第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間の経営環境を振り返りますと、国内経済・海外経済ともに緩やかな回復の動きがみられる一方、欧米における高い金利水準の継続による景気下振れリスクや為替を含む金融資本市場の変動等の懸念はなお拭えず、また、物価の上昇や中国経済の足踏み、中東地域をめぐる情勢の影響も依然続くなど、当社グループを取り巻く環境としては先行き不透明な状況で推移しました。

当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力するとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は2,133億50百万円となり、前年同期間に比べて279億7百万円の増収となりました。また、営業利益は168億2百万円と前年同期間に比べて73億41百万円の増益、経常利益は185億87百万円と前年同期間に比べて55億53百万円の増益、親会社株主に帰属する中間純利益は123億円と前年同期間に比べて19億41百万円の増益となりました。

セグメントの業績は、次の通りであります。

 

(エラストマー素材事業部門)

合成ゴム関連では、原料調達先での生産トラブルおよび国内主要工場の定期修繕による減産の影響を受けたものの、海外主要工場の稼働は高水準を維持し、海外向けスポット品を中心に販売が堅調に推移しました。また原料価格高騰分の価格改定も進んだことから、全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

合成ラテックス関連では、市況価格が依然として低水準で推移し、原料価格高騰分の価格改定が十分進まなかったものの、海外での衛生用手袋の在庫調整が一巡し出荷量が増加したことから、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

化成品関連では、粘着テープ・ラベル向けの需要回復や積極的な拡販政策により主に海外向けで出荷量が増加し、売上高は前年同期間を上回りましたが、市況価格が低迷し原料価格高騰分を販売価格に転嫁することができなかったため、営業利益は前年同期間を下回りました。

以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて159億19百万円増加し1,206億51百万円、営業利益は前年同期間に比べて23億69百万円増加し60億14百万円となりました。

 

(高機能材料事業部門)

高機能樹脂関連では、モバイル端末向けシクロオレフィンポリマーおよび光学フィルムの需要回復、大型テレビ向け光学フィルムの需要堅調に加え、半導体市場の回復に伴い半導体容器向けシクロオレフィンポリマーの出荷量が増加したことにより、全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

電池材料関連では、モバイル端末向けの回復に加え、ESS用途向けの需要も堅調となり、売上高は前年同期間を上回りました。一方、欧州を中心としたEV販売台数の急激な落ち込みによる在庫調整と中国市場における価格競争の激化により、営業利益は前年同期間を下回りました。

化学品関連では、特殊溶剤の出荷が定期修繕を行った前年同期間と比較し増加したこと等から、売上高は前年同期間を上回りましたが、合成香料が需給緩和による出荷量の減少および市況下落の影響を受けたこと等から、営業利益は前年同期間を下回りました。

電子材料関連では、セグメントによりばらつきはあるものの半導体市況が緩やかな回復基調となり、売上高は前年同期間を上回りましたが、原料価格・物流費等の高騰が影響し、営業利益は前年同期間を下回りました。

トナー関連では、プリンタ市場が堅調に推移した結果、売上高は前年同期間を上回りましたが、原料価格の高騰が影響し、営業利益は前年同期間並みとなりました。

以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は、前年同期間に比べて、101億57百万円増加し615億66百万円、営業利益は前年同期間に比べて42億9百万円増加し、108億1百万円となりました。

 

(その他の事業部門)

その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を上回りました。

以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は、前年同期間に比べて22億98百万円増加し337億60百万円、営業利益は前年同期間に比べて74百万円増加し、14億73百万円となりました。

 

(資産)

当中間連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末に比べ、21億61百万円増加し、5,344億16百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、商品及び製品の増加等によるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ、76億27百万円減少し、1,608億99百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、支払手形及び買掛金の減少等によるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ、97億88百万円増加し、3,735億17百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同中間連結会計期間末に比べ4億24百万円減少(前年同期比1.3%減)し、314億17百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は53億21百万円となり、前年同中間連結会計期間に比べ174億66百万円の減少(前年同期比76.6%減)となりました。これは主として、棚卸資産の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は172億44百万円となり、前年同中間連結会計期間に比べ3億38百万円の資金支出の減少(前年同期比1.9%減)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は15億18百万円となり、前年同中間連結会計期間に比べ22億95百万円の資金支出の減少(前年同期比60.2%減)となりました。これは主として、自己株式取得目的の金銭の信託の設定による支出が増加したものの、コマーシャル・ペーパーの増減額が増加したことにより資金が増加したこと等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は93億94百万円であります。
なお当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。