当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてUSSグループが判断したものです。
(会社の経営理念)
USSグループは、「1.公正な市場の創造、2.会員との共生、3.消費者への奉仕、4.株主への還元、5.社員の尊重、6.地域への貢献」を企業理念として掲げ、中古車流通総合企業として社会に貢献し、お客様や社会に信頼される企業を目指しております。
(会社の経営の基本方針)
「Challenge to Next Stage」
-USSは中古車流通業界をリードする総合企業に変わります-
① 社会に貢献できる中古車流通総合企業を目指します
② お客様や社会に信頼される企業を目指します
③ グループ総合力により変化に対応できる企業を目指します
④ 将来のUSSグループを担う自立した人材を育成します
⑤ 株主を重視した経営を行います
(目標とする経営指標)
健全な財務体質を維持し、資本効率を重視した経営を標榜し、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として捉え、中期的に15%以上の水準を目指してまいります。
(中長期的な会社の経営戦略)
USSグループは、会社の経営の基本方針に「Challenge to Next Stage」を掲げ、以下の重点課題に取り組んでまいります。
① 社会に貢献できる中古車流通総合企業を目指します
・ 最新の技術を開発・導入することにより、公正かつ透明性の高いオークションを運営します。
・ インターネットなどのチャネルを拡充し、全国共通のサービスを提供します。
・ 地球環境を守るため廃車の適正処理を行い、リサイクル事業を強化します。
② お客様や社会に信頼される企業を目指します
・ オークション運営の質を向上し、全国共通のサービスを提供します。
・ IT管理体制を再構築し、災害対策も含め情報セキュリティを強化します。
③ グループ総合力により変化に対応できる企業を目指します
・ グループ会社間の連携を強化し、事業環境の変化に対応します。
・ 中古車オークションを軸にして、他企業との連携を積極的に推進します。
・ 新事業に積極的に取り組みます。
④ 将来のUSSグループを担う自立した人材を育成します
・ 社員の自立を促す新たな人事制度を導入します。
・ 教育・研修制度を充実させ、将来の経営を担う人材を育成します。
⑤ 株主を重視した経営を行います
・ 株主への利益還元を最重要課題の一つとして認識します。
・ 連結ベースの配当性向55%以上を基本方針とします。
これらの活動を通して、USSグループはさらなる事業成長を達成し、中古車流通業界をリードする総合企業を目指します。
(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
新車販売台数は、依然として低水準で推移しているものの、半導体不足の緩和などにより、今後徐々に回復するものと見込まれます。
このような経営環境の中、オートオークション事業では利便性向上を図るなど会員向けサービスを強化することにより出品台数を確保し、オートオークション業界における市場シェア拡大を目指してまいります。また、中長期的には、電気自動車の本格的な普及に備え、中古車市場における電気自動車の評価基準や車両検査体制などの確立に向けた研究開発を進めてまいります。
また、事業規模が拡大するリサイクル事業の更なる成長や、新規参入したオートローン事業など、新たなビジネスモデルを創出してまいります。
当社の中期的な事業戦略は以下のとおりです。
① オートオークション事業における会員の利便性向上
会員の利便性向上に資する設備投資については優先的に実施し、会員の満足度向上を図ります。
特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けて、デジタル投資を加速してまいります。
また、電気自動車の評価基準や車両検査体制の確立に向けた研究開発を進めてまいります。
② 事業拡大に向けた効果的なM&Aの実施
USSグループはM&Aを企業成長の機会と捉え、将来キャッシュ・フローの増加に繋がる案件については積極的な投資を行います。
③ 他業種企業との連携
業務・資本提携などの実施により、シナジー効果の獲得が見込まれる他業種企業との連携を模索します。
④中古自動車等買取販売事業の着実な成長
一般消費者等から直接買い付けた中古車を当社の主催するオートオークションへ投入することにより、セリの活性化を目指しながら着実な利益成長を目指します。
⑤リサイクル事業の拡大
新たなビジネスモデルの創出により成長を続けるリサイクル事業について、環境への貢献と利益成長の両面から事業拡大を目指します。
USSグループは、中古車流通総合企業として社会に貢献し、お客様や社会に信頼される企業を目指して事業を行っております。その実現にあたっては、ステークホルダーの皆様がUSSグループに求めるものや期待することを適切に把握し、事業活動に反映していくことが重要であると考えています。
グループの内部では、透明性の高い経営体制と健全かつ安定的な財務状況を確立するとともに、事業を担う自立した人材の育成を進め、グループ総合力を高めていきます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) ガバナンス
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、オートオークションを中核とした中古車流通ビジネスという事業領域において、継続的な事業拡大を通じて「企業価値の増大」を図ることを経営の目標とします。
株式会社である以上、株主価値の増大がその最重要課題であることは当然ですが、当社は、「公正な市場の創造」、「会員との共生」、「消費者への奉仕」、「株主への還元」、「社員の尊重」、「地域への貢献」という6つの企業理念を掲げているように、これらステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たした結果が「企業価値」であり、「株主価値」は「企業価値」を通じて実現するものであるとの認識に基づき、その経営を行っています。
また、企業が社会の一員である以上、その事業活動において社会規範を遵守すべきことは当然であり、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針およびコーポレートガバナンス・コードへの対応について、毎事業年度最終の定時取締役会にて評価し、次年度以降の改善計画を策定することにより、当社はアカウンタビリティ(説明責任)の履行と、透明性の高い経営を確保し、コーポレート・ガバナンスの向上に取り組みます。
詳細については「
(2)リスク管理
想定しうる経営戦略、業務運営、コンプライアンス、環境、災害等に係るリスクの発生頻度および発生した場合の大きさの分析、重大なリスクに関する回避または抑制策の検討、発生した場合の指示命令・行動基準等USSグループ全体のリスク管理体制の構築を図っています。
リスクは、(ⅰ)事業経営上のリスク、(ⅱ)日常的業務プロセスのリスク、(ⅲ)クライシス・リスクに大別し、リスク回避と業務の効率化を図っています。
