第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当中間連結会計期間における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかな景気回復の動きが見られました。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続による海外景気の下振れ、中東地域をめぐる情勢の深刻化・長期化によって原油価格の更なる上昇など、我が国の物価・経済に影響を及ぼし得るため注意が必要な状況が続いております。また、各企業の業況が回復しているのに伴い業種や規模に関わらず人手不足への対応が課題となっております。

当社グループの主力事業であるCRM(Customer Relationship Management)事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっております。こうした市場環境の中、顧客接点多様化に伴う対応領域の拡大とデータ活用により、業務品質や付加価値の向上に努めるとともに、新たな事業領域開拓を推進しております。当社グループは中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」、「型化(データ活用の高度化)」及び「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を加速させることで、持続的な成長の実現を目指してまいりました。

当中間連結会計期間においては、「型化」の取り組みとして、株式会社ブレインパッド(以下、「㈱ブレインパッド」)が提供するSNS分析ツール「Brandwatch Consumer Research」を用いた、UGC(User Generated Content:ユーザーが自発的に発信する口コミやレビューなどのコンテンツ)の収集・分析によるソーシャルリスニング・UGC活用の企画立案から施策の実行、運用までを一気通貫に支援・代行するサービスを提供開始いたしました。今後も、データ活用のプロフェッショナル集団である㈱ブレインパッドの豊富な知見と、当社が有するコンタクトセンター現場における応対実績とBPO運用ノウハウを掛け合わせた新たなサービスの創出により、企業のマーケティングDXへ貢献してまいります。また、自治体DXを支援する新たな住民接点サービスの更なる拡販を目的に、神奈川県鎌倉市と「電話対応業務に係るコールセンター実証実験に関する協定」を締結し、市民の利便性及び職員の業務効率向上に向けた効果検証を行うことを目的とした、市民等からの電話による問い合わせ対応の実証実験を開始いたしました。今回の効果検証の結果を基に、市民向けの「よくある質問(FAQ)」の整備、電話だけでなくメールやチャットなど複数チャネルを活用した全庁の問い合わせ一元化に向けた運用構築など、職員の業務効率化と市民の利便性向上を両立した提案を進めてまいります。

「共創」の取り組みとして、「生成AI」と「ヒト」のハイブリッド型コンタクトセンターの構築を目指し、参画企業間での事例共有などを行うユーザー企業参画型プログラムとなる、生成AI Co-Creation Lab.(コ・クリエーションラボ)を開始いたしました。本プログラムでは、コンタクトセンターの幅広い運用知見を持つ当社と、AIのシステムインテグレーションの実績を持つ伊藤忠テクノソリューションズ株式会社に加え、生成AI開発の最前線を担う日本マイクロソフト株式会社、Google Cloud及びアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社や、データマーケティング領域の支援を行う当社子会社の株式会社シンカー、自然言語処理領域の支援を行うベクスト株式会社などの各社が持つAI技術や専門知見を活用してまいります。2025年8月には中部電力グループのDX実績を持つ株式会社TSUNAGU Community Analyticsが参画し、当社と生成AIを活用したコンタクトセンターの「ノウハウ伝承」を実現する共同サービスを開発し提供開始いたします。今後も同様の企業の加入を促進し、2025年度までに約10社に本サービスの導入を目指してまいります。これからも生成AI Co-Creation Lab.がハブとなって解決すべき課題とテクノロジーを結び、生成AIを活用した先進事例を創出してまいります。また、当社と株式会社レイヤーズ・コンサルティングの合弁会社である、Horizon One株式会社は、熊本市と立地協定を締結し、熊本市内において3拠点目となる「熊本白川BPOセンター」を開設いたしました。新たに約100名の採用を予定しており、主に建設業界など人材不足が課題となっているクライアント企業に向けた、経理・人事・総務等の幅広い間接業務のBPO事業を進めてまいります。

 

 

「人材」の取り組みとして、2024年8月に健康経営アライアンスに参画いたしました。健康経営アライアンスは、「社員の健康を通じた日本企業の活性化と健保の持続可能性の実現」というビジョンに共感する416の企業・団体(2024年7月30日時点)が活動する組織であります。健康経営アライアンスでは、データヘルス計画に基づくPDCAサイクルの着実な遂行を通じて、健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創及び産業界への実装の実現を目指しております。今回の参画により、健康経営推進を目的とした他の参画企業との取り組み事例の共有や、勉強会への参加を通して、さらなる健康経営の強化を図ってまいります。

 

各セグメントの業績は以下の通りであります。

 

(CRM事業)

コロナ等国策関連業務が大幅に縮小したことにより、売上収益は前年同期比で減収となりました。また利益面では販管費の抑制等、収益改善活動を行っておりましたが、国策関連業務の縮小により、税引前利益は前年同期比で減益となりました。

この結果、CRM事業の売上収益は718億17百万円(前年同期比5.9%減)、税引前中間利益は46億3百万円(同27.1%減)となりました。

 

(その他)

コンテンツ販売収入が減少したため、その他のセグメントの売上収益は2億23百万円(前年同期比35.8%減)、税引前中間利益は62百万円(同42.0%減)となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上収益は720億40百万円(前年同期比6.1%減)、税引前中間利益は46億65百万円(同27.4%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は30億24百万円(同32.8%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の分析

流動資産は、主に営業債権が6億37百万円減少しましたが、現金及び現金同等物が18億23百万円増加したため、前連結会計年度末より12億67百万円増加し、295億64百万円となりました。

非流動資産は、主に有形固定資産が36億52百万円減少したため、前連結会計年度末より33億98百万円減少し、1,437億70百万円となりました。

これらにより、資産合計は前連結会計年度末より21億31百万円減少し、1,733億34百万円となりました。

② 負債の分析

流動負債は、主に借入金が53億円、その他の流動負債が19億22百万円及び未払従業員給付が14億27百万円それぞれ増加したため、前連結会計年度末より89億92百万円増加し、575億91百万円となりました。

非流動負債は、主に長期借入金が84億94百万円及びその他の長期金融負債が27億29百万円減少したため、前連結会計年度末より115億60百万円減少し、475億67百万円となりました。

これらにより、負債合計は前連結会計年度末より25億68百万円減少し、1,051億58百万円となりました。

③ 資本の分析

資本は、主に資本剰余金が22億15百万円減少しましたが、利益剰余金が30億24百万円増加したため、前連結会計年度末より4億37百万円増加し、681億76百万円となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、125億63百万円となりました(前年同期は84億1百万円の収入)。これは主に、税引前中間利益が46億65百万円、減価償却費及び償却費が47億11百万円、未払消費税等の増加額が19億20百万円、営業債権の減少額が6億21百万円及び法人所得税の支払額が8億49百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、16億37百万円となりました(前年同期は21億12百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が7億28百万円及び有価証券の取得による支出が7億円それぞれ生じたこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、90億87百万円となりました(前年同期は59億67百万円の支出)。これは主に、長期借入れによる収入が50億円、長期借入金の返済による支出が75億円、リース負債の返済による支出が34億76百万円及び配当金の支払額が24億37百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。

 

これらの結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、90億36百万円(前連結会計年度末比18億23百万円増加)となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。