第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、前連結会計年度において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が、当中間連結会計期間に確定しております。以下の前連結会計年度末比については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。

 

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日)における国内経済は、インバウンド需要の増加や雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、緊迫する国際情勢の長期化や急激な為替相場の変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社事業を取り巻く環境は、世界的な異常気象等による原材料高に加え、人手不足に伴う物流費や人件費の上昇を背景とした食品の値上げが相次いだことで、消費者の節約志向は継続しております。

 このような経済環境の中、当社グループは、2023年12月に刷新いたしました中期経営計画の達成に向け、国内・既存事業の更なる強化に留まらず、海外市場や新規領域へ積極展開し、多様な事業ポートフォリオを構築するべく活動を進めております。その具体施策といたしまして、前連結会計年度のオランダ進出による本格的な海外展開に続き、当連結会計年度におきましては、新規事業として取り組んできた、きのこの「代替肉」の発売を予定しております。

 この大きな転換期を迎えるにあたり、当社は、2024年6月26日開催の第7期定時株主総会におきまして商号の変更による定款一部変更議案の承認をいただき、2025年4月1日よりユキグニファクトリー株式会社(英文商号:YUKIGUNI FACTORY CO., LTD.)に社名(コーポレートブランド)を刷新することといたしました。自らのコアバリュー・独自性を改めて見直し、引き継いでいくべき伝統と信頼、そして未来に向かってのあるべき姿を見据え、その思いと決意を胸に、このたび相応しい社名に一新いたします。なお、今回の商号変更に至った背景、新たな価値観、ブランド構成イメージ等につきましては、2024年6月3日付にて当社ホームページで公表いたしました「社名(コーポレートブランド)刷新の背景と目的について」をご覧ください。

 今までも、そしてこれからも、自然からの恩恵であるきのこの可能性を、雪国で磨いた技術や探求心により最大限引き出し魅力的な製品を開発することで、持続的な成長へと繋げてまいります。

 

 当中間連結会計期間の収益は、21,555百万円(前年同期比14.6%増)、このうち、売上収益は14,988百万円(同11.4%増)となりました。また、売上総利益は、5,531百万円(同11.7%増)となりました。販売費及び一般管理費は、4,139百万円(同6.9%増)となりました。

 以上の結果、営業利益は、1,316百万円(同23.0%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は、741百万円(同32.5%増)となりました。なお、当中間連結会計期間においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に6,566百万円(同22.8%増)、売上原価に5,156百万円(同32.7%増)、それぞれ含まれております。

 

 当中間連結会計期間における事業セグメント別の売上収益の状況は、次のとおりであります。

 

〔茸事業〕

① まいたけ

 ヘルシー且つ旨味成分豊富なまいたけを、消費者の皆様のニーズに合わせ手軽に美味しく調理していただけるよう、他食品メーカーとの共同企画により、季節に応じた幅広いメニュー提案を展開する等、まいたけの魅力や調理の汎用性の高さを訴求した販売施策に取り組み、需要拡大を推進しております。また、白まいたけを含めた商品ラインアップは、各種定量商品や量り売り商品、大株商品まで豊富に取り揃え、店頭シェアの拡大及びプレミアムブランド戦略の強化に努めております。前年同期に比べ販売量はやや減少いたしましたが、販売単価は上回りました。この結果、当中間連結会計期間においては、まいたけ事業の売上収益は、7,616百万円(前年同期比4.9%増)となりました。

 

 

② エリンギ

 小型パックから大型パックまで各種量目を取り揃えた定番トレー製品をはじめ、利便性の高いスライス製品等、お客様ニーズに応じた多様な商品提案に取り組んでおります。また、小売店の店頭企画として、エリンギもぎ取り体験会の開催等、食育の一環となる販促活動を実施し、好評をいただきました。前年同期に比べ販売量は減少いたしましたが、販売単価は上回りました。この結果、当中間連結会計期間においては、エリンギ事業の売上収益は、1,740百万円(同2.4%増)となりました。

 

③ ぶなしめじ

 青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目の異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施し、安定供給に取り組んでおります。販売量はほぼ前年並みとなりましたが、販売単価は上回りました。この結果、当中間連結会計期間においては、ぶなしめじ事業の売上収益は、3,047百万円(同7.6%増)となりました。

 

