第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績に関する説明

当中間連結会計期間における国内経済は、物価高による節約志向の高まりなどから個人消費に慎重さがみられ、弱い動きとなりました。北米経済は、インフレ率の低下に伴う雇用や所得環境の改善により堅調に推移しました。欧州経済は、持ち直しの動きをみせたものの一部で力強さを欠き、個人消費の回復は緩やかなものに留まりました。またアジア経済は、中国において景気低迷が継続し、その他アジアでは輸出の復調が追い風となるも、個人消費の回復は地域により差が出る形となりました。

このような状況のもと、当中間連結会計期間の連結経営成績は、主に時計事業が堅調に推移し売上高は1,565億円(前年同期比2.3%増)と増収となりましたが、営業利益は123億円(前年同期比9.0%減)と減益となりました。また、経常利益は122億円(前年同期比29.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益については122億円(前年同期比8.3%減)とそれぞれ減益となりました。

 

① 時計事業

ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られながらも、『ATTESA』や『xC』などの中核ブランドに加えて『The CITIZEN』などのプレミアムブランドが好調に推移し、またインバウンド需要の伸長により、増収となりました。

海外市場のうち北米は、個人消費が緩やかに持ち直し、ジュエリーチェーンと百貨店流通向けに加え、専門店向けの販売が堅調さを維持し、増収となりました。欧州は、イギリスなどが底堅さを保ち、フランスにおいても宣伝活動が寄与するなどして増収となりました。アジアは、タイなど一部市場に回復傾向が伺えたものの、中国の景気低迷に伴う売上減が響き、減収となりました。

“BULOVA”ブランドは、主力の北米市場において主要流通であるジュエリーチェーンと百貨店流通向けが堅調に推移したほか、オンライン向けの販売も伸長し、増収となりました。

ムーブメント販売は、主要市場においてアナログクオーツムーブメントに弱含んだ動きが見られる中、機械式ムーブメントも中国の市況の低迷から購買に慎重な姿勢が見られましたが、欧米向けの販売が堅調に推移し、増収となりました。

以上の結果、時計事業全体では、世界的な物価高の影響で消費マインドの回復が限定的となる中、グローバルブランドや、プレミアムブランド及び機械式時計の強化に向けた取り組みを進めたことで、売上高は847億円(前年同期比7.9%増)と増収となりました。営業利益においては、“CITIZEN”ブランド時計100周年に伴う宣伝費の増加等により、94億円(前年同期比7.0%減)と減益となりました。

 

 

② 工作機械事業

国内市場は、設備投資への慎重姿勢が継続する中、主に自動車関連の需要が回復せず、また市況の先行き不透明感から半導体関連や建機関連も低迷し、減収となりました。海外市場は、アジアにおいて中国の補助金政策などにより販売が増加したものの、米州及び欧州において医療関連を除く設備投資意欲が限定的となったことで、減収となりました。

 以上の結果、工作機械事業全体では売上高は373億円(前年同期比9.7%減)と減収となりました。営業利益は売上高の減少と製品ミックスの影響により、30億円(前年同期比42.2%減)と減益となりました。

 

③ デバイス事業

自動車部品は、国内の市場動向の影響を受けるも海外市場を中心に底堅く推移し、増収となりました。小型モーターは、顧客の在庫調整などの影響を受け、減収となりました。水晶デバイスはPCやIoT関連市場における需要が回復せず、またオプトデバイスは需要低迷により、どちらも減収となりました。

 以上の結果、デバイス事業全体では売上高は207億円(前年同期比6.4%減)と減収となりましたが、営業利益は固定費削減を進めたことにより5億円(前年同期比44.8%増)と増益となりました。

 

④ 電子機器他事業

情報機器は、POSプリンターとバーコードプリンターが、国内市場と欧州及び米州市場において堅調に推移したほか、フォトプリンターは安定した需要と新製品の拡販が順調に進んだことなどにより、増収となりました。健康機器は、体温計の販売が低調に推移したものの、血圧計のEC販売などが伸長し増収となりました。

 以上の結果、電子機器他事業全体では、売上高は136億円(前年同期比26.3%増)、営業利益は23億円(前年同期比250.0%増)と増収増益となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ52億円減少し、4,102億円となりました。資産の内、流動資産は、現金及び預金が26億円増加したこと等により35億円の増加となりました。固定資産につきましては、投資有価証券が84億円減少したこと等により87億円の減少となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ、33億円減少し、1,559億円となりました。これは、営業外電子記録債務が8億円、繰延税金負債が9億円減少したこと等によるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が73億円増加した一方、その他有価証券評価差額金が42億円、為替換算調整勘定が47億円減少したこと等により18億円減少し、2,542億円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間に比べ63億円増加し、832億円となりました

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

前中間連結会計期間より23億円収入が減少し133億円のキャッシュを得ております。これは主に税金等調整前中間純利益が175億円、減価償却費66億円等の増加要因がありました一方、投資有価証券売却益48億円、棚卸資産の増加額33億円、法人税の支払額25億円等の減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

前中間連結会計期間より22億円支出が減少し、25億円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が59億円の増加要因がありました一方、有形固定資産の取得による支出74億円等の減少要因によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

前中間連結会計期間より127億円支出が減少し、58億円の支出となりました。これは主に配当金の支払額48億円等の減少要因によるものです。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましてはグループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。

 

(8) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(9) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,842百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。