第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行株式】

種類

発行数

内容

普通株式

2,750,000株

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。

なお、単元株式数は100株となっております。

(注)1.本発行登録追補書類による募集(以下「本募集」という。)は、2024年10月11日開催の取締役会決議によります。

2.本募集は、当社及びCVI Investments, Inc.(以下「割当予定先」という。)との間で本日付で締結されたEquity・Program・Agreement(以下「エクイティ・プログラム契約」という。)に基づき、2024年10月乃至2025年3月の間、当社が割当予定先に対して計4回にわたり当社普通株式(以下、計4回発行にわたり発行される株式を個別に又は総称して「本普通株式」という。)を割り当てるものの第1回目です。なお、エクイティ・プログラム契約に基づき、当社は割当予定先に対して新株予約権(以下「本新株予約権」という。)も割り当てる予定であり、当該新株予約権の募集について本日付で発行登録追補書類を提出しています。

3.振替機関の名称及び住所

名称:株式会社証券保管振替機構

住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

2【株式募集の方法及び条件】

(1)【募集の方法】

区分

発行数

発行価額の総額(円)

資本組入額の総額(円)

株主割当

その他の者に対する割当

2,750,000株

1,655,500,000円

827,750,000円

一般募集

計(総発行株式)

2,750,000株

1,655,500,000円

827,750,000円

(注)1.第三者割当の方法によります。

2.発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上の増加する資本金の額の総額であります。また、増加する資本準備金の額は、827,750,000円です。

 

(2)【募集の条件】

発行価格(円)

資本組入額(円)

申込株数単位

申込期間

申込証拠金(円)

払込期日

602円

301円

100株

2024年10月28日

2024年10月28日

(注)1.第三者割当の方法によるものとし、一般募集は行いません。

2.発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。

3.申込みの方法は、総数引受契約を締結し、払込期日に払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

4.払込期日までに、割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合、本第三者割当に係る割当は行われないこととなります。

5.本第三者割当の実施につきましては、当社と割当予定先との間で締結済みのエクイティ・プログラム契約に定められる本普通株式の割当の条件が成就する必要があります。

 

(3)【申込取扱場所】

店名

所在地

株式会社ispace 財務IRグループ

東京都中央区日本橋浜町三丁目42番3号

 

(4)【払込取扱場所】

店名

所在地

三井住友銀行 日比谷支店

東京都港区西新橋一丁目3番1号

 

3【株式の引受け】

 該当事項はありません。

 

4【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(百万円)

発行諸費用の概算額(百万円)

差引手取概算額(百万円)

1,655,500,000

500,000

1,655,000,000

(注)1.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

2.発行諸費用は、主に、弁護士費用、及びその他事務費用(印刷事務費用、登記費用)等からなります。

 

(2)【手取金の使途】

具体的な使途

金額(百万円)

支出予定時期

当社米国法人への投融資資金

1,655

2024年10月~2026年10月

(注)調達資金は実際に支出するまで銀行口座で管理いたします。

 

上記表中に記載した資金使途の詳細については、以下のとおりです。

 

当社米国法人への投融資資金

 当社の連結子会社であるispace technologies U.S., inc.に対して投融資を行い、主にミッション3のランダー製造費用の一部として1,655百万円を充当する予定であります。

 ミッション3のAPEX1.0ランダー(旧Series2ランダー)は、2026年の打上げ予定に向けて、開発は順調に進捗していると考えております。2023 年4月に当社初の月ミッションを行った旧Series1ランダーから得られたデータやノウハウを活用し、更なる性能の強化を目指し、開発を加速させてまいります。

 

