当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループは、2024年3月期から2027年3月期をBSR拡大期とし、BSR拡大期の最終年度では売上高100億円、営業利益25億円の実現を目指しております。
そのような計画のもと、当連結会計年度につきましては、BSR導入期・展開期で伸長させた製品やサービスをプラットフォーム化するとともに、販売パートナー・開発パートナーとの連携を強化し、あわせて、生成AI等のAI技術を各種製品やサービスへの連携を強化させることで、さらなるストックビジネスの拡大とユーザー数の増大を進めてまいります。
当中間連結会計期間においては、各企業で生産性向上にAI技術を活用するニーズの高まりを背景にAI音声認識AmiVoice® の各種製品やサービスの導入や利用の継続が好調に推移しました。また、BSR1においてストック比率を高レベルに維持したことで増収増益し売上高、営業利益、経常利益において中間期過去最高を実現することができました。
売上高に関しましては、BSR1(第一の成長エンジン)において、ストック売上の増加等売上構造が質的に向上したため、全ての事業部が増収し、前年同期比10.5%の増収、BSR2(第二の成長エンジン)においては海外事業部が増収し前年同期比4.7%の増収となりました。その結果、当社グループ全体では、前年同期比9.6%の増収となりました。
損益に関しましては、営業利益につきまして、BSR1(第一の成長エンジン)において、CTI事業部、VoXT事業部、医療事業部が増益し、前年同期比で5.4%の増益となりました。BSR2(第二の成長エンジン)においては、前年同期並みの赤字幅となりました。その結果、当社グループ全体では、前年同期比で6.3%の増益となりました。営業利益の増益により経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益も増益となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間においては、売上高3,165百万円(前年同期は売上高2,887百万円)、営業利益704百万円(前年同期は営業利益663百万円)、経常利益760百万円(前年同期は経常利益686百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益546百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益462百万円)となりました。
音声事業の各分野別の状況は、以下のとおりであります。
BSR1の状況(連結調整前)
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売上高(前年同期比) |
営業利益(前年同期比) |
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2,885百万円(10.5%増) |
770百万円(5.4%増) |
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ストック売上高(前年同期比) |
ストック比率(前年同期比) |
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2,166百万円(19.0%増) |
75.1%(+5.3%) |
①CTI事業部(BSR1)
大手SIerを中心とした販売パートナーと連携しコンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」の導入が堅調に推移し、前年同期比のストック比率も向上した(+8.6%)ため、大型案件を獲得し大幅に増収増益した前年同期比で増収増益となりました。
ローカル環境でセキュアに大規模言語モデル(LLM)を利用可能な「AOI LLM for AmiVoice® Communication Suite」をリリースしました。また、生成AIを活用した「AI Avatar AOI」の茨城県公認Vtuber「AI茨ひより」が、水戸駅の「いばらき地酒バー水戸」で運用を開始しました。
下期以降、販売パートナーと連携し大型案件の受注を進めるとともに、自治体コンタクトセンターへの展開や、大規模言語モデル(LLM)の取り組みを強化してまいります。
ストック比率:第1四半期末78.1%→当中間期末73.9%
ライセンス数(累計):第1四半期末75,330→当中間期末77,403
②VoXT事業部(BSR1)
AI音声認識AmiVoice® を活用した議事録作成・文字起こし支援アプリケーション/サービスの需要が増大し、ユーザー数が増加いたしました。
スタンドアローン型でセキュアな環境下で利用できるAI音声認識文字起こし支援アプリケーション「ScribeAssist」と、クラウド型文字起こしサービス「ProVoXT」を統合した、議事録ソリューションの新プラットフォーム「VoXT One」をリリースしました。また、取手市と連携し生成AIを用いた議会答弁書案作成のサポートに特化した「AI議会答弁書作成支援システム」の試験導入を進めました。
下期以降、議事録ソリューションの新プラットフォーム「VoXT One」の機能を強化するとともに、販売パートナーとの連携を強化し自治体・民間の両方でのユーザー数のさらなる増大に取り組んでまいります。
ストック比率:第1四半期末98.7%→当中間期末95.6%
主力2製品のライセンス数:第1四半期末19,791→当中間期末20,102
③医療事業部(BSR1)
今年度から開始された「医師の働き方改革」で、医師の勤務時間の適正化に向けた取り組みが必要となっております。それにともない、病院における医師や看護師、医療従事者の生産性向上へのニーズが高まっており、主力製品であるAI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや医療向けAI音声認識ワークシェアリングサービス「AmiVoice iNote」の販売が好調に推移しました。
