名称 ワイエス商事株式会社
所在地 東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年11月11日開催の当社取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当該取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を取得及び所有することを主たる目的として2024年10月7日に設立された株式会社とのことです。本書提出日現在、当社の代表取締役会長CEOである洲崎良朗氏が公開買付者の代表取締役を務めており、公開買付者の発行済株式を全て所有しているとのことです。
なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を所有しておりませんが、洲崎良朗氏は、当社株式8,204,100株(所有割合(注1):19.19%)を所有する当社の第二位株主とのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年11月11日に公表した「2024年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(43,059,420株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(298,325株)を控除した株式数(42,761,095株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の記載について同じです。
今般、公開買付者は、2024年11月11日、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募株式(以下に定義します。)を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注2)に該当し、洲崎良朗氏は、本取引後も継続して当社の取締役として経営にあたることを予定しているとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社のその他の取締役(監査等委員を含みます。)との間で本取引後の役員就任について何らの合意も行っていないとのことです。
(注2) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
本公開買付けに際して、公開買付者は、当社の代表取締役会長CEOかつ当社の第二位株主である洲崎良朗氏(所有株式数:8,204,100株、所有割合:19.19%)、洲崎良朗氏がその議決権総数の3分の2超を所有する資産管理会社であり、当社の主要株主かつ筆頭株主である多津巳産業株式会社(以下「多津巳産業」といいます。)(所有株式数:18,707,220株、所有割合:43.75%)及び洲崎良朗氏が代表理事を務め、当社の第三位株主である公益財団法人洲崎福祉財団(以下「洲崎福祉財団」といいます。)(所有株式数:3,900,000株、所有割合:9.12%)(以下、洲崎良朗氏、多津巳産業及び洲崎福祉財団を総称して「本不応募合意株主」といいます。)との間で、2024年11月11日付で、それぞれが所有する当社株式の全て(所有株式数の合計:30,811,320株、所有割合の合計:72.05%。以下「本不応募株式」といいます。)を本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には株主総会において、本スクイーズアウト手続(以下に定義します。以下同じです。)に関連する各議案に賛成する旨をそれぞれ合意(以下「本不応募合意」といいます。)しているとのことです。本不応募合意の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的としているため、買付予定数の上限を設定していないとのことです。また、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を設定しておらず、本公開買付けに応募された株券等の全部の買付け等を行うとのことです。これは、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているところ、本不応募合意株主が本書提出日現在所有する当社株式30,811,320株(所有割合:72.05%)に係る議決権の数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を超えており、本スクイーズアウト手続が確実に実行可能であると考えていることに加え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の株主の皆様の利益に資さない可能性もあると考えられたためとのことです。なお、本不応募合意株主が本書提出日現在所有する当社株式30,811,320株(所有割合:72.05%)に係る議決権の数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を超えていることから、本公開買付けを経ずに本スクイーズアウト手続を実行することも可能ですが、①本公開買付けを前置したほうが、本公開買付けに応募する株主の皆様にとっては、本公開買付けを前置しない場合と比較して対価を得るタイミングがより早くなり、より早期に売却機会を提供することができること、②本公開買付けを前置することにより、対抗提案が可能な期間を比較的長期間確保することができるため、より少数株主の利益に配慮したストラクチャーであると考えられることから、本公開買付けを前置することとしたとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを当社に要請する予定です。また、公開買付者は本スクイーズアウト手続の完了後に、公開買付者を吸収合併消滅会社、当社を吸収合併存続会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を行い、当社の株主を本不応募合意株主のみとすることを予定しているとのことですが、その時期については、本書提出日現在、未定とのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)からの借入(以下「本銀行融資」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、本銀行融資を受けることを予定しているとのことです。本銀行融資に関する詳細については、三井住友銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされておりますが、本銀行融資に係る融資契約では、本スクイーズアウト手続を通じて当社の株主が公開買付者及び本不応募合意株主のみとなった後、本銀行融資に関して、当社を公開買付者の連帯保証人とする予定とのことです。
当社のグループは、本書提出日現在、当社、連結子会社24社及び持分法適用会社2社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)で構成されており、米国を中心にグローバルで日本食、アジア食・食材の開発から販売・物流まで一貫して手掛ける「アジア食グローバル事業」、及びフルーツを中心とした青果物の輸入卸販売、食品メーカーや外食産業向けの食材の供給を行っている「アグリ事業」を主たる事業として展開しております。
当社は、1912年に神戸において貿易商社として創業し、1947年9月、西本貿易株式会社として法人化しております。1920年には、当社初の北米拠点であるシアトル支店を米国ワシントン州において開設、翌1921年には、海外向けプライベート・ブランドの「Shirakiku」の使用を開始する等、海外展開、業容拡大に努めてまいりました。その後、2010年10月、西本貿易株式会社(旧)の商号を西本貿易ホールディングス株式会社に変更すると同時に新設分割により西本貿易株式会社(新)を設立し、2015年1月に現在の西本Wismettacホールディングス株式会社に商号変更いたしました。また、2017年9月に東京証券取引所第一部に株式を上場し、その後、2022年4月4日の東京証券取引所の市場区分の変更に伴い、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しております。
当社グループは、創業以来、グローバルな視野とフロンティア精神、そしてリベラルな価値観を尊ぶ社風を基本理念とし、グローバルに展開する44の拠点において、日本食・アジア食を中心とした様々な食品・食材を世界から世界へクロスボーダーで商品企画・調達・生産・在庫・販売・分荷配送する当社独自の一気通貫可能なサプライチェーンを活用して高付加価値な商材を顧客に提供するビジネスモデルを構築し、今日まで事業を展開してまいりました。
洲崎良朗氏は、以下のⅰ)~ⅴ)のとおり、当社の想定を上回るほど経営環境は激しく変化していると考えているとのことです。
ⅰ) 世界における日本食・アジア食市場は地理的に急速に拡がっていると考えているとのことです。また、消費者が日本食・アジア食に求めるニーズも多様化しており、結果として販路も多様化していると考えているとのことです。具体的には、北米地域において、日本食レストランのみならず、中食・内食・スナック等の日本食・アジア食需要が増加していると認識しているとのことです。
ⅱ) AIに加えて、ロボティクス(注1)やフードテック(注2)等のテクノロジーが急速に発展しており、当社の事業にも大きな変化をもたらすものと考えているとのことです。
ⅲ) 世界的な政治状況・経済状況の不安定化、また、気候変動リスクの高まりは食のサプライチェーンに広範な影響を与える可能性があるものと考えているとのことです。
ⅳ) 世界経済の変化や地政学的リスクの高まりにより為替変動のリスクが高まった他、賃金、原材料、運賃等の当社の事業に関わる様々なコストが世界的に想定以上に上昇・高止まりしていると認識しているとのことです。
ⅴ) 日本国内において、人口減少、食の多様化、消費者嗜好の変化及び為替の影響等により輸入食品市場での消費活動が停滞傾向にあり、当該傾向は今後も継続するものと考えているとのことです。
(注1) 「ロボティクス」とは、ロボットのフレームや機構を設計する機械工学、ロボットに組み込んだモーターを動かす電気回路を制作する電気・電子工学、ロボットを制御するプログラムをつくる情報工学に関する研究を総合的に行うロボット工学をいいます。
(注2) 「フードテック」とは、バイオやデジタルといったテクノロジーを活用し、食の課題解決につなげる技術をいいます。