第2【売出要項】

 該当事項はありません。

 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

ロックアップ等について

 当社は、エクイティ・プログラム契約において、割当予定先との間で以下の事項について合意しています。

①エクイティ・プログラム契約の締結日から第1回発行に係る払込日(2024年10月28日)までの期間及びエクイティ・プログラム契約に基づく各発行の各払込日に始まりその後90日目に終了する期間中(但し、各発行が行われない場合を除く。)、割当予定先の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式、当社普通株式に転換若しくは交換されうる証券又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を表章する証券の発行等を行わない旨を合意しております。但し、今般の資金調達(以下「本資金調達」という。)並びに本新株予約権又は発行済みの当社新株予約権等の行使による当社普通株式の交付(但し、発行済みの当社新株予約権等の行使により交付される当社普通株式の数は発行済株式数の5%以下とします。)、株式分割又は株式無償割当による当社普通株式の発行、株主への新株予約権無償割当及び当該新株予約権の行使による当社普通株式の交付、当社の取締役等への譲渡制限付株式の発行、譲渡制限付株式ユニットの付与若しくは譲渡制限付株式ユニットの権利確定に伴う株式の交付、又はストック・オプションの付与及び当該ストック・オプションの行使による当社普通株式の交付(但し、当該ストック・オプションが行使された場合に交付される当社普通株式の数は発行済株式数の5%以下とします。)、その他日本法上の要請による場合等を除く旨が定められています。

②本普通株式及び本新株予約権の全部を割当予定先が保有しなくなるまで、当社が株価連動取引(以下に定義される。)に関する第三者からの提案等を検討する場合、当社はまず、当該株価連動取引を検討する意向及びその主な条件等を記載した書面による通知を割当予定先に行わなければならない旨を合意しております。当該通知がなされた場合、当社は割当予定先の要求に従い、当該通知の日付から5営業日の期間、割当予定先と当該株価連動取引について排他的に誠実に協議するものとします。

 「株価連動取引」とは、(i)株式等価物(以下に定義される。)の当初発行後に、当該株式等価物における当社普通株式の取得に係る行使価額若しくは転換価額等が(A)当社普通株式の時価等に連動して決定又は変更されるもの、若しくは(B)当社の事業若しくは当社普通株式の取引市場に関連する事由の発生により調整されるものの発行若しくは売却に係る取引、又は(ii)当社が将来決定される価格に基づき証券を売却することを内容とする契約等の締結を意味します。

 「株式等価物」とは、当社又はその子会社の証券で、その保有者がいつでも株式の取得、転換等ができる権利を有するものを意味し、負債、優先株式、権利、オプション、ワラント若しくはその他の有価証券が含まれます。

③当社がエクイティ・プログラム契約に定める取引(当社の連結財務諸表における総資産額の50%超の資産等の処分等)を行った場合又は当社にエクイティ・プログラム契約に定める事由(当社が発行する株式の上場廃止等)が発生した場合等においては、割当予定先が本新株予約権への投資を行うにあたって当初想定した前提に重大な変更が生じることに鑑み、割当予定先が当社に要求した場合には、当社は本新株予約権を当該時点における合理的な価格として、エクイティ・プログラム契約に定めるブラック・ショールズ価格(ブラック・ショールズ・モデルを用いて、当社普通株式の価格、ボラティリティ等を考慮して算出される価格)で買い取るものとします。

④当社が割当予定先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとなるような取引等を行わない旨を合意しております。

 

第3【第三者割当の場合の特記事項】

1【割当予定先の状況】

a.割当予定先の概要

(1)名称

CVI Investments, Inc.

(2)所在地

Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands

(3)国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先

該当事項はありません。

(4)出資額

開示の同意が得られていないため、記載していません。

(5)組成目的

投資

(6)組成日

2015年7月1日

(7)主たる出資者及びその出資比率

開示の同意が得られていないため、記載していません。

(8)業務執行組合員又はこれに類する者に関する事項

名称

Heights Capital Management, Inc.