会社が把握し認識している事業経営上のリスクについては、リスク情報として有価証券報告書等においてステークホルダーに開示するとともに、取締役会決議等重要な意思決定において十分に斟酌しております。
各事業所・子会社の「リスク・情報管理責任者」は、必要な情報を迅速かつ適確に本社統括本部総務部に通報するものとし、内部監査室および監査役は監査の一環としてリスク管理体制をモニタリングしています。
(3)TCFD提言への対応
USSグループは、地球温暖化を抑制して、自社グループの気候変動によるリスクの低減と、人やその他の生物が生息できる環境を守り持続可能な低炭素社会を形成していくため、エネルギー消費を抑え温室効果ガスの排出が少ないオークション運営をしていくことが、大きな社会的使命と考え、TCFDのフレームワークに基づき、情報開示(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)を進めています。
①ガバナンス
<取締役会の監督体制>
取締役会は、気候変動に関するリスクと機会について少なくとも年1回以上、代表取締役社長より報告を受け、課題への取り組みや設定した目標をモニタリングし、監督します。さらに、経営戦略、経営計画、年間予算、収益目標等の重要な事項については、必要に応じて気候変動のリスクと機会を検討したうえで意思決定がされています。
<気候変動に関する統括者>
気候変動に関する事項は、代表取締役社長が統括します。代表取締役社長は、気候変動が事業に与える影響の評価、適応していくための管理などを統括しています。
気候変動が事業に与える影響については、少なくとも年1回以上評価を行い、特定したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針・戦略の策定、計画・予算・目標等への反映などを行います。また、気候変動に関するKPIを設定し、実績をレビューするなど進捗状況を評価しています。代表取締役社長は気候変動について審議した事項を少なくとも年1回以上取締役会に報告し、取締役会の監督を受けています。
役員報酬の評価指数に「ESG外部評価」を新設
2022年6月21日開催の株主総会において役員報酬制度を改定し、株式報酬の業績連動指標の1つに「ESG外部評価機関による格付(MSCI ESGレーティングおよびCDP気候変動スコア)」を採用しました。
②戦略
<気候関連のリスク・機会の特定と評価>
USSは、気候関連のリスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でリスク・機会を特定し、複数のシナリオを設定して評価を実施しました。
<シナリオ分析>
USSは、当社の事業およびステークホルダーにとって重要となる可能性のある気候変動リスク・機会を特定し、複数の気候変動に関するシナリオ群を参照しながら、当社の「1.5℃シナリオ」と「現行推移シナリオ」を策定しました。さらに、シナリオ群の根拠データ(パラメータ)と社内外の情報に基づき、気候変動リスク・機会による事業インパクトと財務的影響度を評価しております。
・対象範囲: オートオークション事業 ※サプライチェーン全体をカバー
・対象期間: 現在から2050年まで
・参照シナリオ群
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1.5℃シナリオ |
現行推移シナリオ |
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シナリオ の概要 |
①政策・法規制の強化 ・カーボンニュートラルに向けた急速な排出量削減 ・炭素税(カーボンプライシング)の導入本格化 ②世界的なEV化の拡大 EV販売比率(乗用車)の急激な上昇 24.97%(2025年)→60.9%(2030年) |
①世界的なEV普及の遅れ 全世界のEV販売比率(乗用車) 17%(2025年)→25%(2030年) ②気候変動の影響が顕在化(注3) ・年平均気温:約4.5°C上昇 ・大雨や短時間強雨の発生頻度:約2.3倍に増加 ・日本沿岸の平均海面水位:約0.71m上昇 |
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参照 シナリオ群 |
・IEA NZE(ネットゼロシナリオ) (注1) ・RCP 1.9、SSP1-1.9 (注2) |
・IEA STEPS(公表政策シナリオ) (注1) ・RCP 8.5、SSP5-8.5 (注2) |
注1: IEA (国際エネルギー機関)「World Energy Outlook 2022」より
(https://www.iea.org/reports/world-energy-outlook-2022)
注2: IPCC 「AR5」「AR6」より
(https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/)、(https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th)
注3: 日本の気候変動予測については、文部科学省、気象庁 「日本の気候変動 2020」より
(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/index.html)
シナリオ分析のサマリー
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シナリオ分析結果 |
財務インパクト |
対応戦略 |
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移行リスク <1.5℃ シナリオ> |
温室効果ガスの排出量実質ゼロ実現のため、欧州に準ずる形で日本でも炭素税(カーボンプライシング)が導入され、エネルギーコストが増加する |
CO2を削減しなかった場合の税負担 2030年:約3.0億円 2050年:約5.4億円 |
再生可能エネルギー(太陽光発電)導入の推進
CO2フリー電気の購入
非化石証書の活用 |
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ガソリン車の販売を禁止する国が増え、日本からの中古ガソリン車の輸出需要が低下するため、当社のオークションの成約率が低下する |
グローバルの内燃機関車(販売台数)は、2025年の75百万台をピークに2030年には43百万台まで減少 |
EVの出品台数拡大に向けた施策の推進
公正・公平な取引と資源循環のためのスキームを創造し続けるための事業ポートフォリオの拡充 ・リサイクル事業の拡大(循環型社会への貢献) ・オークションデータ(ビッグデータ)の有効活用 ・オークション周辺事業の創出(オートローン) |
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サーキュラーエコノミーの進展により、シェアリングサービスが普及し、EVを購入して保有する人が減る。また、EV製造メーカーが、自身のサプライチェーン内でEV流通の囲い込みを行う |