下期以降、販売パートナーとの連携を強化するとともに、ストック比率の向上に向けて「AmiVoice iNote」の販売強化や、病院や診療所における新たな領域を医療向けアミボイスDXプラットフォーム(M-ADP)により開拓してまいります。
ストック比率:第1四半期末45.8%→当中間期末41.7%
ライセンス数(累計):第1四半期末52,715→当中間期末53,123
④SDX事業部(BSR1)
AI音声認識APIなどを提供するボイステックプラットフォーム「AmiVoice® Cloud Platform(ACP)」の利用企業数・利用時間数が増加いたしました。
下期以降、「AmiVoice® Cloud Platform(ACP)」のさらなる拡大や、接客・商談の会話を見える化・分析する「AmiVoice® SF-CMS」と、AIを活用して効率的な営業トレーニングを可能にする「AmiVoice® RolePlay」を集合化した営業支援プラットフォームの事業化を加速させてまいります。
ストック比率:第1四半期末85.4%→当中間期末79.0%
領域特化型エンジンのユーザー数(累計):第1四半期末4,223→当中間期末4,713
BSR2の状況(連結調整前)
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売上高(前年同期比) |
営業利益(前年同期比) |
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299百万円(4.7%増) |
△68百万円( ― ) |
⑤BDC本部・海外事業部(BSR2)
BDC本部は、建設業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」の導入が進み、堅調にライセンス数が増加いたしました。
ライセンス数(累計):第1四半期末58,347→当中間期末61,360
海外事業部は、大口顧客の利用が増大したため、増収し収益改善が進みました。
⑥連結子会社等(BSR2)
AMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)は、主要顧客に対する案件獲得を進めるとともに、収益改善に向けた事業構造の見直しを進めました。
株式会社速記センターつくばは、自治体、裁判所及び民間向け案件の受注獲得等を進めました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は8,500百万円となり、前連結会計年度末に比べ585百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が275百万円、その他流動資産が251百万円減少したことによるものであります。固定資産は7,448百万円となり、前連結会計年度末に比べ709百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券の取得や評価替えにより365百万円、有形固定資産が152百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は15,949百万円となり、前連結会計年度末に比べ123百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は3,031百万円となり、前連結会計年度末に比べ506百万円増加いたしました。これは主に売上に関する前受金が346百万円、未払金が238百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,509百万円となり、前連結会計年度末に比べ533百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が495百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は4,540百万円となり、前連結会計年度末に比べ26百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は11,408百万円となり、前連結会計年度末に比べ150百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金127百万円減少、親会社株主に帰属する中間純利益546百万円及び剰余金の配当303百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は71.5%(前連結会計年度末は71.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ275百万円減少し、4,678百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,437百万円(前年同期は1,406百万円の獲得)となりました。これは税金等調整前中間純利益785百万円、減価償却費244百万円、前受金の増加346百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は855百万円(前年同期は762百万円の使用)となりました。これは定期預金の預入による支出2,300百万円、定期預金の払戻による収入2,300百万円、無形固定資産の取得による支出262百万円、投資有価証券の取得による支出559百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は853百万円(前年同期は617百万円の使用)となりました。これは長期借入金の返済による支出553百万円、配当金の支払額300百万円等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、206百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。