【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
日本精工株式会社(以下「当社」という。)は、日本に所在する企業であり、株式会社東京証券取引所に株式を上場しています。
当中間連結会計期間の要約中間連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分により構成されています。現在、当社グループ並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーは、産業機械事業、自動車事業を行っています。産業機械事業については、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等の製造・販売を行っています。自動車事業については、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。
なお、当社は前第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類しています。詳細は「注記4.セグメント情報」をご覧ください。
当要約中間連結財務諸表は、2024年11月6日に代表執行役社長市井明俊によって承認されています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの要約中間連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定によりIAS第34号に準拠して作成されています。なお、要約中間連結財務諸表は年度の連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。
(2) 測定の基礎
要約中間連結財務諸表は、公正価値で測定される金融商品等を除き、資産及び負債は取得原価を基礎としています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業が作成する財務諸表に含まれている項目は、その会社が事業活動を行う主要な経済環境における通貨である「機能通貨」を用いて測定しています。本報告書の要約中間連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しています。
(4) 見積り及び判断の利用
当社グループの要約中間連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した会計期間及び将来の会計期間において認識されます。
当要約中間連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は、前連結会計年度の連結財務諸表と同様です。
3.重要性がある会計方針の要約
要約中間連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一です。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しています。
4.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは顧客産業別の事業本部制を敷き、各事業本部は包括的な戦略を立案し事業活動を展開していることから、その構成単位である「産業機械事業」、「自動車事業」の二つを報告セグメントとしています。
前第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類しており、セグメント情報は非継続事業を除く継続事業のみの金額を表示しています。なお、当社は2023年8月1日にNS&Cに対する支配を喪失し、前第2四半期連結会計期間よりNS&Cは当社の持分法適用関連会社となりました。NS&C及び同社の子会社に係る持分法による投資利益は、継続事業として自動車事業の区分に含めています。
(2)セグメントごとの売上高及び業績
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
2 セグメント利益の調整額△527百万円には、セグメント間取引消去△212百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△315百万円が含まれています。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
2 セグメント利益の調整額△2,350百万円には、セグメント間取引消去△404百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△1,945百万円が含まれています。
5.売上高
売上高は報告セグメントを以下のとおり地域別に分解しています。
なお、前第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類し、報告セグメントから除外しています。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。
3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域
米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等
欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等
その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等
4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。
3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域
米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等
欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等
その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等
4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
産業機械事業は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しており、自動車事業は、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等を製造・販売しています。軸受等の物品販売については、物品の支配が顧客に移転したとき、すなわち物品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で収益を認識しています。状態監視システム・サービスの提供等の一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービスの性質を考慮し、アウトプット法及びインプット法に基づいて履行義務の充足に向けての進捗度を測定し収益を認識しています。顧客への引き渡し後、主として3カ月以内に支払いを受けており、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