EVの販売比率が増加し、EVを購入して保有する人が減った場合、またはEV製造メーカーが、自身のサプライチェーン内でEV流通の囲い込みを行った場合、当社オークションへの出品台数が減少する |
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投資家による気候変動リスクを踏まえた投資行動や、投資先へSBT認定を求める動きが定着・拡大する |
気候変動対策が遅れた場合、ステークホルダーからの信頼が低下し、取引などに影響が出る |
SBT認定の取得 ※現在申請中 (SBT基準に整合した削減目標の設定) |
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機会 <1.5℃ シナリオ> |
脱炭素化に向け、ガソリン車からEVへの買い替え需要が加速し、当社のオークションへの出品台数が増加する |
グローバルの全乗用車販売台数は、2030年に向けて増加し、全乗用車販売台数に占めるEV販売比率も急激に上昇する <全乗用車販売台数とEV販売比率> 2020年実績 74.5百万台 (4.00%) 2025年予測 100.5百万台(24.97%) 2030年予測 110.0百万台(60.90%) |
EVの出品台数拡大に向けた施策の推進 ・EV用充電設備の拡充 ・EVの評価基準や車両検査体制などの確立に向けた研究開発
オークション出品時の出品票のデジタル化の拡大を初めとする業務の効率化推進 |
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EVに関する業界をリードする新検査技術やルールの開発により、当社のオークションへの出品台数が増加する |
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物理的リスク <現行推移 シナリオ> |
台風等によってオークション会場等への被害が発生し、営業停止などが起こる。また、設備復旧への追加コスト等が発生する。損害保険料も増加する |
台風被災(停電等)によりオークションが1開催休止となった場合で約2億円(名古屋会場)の売上減 |
BCP(事業継続計画)の定期的な見直し
ハザードマップ確認による浸水リスクの把握、避難訓練の拡充
災害に備えたデータ管理体制の確立 |
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海面上昇に伴って洪水や高潮が増加し、沿岸部にあるオークション会場が被害を受けることで、オークション会場の建て替えや移転などの対応コストが発生する。 |
海面上昇により沿岸部のオークション会場が移転する場合、50~100億円超規模の設備投資が新たに必要 |
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平均気温が上昇し、従業員の熱中症リスクが高まる |
施設内の空調コストや熱中症対策コストが増加 |
<気候変動に対する移行計画>
USSグループは、気候変動を緩和するための移行計画(ロードマップ)を策定し、取締役会にて審議・決議して2023年6月より運用を開始いたしました。ここで示す移行計画は、USSグループの取り組みのサマリーです。
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項目 |
内容 |
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目標 |
USSの気候変動の目標は、2031年3月期のGHG排出量削減目標を、Scope1とScope2の合計で2022年3月期比で42%削減、Scope3で25%削減としており、国際イニシアチブであるSBTの認定を現在申請中です。 |
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Scope1とScope2の 排出量削減 |
USSグループが直接排出するGHG排出量の削減には、①省エネの推進、②再生可能エネルギーの活用の2つのアプローチを取ることが必要となります。 再生可能エネルギーは、新たな再生可能エネルギー電源を世の中に追加し増やしていくことで、社会の脱炭素化に貢献するという観点から、オンサイトの太陽光発電導入を推進しています。具体的には、オークション会場の屋根にオンサイトPPA方式の太陽光発電設備を設置する方式を採用し、名古屋会場およびR名古屋会場で稼働を開始しております。今後、他のオークション会場にも積極的に太陽光発電設備の導入を進めてまいります。 |
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Scope3の排出量削減 |
USSグループのバリューチェーンGHG排出量の約95%がScope3であり、削減にはUSSグループ外部の多くのステークホルダーの協力が必要となります。 USSグループのScope3では、「GHGプロトコル」で定めた15のカテゴリーのうち、販売した製品の使用に伴う排出であるカテゴリー11が最も多く約50%を占めています。購入した製品、サービスに伴う排出であるカテゴリー1も約23%と大きな割合となっていますので、これらのカテゴリーを重点的に削減してまいります。 Scope3の削減は、USSグループだけではなく社会全体の課題でもあることから、顧客やサプライヤーとのエンゲージメントを重視します。一部のカテゴリーにて、サプライヤーからの排出量データの収集を開始しており、課題を共有しながら啓蒙活動やエンゲージメントキャンペーンの実施を進めてまいります。 |
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今後 |
USSグループの移行計画の中核をなすロードマップについては、最新の社内外の環境変化を見直し、必要に応じて更新することで、計画の精度を高めてまいります。 また、移行計画に対する進捗状況を毎年取締役会に報告することで、取締役会より適切な監督を受ける体制といたします。 |
③リスク管理
<気候変動のリスクと機会を特定し評価する仕組み>
気候変動に関する事項を統括する代表取締役社長は、気候変動の影響について、社内の関係部署とグループ会社の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況の把握を行います。リスクの評価については、検討した対応方法とともに、少なくとも年1回以上、また必要に応じて取締役会に報告されます。取締役会は、リスク管理の状況と対応を含めた気候変動に関する事項について、代表取締役社長より報告を受け、課題への取り組みや設定した目標を監督します。
<気候変動のリスクを管理する仕組み>
気候変動に関する事項を統括する代表取締役社長は、気候変動の影響を特定・評価するプロセス、特定した影響を管理する仕組み、組織全体のリスク管理の中に統合する仕組みを含め、気候変動に関する企画・立案、管理を行い、取締役会に報告・提言するとともに、全社的な気候変動への対応を推進します。また、特定した気候変動の影響と対応について、少なくとも年1回以上、また必要に応じて取締役会へ報告・提言を行うことで、気候変動の影響を全社リスクに統合する役割を担っています。