このような状況において、洲崎良朗氏は、当社グループがこれまでどおりの施策を実施するのみでは経営環境の変化に対して、必要かつ十分な速度を伴って対処し、より高度で持続的な成長と高い収益力の実現を図ることは困難であるとの認識に至ったとのことです。そこで、洲崎良朗氏は、当社グループの目指すべき真の姿の実現及び長期的・継続的な企業価値向上に向けて、当社グループにおいて一部既に取り組まれている以下(a)~(e)の施策をこれまで以上に積極的かつ迅速・確実に実行することが必須であると考えているとのことです。
(a) 主力のアジア食グローバル事業における積極的な拡充投資
当社の強みである北米アジア食事業において、日本食・アジア食の地理的な広がりに対応し、従来はカバーできていなかった地域の日本食レストランや小売店等も含めて、より迅速かつ正確な配送を低コストで実現し、顧客満足度の向上を実現するため、ハブアンドスポークモデル(注3)導入による輸送効率の向上と在庫の最適化も視野に、市場調査に基づく最適な拠点(倉庫)の展開・配置を行うための投資を行うことを想定しているとのことです。
(注3) 「ハブアンドスポークモデル」とは、中心となる物流拠点(ハブ)に商品在庫を集約させ、周辺の物流施設(スポーク)に輸送する方式をいいます。
(b) 高度なデジタル化・AI化投資による業務プロセスの合理化
上記(a)に記載の物流ネットワークの再編に加えて、過不足のない適切な在庫水準の達成と正確・迅速・安価な分荷配送サービスの実現を目的に、北米全拠点を皮切りに、欧州への展開も含め、WMS(注4)の導入、PSI(注5)システムの導入を予定しているとのことです。また、当社における全業務の作業効率性向上の観点から、SOP(注6)の再構築を行っており、①DX及びAIテクノロジーに置き換えるプロセス、②DX及びAIと人間が協力して行うプロセス、③人間が行うプロセスを見極めた上で、調達から販売までの業務オペレーションの最適化とITとの融合を推進するBPE(Business Process Excellence)部門を新設し、正確で迅速な低コストでのオペレーションを実現すると同時に、商品開発や取扱商品種類の増加等、当社が顧客への付加価値創出に専念できる体制を構築するとのことです。
さらに、商品開発を含む価値創出のプロセスを解析し、必要な情報を収集し、データに基づいて判断を行うデータドリブン(注7)な価値創出を推進することを考えているとのことです。
(注4) 「WMS」とは、Warehouse Management Systemの略称であり、倉庫等の商品や各種資材の入出庫や在庫管理等の機能を持つ物流センター管理システムをいいます。
(注5) 「PSI」とは、Production Sales Inventoryの略称であり、主に製造業が適正在庫を図るために行う管理手法をいいます。
(注6) 「SOP」とは、Standard Operating Proceduresの略称であり、作業や業務を進める際の手順を詳しく記載した指示書をいいます。
(注7) 「データドリブン」とは、売上データやマーケティングデータ、WEB解析データ等、データに基づいて判断・アクションをすることをいいます。
(c) 各種人事制度の見直し
組織として結果を出す力の向上と、新陳代謝の促進を目的に、経営陣とそれに続く全部門のマネジメント層を対象にサクセッションプランを定め、計画的採用・育成を早急に推進することを考えているとのことです。また、人材の層を厚くすると同時に、出身民族構成の正常化を図り、民族的な差異を排除する無民族化を目的とした多民族化を進めることを考えているとのことです。さらに、組織を活性化すべく、計画的・定期的な人事異動を実施し、任期制度及び早期退職制度等も導入することを検討しているとのことです。
(d) 強靭かつ効率的なサプライチェーンの構築
最適な物流網・在庫水準の実現に加えて、地政学的リスクや気候変動リスクの高まりを受け、複数の協力企業との提携を鑑みたマルチソーシングの推進及び主要商材における供給者との業務・資本提携等によりレジリエント(注8)で強靭なサプライチェーンの構築を実現することを想定しているとのことです。
(注8) 「レジリエント」とは、災害や不況等の様々な外部環境の変化や不確実性に対する耐性、あるいはそれらに柔軟に適応する能力をいいます。
(e) アグリ事業の収益基盤の強化
IP・商標含む商品開発・生産開発能力の獲得を起爆剤として海外事業を拡大すべく、戦略的な商品と、重点国を定め、商標権を武器に疑似独占モデル(注9)を確立し、生産・販売の質と量を適正管理することで利益最大化を図ることを想定しているとのことです。
(注9) 「疑似独占モデル」とは、競合がいる市場環境の中で競合との差別化を図り、自社製品・商品・サービスが競合と比較して独自のポジションを築くことにより、疑似的な独占状態を作ることをいいます。
一方で、洲崎良朗氏は、上記の各施策を実行するためには多額の投資が一定期間先行して必要となり、直ちに当社グループの業績に貢献するものではないと考えているとのことです。また、当社が上場企業である以上、短期的な業績に対してのコミットメントが求められる中、上記の各施策の実行の過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の評価を毀損する可能性もあるため、当社が上場を維持したまま、これらの施策を実施することは困難であると考えるようになったとのことです。
また、洲崎良朗氏としては、2017年9月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場して以来、知名度の向上、社会的な信用の向上等、上場会社として様々なメリットを享受してまいりましたが、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれていないこと、金融機関との長期的な取引により良好な関係を築けており、また昨今の良好な資金調達環境を鑑みても、間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが想定されること、さらには、一定のブランド力やお取引先様に対する信用力は既に確保できていると考えることから、人材の採用面やお取引先様との取引の継続の面から見ても上場廃止による悪影響は見込まれず、当社が上場を維持する必要性や上場を維持することにより享受できるメリットは相対的に低下している状況になっていると考えたとのことです。さらに、当社において株式の上場を維持するために必要な人的・経済的コストは近年増加しており、今後も、かかるコストが当社の経営上の更なる負担となる可能性も否定できないと認識しているとのことです。このようなことから、洲崎良朗氏は、当社株式を非公開化することが当社の企業価値向上のために最も有効な手段であるという考えに至ったとのことです。また、洲崎良朗氏は、当社株式の非公開化にあたっては、第三者ではなく、当社グループの事業内容を熟知している当社の代表取締役会長CEOである洲崎良朗氏が代表取締役を務める公開買付者自身がマネジメント・バイアウト(MBO)を実施し、当社の所有と経営を一体化させた上で上記施策を迅速かつ積極的に実行していくことが当社にとって最善であると考えるに至ったとのことです。以上の考えにより、洲崎良朗氏は、2024年6月下旬、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化することが当社株式の企業価値向上のために最も有効な手段であるとの考えのもと、本取引に要する資金の提供者である三井住友銀行と初期的な協議を開始したとのことです。その後、洲崎良朗氏は、本取引に関する具体的な検討を開始するにあたり、2024年7月下旬に本取引のファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社を選任し、2024年8月5日に、当社に対して、本取引の実施に関する意向表明書を提出したとのことです。その後、2024年8月中旬にリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任したとのことです。そして、洲崎良朗氏は、2024年8月13日、当社から、本取引に係る提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。
洲崎良朗氏は、2024年9月上旬から同年10月下旬まで当社に対するデュー・ディリジェンスを実施し、同年9月26日の本特別委員会に洲崎良朗氏が招聘された際の対話や質疑応答を通じて、(a)主力のアジア食グローバル事業における積極的な拡充投資、(b)高度なデジタル化・AI化投資による業務プロセスの合理化、(c)各種人事制度の見直し、(d)強靭かつ効率的なサプライチェーンの構築、(e)アグリ事業の収益基盤の強化等の具体的な施策を企図していることを当社に対して伝達したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年10月11日、当社及び本特別委員会に対し、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)、本取引のストラクチャー及びスケジュールについてさらに具体的な検討を進め、当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の財務情報、当社の株価の動向及び当社において2024年12月期の期末配当を実施しないこと等を総合的に勘案し、本公開買付価格を1株当たり1,750円(提案実施日の前営業日である2024年10月10日の当社株式の終値1,378円に対して27.00%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,377円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して27.09%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,376円に対して27.18%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,489円に対して17.53%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の初回の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、本特別委員会から、2024年10月15日、当該提案価格は、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとして本公開買付価格の再検討の要請を受けたため、公開買付者は、2024年10月23日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を1株当たり1,800円(提案実施日の前営業日である2024年10月22日の当社株式の終値1,316円に対して36.78%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