当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクの内容について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、製造業では、大型台風の影響で一部工場の稼働停止など影響を受け、自動車工業などで減産となったものの、幅広い業種で増産に転じて景況感は好調を維持しております。非製造業でも、インバウンド需要や個人消費が回復傾向にあり、また、価格転嫁やデジタル化の進展などを背景に景況感は好調であります。海外に目を転じますと、中国経済では、不動産市場の停滞により国内需要が低迷しております。また、EVを中心とした自動車などの輸出は増加しているものの、EVなどの過剰生産が問題視され、関税引き上げなどの対抗措置を受けております。先行きの輸出減速が示唆され、景気は足踏み状態となっております。欧州経済については、実質所得の回復や、金融引き締めの緩和などを受け、個人消費が増加しており、また、各国の財政支援や欧州復興基金による投資支援も設備投資を下支えし、景気は持ち直しております。また、米国経済においても、内需を中心に底堅い動きを見せております。純輸出や在庫投資が全体を下押しするも、物価上昇を上回る名目賃金上昇の継続や、超過貯蓄の取り崩し、半導体法などの政策により、個人消費や設備投資が増加しております。総括して景気が拡大しております。このように世界経済は、一部地域において足踏みがみられるものの、持ち直しております。米国やアジアは引き続き景気拡大を続け、欧米の景気も回復基調にあります。一方で、中国では内需の不足や過剰生産への対抗措置により、景気が足踏み状態となり、依然として先行き不透明な状況にあります。
当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当中間連結会計期間において、対前年同期比で、生産台数、販売台数ともに下回った状況となりました。海外におきましては、当中間連結会計期間の対前年同期比で、米国市場では、生産台数、販売台数ともに下回り、欧州市場は、生産台数は下回ったものの、販売台数は上回りました。中国市場及びインド市場では、生産台数、販売台数ともに上回りました。
このような状況の中、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は、前年同期比1.5%減の1,761億9千8百万円となりました。
利益面では、ドイツ系OEM事業で苦戦を強いられておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡に加え、管理可能経費削減の取り組みなどにより販売費及び一般管理費が抑制され、営業利益は前年同期比21.5%増の251億3千2百万円となり、経常利益は前年同期比0.5%増の251億5千1百万円となりました。また、訴訟損失引当金繰入額などが発生し、特別損失として8億7百万円計上し、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比11.2%減の153億9千6百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。
① 合成樹脂成形品事業
合成樹脂成形品事業は、国内においては、自動車の生産活動の停滞を受け、減収となりました。海外におきましては、米国、中国及びインドなどにおいて自動車の生産活動が持ち直したことや、為替が円安に向かったことなどを受け好調でしたが、ドイツ系顧客向けビジネスを行っておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡もあり減収となりました。結果として、合成樹脂成形品事業全体としては減収となりました。利益面においては、ドイツ系顧客向けビジネスを行っておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡に加え、管理可能経費削減の取り組みなどにより販売費及び一般管理費が抑制され、増益となりました。
この結果、当中間連結会計期間の合成樹脂成形品事業の売上高は前年同期比2.3%減の1,580億5千9百万円となり、セグメント利益につきましては、前年同期比24.4%増の252億1千8百万円となりました。
② ベッド及び家具事業
ベッド及び家具事業は、国内においては販売店向けが堅調に伸び、加えてホテル向けが好調に推移するも、円安による原材料などの原価アップや60周年記念商品の販売に伴い販売促進費用が増加したことにより、増収減益となりました。一方、海外においては香港にてホテル向けが大幅に伸びたものの、中国が不動産不況による景気減速の影響により卸・小売向けが落込み、また2024年1月にタイ工場を設立したことによる立上げ費用の影響もあり、増収減益となりました。
この結果、当中間連結会計期間のベッド及び家具事業の売上高は前年同期比6.6%増の181億3千9百万円となりました。セグメント利益につきましては、前年同期比4.3%減の27億2千4百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、254億6千9百万円の資金の増加となり、前中間連結会計期間が205億8千8百万円の資金の増加であったことに比べて、48億8千万円の増加となりました。これは主に売上債権の増減額が増加から減少に転じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、150億3千2百万円の資金の減少となり、前中間連結会計期間が19億5千3百万円の資金の減少であったことに比べて、130億7千8百万円の減少となりました。これは主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、156億3千8百万円の資金の減少となり、前中間連結会計期間が188億2千3百万円の資金の減少であったことに比べて、31億8千4百万円増加となりました。これは主に短期借入金の返済による支出が前期より下回ったこと等によるものであります。
これらの増減に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額を合せますと、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて10億8千4百万円減少し、1,409億3千9百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主要なマーケットである自動車産業については、グローバル・ベースでは今後も成長していくものと考えておりますが、地政学上の様々な変化が起きており、顧客要求も多様化、複雑化しております。
そのため、当社グループが更に飛躍・成長するには、これらの課題及びニーズに的確に対応しグローバル・ベースでの顧客満足度を向上させることが重要であります。
その課題達成に向けて、各ユーザーのニーズを的確かつ迅速に対応し得る商品と生産工程に関わる技術の構築、エンゲージメント向上とダイバーシティ推進による組織の活性化と次世代人材の確保、セキュリティの確保と業務の連携及び情報の利活用を進める情報システムの構築に注力するとともに、グローバル各社の予実管理を更に強化し、海外地域統括制の導入による地域内拠点間の協力体制の構築、現地での迅速な意思決定の推進等を図っております。
また、当社では他社の知的財産権を尊重し、当社の商品が他社の知的財産権を侵害しないよう開発段階から特許調査等を行うことで他社の知的財産権に対する侵害回避に努め、知的財産に関する訴訟リスクの低減を図っております。なお、当期におきましては、知的財産権に関する問題で第三者から訴訟を提起された事案はございません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、20億6千7百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産・負債及び純資産の状況
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ24億8千1百万円減少して、3,779億2千4百万円となりました。主な減少要因としては、商品及び製品が21億5千9百万円、売掛金が18億8千万円それぞれ減少しております。また、現金及び預金が37億2千9百万円減少したことなどによるものです。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ211億9千6百万円減少して、1,121億5千7百万円となりました。主な減少要因としては、社債が100億円、事業損失引当金が86億5千8百万円、短期借入金が53億2千5百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ187億1千5百万円増加して、2,657億6千7百万円となりました。自己株式を取得したことにより、自己株式が75億5千5百万円増加したものの、利益剰余金が122億1千万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が149億3千1百万円増加したことなどにより、純資産合計は増加となりました。この結果、自己資本比率は69.5%、1株当たり純資産は2,699円18銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの概況については、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資金需要
当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。
設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。
④ 財務政策
当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。
これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。