取締役会は、報告・提言された気候変動の影響と対応について審議を行い、評価します。さらに、特定したリスクの最小化に向けた方針・戦略の策定、計画・予算・目標等への反映など、全社的なリスク管理の観点から適切に適応していくための審議・調整を行います。
④指標と目標
USSグループでは、気候関連リスク・機会の管理に用いる目標として、SBT基準に相当するCO2排出量の削減目標を設定しました。※SBTイニシアチブへ現在申請中
この目標を達成するため、オンサイトの太陽光発電設備の推進やCO2フリー電気への切り替えによるGHG排出量の削減に取組んでいます。
CO2排出量削減目標 (基準年: 2022年3月期)※SBT基準に相当する目標
<Scope1・2合計排出量>2031年3月期までに42%削減
<Scope3排出量> 2031年3月期までに25%削減
(4) 人的資本に関する取り組み
①人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
USSグループの成長性や競争力を支えているのは、一人ひとりの社員です。このため、社員が持てる能力を最大限に発揮し、積極的に業務を遂行できる環境を整えています。
また、社員が安心して働くことができ、互いに尊重し合いながら能力を伸ばすことができるような職場づくりや評価・処遇制度の構築にも力を入れています。
(女性活躍方針)
当社グループでは、雇用機会や待遇において、性別に関わらない公平の実現に努めています。採用については、将来性のある人材を多数採用するとともに、中途・新卒に関わらず、優秀な人材を積極的に登用しています。また、当社の取締役のうち2名は女性の社外取締役で、取締役における女性比率は28.5%となっています。
2022年5月には、女性の活躍を促すための研修をスタートしました。管理職層と女性社員のそれぞれに対し、組織づくりや働き方改革に関する研修を実施しています。2022年度の女性管理職比率は0%ですが、2025年度に5%、2030年度に10%を目指しています。
女性管理職比率の実績および目標(株式会社ユー・エス・エス単体)
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当連結会計年度末(実績) |
2025年度(目標) |
2030年度(目標) |
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管理職(次長職以上) |
0% |
5%以上 |
10%以上 |
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管理職候補層※ |
全体 364名 (うち女性52名) |
- |
- |
※次世代の管理職候補となる役職者(副主任から課長まで)を管理職候補層として定義しております。
(外国人の管理職への登用)
外国人については、採用者が若干名であるため、管理職への登用に関する具体的数値目標を設定しておりませんが、今後、更なる多様性の確保に向け、その設定の必要性について継続して検討を進めてまいります。
(中途採用者の管理職への登用)
当社は、中途採用者の割合が高く、新卒採用者の年次が比較的低いため、当社管理職における中途採用者の割合は100%となっております。このため、中途採用者の管理職への登用に関する具体的数値目標を設定しておりませんが、中途採用・新卒採用に関わらず、優秀な人材の積極的な登用を徹底しています。
(多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況)
当社グループは、企業の構成員として、互いに人種、民族、国籍、性別、宗教、信条、障がいの有無、性的指向・ジェンダーアイデンティティなどによって差別してはならないことを「USS行動・倫理規範」で明文化し、徹底を図っています。
当社グループは、経営方針として、将来の当社グループを担う自立した人材の育成を打ち出しております。これを実現するため、新入社員教育、接客マナー・身だしなみ教育、管理職向け研修、車両検査員の教育・育成などを実施しています。
また、当社グループでは、繁忙期における長時間労働を削減し、働きやすい職場を目指して、残業の管理を徹底してきました。長時間労働を防止・改善するため、業務の効率化やシフト制を導入するほか、会場ごと、子会社ごとの労働時間について取締役会等で報告を行うとともに、必要に応じて対策を協議しています。2021年度の月間平均残業時間は23.2時間、2022年度の月間平均残業時間は29.3時間、となっております。引き続き、月間平均残業時間20.0時間以内を目標として、業務の効率化や先進技術の導入により、働きやすい職場環境づくりを進めてまいります。
(検査員育成制度の導入)
当社は創業以来、公正・公平なオートオークション運営に取り組んでおり、当社検査員が出品車両を10段階で厳正に評価しております。各会場では、当社独自の資格を取得した車両検査員が検査を担当しております。当該資格を取得するまでに平均2年以上かかっておりましたが、出品台数の増加、検査品質の向上および就業環境の改善等に対応していくため、2023年4月より「検査員養成研修制度」を導入しました。名古屋会場にて集合研修を行い、8か月での検査員育成に取り組んでおります。
②指標及び目標
USSグループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人的資本に関する目標および方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。
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指標(KPI) |
対象範囲 |
実績(年度) |
目標 |
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2020 |
2021 |
2022 |
|||
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車両検査員資格3級以上 資格保有者数(名) |
株式会社ユー・エス・エス |
258 |
261 |
255 |
- |
|
車両検査員資格3級取得に かかる平均期間(月) |
株式会社ユー・エス・エス |
26 |
26 |
26 |
8か月での車両検査員資格3級取得 |
|
女性の役職者登用(%) (副主任以上) |
株式会社ユー・エス・エス |
5.9 |
6.8 |
7.6 |
社員全体の8%以上 |
|
管理職の女性比率(%) |
株式会社ユー・エス・エス |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
2025年度5%以上 2030年10%以上 |
|
有給休暇取得率(%) |
株式会社ユー・エス・エス |
50.6 |
64.4 |
63.3 |
60%以上を維持 |
|
障がい者雇用率(%) |
株式会社ユー・エス・エス |
1.63 |
2.09 |
2.48 |
法定雇用率(2.3%)以上を維持 |
|
月間平均残業時間(時間) |