所在地

アメリカ合衆国、19801、デラウェア州、ウィルミントン、スイート715、1201Nオレンジストリート、ワン・コマース・センター

国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先

該当事項はありません。

出資額又は資本金

開示の同意が得られていないため、記載していません。

事業内容又は組成目的

投資

主たる出資者及びその出資比率

開示の同意が得られていないため、記載していません。

代表者の役職・氏名

President Martin Kobinger

(注) 割当予定先の概要の欄は、2024年10月22日現在のものであります。

 

b.提出者と割当予定先との間の関係

割当予定先との出資関係

該当事項はありません。

割当予定先との人事関係

該当事項はありません。

割当予定先との資金関係

該当事項はありません。

技術又は取引等の関係

該当事項はありません。

(注) 提出者と割当予定先との間の関係の欄は、2024年10月22日現在のものであります。

 

c.割当予定先の選定理由

(1)募集に至る経緯及び目的

当社は「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、人類の生活圏を宇宙に広げ持続的な世界を実現するべく、月面開発の事業化に取り組んでいる次世代の民間宇宙企業です。当社グループは現在、月面着陸を行う月着陸船(以下「ランダー」という。)及び月面探査を行う月面探査車(以下「ローバー」という。)の開発を進めており、過去の国主導の宇宙ミッションでは実現が困難であった、民間企業ならではの品質向上サイクルを回しながら、将来的に反復ミッションと十分な研究開発による品質向上を実現し、更には量産による品質安定化を図ることを計画しております。

初の実証ミッションとなったミッション1は、自社で開発した技術実証モデルのSeries1ランダーを月面に着陸させ、輸送する物資である顧客の荷物(以下「ペイロード」という。)の月面への輸送や、顧客の要望に応じた月面データの取得等のサービスを実現することを試み、2022年12月の打ち上げ以降2023年4月までの間に、事前に設定した10個のマイルストーンの内、Success8「月周回軌道上での全ての軌道制御マヌーバの完了」までを完了しました。月面着陸の完了は未達で終わったものの、ミッション1で獲得されたミッション・データは、Success9未達の要因分析に関するデータを含めて、ミッション2以降の後続ミッションへと活用される予定であり、当社はそのために、後続するミッション2、ミッション3、ミッション6の開発も並行して進捗させております。

ミッション2では、基本的にミッション1と同様のランダーモデルが使用される予定であり、ミッション1での経験を踏襲して効率的な開発と組み立てが日々進められています。当社は、このミッション2で使用されるランダー(旧 Series1ランダー)モデルを新たにRESILIENCE(レジリエンス)と命名しました。RESILIENCEは日本語で「再起」や「復活」「回復」等の意味であり、当社がミッション1での月面着陸の失敗を有効に活用し、迅速かつしなやかに再起するという、“Never Quit the Lunar Quest”の精神が込められた名称となります。当社はRESILIENCE ランダーと共に、民間企業による確実な月面着陸を目指します。更に、ミッション2においては、ランダーの月面着陸だけでなく、当社欧州法人であるispace Europe S.A.によって製造予定であるマイクロローバーによる月面探査及び月面データサービスの提供を目指しています。なお、ミッション2の打ち上げは、最速で2024年12月を予定しております。

ミッション3については、2026年の打上げ予定に向けて、開発は順調に進捗していると考えております。当社米国法人のispace technologies U.S., inc.が開発するAPEX1.0ランダーは、2023年4月に当社初の月ミッションを行った旧Series1ランダーから得られたデータやノウハウを活用し、更なる性能の強化を目指しています。更に、ミッション3においては、2機のリレー衛星を月周回軌道に投入し、月震計(FSS)、地下の熱流探査機(LITMS)、及び電磁場測定器(LuSEE)といった一連の科学実験機器を含むペイロードを月の裏側に存在する南極付近に輸送する予定です。輸送後は、2機のリレー衛星を活用して月震データを最大1年間にわたり収集する予定です。

また、2027年には、当社が本邦にて新規開発する商業的ランダ―モデルであるSeries3ランダ―(仮称)を用いたミッション6の打上げを目指しており、当該開発に際しては、日本のSBIR(Small Business Innovation Research)制度による補助金総額120億円の交付が決定しております。