④ その他の茸

 マッシュルームは、生産状況の安定化に注力するとともに、販促企画の実施等により販売強化及び新たな需要創造に取り組んでおります。これにより、前年同期に比べ販売は好調に推移いたしました。また、2023年12月に当社グループ傘下におさめました海外事業会社にて扱うマッシュルーム、エキゾチック・マッシュルーム(シイタケやヒラタケなど、日本国内にて呼称されるマッシュルーム以外のきのこの総称)の売上収益が、本セグメントの売上収益に含まれているため、前年同期に対し大きく上回っております。この結果、当中間連結会計期間においては、その他の茸事業の売上収益は、2,432百万円(同60.1%増)となりました。

 

〔その他〕

 その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるものであります。当中間連結会計期間においては、健康食品の販売量は減少いたしましたが、培地活性剤の製造及び販売は好調に推移いたしました。この結果、その他の売上収益は、150百万円(同2.5%増)となりました。

 

 各事業セグメント別売上収益は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自2023年4月1日

至2023年9月30日)

当中間連結会計期間

(自2024年4月1日

至2024年9月30日)

増減率

(%)

茸事業

13,310

14,838

11.5

 

まいたけ

7,257

7,616

4.9

 

エリンギ

1,700

1,740

2.4

 

ぶなしめじ

2,832

3,047

7.6

 

その他の茸

1,519

2,432

60.1

その他

146

150

2.5

売上収益

13,457

14,988

11.4

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末(2024年9月30日時点)の資産合計は、37,706百万円(前連結会計年度末比554百万円減)となりました。流動資産は、10,073百万円(同541百万円減)となりました。これは主に、現金及び現金同等物が1,837百万円、営業債権及びその他の債権が404百万円、それぞれ減少した一方、公正価値変動による利得により生物資産が1,335百万円、棚卸資産が392百万円増加したこと等によるものであります。非流動資産は、27,632百万円(同12百万円減)となりました。これは主に、のれん及び無形資産が41百万円、使用権資産が36百万円、それぞれ減少した一方、有形固定資産が52百万円増加したこと等によるものであります。

 

 

(負債)

 当中間連結会計期間末の負債合計は、25,762百万円(同886百万円減)となりました。流動負債は、9,148百万円(同129百万円減)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が670百万円、未払費用や未払消費税等を含むその他の負債が615百万円、未払法人所得税が494百万円、引当金が176百万円、預り金を含むその他の金融負債が101百万円、それぞれ減少した一方、短期借入金が2,000百万円増加したこと等によるものであります。非流動負債は、16,613百万円(同756百万円減)となりました。これは主に、借入金が710百万円減少したこと等によるものであります。

 

(資本)

 当中間連結会計期間末の資本合計は、11,943百万円(同332百万円増)となりました。これは主に、中間利益の計上等により利益剰余金が342百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,837百万円減少し、960百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、1,632百万円(前年同期は139百万円の使用)となりました。これは主に、税引前中間利益1,174百万円、減価償却費及び償却費1,173百万円の計上があった一方、生物資産の増加額1,336百万円、営業債務及びその他の債務の減少額1,006百万円、法人所得税の支払い955百万円、その他資産の増加額や未払消費税等の支払いを含むその他の支出670百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、978百万円(前年同期は341百万円の使用)となりました。これは主に、茸事業に係る設備更新等に伴う有形固定資産の取得による支出940百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、779百万円(前年同期は1,185百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の借入による収入2,000百万円があった一方、長期借入金の返済による支出715百万円、配当金の支払い399百万円があったこと等によるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、187百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載については、重要な変更はありません。

 

 

(参考情報)

 当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算定されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、重要な経営指標として位置づけております。

 コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、次のとおりであります。

(単位:百万円)

回次

第7期

中間連結会計期間

第8期

中間連結会計期間

第7期

会計期間

自2023年4月1日

至2023年9月30日

自2024年4月1日

至2024年9月30日

自2023年4月1日

至2024年3月31日

売上収益

13,457

14,988

33,443

営業利益

1,069

1,316

2,798

(調整額)

 

 

 

- IAS第41号「農業」適用による影響額 (注) 4

△1,261

△1,190

△404

- その他の収益及び費用 (注) 5

12

75

△35

- 一時的な収益及び費用 (注) 6

-

-

208

調整額小計

△1,249

△1,114

△231

コア営業利益 (注) 1、7

△179

201

2,567

(調整額)

+ 減価償却費及び償却費

1,083

1,168

2,235

コアEBITDA (注) 2、7

904

1,370

4,802

コアEBITDAマージン(%) (注) 3、7

6.7

9.1

14.4

(注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用

2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費

3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益

4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。

5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。

6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用となります。なお、第7期においては、2023年12月4日付にて実施いたしました海外事業会社の株式取得に関する費用を一時的な費用としております。当中間連結会計期間においては、一時的な収益及び費用の発生はありません。

7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。