株式会社ユー・エス・エス |
17.7 |
23.2 |
29.3 |
20.0時間以内 |
|
離職率(%) |
株式会社ユー・エス・エス |
2.9 |
4.7 |
6.0 |
5%以下 |
|
労働災害件数(件) |
株式会社アビヅ |
3 |
2 |
3 |
0件 |
|
休業災害度数率 |
株式会社アビヅ |
9.47 |
6.53 |
9.33 |
6.0以下 |
|
休業災害強度率 |
株式会社アビヅ |
1.55 |
0.99 |
0.05 |
0.5以下 |
|
外部研修受講率(%) 正社員以上対象(出向者除く) |
株式会社アビヅ |
3.5 |
48.2 |
100.0 |
50%以上 |
USSグループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてUSSグループが判断したものであります。
(公的規制等)
USSグループは、国内において、古物営業法、環境・リサイクル関連法等の法的規制の適用を受けております。USSグループにおきましては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しておりますが、将来において、現在予測し得ない法的規制が設けられる可能性があり、これらの法的規制に係る指摘を受けた場合、USSグループの事業活動が制限されるおそれがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(会員およびオークション参加の勧誘および確保について)
USSグループの事業にとって、新会員の勧誘、既存会員の確保、会員のオークション参加促進は重要な施策となります。しかし、下記の場合などには、これらの施策に支障が生じる可能性があります。
・ 競合他社がUSSグループの提供しないサービス、施設または便益を提供する場合
・ オークション会場での出品台数・成約率が競合他社と比べて低い場合
・ 役員および従業員の行為がUSSグループの評判に悪影響を与える場合
・ 大口出品業者が、何らかの理由で他の販路を選ぶ場合
(出品車両の調達について)
オートオークション事業はオークション出品車両の調達に大きく依存しており、車両の供給が不足する場合には、最適な規模でのオークション開催ができない可能性があります。
現状、出品車両の調達は大口出品業者にある程度依存しており、USSグループはこれらの業者の参加促進のために、手数料の大口割引制度を実施しています。将来USSグループが手数料などの条件を変更した場合には、これらの大口出品業者等の出品台数に影響を与える可能性があります。また、今後とも必要な出品台数を確保できるという保証はなく、これが事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
(成約率の低下について)
USSグループは、過去において成約率(オークション出品車両のうち売買契約が締結された割合)の低下を経験しています。成約率の低下は、出品台数に影響を与える可能性があります。
(既存設備拡張の限界について)
USSグループの既存設備における事業拡張については、必要とする駐車スペースの確保等の面で能力に限界があります。駐車スペースの拡張には、土地の購入、賃借または立体駐車場の建設など、大規模な設備投資が必要となります。
(新しい施設に関連するリスクについて)
USSグループはオークション会場の新設ならびに同業者の買収により事業を拡大しておりますが、今後とも事業拡大のために、会場の新設、同業者の買収や提携を進める可能性があります。このような事業拡大には下記のようなリスクをともないます。
・ 新設や買収したオークション会場で十分な量の会員または出品車両を確保できない可能性があります。
・ 買収や合併に際しては、偶発債務もしくは簿外債務、経営上の問題、権利の瑕疵など、不確実な要因が残る場合があります。
・ 事業の拡張によって拡大、複雑化する組織を適切に監督するため、当社の経営負担は増大する可能性があります。
・ オークション会場の拡張や移転をするためには、当局による各種許認可を取得する必要があります。これらの許認可の取得に支障が生じた場合には、計画を遅延または中止しなくてはならない可能性があります。
(資産の減損)
企業買収などにより取得したのれんをはじめ、USSグループの保有する減損会計の対象となる資産について、将来キャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収できないと判断される場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することになります。保有資産に係る将来キャッシュ・フローの見込みにより、減損損失を計上することとなった場合、USSグループの事業展開、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(市場全体の成長の限界について)
現在、日本における自動車流通市場は成熟しており、成長の余地は大きくはないものと考えられます。USSグループの事業は、オートオークションの利用者にとって有益な自動車流通システムを開発し、これを浸透させることが重要でありますが、USSグループが競合他社を凌ぎ、市場シェアを拡大することができない場合には、収益の減少、成長率の低下等に結びつく可能性があります。
これまでUSSグループは各営業地域のオークション会場において高いシェアを確保してきました。しかし、競合他社が積極的な事業の拡大を行ったり、合併や提携を進めた場合、これらの企業がUSSグループにとって対抗できない大規模な施設、サービス、その他便益を提供する可能性があります。一方、自動車メーカー等がその系列販売会社の流通網を活用し、新たな中古自動車の流通形態を構築したときには、強力な競争相手となり得ます。競争の激化はUSSグループの成長性、収益性に悪影響を与えかねません。またUSSグループが設定する手数料および各種料金は、常に競合他社よりも低水準であるという保証はありません。
(急激な技術革新について)
現車オークション、衛星TV回線およびインターネットを通じたオークション情報提供に関しては、急激な技術革新と顧客の需要の変化が市場の特徴となっており、USSグループの将来の成功は、急激な技術革新、サービス競争の激化、需要レベルの高度化に対応していくことができるか否かによって決まります。しかしながらこれらの変化に順応できない場合、USSグループの事業、財政状態および業績は影響を受ける可能性があります。さらに競合するオークション会場が一層高度な電子商取引技術等を広範に取り入れた場合、USSグループはその対応のために相当な出費を余儀なくされる可能性があります。これらの出費はUSSグループの財源を圧迫し、事業計画の変更や、財政状態および業績に影響を与えるということもあり得ます。また、USSグループがこれらの技術を利用した競争力のあるサービスの提供を行うことができるという保証はありません。
(USSグループの集中管理について)
当社の連結対象子会社の管理業務全般は、当社統括本部にて集中管理をしており、データのバックアップをとるなどの対策を講じているものの、システムに何らかの支障が生じた場合には、業務に影響を与える可能性があります。