当社グループは、各顧客との取引開始時点で物品の取引価格を決定していますが、一定期間の取引数量等に応じた割戻しを行うものがあり、これらの変動対価の金額は契約条件等に基づき取引価格を調整しています。
6.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業
(1)売却目的保有に分類される処分グループ
当中間連結会計期間に、当社が所有するNSKロジスティックス株式会社(以下「NLK」)の発行済み株式1,800株のうち、1,199株(発行済み株式の66.61%)をSBSホールディングス株式会社(以下「SBSHD」)へ譲渡することを決議し、2024年7月1日にSBSHDとの間で株式の一部を譲渡する契約を締結しました。これにより、NLKを売却目的保有に分類される処分グループに分類しています。なお、NLKは「その他」のセグメントに区分されています。本株式譲渡は2024年10月1日に実行しました。本株式譲渡に伴い、NLKは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
なお、前連結会計年度において売却目的保有に分類される処分グループに分類していたステアリング事業のインド子会社であるRNSSは、当中間連結会計期間に株式の売却手続きが完了しています。
売却目的保有に分類される処分グループに係る資産及び負債の中間期末残高の内訳は次のとおりです。
(2)非継続事業
当中間連結会計期間はRNSSの支配の喪失に係る取引及び支配を喪失する以前のRNSSを非継続事業の範囲に含めています。また、前中間連結会計期間はNS&Cの支配の喪失に係る損益及び2023年8月1日に当社がNS&Cに対する支配を喪失する以前のNS&C、同社の子会社及びRNSSを非継続事業の範囲に含めています。
①非継続事業の損益
非継続事業の損益は次のとおりです。
売上原価及び費用には、RNSSの株式譲渡及び支配の喪失に関連する損失2,432百万円が含まれています。
詳細は、(3)RNSSの株式譲渡に記載のとおりです。
②非継続事業のキャッシュ・フロー
非継続事業のキャッシュ・フローは次のとおりです。
前第3四半期連結会計期間に実行した欧州子会社のステアリング事業譲渡に係る対価3,372百万円を当中間連結会計期間に受領し、要約中間連結キャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」に計上しています。
(3)RNSSの株式譲渡
①取引の概要
ステアリング事業のインド子会社であるRNSSについて、当中間連結会計期間に、当社が所有するRNSSの全株式をRHLに譲渡することを決議し、2024年7月1日にRHLとの間で株式譲渡契約を締結しました。本契約に伴う株式譲渡は、2024年9月19日に実行しました。
②支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
③支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出は、要約中間連結キャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含まれています。
④支配の喪失に伴う損益
当中間連結会計期間において、RNSSの株式譲渡及び支配の喪失に関連する損失は2,432百万円であり、要約中間連結損益計算書上、「非継続事業からの中間利益(△は損失)」に含めています。
7.その他の営業費用
前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における、「その他の営業費用」の内訳は次のとおりです。
「子会社の支配喪失に伴う損失」は、当社の子会社であるNSK Europa Holding GmbHが所有するNeuweg Fertigung GmbH(以下「NWG」)の全株式をNew Way Group Holdings Limitedに譲渡し、NWGの支配を喪失したことに伴う損失です。
8.金融商品
公正価値の見積り
(1) 帳簿価額及び公正価値
金融資産・負債の帳簿価額及び公正価値は次のとおりです。なお、社債及び長期借入金以外の償却原価で測定する金融資産・負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致するため含めていません。
売上債権及びその他の債権、仕入債務及びその他の債務、短期借入金については、主に短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と同額としています。
投資有価証券のうち、活発な市場がある上場株式の公正価値は、取引所の価格により算定しています。活発な市場がない非上場株式等の公正価値は、主として株価純資産倍率によるマルチプル方式により算定しています。また、前連結会計年度及び当中間連結会計期間の非上場株式の公正価値測定に用いている観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としています。
デリバティブ金融資産及び金融負債のうち、為替予約及び金利スワップについては、同取引を約定した金融機関から提示された評価額によっています。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を、当該長期借入金の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しています。但し、変動金利による長期借入金については、金利が一定期間毎に更改される条件となっており、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから当該帳簿価額によっています。
当社の発行する社債の公正価値は、市場価格に基づき算定しています。
(2) 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のとおり分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)により測定された公正価値
レベル2:資産又は負債について、直接的に観察可能なインプット又は間接的に観察可能なインプットのうち
レベル1に含まれる市場価格以外のインプットにより測定された公正価値