,375円に対して30.91%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,367円に対して31.68%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,455円に対して23.71%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、本特別委員会から、2024年10月24日、当該提案価格は、依然として少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえず、同種の取引事例のプレミアム水準や、当社株式の長期的な市場株価推移、当社作成の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を踏まえた本公開買付価格の再検討の要請を受けたため、公開買付者は、2024年10月31日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を1株当たり1,880円(提案実施日の前営業日である2024年10月30日の当社株式の終値1,322円に対して42.21%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,354円に対して38.85%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,359円に対して38.34%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,430円に対して31.47%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、本特別委員会から、2024年11月1日、当該提案価格は、同種の取引事例のプレミアム水準や当社株式の中長期的な市場株価推移において、当社の少数株主が享受すべき利益が一定程度確保された価格であると考えているものの、当社の本源的な株主価値も勘案し、最大限の価格を提案いただきたいとする旨の要請を受けたとのことです。そして、公開買付者は、2024年11月6日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を1株当たり1,930円(提案実施日の前営業日である2024年11月5日の当社株式の終値1,297円に対して48.80%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,341円に対して43.92%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,361円に対して41.81%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,419円に対して36.01%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の価格提案書を提出したところ、本特別委員会から、2024年11月6日、当社としての正式な意思決定は、2024年11月11日に開催予定の当社取締役会で承認されることを条件とするものの、当該提案価格をもって、当社として本取引へ賛同し、株主に対し応募を推奨することが妥当であると考えている旨の回答を受領し、本公開買付価格を1,930円とすることで合意に至ったとのことです。なお、同種の取引事例のプレミアム水準については、下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。
以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2024年11月11日、本公開買付価格を1,930円とし、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決定したとのことです。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、洲崎良朗氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定しており、上記「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の経営施策を推進する予定とのことです。なお、本書提出日現在、本取引後に、洲崎良朗氏は、当社の代表取締役会長に就任する予定とのことですが、公開買付者と当社のその他の取締役との間には、本取引後の役員就任や処遇について何らの合意も行っていないとのことです。本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、当社と協議しながら決定していく予定とのことですが、原則として現在の経営体制を維持することを予定しているとのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年8月5日、洲崎良朗氏から意向表明書を受領しました。当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)のための本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本取引に関して検討を進めるにあたり、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、2024年8月5日に、当社、公開買付者及び本不応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を、2024年8月16日にファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。
また、当社は、2024年8月13日開催の取締役会において、本特別委員会を設置することを決議し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。本特別委員会は、2024年8月28日に、当社、公開買付者及び本不応募合意株主からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてのプルータス・コンサルティングの選任、並びにリーガル・アドバイザーとしての西村あさひの選任をそれぞれ承認しております。その上で、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、西村あさひ及びプルータス・コンサルティングの助言を受けながら、本取引の実行の是非及び取引条件に関して公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
本公開買付価格については、2024年10月11日付で、公開買付者より本公開買付価格を1,750円とする旨の第1回提案を書面にて受領したものの、当該提案価格は当社の少数株主の利益に十分配慮したものはいえないとして、2024年10月15日に、本公開買付価格の再考を要請しました。その後、本特別委員会は、公開買付者より、2024年10月23日に、本公開買付価格を1,800円とする旨の第2回提案を書面にて受領いたしましたが、当該提案に係る本公開買付価格についても、依然として当社の少数株主の利益に十分に配慮したものとはいえないとして、2024年10月24日に、本公開買付価格の再考を要請しました。その後、公開買付者より、2024年10月31日に、本公開買付価格を1,880円とする旨の第3回提案を書面にて受領いたしましたが、当該提案に係る本公開買付価格においても、相応のプレミアム水準での提案である点は評価したものの、当社の本源的な株主価値を勘案し、2024年11月1日に、本公開買付価格の再考を要請しました。かかる要請に対し、公開買付者より、2024年11月6日に、本公開買付価格を1,930円とする旨の第4回提案を書面にて受領いたしました。これに対して、本特別委員会は、2024年11月6日に、公開買付者に対して、当社取締役会で承認されることを条件として、かかる提案に応諾する旨回答いたしました。
以上の交渉過程において、本特別委員会が、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングを通じて、公開買付者との間で協議・交渉を行ったところ、その際には、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングは、事前に本特別委員会において審議の上で決定した再提案要請の方法、具体的な再提案要請の内容、公開買付者又はそのアドバイザーとの間でコミュニケーションを取る場合にはその内容等の交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行いました。
そして、上記のとおり、公開買付者との間で本公開買付価格を1,930円とする旨の実質的な合意に至ったことを受け、本特別委員会は、当社がプルータス・コンサルティングから提出を受けた当社の株式価値の算定結果に関する2024年11月8日付株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も考慮した上で、2024年11月8日付答申書(以下「本答申書」といいます。)を作成し、当社は、2024年11月11日、本特別委員会から本答申書の提出を受けました(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯のもとで、当社は、2024年11月11日開催の当社取締役会において、西村あさひから受けた法的助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言及びプルータス・コンサルティングから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討・協議を行いました。その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引は当社グループの企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、世界における日本食・アジア食市場は地理的に急速に拡がり、消費者が日本食・アジア食に求めるニーズも多様化していることで、結果として販路も多様化しております。加えて、テクノロジーの急速な発展は当社の事業に大きな変化をもたらすものと考えております。また、世界的な政治状況・経済状況の不安定化や気候変動リスクの高まりは食のサプライチェーンに広範な影響を与え、世界経済の変化や地政学的リスクの高まりにより為替変動のリスクが高まった他、賃金、原材料、運賃等の当社の事業に関わる様々なコストが世界的に想定以上に上昇・高止まりしております。日本国内においては、人口減少、食の多様化、消費者嗜好の変化及び為替の影響等により輸入食品市場での消費活動が停滞傾向にあり、当該傾向は今後も継続するものと考えております。当社は創業以来、グローバルに展開する44の拠点において、日本食・アジア食を中心とした様々な食品・食材を世界から世界へクロスボーダーで商品企画・生産・在庫・販売・分荷配送する当社独自の一気通貫可能なサプライチェーンを活用して高付加価値な商材を顧客に提供するビジネスモデルを構築し、今日まで事業を展開してまいりましたが、現在の事業環境の下、より高度で持続的な成長と高い収益力の実現を図るためには、これまで以上に積極的かつ迅速・確実に様々な施策を実行することが必須であるとの考えに至りました。具体的には、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、洲崎良朗氏は、(a)主力のアジア食グローバル事業における積極的な拡充投資、(b)高度なデジタル化・AI化投資による業務プロセスの合理化、(c)各種人事制度の見直し、(d)強靭かつ効率的なサプライチェーンの構築、(e)アグリ事業の収益基盤の強化、といった施策を想定しているとのことであり、当社は、いずれの施策も、当社の中長期的な企業価値向上のために積極的に推進していくべきものであると認識しております。