(会員情報の管理について)
USSグループのオークションは会員制オークションであり、会員の多くは中古自動車販売業を営んでおります。これらの会員の情報は、個人情報が含まれているため、個人情報保護方針に基づき厳正に管理をしておりますが、万一、漏洩した場合には、USSグループに対する信用の失墜につながり、業績に影響を与える可能性があります。
(自然災害、事故災害に関するリスクについて)
地震、台風、津波等の自然災害や火災等の事故災害が発生し、USSグループの拠点等が被災した場合、その一部または全部の操業が中断し、サービスの提供や販売ができなくなる可能性があります。また、被災した建物、設備等を復旧するために多額の費用が発生するおそれもあり、その結果、USSグループの事業、財政状態および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(パンデミックに関するリスクについて)
USSグループは、オークション会員や従業員の健康と安全確保を最優先とし、事業継続に必要な対策を講じてまいりますが、政府および地方自治体からの要請や指導等によっては、対面サービスをすべて休止し、インターネット等を活用した外部落札型オークションへ切り替える可能性や、オークション運営を休催または停止する可能性があります。
また、新車販売台数の低迷や、中古車輸出の仕向地における国境封鎖などによる中古車輸出台数の減少が国内のオークション取引を急激に縮小させる可能性があります。
併せて、USSグループのオークション会員が感染症の影響により財政状態が悪化し、その結果、事業継続が困難となった場合、安定的に推移していた取引の消失や債権の回収が困難となる可能性があります。
ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、記載した事項以外の予見しがたいリスクも存在します。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における国内自動車流通市場は、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には達していないものの、半導体不足が徐々に緩和していることなどから、新車登録台数(軽自動車含む)は4,385千台(前期比4.0%増)となりました。
中古車登録台数(軽自動車含む)は、当連結会計年度の前半に新車販売台数が大きく減少した影響で、下取りにより発生する中古車が減少したことなどから6,293千台(前期比4.2%減)となりました。((一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会調べ)
中古車輸出台数は、主にロシアやアラブ首長国連邦向けの台数が増加したことにより、1,290千台(前期比5.6%増)となりました。(財務省貿易統計調べ)
オートオークション市場における出品台数は7,275千台(前期比5.6%増)、成約台数は4,821千台(前期比2.2%増)、成約率は66.3%(前期実績68.5%)となりました。((株)ユーストカー調べ)
このような経営環境の中、USSグループの当連結会計年度における経営成績は、売上高88,778百万円(前期比9.0%増)、営業利益43,778百万円(前期比5.3%増)、経常利益44,491百万円(前期比5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30,008百万円(前期比0.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「その他」に含まれていた「リサイクル」について、量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載しており、前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
オートオークション
オートオークションの出品台数は2,958千台(前期比8.3%増)、成約台数は1,863千台(前期比4.3%増)、成約率は63.0%(前期実績65.4%)となり、出品台数が増加したことなどにより増収増益となりました。
この結果、オートオークションのセグメントは、外部顧客に対する売上高69,304百万円(前期比6.9%増)、営業利益42,267百万円(前期比5.1%増)となりました。
中古自動車等買取販売
中古自動車買取専門店「ラビット」は、販売台数の増加や高額車両の取扱いが増加したことから増収増益となりました。
事故現状車買取販売事業は、販売単価や販売台数が増加したものの、10月以降オークション相場が下落したことにより、粗利益が減少したことから増収減益となりました。
この結果、中古自動車等買取販売のセグメントは、外部顧客に対する売上高10,391百万円(前期比11.7%増)、営業利益130百万円(前期比4.6%減)となりました。
リサイクル
資源リサイクル事業は、廃自動車の取扱台数が減少したことに加え、金属スクラップ相場が好調であった前期と比べ利幅が縮小したことから、減収減益となりました。
プラントリサイクル事業は、大規模な解体工事の受注件数が増加したことから、増収増益となりました。
この結果、リサイクルのセグメントは、外部顧客に対する売上高8,982百万円(前期比24.1%増)、営業利益1,333百万円(前期比16.7%増)となりました。
財政状態の分析状況は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は242,352百万円となり、前連結会計年度末と比較して12,998百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が13,311百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は48,198百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,318百万円増加しました。これは主に、オークション借勘定が1,381百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は194,154百万円となり、前連結会計年度末と比較して11,680百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を30,008百万円計上したこと、剰余金の配当を17,323百万円実施したことに加え、自己株式の取得により1,632百万円減少したことによるものです。