レベル3:資産又は負債について、観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定された公正価値
公正価値で測定される又は公正価値が開示される当社グループの金融資産及び負債のヒエラルキー別分類は次のとおりです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
当中間連結会計期間(2024年9月30日)
レベル1に分類される金融資産は、上場株式です。
レベル2に分類される金融資産は、為替予約であり、金融負債は、借入金、社債、為替予約、金利スワップです。
レベル3に分類される金融資産は、非上場株式等です。
当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期末に認識することとしています。
なお、ステアリング事業の資産、負債は売却目的保有に分類される処分グループに分類しており、前連結会計年度の金融資産、金融負債には含まれていません。また、NLKの資産、負債は売却目的保有に分類される処分グループに分類しており、当中間連結会計期間の金融資産、金融負債には含まれていません。
次の表は、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における経常的に公正価値にて測定されるレベル3の金融商品の変動を表示しています。
その他の包括利益で認識された利得及び損失は、要約中間連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含めています。純損益で認識された利得及び損失は、要約中間連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含めています。
9.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり中間利益及び希薄化後1株当たり中間利益
(2) 基本的1株当たり中間利益及び希薄化後1株当たり中間利益の算定上の基礎
10.配当金
前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の配当金支払額は次のとおりです。
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注) 2023年5月23日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金115百万円が含まれています。
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注) 2024年5月22日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金106百万円が含まれています。
基準日が中間連結会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が中間連結会計期間の末日後となるものは次のとおりです。
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)2023年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金107百万円が含まれています。
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)2024年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金118百万円が含まれています。
11.偶発事象
訴訟事項等
(前連結会計年度)
当社及び当社の一部子会社による過去における製品の取引に関する競争法違反の疑いに関連して、当社は、第3四半期連結会計期間末まで、合理的に見積もられた、今後発生し得る損害賠償請求に関連する損失を「引当金(非流動)」に計上していましたが、現時点で具体的に想定し得る損害賠償請求に係る相手方との交渉の状況等をふまえ、今後当該損害賠償請求に関連する損失が発生する可能性が低いと判断されることから、当連結会計年度末において当該損失に相当する額を「引当金(非流動)」から取り崩しています。これらの損害賠償請求のほか、当社又は当社の子会社若しくは関係会社が、今後、上記競争法違反の疑いに関連する損害賠償請求を受けた場合には、当社グループは当該請求に対して適切に対処していきます。
また、米国のIntercontinental Terminals Company LLC(以下「ITC」といいます。)がテキサス州ヒューストンにおいて所有するタンクターミナル構内において、2019年3月17日(現地時間)に火災が発生し、周辺住民等は当該火災によって健康被害等の損害を被ったとして、当該タンクターミナルの所有者であるITCその他の関係者らに対して、2021年1月13日(現地時間)以降、米国テキサス州の地方裁判所において複数の訴訟を提起しました。その後、当該周辺住民等は、当社製品が当該タンクターミナル内の装置の一部に使用されていたなどと主張して、他の関係者らとともに当社及び当社の一部子会社に対しても複数の訴訟を提起するに至りました。当社グループは、これらの請求に対して、当社製品が当該火災と無関係であることを主張して争っていく所存です。
なお、当社又は当社の子会社若しくは関係会社は、上記訴訟と同種又は類似の訴訟等を今後提起される可能性があります。当社グループとしましては、原告等による請求に対して、適切に対処していきます。
(当中間連結会計期間)
米国のIntercontinental Terminals Company LLC(以下「ITC」といいます。)がテキサス州ヒューストンにおいて所有するタンクターミナル構内において、2019年3月17日(現地時間)に火災が発生し、周辺住民等は当該火災によって健康被害等の損害を被ったとして、当該タンクターミナルの所有者であるITCその他の関係者らに対して、2021年1月13日(現地時間)以降、米国テキサス州の地方裁判所において複数の訴訟を提起しました。その後、当該周辺住民等は、当社製品が当該タンクターミナル内の装置の一部に使用されていたなどと主張して、他の関係者らとともに当社及び当社の一部子会社に対しても複数の訴訟を提起するに至りました。また、これらの訴訟に関連して、ITC及びITCの保険会社も、当社及び当社の一部子会社に対して、訴訟を提起しました。当社グループは、これらの請求に対して、当社製品が当該火災と無関係であることを主張して争っていましたが、その後ITCとの間で和解交渉が進展したため、当社グループの和解金の支払義務を定める和解が成立する可能性があります。
12.重要な後発事象
該当事項はありません。
(配当決議)
2024年5月22日開催の取締役会において、第163期期末配当に関し次のとおり決議しました。
また、2024年10月31日開催の取締役会において、第164期中間配当に関し次のとおり決議しました。