しかしながら、これらの施策を実行した際には、多額の投資が一定期間先行して必要となり、中長期的には当社の企業価値向上が期待できるものの、短期的には利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等を招くリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、資本市場から十分な評価が得られず、その結果、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様が短期的には悪影響を被る可能性を否定できないものと考えております。他方で、上記のとおり、当社を取り巻く事業環境に鑑みると、これらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的には当社の競争力・収益力を弱めることに繋がるものと考えております。
当社としても、当社の株主の皆様に対して短期的な悪影響を被ることなく株式を売却できる機会を提供するとともに、当社株式を非公開化することで、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、かつ、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする株主と経営陣を一体化させた上で上記施策を迅速かつ積極的に実行していくことが、当社の企業価値向上を実現する最良の選択であると判断いたしました。
なお、上場企業の株式が非公開化されることによって資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力や知名度の向上を通じた人材確保、お取引先様をはじめとするステークホルダーに影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況に鑑みると当面の間エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は見込まれていないこと、金融機関との長期的な取引により良好な関係を築けており、また昨今の良好な資金調達環境を鑑みても、間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが想定されること、さらには、一定のブランド力やお取引先様に対する信用力は既に確保できていること等を踏まえると、非公開化のデメリットは限定的であると考えております。
したがって、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。以上を踏まえ、当社取締役会は、2024年11月11日付で、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することは、当社の企業価値向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保に資するものであると判断いたしました。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格(1,930円)は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 本公開買付価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載されているプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果の範囲内であること
(b) 本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,336円に対して44.46%、2024年11月8日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,334円に対して44.68%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,369円に対して40.98%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,409円に対して36.98%のプレミアムがそれぞれ加算されており、本公開買付けと同種の公開買付け事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表された、特別関係者を含む公開買付者が公開買付け実施前に所有する対象会社の株式に係る議決権数が対象会社の総株主の議決権数の3分の2を超えている公開買付け事例26件。但し、不成立となった事例を除き、2024年8月31日までに公表された案件に限る。)におけるプレミアム水準の中央値(それぞれ公表日の前営業日の株価に対して中央値37.22%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値37.18%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値36.89%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値33.72%。)を上回る水準であることから、総じて、他の類似事例と比べても遜色ないプレミアム水準が確保されており、合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること
(c) 本公開買付価格の決定に際しては、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置がとられていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること
(d) 上記利益相反を解消するための措置がとられた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、より具体的には、独立社外取締役で構成される本特別委員会を組成しこれに買付者との交渉権を付与し、本特別委員会によって、プルータス・コンサルティングによる本株式価値算定書の内容や西村あさひによる本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、当初提示額(1株当たり1,750円)よりも、1株当たり180円(10.29%)引き上げられた価格で提案された価格であること
(e) 下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、本公開買付価格は少数株主にとって不利益ではない水準に達している旨の意見を述べていること
なお、当社の2024年5月15日付で公表した「2024年12月期 連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、当社は2024年12月期の連結業績予想の下方修正(以下「本下方修正」といいます。)を行っておりますが、本下方修正は、2024年12月期第1四半期末時点における業績状況を踏まえた判断であり、2024年8月5日に洲崎良朗氏から意向表明書を受領する前に公表したものであることからも、本取引とは無関係の要因によるものであり、当社が意図的に当社株式の株価を下げる目的で本下方修正を策定及び公表したものではないため、プルータス・コンサルティングによる下記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載の市場株価法の算定にあたり、本下方修正の公表日である2024年5月15日以降の当社株式の株価も考慮の対象とすること自体に問題はないと考えております。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年11月11日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。なお、当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2024年11月8日に本株式価値算定書を受領いたしました。なお、当社は、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、プルータス・コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
プルータス・コンサルティングは、当社、公開買付者及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、プルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず、支払われる報酬のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
プルータス・コンサルティングは、当社株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社株式の価値算定を行っています。プルータス・コンサルティングは本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を、それぞれ用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。