このように、ミッションを高頻度に実施し、技術的な経験値を継続して蓄積させていくことが、当社の技術的リスクを低減させ、持続安定的な事業運営を達成する上での重要な鍵となります。一方で、ランダー及びローバーの開発、及びそれらを活用してミッション遂行していく為の打上業者の手配には相応の費用を要すること、そして複数ミッションの開発を同時並行して実施可能な開発エンジニア及びセールス・コーポレートの人的リソースを確保すること等から、当社は常に比較的大規模な財務的原資を手当する必要があり、継続的な資金調達の実施が持続的な事業運営にとって、足許不可欠となります。当社は2023年4月の東京証券取引所グロース市場への上場を通じて約64億円の調達等を実施し、また上場後には総額195億円の借入れによる資金調達(うち3億円は既存借入の借換)に加えて、2024年3月には海外募集の実施により、約83億円の調達を実施しております。

他方で、2025年3月期第一四半期末の当期純損益は約△15億円の損失を計上しており、また計画するミッション2・3・6の3つのミッションを同時並行で進めていくことからも、当社が既に開示している2025年3月期通期の業績予想として今期末の当期純損益として約△124億円の損失を計上することを見込んでおります。当社の2024年3月期末の純資産は約97億円であり、今後の事業進捗に依拠する部分もありますが、今期末の純資産の正を維持しつつ、その後の事業運営を見据えた適切な財務健全性を維持する為の一定の財務バッファーが、引き続き必要な側面もあります。

これらの開発や資金調達の取組み及び財務的な見通しを踏まえ、引き続き安定的な財務基盤を維持しながらも、当社の宇宙開発における技術の品質向上サイクルを更に加速し、拡大が期待される市場需要を取り込んでいくために、今般、本第三者割当を実施することといたしました。本資金調達により当社グループの将来の成長と安定的な財務基盤の構築を実現し、企業価値の向上を図ることで、株主の皆様をはじめステークホルダーの利益の最大化に努めてまいります。

割当予定先の選定につきましては、上記記載の通り、計画するミッション2・3・6の3つのミッションについて並行して開発を進めるにあたって、当社として安定的な財務基盤の維持を図る中、様々な資金調達手法について検討してまいりました。かかる状況の中、上場前の段階から、また上場後も当社の決算発表後等に特定の取引に関連しない平常的な面談を複数回実施してきた、割当予定先の資産運用を行う会社であるHeights Capital Management, Inc.(以下「HCM」という。)より、2024年5月に当社に対し第三者割当を通じた資金調達に関する初期的な提案がありました。その後、当社は、HCMの本邦上場企業に対する投資実績、投資先と良好な関係を構築しながら投資先を育成していく投資方針に鑑み、本格的に資金調達に関する協議を開始することを決定し、HCMとの間で調達金額、発行証券の商品性等について協議を行いました。その結果、今後の事業戦略、資金調達ニーズを踏まえた当社の意向に可及的に合致する本資金調達のスキームについて合意するに至ったため、HCMが資産運用を行うCVI Investments, Inc.を割当予定先として選定することに決定いたしました。

 

(2)本第三者割当増資を選択した理由

当社は、上記「(1)募集に至る経緯及び目的」に記載の資金調達を行うために、様々な資金調達方法を検討していましたところ、割当予定先から本資金調達の提案を受けました。当社は、本普通株式及び本新株予約権の発行により、当社の資金需要に対し一定の金額を発行時点で調達することができるため、また、残りの必要金額については本新株予約権の行使により株価に配慮した形での調達が可能となるため、今般の資金調達を選択いたしました。また、当社は今回の資金調達に際し、以下の「(本資金調達の特徴)」及び「(他の資金調達方法との比較)」に記載されている点を総合的に勘案した結果、本資金調達による資金調達方法が、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる、現時点において最適な選択肢であると判断し、本手法を採用することといたしました。なお、本資金調達は本普通株式及び本新株予約権の発行によって達成されるものであるため、本「(2)本第三者割当増資を選択した理由」においては、本新株予約権の発行についても併せて記載しております。

 

(本資金調達の特徴)

[メリット]

