153,389千円、長期借入金の増加111,915千円であります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,352,417千円となり、前連結会計年度末に比べ17,401千円増加いたしました。主な要因は、資本金の増加6,000千円、資本剰余金の増加15,900千円、その他有価証券評価差額金の減少23,838千円であります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1,546千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 従業員数

 ① 連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、デジタルリスク事業は14名、AIセキュリティ事業は15名、DX推進事業は70名増加しております。DX推進事業の大幅な増加は、2023年6月のプレイネクストラボ株式会社の連結子会社化によるものであります。

 

 ② 提出会社の状況

   当第3四半期累計期間において、当社の従業員数の著しい増減はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

   当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。