上記各手法に基づいて算定された当社の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :1,334円から1,409円
類似会社比較法 :677円から1,365円
DCF法 :1,515円から2,719円
市場株価法では基準日を2024年11月8日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,336円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,334円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,369円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,409円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,334円から1,409円と算定しております。
次に、類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む類似上場企業として、ヤマエグループホールディングス株式会社、株式会社マルイチ産商、株式会社トーホー、株式会社ラクト・ジャパン、木徳神糧株式会社及び尾家産業株式会社を選定した上で、EBITマルチプル及びEBITDAマルチプルを用いて、当社株式の株式価値を算定し、その1株当たりの株式価値の範囲を677円から1,365円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2024年12月期から2027年12月期までの財務予測、直近までの業績の動向に基づき、当社が2024年12月期第3四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社の1株当たりの株式価値の範囲を1,515円から2,719円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、5.1%~8.0%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては倍率法として算定しております。倍率はEBITマルチプル及びEBITDAマルチプルを採用し、EBITマルチプルは6.0倍~9.0倍、EBITDAマルチプルは4.2倍~6.7倍として算定しております。
プルータス・コンサルティングがDCF法の算定の前提とした本事業計画に基づく連結財務予測は以下のとおりです。
(単位:百万円)
なお、本事業計画の財務予測に係る数値は、2023年10月16日付で公表した2024年12月期を初年度とする中期経営計画上の数値を下回っておりますが、当該中期経営計画は2017年の上場以来の大きな転換点という位置づけのもと、より長期的な事業拡大や達成すべき姿を起点とし、策定された経営計画であり、積極的な成長戦略を前提とした意欲的な目標として策定されたものです。当社は中期経営計画の公表以降、主力のアジア食グローバル事業を中心に、当該計画における事業戦略を着実に推進し、業容の拡大及び収益力の向上を図ってまいりました。しかしながら、中期経営計画の策定以降、日本食・アジア食の裾野は広がるものの、北米を中心として、労働参加率低下を一因とする人件費上昇等によるインフレーションの高止まり、中低所得層を中心とした貯蓄率の低下と個人消費の減速、コロナ禍を経た食の消費形態の多様化から、需要構造を含む当社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。また、国内向け輸入事業では、昨年度から更に進行した円安の影響等によって費用が増加し、収益構造が圧迫される事業環境が継続しております。これらの結果、2024年5月15日付で公表した「2024年12月期連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」、及び2024年11月11日付で公表した「2024年12月期 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、足元の収益環境及び業績等を踏まえ、2024年度12月期の連結業績予想を下方修正する結果となりました。本事業計画は、中期経営計画策定時点からの事業環境の変化や足元の業況等も踏まえ、より現状に則した客観的かつ合理的な財務予測に基づいて策定されたものであり、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、合理性に係る検討及び確認が行われ、承認されたものです。以上を踏まえ、公表済中期経営計画上の数値ではなく、本事業計画の財務予測に係る数値に基づき本公開買付価格の妥当性を検討することが適切であると判断いたしました。なお、本事業計画には、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年12月期については、当社が2024年5月15日付で公表した「2024年12月期 連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」、及び2024年11月11日付で公表した「2024年12月期 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、アグリ事業の国内向け青果事業において大幅な損失を計上したこと、また、アジア食グローバル事業において、北米を中心に報酬水準の引上げやインフレ等の影響により、人件費や賃料等の販管費が増加したことから、営業利益が7,000百万円(対前年比36.48%減少)となることを見込んでおります。また、アジア食グローバル事業における地理的拡大、販路の拡大及び事業領域の拡大による売上上昇、SCM(注1)関連への積極的な投資によるオペレーションの効率化等に伴い、2025年12月期の営業利益は9,662百万円(対前年比38.03%増加)、2026年12月期の営業利益は14,560百万円(対前年比50.69%増加)となることを見込んでおります。加えて、本事業計画には、対前年度比較においてフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年12月期においては、上記のとおり大幅な増益を見込んでいることから、前年対比でフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。2026年12月期においては、売上高上昇に伴う運転資本の増加並びにSCM(注1)関連への積極的な投資から生じる設備投資額の増加に伴い、前年対比でフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。2027年12月期においては、設備投資額の減少及びオペレーションの効率化等に伴う増益により、前年対比でフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。さらに、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。
(注1)「SCM」とは、サプライチェーンマネジメントの略称であり、サプライチェーン全体で仕入から販売に至るまでの流れを一貫して把握・管理することにより、物流全体の最適化を図る手法をいいます。
プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。但し、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした本事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場していますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社株式を非公開化する方針であり、本公開買付けにより公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの成立後に、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実行することを予定しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、2025年3月開催予定の2024年12月期に係る当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件とした単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含めることを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び本不応募合意株主は、本定時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本定時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、当社の株主の皆様は、本株式併合がその効力を生ずる日において、本定時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。なお、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社の株主が公開買付者及び本不応募合意株主のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。本株式併合の効力発生前において、公開買付者及び本不応募合意株主以外に、本不応募合意株主がそれぞれ所有する当社株式の数のうち、最も少ない数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在する場合の対応は、本書提出日現在未定です。なお、当社は、公開買付者からかかる要請を受けた場合には、かかる要請に応じる予定です。
本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主の皆様(但し、公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する当社株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(但し、公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。なお、本公開買付けは、本定時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(本不応募合意株主及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本定時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年11月8日付で本株式価値算定書を受領しております。なお、当社は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、プルータス・コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