① 本普通株式の発行により、証券の発行時に一定の資金調達及び自己資本を増強することが可能となります。

② エクイティ・プログラム契約という形態を取ることで、一度に全株を発行する場合と比べ、株価インパクトの分散化が可能となり、一方で今年度末迄の時間軸で一定の資本増強を達成することが可能となります。また、当社が予定する将来の事業進捗(ミッション2の実行などの当社エクイティストーリー)をより織り込んだ株価によって発行ができる可能性が高まるため、既存株主の保有する株式価値が向上することが期待され、また、当社として本資金調達後の追加資金調達を株式発行等により実施する可能性が低くなる可能性がある結果、既存株主の希薄化等に対してもより配慮した設計となります。

③ 本新株予約権の発行により、将来的な自己資本の拡充が期待可能でありつつも、段階的に転換が行われることが期待できるため、株価インパクトの分散化が可能となります。

④ 本新株予約権の行使価額は発行決議日の直前取引日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の120%に相当する金額に固定されており、修正条項が付されていない分、資金調達のスピード感や蓋然性は低くなることが想定されますが、他方において、現状の株価水準よりも高い水準での行使が期待できます。なお、当社普通株式の交付を請求できる新株予約権や新株予約権付社債等を当社が新たに発行する場合で、当該新株予約権の当初行使価額等が本新株予約権の行使価額の転換価額を下回る場合には、本新株予約権に付された調整規定の適用により、本新株予約権の行使価額は、新たに発行される新株予約権又は新株予約権付社債の行使価額又は転換価額と同額になるよう下方調整されます。但し、エクイティ・プログラム契約に基づいて割当予定先に対して発行する第2回発行から第4回発行に係る本普通株式及び本新株予約権の発行、譲渡制限付株式報酬制度(RSU)に基づく当社普通株式の発行等、本新株予約権の発行要項に定められた一定の例外に該当する場合には、下方調整はされません。また、行使価額の下方調整の下限として360円を設定しております(但し、下方調整によって当該下限を下回ることとなる場合には、当社の資金調達の必要性に鑑み、当社の取締役会の決議により、当該下限を適用しないことができる。)。

⑤ 本普通株式の発行により発行される当社普通株式は最大11,000,000株(1回につき2,750,000株)、本新株予約権の目的である当社普通株式数は最大11,000,000株(1回について最大2,750,000株)でそれぞれ固定されており、株価動向にかかわらず、最大交付株式数が限定されているため、希薄化の規模が当初予定より増加することはありません。

⑥ 本普通株式による調達資金、本新株予約権による調達金額のうち行使の対象となった金額はいずれも資本性の資金となるため、財務健全性指標が上昇します。

 

[デメリット]

① 本普通株式及び本新株予約権の発行は、エクイティ・プログラム契約に定められる条件の成就を条件としており、当該条件が成就されない場合、本普通株式及び本新株予約権の発行による資金調達の一部が実現しない可能性があります。

② 本普通株式については即座の資金調達が可能ですが、本新株予約権については、新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に行使の対象となる株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行当初に発行を予定する金額の満額の資金調達が行われるわけではなく、また資金調達の時期についても不確実性があります。

③ 市場環境に応じて、本新株予約権の行使完了までには一定の期間が必要となります。また、当社の株式の流動性が減少した場合には、行使完了までに時間がかかる可能性があります。

④ 株価が本新株予約権の行使価額を下回って推移した場合、割当予定先による本新株予約権の行使が期待できないため、事実上資金調達ができない仕組みとなっております。特に、行使価額修正型の新株予約権と比べて、本新株予約権については、行使価額は現状の株価水準よりも高い価格に設定・固定されており、行使がなされるためには株価の上昇が必要であるため、その行使の蓋然性は相対的に低くなっております。

⑤ 株価が本新株予約権の行使価額を超えている場合でも、割当予定先が本新株予約権を行使するとは限らず、資金調達の時期には不確実性があります。

 

(他の資金調達方法との比較)