なお、自己株式の消却により、資本剰余金が9,946百万円、利益剰余金が44,391百万円、自己株式が54,337百万円それぞれ減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して10,711百万円増加し、86,192百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は36,907百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益44,501百万円(前期比1.4%増)、減価償却費及びその他の償却費4,754百万円(前期比6.6%減)、法人税等の支払額13,816百万円(前期比3.4%増)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は9,074百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,100百万円(前期比263.8%増)、定期預金の純増加額3,600百万円(前期比260.0%増)、投資有価証券の取得による支出1,001百万円(前期実績-百万円)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は17,121百万円となりました。これは主に、配当金の支払額17,323百万円(前期比21.8%増)によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a) オートオークション
(1) オートオークションの実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
出品台数(台) |
2,731,669 |
2,958,598 |
8.3 |
|
成約台数(台) |
1,787,302 |
1,863,988 |
4.3 |
|
成約率(%) |
65.4 |
63.0 |
- |
|
成約車両金額(百万円) |
1,625,732 |
1,955,273 |
20.3 |
|
開催回数(回) |
876 |
881 |
0.6 |
(注)成約車両金額は、オートオークションによる成約(落札)車両取扱高であり、車両代金(消費税等を含まず)の総額であります。
|
(2) 登録会員数 |
(単位:社) |
|
区分 |
前連結会計年度末 (2022年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2023年3月31日現在) |
増減率(%) |
|
現車オートオークション登録会員数 |
48,362 |
48,490 |
0.3 |
|
衛星TV情報サービス登録会員数 |
2,081 |
1,981 |
△4.8 |
|
インターネット情報サービス登録会員数 |
33,359 |
33,934 |
1.7 |
|
(3) 1台当たり手数料の実績 |
(単位:円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
出品手数料 |
5,593 |
5,629 |
0.6 |
|
成約手数料 |
8,491 |
8,483 |
△0.1 |
|
落札手数料 |
12,924 |
12,880 |
△0.3 |
(注)1.出品手数料および成約手数料につきましては、大口出品会員に対する手数料割戻制度を有しており、割戻後の金額を記載しております。
2.上記手数料につきましては、連結相殺前の数値をもとに算出しております。
(4) JBAバイクオークションの実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
出品台数(台) |
125,000 |
137,039 |
9.6 |
|
成約台数(台) |
109,030 |
121,825 |
11.7 |
|
成約率(%) |
87.2 |
88.9 |
- |
|
開催回数(回) |
98 |
99 |
1.0 |
(5) 販売(営業収益)の実績
|
① 種類別販売(営業収益)の実績 |
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
出品手数料 |
15,198 |
16,570 |
9.0 |
|
成約手数料 |
15,088 |
15,721 |
4.2 |
|
落札手数料 |
23,076 |
23,985 |
3.9 |
|
バイクオークション手数料 |
888 |
1,014 |
14.1 |
|
商品売上高 |
1,491 |
2,659 |
78.2 |
|
その他の営業収入 |
9,113 |
9,354 |
2.6 |
|
合計 |
64,858 |
69,304 |
6.9 |
(注)1.顧客との契約から生じる収益およびそれ以外の収益を区分して記載しておりません。
2.バイクオークション手数料は、株式会社ジャパンバイクオークションが運営するバイクオークションの手数料であります。
|
② 会場別販売(営業収益)の実績 |
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
名古屋会場 |
9,407 |
9,854 |
4.7 |
|
九州会場 |
4,010 |
4,450 |
11.0 |
|
福岡会場 |
644 |
758 |
17.7 |
|
東京会場 |
14,741 |
15,518 |
5.3 |
|
岡山会場 |
1,326 |
1,461 |
10.2 |
|
静岡会場 |
2,061 |
1,982 |
△3.8 |
|
札幌会場 |
2,712 |
3,101 |
14.3 |
|
埼玉会場 |
865 |
947 |
9.5 |
|
群馬会場 |
1,014 |
1,054 |
4.0 |
|
東北会場 |
1,102 |
1,215 |
10.2 |
|
大阪会場 |
3,626 |
3,624 |
△0.1 |
|
横浜会場 |
3,560 |
4,013 |
12.7 |
|
R-名古屋会場 |
2,213 |
2,208 |
△0.2 |
|
神戸会場 |
1,763 |
2,093 |
18.7 |
|
北陸会場 |
376 |
450 |
19.8 |
|
新潟会場 |
818 |
919 |
12.3 |
|
JAA |
1,226 |
1,102 |
△10.1 |
|
HAA神戸 |
4,213 |
5,154 |
22.3 |
|
物流サービス |
348 |
349 |
0.4 |
|
衛星TV情報サービス |
1,110 |
1,048 |
△5.6 |
|
インターネット情報サービス |
6,394 |
6,547 |
2.4 |
|
金融サービス |
259 |
248 |
△4.0 |
|
バイクオークション |
1,059 |
1,200 |
13.2 |
|
合計 |
64,858 |
69,304 |
6.9 |
(注)1.顧客との契約から生じる収益およびそれ以外の収益を区分して記載しておりません。
2.HAA神戸には四国会場の営業収益を含めております。
(b) 中古自動車等買取販売
|
(1) 中古自動車買取店舗数 |
(単位:店舗) |
|
区分 |
前連結会計年度末 (2022年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2023年3月31日現在) |
増減率(%) |
|
直営店 |
15 |
15 |
0.0 |
|
フランチャイズ店 |
129 |
132 |
2.3 |
|
合計 |
144 |
147 |
2.1 |
|
