第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、この判断については、当半期報告書提出日(2024年11月8日)現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)における当社グループが属するセキュリティ業界においては、ランサムウェア攻撃、生成AIを悪用したサイバー攻撃等の被害が激化していることや、不正アクセスや内部不正による情報漏洩インシデントが多発していること等からICT機器を業務・学習で利用する企業・団体においてセキュリティ意識が高まり、対策製品に対する需要が拡大しております。この流れは、企業・団体規模や業界を問わず広がっていることから、今後も拡大・継続するものと予想しております。

当社は、前年度末にセキュリティコンサルティング事業を展開する連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社(DAC)の当社保有全株式を譲渡したことによって、当中間連結会計期間における売上高に対して約1,008百万円の売上高減の影響が発生します。それを受けて、当年度より国産総合セキュリティメーカーとして製品拡大に注力できる経営環境となったことから、改めて中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定しました。本計画では、3つの重点領域「セキュリティ事業の成長」「公共市場シェア拡大」「新施策実行のための人材投資」を掲げ、当年度より各施策を実行しております。企業向け市場においては、主力製品「i-FILTER」、「m-FILTER」の継続的な機能強化と新製品「StartIn」、「f-FILTER」の新機能追加や、オプション製品「Anti-Virus & Sandbox」の訴求により、お客様のトータルセキュリティニーズに応え、売上高拡大と国産総合セキュリティメーカーとしてのブランド価値向上を実現しています。また、公共向け市場では、「GIGAスクール構想第2期」案件や「次世代校務DX」案件獲得のため、「i-FILTER」の学校向け機能の継続的な強化による製品価値向上や、販売促進の強化により、順調な売上高成長と更なるシェア拡大のための活動を計画的に実施しております。特に、当中間連結会計期間においては、「次世代校務DX」案件において、主力製品「i-FILTER」、「m-FILTER」と新製品「f-FILTER」を組み合わせた提案の好事例を受注できており、今後はこのような事例を他案件にも展開していきたいと考えております。

費用面においては、DAC連結除外によりDAC売上原価とDAC人件費が減少しましたが、公共向け市場案件でのクラウドサービス系製品の受注が計画以上に増加した結果、データセンターの通信費が増加し、売上原価が増加しました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は4,838百万円(前年同期比13.0%減)、営業利益は2,052百万円(同6.2%減)、経常利益は2,053百万円(同6.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,417百万円(同6.8%減)となりました。なお、DAC譲渡の影響を除いた場合の売上高増減率は、前年同期比6.2%増となっております。

 

 

各市場の業績は次の通りです。

 

企業向け市場

企業向け市場においては、クラウドセキュリティへの移行ニーズや他社セキュリティ製品EOS(製品に対するサポート終了)に伴う当社製品への乗換ニーズを捉え、「i-FILTER」とそのオプション製品「Anti-Virus & Sandbox」の提案活動を行い、新規案件獲得が大幅拡大しました。また、ランサムウェア攻撃への対策、クラウド型メールサービスの普及に伴うクラウドベースでのメールセキュリティ対策ニーズ等に対応した総合的な機能が評価され、クラウド版の「m-FILTER」の新規案件獲得が堅調に推移しました。また、新製品「f-FILTER」は、主にPPAP(ファイルをパスワード付きZIPファイルにしてメールで送付し、パスワードを別送するファイルのやり取り)対策において、「m-FILTER」との連携により案件獲得が順調に進みました。一方、前年度末に連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社(DAC)の当社保有全株式を譲渡したことに伴い、売上高に対して約1,008百万円の売上高減の影響が発生しました。

以上の結果、企業向け市場の売上高は、2,273百万円(前年同期比24.6%減)となりました。

なお、DAC譲渡の影響を除いた場合の企業向け市場の売上高増減率は、前年同期比13.3%増となります。

 

公共向け市場

公共向け市場においては、「次世代校務DX」案件において、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に対応したソリューションを総合的に提案することで新規案件の獲得が順調に進捗しており、新製品「f-FILTER」の好事例案件も受注することができつつあります。「GIGAスクール構想第2期」案件においては、今年度、更に本格化する来年度に向けた予算化が各教育委員会で進んでおり、そのような動きに対し、「i-FILTER」の学校向け機能の継続強化と当社優位性の訴求のための販促強化により、新規案件獲得に向けた準備と獲得が着実に進捗しております。また、「自治体セキュリティ強靭化」案件においては、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に対応したソリューションの提案を行い、継続的に新規案件の受注ができております。なお、オンプレミス製品であるライセンス販売系製品は、出荷時に契約高の大部分を一括で売上計上するのに対し、クラウドサービス系製品は、サービス提供期間を通じて月額按分で売上計上します。当中間連結会計期間においてはクラウドサービス系製品の受注が計画以上に増加したため、売上計上が進みませんでした。

以上の結果、公共向け市場の売上高は、2,361百万円(前年同期比1.0%増)となりました。

 

家庭向け市場

家庭向け市場においては、1つのシリアルIDで複数OSでの利用が可能な「i-フィルターfor マルチデバイス」の販売に注力しましたが、携帯電話事業者やMVNO事業者等からの売上が減少いたしました。

以上の結果、家庭向け市場の売上高は、202百万円(前年同期比4.2%減)となりました。

 

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ501百万円減少し、22,016百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が338百万円減少したことによるものであります。

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ873百万円減少し、5,646百万円となりました。これは主として、未払法人税等が676百万円減少したことによるものであります。

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ372百万円増加し、16,370百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び自己株式の取得による減少を上回る親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものであります。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、156百万円減少し、18,183百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益2,054百万円及び減価償却費458百万円の計上、また法人税等の支払1,289百万円等により、1,462百万円の収入(前中間連結会計期間は1,750百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得等により、570百万円の支出(前中間連結会計期間は466百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払により、1,050百万円の支出(前中間連結会計期間は2,061百万円の支出)となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は15百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。