① 公募増資等により一度に全株を発行すると、一時に資金を調達できる反面、希薄化も一時に発生するため株価への影響が大きくなるおそれがあると考えられます。また、一般投資家の参加率が不透明であることから、十分な額の資金を調達できるかどうかが不透明であり、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

② 普通社債又は借入れによる資金調達では、利息負担が生じ、調達金額が全額負債として計上されるため、本第三者割当において調達するのと同規模の資金を全て負債により調達した場合、財務健全性が低下する可能性があります。今後の事業戦略推進において、緊急の資金需要が生じた場合に備えて迅速に有利子負債による資金調達を行う選択肢を残す観点からも、普通社債の発行又は借入れにより調達することは現時点における現実的な選択肢ではないと判断いたしました。

③ 株主割当増資では出資を履行した株主との間では希薄化懸念は払拭されますが、割当先である既存投資家の参加率が不透明であることから、十分な額の資金を調達できるかどうかが不透明であり、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

④ いわゆるライツ・イシューには、発行会社が金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、発行会社はそのような契約を締結せず、新株予約権の行使が株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・イシューがありますが、コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏しく、資金調達手法としてまだ成熟が進んでいない段階にある一方で、引受手数料等のコストが増大することが予想され、適切な資金調達方法ではない可能性があります。また、ノンコミットメント型ライツ・イシューについては、当社は最近2年間において経常赤字を計上しており、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第304条第1項第3号aに規定される上場基準を満たさないため、実施することができません。

⑤ 行使価額修正条項付の新株予約権には、様々な設計がありますが、その行使価額は下方にも修正される形が一般的です。行使価額修正条項付の新株予約権は行使の蓋然性が高まる一方、現状の株価水準よりも低い価格での行使がなされ、資金調達の金額が当初の予定を下回ることも珍しくありません。今般の資金調達に際しては、本普通株式の発行により当面必要な資金を調達しつつ、本新株予約権については現状の株価水準よりも高い価格に行使価額を設定・固定し、今後の株価の上昇を待って行使が行われることにより、既存株主の株式価値を損なうことなく、追加的な資金調達を当初の予定どおりの金額規模で達成できる見込みです。このように、行使価額が下方修正されるタイプの修正条項付の新株予約権に比べて、想定どおりの金額での資金調達を実現できる可能性が高いという意味で、本新株予約権は当社の資金需要に合致した資金調達方法であると考えております。

⑥ 転換社債型新株予約権付社債は、発行当初に資金調達が可能となるものの、その全額が当初負債となり、その後の転換状況も株価に依拠することとなります。株価の状況等により行使が進まなければ、負債であるため、当社の財務の健全性を害することから今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。

⑦ 第三者割当により一度に当社普通株式及び新株予約権を発行する場合、一時に資金調達を可能とする反面、1株当たり利益の希薄化も一時に引き起こすため、株価に対する直接的な影響が大きいと考えられること、また現実的に本スキームと同規模の金額を一度に引き受ける投資家を見つけることは困難であることから、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

 

d.割り当てようとする株式の数

普通株式 2,750,000株

 

e.株券等の保有方針

本募集により発行する株式について、当社と割当予定先との間で、継続保有に関する取り決めはありません。なお、当社取締役の野﨑順平が、Heights Capital Management, Inc.のAsia Pacific地域投資責任者を通じてInvestment ManagerであるMartin Kobinger氏より、本普通株式及び本新株予約権に関する割当予定先の保有方針は、純投資であると口頭で確認しております。なお、割当予定先は、中長期投資ができる余裕を持つ機関投資家として広く知られており、当社にとって将来の成長を加速するための資本パートナーとなると考えております。このため、エクイティ・プログラム契約上、割当予定先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとならないようにする旨を盛り込んでおります。当社は、割当予定先より、本第三者割当の払込みから2年以内に当社普通株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、並びに当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