(2) 種類別販売(営業収益)の実績 |
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
中古自動車買取販売 |
5,296 |
6,187 |
16.8 |
|
事故現状車買取販売 |
4,004 |
4,204 |
5.0 |
|
合計 |
9,300 |
10,391 |
11.7 |
(c) リサイクル
|
種類別販売(営業収益)の実績 |
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
資源リサイクル |
5,352 |
5,056 |
△5.5 |
|
プラントリサイクル |
1,885 |
3,925 |
108.2 |
|
合計 |
7,238 |
8,982 |
24.1 |
(注)当連結会計年度より、「その他」に含まれていた資源リサイクル事業およびプラントリサイクル事業を「リサイクル」の報告セグメントとして開示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるUSSグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、連結財務諸表に基づいて分析したものであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
USSグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、決算日における資産・負債の報告数値、各連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行っております。主にのれん、貸倒引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産等に対して、継続して評価を行っており、これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社は、国内オートオークション市場におけるシェアの向上および会員向けサービスの拡充による競争力強化の目的から、2023年1月に東京会場の立体駐車場を新築稼働いたしました。
新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には達していないものの、半導体不足が徐々に緩和していることなどにより新車登録台数が増加したことから、オートオークション市場全体の出品台数が前年を上回り、USSグループのオートオークションの出品台数は2,958千台(前期比8.3%増)となりました。また、リサイクルにおいて大規模な解体工事の受注件数が増加したことなどから、USSグループの当連結会計年度の売上高は、前期と比較して7,295百万円増加し、88,778百万円(前期比9.0%増)となりました。
売上原価は、前期と比較して4,425百万円増加し、35,135百万円(前期比14.4%増)となりました。増加した主な要因は、中古自動車等買取販売において同業他社との買取価格競争により仕入単価が上昇したほか、リサイクルにおいて大規模な解体工事の受注件数が増加したことによるものです。
販売費及び一般管理費は、前期と比較して666百万円増加し、9,864百万円(前期比7.3%増)となりました。増加した主な要因は、オートオークションにおける貸倒引当金繰入額が増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前期と比較して2,203百万円増加し、43,778百万円(前期比5.3%増)となりました。
営業外収益は、不動産賃貸料696百万円などにより915百万円、営業外費用は201百万円となりました。
特別利益は72百万円、特別損失は62百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比較して263百万円増加し、30,008百万円(前期比0.9%増)となりました。
USSグループの資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して10,711百万円増加し、86,192百万円となりました。これは、営業活動により得られた資金36,907百万円に対して、有形固定資産の取得など投資活動により支出した資金9,074百万円、配当金の支払いなど財務活動により支出した資金17,121百万円によるものであります。
なお、USSグループは、必要な運転資金および設備投資資金について自己資金または銀行借入により調達するものとし、当連結会計年度末における有利子負債残高は2,420百万円であります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。
当連結会計年度の業績は、2022年11月8日に公表した業績予想に対して、売上高は3,248百万円の増加(3.8%増)、営業利益は317百万円の増加(0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8百万円の増加(0.0%増)となりました。この主な要因は以下のとおりです。
売上高は、国内オートオークション市場において新車登録台数が増加した影響により、オートオークションにおいて出品台数が予想より142千台増加したことから予想を上回りました。
営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、オートオークションにおいて売上高が増加したことに加え、リサイクルにおいて大規模な解体工事の受注件数が増加したことにより売上高および粗利益が増加したことから、予想を上回りました。
当社の目標とする経営指標である自己資本当期純利益率(ROE)は16.2%となりました。今後もROEについては中期的に15%以上の水準を目指してまいります。
|
|
2023年3月期 (実績) |
2023年3月期 (予想) |
増減 |
増減率(%) |
|
出品台数(台) |
2,958,598 |
2,816,244 |
142,354 |
5.1 |
|
成約台数(台) |
1,863,988 |
1,858,620 |
5,368 |
0.3 |
|
成約率 |
63.0% |
66.0% |
△3.0ポイント |
- |
|
売上高(百万円) |
88,778 |
85,529 |
3,248 |
3.8 |
|
営業利益(百万円) |
43,778 |
43,460 |
317 |
0.7 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
30,008 |
30,000 |
8 |
0.0 |
|
自己資本当期純利益率(ROE) |
16.2% |
16.2% |
0.0ポイント |
- |
(注)2023年3月期(予想)は2022年11月8日に発表した予想であります。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識ならびに分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。