プルータス・コンサルティングは、公開買付者、当社及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、プルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず、支払われる報酬のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
また、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関につき、独立性及び専門性に問題がないこと、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認しております。
当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を担保するために講じるべき措置、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。
なお、西村あさひは、当社、公開買付者及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。西村あさひは当社にとって顧問法律事務所ではありますが、当社が西村あさひに法的助言の対価として支払った金額は当社の社外役員の独立性の基準を下回る少額のものであり、西村あさひの本取引に関する法的助言の公正性に疑いを抱かせる金額ではなく、西村あさひの報酬は、本取引の成否にかかわらず時間単位の報酬のみとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておらず、本取引の成否にも重要な利害を有しません。また、西村あさひは当社に限らず多数の依頼者に対してリーガル・サービスを提供する外部の法律事務所であり、当社も西村あさひの依頼者の一つとして西村あさひの取扱分野や専門性を踏まえて当社の事業や経営判断に関し法律相談を継続的に依頼し、外部の法律専門家として法的助言を受けるために法律顧問契約を締結しているものであって、かかる法律顧問契約を締結していることをもって当社からの独立性は害されません。西村あさひは当社から独立したリーガル・アドバイザーとして本取引に関する法的助言を行うものであることから、西村あさひの当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否からの独立性に問題はないと判断しております。
また、本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザーにつき、独立性及び専門性に問題がないこと、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認しております。
当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、当社における本取引の検討において構造的な利益相反の問題が類型的に存在すること等に鑑み、本公開買付けを含む本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年8月13日開催の当社取締役会決議に基づき、当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立した委員によって構成される本特別委員会を設置いたしました。本特別委員会の委員としては、当社の独立社外取締役から成る委員(当社の独立社外取締役である能見公一氏、大村由紀子氏及び新井一氏の3名)を選定しております。なお、当社は、当初から当該3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされ、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(ⅴ)当社取締役会における本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益なものではないか(以下、かかる(ⅰ)乃至(ⅴ)の事項を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しております。
また、当社は、上記取締役会決議において、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当該取引条件による本取引に賛同しないものとする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)当社のファイナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関、リーガル・アドバイザーその他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を承認(事後承認を含みます。)した上で、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当該アドバイザー等から専門的助言若しくは説明を受ける権限、又は、独自のアドバイザー等を選任した上で当該アドバイザー等から専門的助言を受ける権限(この場合の費用は当社が負担します。)、(b)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、並びに(c)必要に応じて、本取引の条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引の条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、例えば、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の条件等の交渉過程に実質的に関与する状況を確保するよう努めるものとし、当社は当該状況が確保されるよう協力いたします。)をそれぞれ付与しております。
本特別委員会は、2024年8月28日より2024年11月8日まで合計8回、合計約8時間にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。
具体的には、本特別委員会は、まず、2024年8月28日、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひ並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてのプルータス・コンサルティングの選任並びに当社のリーガル・アドバイザーとしての西村あさひの選任を、それぞれ承認しております。また、本特別委員会は、必要に応じ当社のアドバイザー等から専門的助言を得ることとし、実際にこれらの専門的助言を随時受領しております。
その上で、本特別委員会は、西村あさひ及びプルータス・コンサルティングから受けた説明を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、当社から、当社の事業の内容、外部環境、現在の経営課題、プルータス・コンサルティングによる株式価値算定の前提とした本事業計画の内容、公開買付者が本取引を検討するに至った経緯、公開買付者の提案内容等に関する事項等に関する事項の説明を受け、質疑応答を実施しております。また、公開買付者から、本取引の背景・意義・目的、本取引により想定される影響、本取引のストラクチャー・条件、本取引後の当社の経営体制・経営方針について説明を受け、質疑応答を実施しております。さらに、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉について、当社からその経緯及び内容等につき適時に報告を受けるだけでなく、本特別委員会における協議、公開買付者との本取引に係る面談及び質疑応答、並びに公開買付者に対する本公開買付価格の増額の要請を実施する等、本公開買付価格について公開買付者から1,930円という最終的な提案を受けるに至るまで、およそ3ヶ月の間、複数回にわたり当社に意見や助言をする等して、公開買付者との交渉過程に直接かつ実質的に関与しております。加えて、プルータス・コンサルティングから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受け、当該算定方法の前提、内容及び結果等について財務的見地から質疑応答を行い、その合理性を検証した他、西村あさひから本取引において利益相反を軽減又は防止するために採られている措置及び本取引に関する説明を受け、公正性担保措置の一般的意義・概念及び本取引における当該措置の十分性等に関して質疑応答を行うとともに、当社から本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、公開買付者から提案された本公開買付価格が、当社が実現し得る本源的価値が適切に反映されているか等についての質疑応答を実施しております。これらの内容を踏まえ、本特別委員会は本諮問事項について慎重に協議・検討を行っております。
また、本特別委員会は、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について、西村あさひ及びプルータス・コンサルティングの説明を受け、公開買付者及び当社が、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの助言を得て充実した情報開示を行う予定であることを確認しております。
本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年11月11日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本諮問事項についての本答申書を提出しております。
本特別委員会が当社及び公開買付者から受けた説明並びに本特別委員会に提出された資料を踏まえると、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の本取引に至る背景となる当社グループの事業内容・事業環境については、当社グループの属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容や当社取締役会の理解とも整合すると考えられる。