 

f.払込みに要する資金等の状況

当社は、割当予定先から、割当予定先が作成し、PricewaterhouseCoopers LLP(所在地:2001 Market Street, Suite 1800, Philadelphia, Pennsylvania 19103)が監査した2023年12月31日現在の財務状況報告書を受領しており、割当予定先との間で締結したエクイティ・プログラム契約において、割当予定先より払込みに要する十分な財産を保有する旨の表明を受けています。また、当社取締役の野﨑順平が、Heights Capital Management, Inc.のAsia Pacific地域投資責任者を通じてInvestment ManagerであるMartin Kobinger氏に対するヒアリングにより現金化できる流動資産があること及び自己資金での払込みであることを2024年10月7日に確認しており、割当予定先に割り当てられる本普通株式の発行に係る払込みに十分な財産を有することを確認しております。もっとも、2023年12月31日以降の財務状況報告書については本書の日付現在作成されておらず、直近時点での財務状況報告書は確認ができておりません。そのため、上記のヒアリングの結果にかかわらず割当予定先に急激な財産変動が生じている場合、払込みがされないリスクがあります。なお、割当予定先は、Susquehanna International Groupが有する自己資金で運用する機関投資家です。

 

g.割当予定先の実態

 当社は、割当予定先との間で締結したエクイティ・プログラム契約において、割当予定先から、割当予定先及びその主な出資者が反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らの関係ない旨の表明保証を受けています。さらに、割当予定先及びその業務執行組合員について、反社会的勢力であるか否か、並びに割当予定先及びその業務執行組合員が反社会的勢力と何らかの関係を有しているか否かについて、独自に専門の第三者調査機関であるJPリサーチ&コンサルティング (代表取締役:古野啓介、本社:東京都港区虎ノ門三丁目7番12号)に調査を依頼し、2024年10月7日に同社より報告を受けております。当該報告において、割当予定先若しくはその業務執行組合員が反社会的勢力である、又は割当予定先若しくはその業務執行組合員が反社会的勢力と何らかの関係を有している旨の報告はありませんでした。以上により、当社は、割当予定先並びにその業務執行組合員及び主な出資者が反社会的勢力と一切の関係がないと判断し、これに係る確認書を東証に提出しております。

 

2【株券等の譲渡制限】

 該当事項はありません。

 

3【発行条件に関する事項】

a 発行価格の算定根拠及び発行条件の合理性に関する考え方

本第三者割当に係る発行価格は、本第三者割当の発行条件決定に係る取締役会決議日の直前取引日の東証における当社普通株式の終値の90%としています。当該取締役会決議日の直前取引日の終値を採用することといたしましたのは、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反映していると判断したためです。当社は、上記発行価格の算定根拠につきましては、割当予定先は発行決議日から払込期日までの約2週間における株価下落リスクを甘受せざるを得ない立場にあること、本第三者割当により希薄化が生じること、本第三者割当によって迅速かつ確実に資金調達を行うことで中長期的な株主価値の向上が見込まれること等も総合的に勘案し、ディスカウント率を含め、割当予定先とも十分に協議の上、本第三者割当に係る本普通株式の発行価格を決定いたしました。なお、当該発行価格は、当該取締役会決議日の直前取引日までの1ヶ月間(2024年9月11日から2024年10月10日)の終値平均値709円(単位未満四捨五入。以下同様。)に対し15.09%のディスカウント、同3ヶ月間(2024年7月11日から2024年10月10日)の終値平均値646円に対し6.81%のディスカウント、同6ヶ月間(2024年3月11日から2024年10月10日)の終値平均値722円に対し16.62%のディスカウントとなっております。

また、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」では、上場会社が第三者割当による株式の発行を行う場合、その払込金額は株式の発行に係る取締役会決議日の直前取引日の株価に0.9を乗じた額以上の価額であることが要請されているところ、本払込金額は当該指針に準拠しており、会社法第199条第3項の特に有利な金額には該当しないものと判断しております。

当社監査役3名(うち社外監査役2名)全員からも、上記と同様の理由により、上記方法により決定される発行価格は、会社法第199条第3項の割当予定先に特に有利な金額に該当せず、適法である旨の意見を得ております。

