当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年3月1日~2024年8月31日)におけるわが国の経済は、前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況が沈静化し、正常化が大きく進みましたが、インフレによって実質賃金の伸びが抑えられるなど力強さを欠き、緩やかな回復に留まっております。海外各国では、欧米ではインフレ減速と金融緩和に向けた動きの中で緩やかな成長基調にあるのに対し、中国経済は引き続き不動産不況を背景に内需が弱含んで成長に減速が見られるなど、地域間の跛行性が見られます。また、ロシアによるウクライナ侵攻は長期化、中東情勢の悪化もあって地政学的リスクは高止まり、資源・エネルギー価格の上昇や物流の遅延等が日本を含めた世界的なインフレに波及、各国の金融政策への影響を通じて為替相場の変動も引き起こし、経済活動に影響を及ぼすと共に先行き不透明感を高めております。
化粧品業界におきましては、国内では、メイクアップ製品を中心に、インバウンド需要も大きかった新型コロナウイルスの感染拡大前を依然下回っておりますが、消費マインドも大きく改善し、緩やかな回復・改善傾向が続いているものと思われます。昨年からは、新型コロナウイルス禍で低調だった新製品発売も大きく回復し、需要喚起に貢献しているものと思われます。海外においても、化粧品需要は改善の傾向にあるものと思われます。
当社グループにおきましては、国内・海外化粧品メーカーからの受注は増加、特に国内では新型コロナウイルス禍明けの新製品発売に向けた受注の波や、大口受注の獲得もあって、つくば工場第3期拡張等の設備投資によって実現した生産設備の稼働が向上しました。ただし、新製品の受注の波は一服、沈静化しており、工場の稼働水準は一旦弱含んでおります。また、特に国内での採用難による工数不足をまかなうための外注加工費の上昇や、原材料費や各種経費等もインフレで上昇していることから、各種コスト圧縮努力を継続し、収益性の維持・改善に取組んでおります。
今後も、化粧品需要の緩やかな回復・成長基調は継続していくと思われますが、全般的なインフレ、採用難や人件費上昇、金利上昇や為替変動等も継続しており、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢のような地政学的リスクも高止まりしていることから、引き続き経済全般の先行き不透明感は残ります。そのような経営環境下、黒字の継続と成長に向けて「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」の諸施策を着実に実行してまいります。お客様の新製品ニーズに対応した処方のご提供や生産対応などの要請に応え、中長期的には化粧品へのクリーン・ビューティー、SDGs等への対応といった当社の強みを更に強化するなど、変化し続ける環境で強みを活かして業績の改善を図るべく更なる努力を重ねてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.経営成績
売上高は、前連結会計年度からの新型コロナウイルス禍明けによる化粧品需要の回復に向けた、大口受注を含む国内・海外メーカーからの受注の増加と円安もあって、前年同期比29.2%増の9,505百万円となりました。
利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等により諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種経費等がインフレで上昇している中ではありますが、受注の大幅増による生産設備の稼働向上と各種コスト圧縮努力により、営業利益は前年同期比70.9%増の489百万円、経常利益は前年同期比56.0%増の424百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比16.4%増の252百万円となりました。
b.財政状態
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、1,011百万円増加し、18,098百万円となりました。総資産の増加は、流動資産が672百万円、固定資産が339百万円増加したことによるものであります。流動資産の主な増加要因は、受取手形及び売掛金が784百万円、電子記録債権が110百万円、棚卸資産が129百万円、流動資産のその他が114百万円増加し、現金及び預金が466百万円減少したことによるものであります。固定資産の主な増加要因は、建設仮勘定が315百万円、機械装置及び運搬具が139百万円増加し、投資その他の資産のその他が93百万円、建物及び構築物が61百万円減少したことによるものであります。
一方、負債合計は、前連結会計年度末に比べ、584百万円増加し、14,144百万円となりました。負債合計の増加は、流動負債が140百万円、固定負債が443百万円増加したことによるものであります。流動負債の増加要因は、賞与引当金が209百万円、短期借入金が165百万円増加し、流動負債のその他が101百万円、支払手形及び買掛金が69百万円、電子記録債務が63百万円減少したことによるものであります。固定負債の主な増加要因は、長期借入金が455百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、426百万円増加し、3,953百万円となりました。増加要因は、株主資本が親会社株主に帰属する中間純利益252百万円等により210百万円、その他の包括利益累計額合計が215百万円増加したことによるものであります。
当中間連結会計期間における所在地別セグメントの業績の概況は、次のとおりです。
(日本)
新型コロナウイルス禍明けで国内外の化粧品需要は回復の傾向にあり、国内・海外化粧品メーカー各社からの受注が増加、特に国内では新製品の受注の波と大口受注の獲得もあったことから、売上高は前年同期比40.2%増の6,888百万円となりました。利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等による諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種費用等もインフレで上昇している中ではありますが、大口受注等による生産設備の稼働向上で打ち返し、営業利益は前年同期比983.5%増の501百万円となりました。
(仏国)
子会社THEPENIER PHARMA & COSMETICS S.A.S.と子会社Nippon Shikizai France S.A.S.の所在する欧州は、当中間連結会計期間(1~6月)において、景気は依然として低迷、医薬品及び化粧品の受注は前連結会計年度の回復ペースが鈍化してユーロ建ての売上高は減収しましたが、円安の為に円建ての売上高は前年同期比4.9%増の2,652百万円となりました。利益面では、ユーロ建ての売上高の減収に加えて人件費や諸物価の高騰もあり、13百万円の営業損失(前年同期は240百万円の営業利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、448百万円減少し、927百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、241百万円(前年同期は877百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益424百万円、減価償却費438百万円、賞与引当金の増加額209百万円等による増加と、売上債権の増加額813百万円、仕入債務の減少額169百万円、法人税等の支払額139百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、637百万円(前年同期は300百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出654百万円等による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、397百万円(前年同期は566百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,433百万円と長期借入金の返済による支出908百万円、リース債務の返済による支出51百万円等によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、433百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。