また、当社グループの事業内容・事業環境を踏まえ、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の本取引後に講じられることが具体的に想定される各施策は、当社グループの現在の事業内容及び事業環境を前提とした合理的なものであり、当社における将来の中長期的な企業価値の向上のための施策として、評価し得るものであると考えられる。
すなわち、当社は創業以来、グローバルに展開する44の拠点において、日本食・アジア食を中心とした様々な食品・食材を世界から世界へクロスボーダーで商品企画・生産・在庫・販売・分荷配送する当社独自の一気通貫可能なサプライチェーンを活用して高付加価値な商材を顧客に提供するビジネスモデルを構築し、今日まで事業を展開してきたが、現在の事業環境の下、より高度で持続的な成長と高い収益力の実現を図るためには、これまで以上に積極的かつ迅速・確実に各種施策を実行することが必須であるとの当社の判断は是認できる。
他方で、かかる経営課題に対し、洲崎良朗氏は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、本取引実行後に、①主力のアジア食グローバル事業における積極的な拡充投資、②高度なデジタル化・AI化投資による業務プロセスの合理化、③各種人事制度の見直し、④強靭かつ効率的なサプライチェーンの構築、⑤アグリ事業の収益基盤の強化という施策を実施することを企図している。当社、公開買付者及び洲崎良朗氏から受けた説明等を踏まえて検討した結果、①については、当社の主力であるアジア食グローバル事業における積極的な拡充投資を通じて、従来はカバーできていなかった地域の日本食レストランや小売店等を含め、より迅速かつ正確な配送を低コストで実現し、顧客満足度の向上の実現が期待できること、②デジタル化・AI化投資による業務プロセスの合理化により、商品開発や取扱商品種類の増加等、顧客への付加価値創出に専念でき、またデータに基づいて判断を行う価値創出が推進できること、③各種人事制度の見直しにより、民族的な差異を排除する無民族化を目的とした多民族化や、組織の活性化が期待されること、④強靭かつ効率的なサプライチェーンの構築は、最適な物流網・在庫水準の実現に加え、地政学的リスクや気候変動リスクの高まりを踏まえても重要性が高いこと、⑤生産・販売の質と量を適正管理することによるアグリ事業の収益基盤の強化により、同事業の利益最大化が図れると考えられることから、いずれの施策も、当社の中長期的な企業価値向上のために積極的に推進していくべきものであると認められる。
しかしながら、これらの施策を実行した際には、多額の投資が一定期間先行して必要となるため、中長期的には当社の企業価値向上が期待できるものの、短期的には利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等を招くリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、資本市場から十分な評価が得られず、その結果、当社の株価の下落を招き、当社の株主が短期的には悪影響を被る可能性も否定できないと考えられる。他方で、上記のとおり、当社を取り巻く事業環境に鑑みると、これらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的には当社の競争力・収益力を弱めることに繋がるものと考えられる。
以上を踏まえ、当社の株主に対して、短期的な悪影響を被ることなく株式を売却できる機会を提供するとともに、当社株式を非公開化することで、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、かつ、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする株主と経営陣を一体化させた上で上記施策を迅速かつ積極的に実行していくために、本取引を実施して当社株式を非公開化するという手法には、当社の企業価値向上を実現する観点から合理性があると考えられる。
なお、上場企業の株式の非公開化による影響として、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として享受してきた社会的な信用力や知名度の向上を通じた人材確保、取引先をはじめとするステークホルダーに影響を及ぼすといった悪影響が生じる可能性が一般的には考えられる。しかしながら、当社の現在の財務状況に鑑みると、当面の間エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は見込まれていないこと、金融機関との長期的な取引により良好な関係を築けており、また昨今の良好な資金調達環境を鑑みても、間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが想定されること、さらには、一定のブランド力や取引先に対する信用力は既に確保できていること等を踏まえると、非公開化のデメリットは限定的であると考えられる。したがって、本特別委員会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回るものと判断する。
これらの検討内容を踏まえると、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は合理性を有するものであると考えられる。
以下のとおり、本公開買付価格は公正かつ妥当なものであり、その決定過程に不合理な点は見当たらない。その他の取引条件についても当社の少数株主に不利益となる事情は認められないことから、本取引の条件は妥当なものであると考えられる。
(a) 上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、本公開買付価格は、当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本特別委員会と公開買付者との間の真摯な価格交渉の結果決定されており、また、3回にわたる価額の引上げの要請が行われ、実際に本公開買付価格が1,750円から1,930円までに引き上げられており、これらの本特別委員会と公開買付者との本公開買付価格の交渉に係る経緯には、不合理な点は認められないことから、本特別委員会と公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、当社の企業価値を高めつつ当社の少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められること。
(b) 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2024年11月8日付で本株式価値算定書を取得しており、本株式価値算定書の基礎とした本事業計画については、下記(ⅲ)「本取引に係る手続の公正性」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングからの説明を踏まえ、本特別委員会においても、本事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、合理性に係る検討及び確認を行い、承認したものであり、また、本特別委員会は、本株式価値算定書の内容を検討するとともに、プルータス・コンサルティングから、本株式価値算定書の内容について説明を受けた結果、上記の各手法は、いずれも現在の実務に照らして一般的かつ合理的な手法であると考えられ、その算定の内容についても現在の実務に照らして一般的かつ合理的なものであると考えられ、本株式価値算定書に準拠できると考えられること。
(c) 本公開買付価格は、本答申書作成日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,336円に対して44.46%、本答申書作成日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,334円に対して44.68%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,369円に対して40.98%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1.409円に対して36.98%のプレミアムがそれぞれ加算されており、本公開買付けと同種の公開買付け事例(経済産業省がM&A指針を公表した2019年6月28日以降に公表された、特別関係者を含む公開買付者が公開買付け実施前に所有する対象会社の株式に係る議決権数が対象会社の総株主の議決権数の3分の2を超えている公開買付け事例26件。但し、不成立となった事例を除き、2024年8月31日までに公表された案件に限る。)におけるプレミアム水準の中央値(それぞれ公表日の前営業日の株価に対して中央値37.22%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値37.18%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値36.89%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して中央値33.72%。)を上回る水準であることから、総じて、他の類似事例と比べても遜色ないプレミアム水準が確保されており、合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること。
(d) 上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の本スクイーズアウト手続の方法は、本取引のような完全子会社化の取引において一般的に採用されている会社法第180条に基づく株式併合により行われる予定であり、本取引の方法として妥当であると考えられ、また、本スクイーズアウト手続の条件についても、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定・決定される予定であるところ、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けに続く手続として予定されているものであり、時間的に近接した両手続において交付される対価が同一のものとなるようにすることは合理的であると考えられること。