 

b 発行数量及び株式の希釈化規模の合理性に関する考え方

本第三者割当により発行する当社普通株式の数は2,750,000株(議決権数2,750,000個)であり、これは2024年9月30日現在の当社発行済株式総数93,289,243株及び当社総議決権数932,892個(当社総議決権数については、直前の基準日(2024年9月30日)における株主名簿に基づき記載しております。)に対して、それぞれ2.95%及び2.95%に相当します。しかしながら、当社としては、このような希薄化が生じるものの、上述した本プログラムにより資金調達を行う目的、資金使途及び本第三者割当の払込金額の算定根拠に照らすと、本第三者割当による普通株式の発行数量は合理的であると判断しております。

 

4【大規模な第三者割当に関する事項】

 該当事項はありません。

 

5【第三者割当後の大株主の状況】

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

総議決権数に対する所有議決権数の割合

割当後の所有株式数

(千株)

割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合

袴田 武史

東京都渋谷区

12,000

12.86%

9,250

9.36%

CVI Investments, Inc.

Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands

8,250

8.35%

インキュベイトファンド3号投資事業有限責任組合

東京都港区赤坂一丁目12番32号

5,992

6.42%

5,992

6.07%

株式会社日本政策投資銀行

東京都千代田区大手町一丁目9番6号

3,495

3.74%

3,495

3.54%

赤浦 徹

東京都港区

2,636

2.83%

2,636

2.67%

IF Growth Opportunity Fund I,L.P.

Cricket Square, Hutchins Drive PO Box 2681 Grand Cayman, KY1-1111 Cayman Islands

2,135

2.29%

2,135

2.16%

三井住友信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目4番1号

1,968

2.11%

1,968

1.99%

IFSPV1号投資事業組合

東京都港区虎ノ門五丁目9番1号

1,174

1.26%

1,174

1.19%

29,404

31.52%

34,904

35.33%

(注)1.「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」につきましては、原則として2024年9月30日の株主名簿に基づき記載しております。

2.「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

3.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、「割当後の所有株式数」に係る議決権の数を、「総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出に用いた総議決権数(932,892個)に、本普通株式2,750,000株及び本新株予約権が全て行使された場合に交付される株式数2,750,000株に係る議決権の数(55,000個)を加えた数で除して算出しております。

4.本募集後の袴田武史氏の持株比率は、当社代表取締役CEOである袴田武史と割当予定先との間で締結された当社普通株式(上限3,000,000株)を貸し付ける株式貸借契約に基づき、2024年10月17日付で実施された同氏による割当予定先への当社普通株式2,750,000株の貸出しを加味して算出しております。

 

6【大規模な第三者割当の必要性】

 該当事項はありません。

 

7【株式併合等の予定の有無及び内容】

 該当事項はありません。

 

8【その他参考になる事項】

 該当事項はありません。

 

第4【その他の記載事項】

 該当事項はありません。

 

第二部【公開買付け又は株式交付に関する情報】

 該当事項はありません。

 

第三部【参照情報】

第1【参照書類】

 会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。

 

1【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第14期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月28日に関東財務局長に提出

事業年度 第15期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月30日までに関東財務局長に提出予定

 

2【半期報告書】

事業年度 第15期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年11月14日までに関東財務局長に提出予定

 

3【臨時報告書】

1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2に基づき、臨時報告書を2024年6月28日に関東財務局長に提出

1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号及び第19号に基づき、臨時報告書を2024年7月12日に関東財務局長に提出

1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号及び第19号に基づき、臨時報告書を2024年8月9日に関東財務局長に提出

1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号に基づき、臨時報告書を2024年10月21日に関東財務局長に提出

 

第2【参照書類の補完情報】

上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書の提出日以後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。

また、当該有価証券報告書に記載されている将来に関する事項は、本発行登録追補書類提出日(2024年10月22日)現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載すべき将来に関する事項もありません。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

第3【参照書類を縦覧に供している場所】

株式会社ispace 本店

(東京都中央区日本橋浜町三丁目42番3号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

第四部【保証会社等の情報】

 該当事項はありません。