(e) 公開買付者は、本スクイーズアウト手続の完了後、本合併を実施し、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとすることを予定しているとのことであり、本合併に関する具体的な日程等の詳細については未定とのことであるが、本合併の実施が、他の類似事例と比較して、当社の少数株主にとって不利益となり得る特段の事情は認められず、また、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、本銀行融資により賄うことを予定しており、本銀行融資に係る融資契約では、本スクイーズアウト手続を通じて当社の株主が公開買付者及び本不応募合意株主のみとなった後、本銀行融資に関して、当社を公開買付者の連帯保証人とする予定とのことであるが、当社の本事業計画等に鑑みれば今後も継続して安定した収益が見込まれること等を踏まえると、本銀行融資により当社グループの企業価値に重大な悪影響を与えるような財務状況の悪化が生じるものとは認められないこと。
以下のとおり、本取引においてはM&A指針に定められる各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらないため、本取引の手続の公正性は確保されていると考えられる。
(a) ①本取引においては、取引条件の形成過程の初期段階から全般にわたって、本特別委員会が関与していたことが認められること、②本特別委員会の委員は、それぞれ独立性を有することが確認されており、専門性・属性にも十分配慮して選定されたものであることが認められること、③本特別委員会については、本特別委員会の設置、権限、職責、委員の選定及び報酬の決定の各過程において、当社の独立社外取締役が主体性を持って実質的に関与する体制が確保されていたことが認められること、④本特別委員会は、公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に、当社取締役会を通じて直接かつ実質的に関与してきたことが認められること、⑤本特別委員会においては、当社の企業価値の向上の観点及び少数株主の利益を図る観点から、本取引に関する検討過程において適時に各アドバイザーの専門的な助言・意見等を取得し、本取引の是非、本公開買付価格をはじめとする本取引の条件の妥当性、本取引における手続の公正性等について慎重に検討及び協議を行う体制が確保されていたと認められること、⑥本特別委員会が非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行うことのできる体制を整備していることが認められること、⑦本取引の検討について本特別委員会に求められる役割を適切に果たすための特別の報酬が、元々支払いが予定されていた役員報酬とは別に、本取引の成否と関係なく支払われることとなっていることを踏まえると、本特別委員会の委員が時間的・労力的なコミットメントを行いやすく、かつ本取引の成否から独立した立場から判断を行うための環境が整えられていることが認められること、⑧本取引については取締役会が本特別委員会の意見を最大限尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されていることが認められること、⑨本取引の検討・交渉に際しては、公開買付者から独立した社内検討体制、及び利害関係を有する取締役を本取引の検討・交渉に関与させない体制が整備されていたことが認められることから、本取引の検討に際しては、特別委員会の実効性を高める工夫に関するM&A指針の指摘事項に配慮した上で、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められること。
(b) 本取引においては、当社は、①当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、本取引の検討の初期段階から、必要な法的助言を受けていたことが認められ、また、②当社、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年11月8日付で本株式価値算定書を受領しており、これに基づき判断を行っていることに加え、公開買付者との間の価格交渉等においては、適時、プルータス・コンサルティングの助言及び補助を得ており、かつ、西村あさひ及びプルータス・コンサルティングの公開買付者及び本公開買付けの成否からの独立性に問題はないと認められること。
(c) 本取引においては、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されていることが認められ、他方で、本取引においては、積極的なマーケット・チェックは実施されていないものの、情報管理の観点に加え、公開買付者及び本不応募合意株主が併せて当社の総株主の議決権の3分の2以上を保有しており、かつ、対抗的提案者による対抗提案があった場合であっても、当社株式を売却する意向を有していることは窺われないことからすれば、積極的なマーケット・チェックを行う意義は乏しいということができるから、これを実施しなくとも、本取引の公正性が阻害されるおそれは低いと考えられること。
(d) 本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限は設定されていないものの、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定とし、かえって本公開買付けにより当社株式の売却を検討したい少数株主に対して売却の機会が提供されず、当該株主の利益に資さない可能性があること、また、公開買付者及び当社において他に十分な公正性担保措置を講じていることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされており、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けの手続の公正性を損なうものではないと考えられること。
(e) 特別委員会に関する情報、株式価値算定書に関する情報及びその他の情報が開示される予定であり、M&A指針が開示を求める情報は十分に開示されるものと認められること。
(f) 本取引においては、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえ、手続の公正性の確保に資する対応が採られていると考えられること。
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の検討のとおり、本取引の目的は合理的を有すると考えられること、本取引条件は妥当であると考えられること、及び本取引に係る手続は公正なものであると考えられることからすると、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。
上記(ⅰ)乃至(ⅳ)の検討のとおり、本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
当社取締役会は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、西村あさひから受けた法的助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値の向上が見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年11月11日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(洲崎良朗氏を除く6名)の全員一致で、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の代表取締役会長CEOである洲崎良朗氏は、公開買付者の代表取締役及び当社の大株主であることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係取締役として、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
当社は構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、洲崎良朗氏は、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、上記「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の2024年11月11日開催の取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者及び当社との協議並びに交渉にも一切参加しておりません。当該検討体制は、全て公開買付者及び本不応募合意株主並びに本取引の成否から独立性の認められる役職員のみ(取締役である佐々祐史氏及び新開裕之氏を含みます。)で構成することとし、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制、具体的には本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する役職員の範囲及びその職務(当社の株式価値の評価の基礎となる事業計画の作成等の高い独立性が求められる職務を含みます。)は西村あさひの助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日と設定しているとのことです。このように公開買付期間を法定最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保しているとのことです。
また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
公開買付者は、2024年11月11日付で、当社の代表取締役会長CEOかつ当社の第二位株主である洲崎良朗氏及び当社の主要株主かつ筆頭株主である多津巳産業との間で、洲崎良朗氏(所有株式数:8,204,100株、所有割合:19.19%)及び多津巳産業(所有株式数:18,707,220株、所有割合:43.75%)が所有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成することに合意しているとのことです。
また、公開買付者は、2024年11月11日付で、当社の第三位株主である洲崎福祉財団(所有株式数:3,900,000株、所有割合:9.12%)との間で、洲崎福祉財団が所有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨の契約を締結しているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役新井一、取締役(監査等委員)能見公一及び大村由紀子は、社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権の数には、多津巳産業株式会社(代表取締役会長CEO洲崎良朗が議決権の過半数を実質的に所有する会社)が所有する株式数及びそれらに係る議決権の数を含めております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上