当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
(経営成績)
当中間期におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、緩やかな回復の動きが継続している一方、国際情勢の緊迫化や物価上昇、国際的な金融資本市場の変動などの影響により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
サイバーセキュリティ業界においては、テレワークなど働き方の変化やDX推進によるクラウドシフトが進展するなど、サイバーリスクの及ぶ範囲は大幅に拡大しており、実際の被害報告も増加し続けています。直近で報道された、国内大手出版社や大手物流代行企業がランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃を受けた事例が示す通り、サイバー攻撃による被害の影響は一企業にとどまらず、他企業や社会活動にまで及んでしまうケースが多く、特に近年はクラウド環境やコンテナ環境におけるネットワークの脆弱性を用いた不正アクセスが目立つなど、攻撃の多様化及び被害の広範囲化は増加の一途を辿っております。このように、サイバーセキュリティ対策は国民生活や社会経済活動にとって重要な課題となっております。
このような環境の下、当社は、飛躍を図るべく、次代を先取りしたオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたスマートセキュリティサービスを加速させると共に、これまで培ってきた海外とのコネクションを生かした投資育成事業を推進させることに注力しております。その上で、経営スローガンである「One Step Ahead of the Game ~ その一手先へ」を掲げて、経営理念を軸とした理念経営を推進していくことで、中長期的な成長基盤を築きます。
当中間期における主な活動内容としては、「アズジェント中長期成長戦略」の施策として、最新セキュリティ商品の投入やスマートセキュリティサービスの提供に向けたサービスメニューの拡充に注力いたしました。成果の一つとして、9月にセキュリティ運用・監視サービス 「セキュリティ・プラス マネージドセキュリティサービス for Sysdig SaaS」(以下、MSS for Sysdig SaaS)の監視対象コンテナプラットフォームにAmazon EKSを追加いたしました。コンテナ利用の増加、またそれに伴うセキュリティリスクの増大を解消すべく、4月にMSS for Sysdig SaaSの提供を開始しておりますが、監視対象はAmazon ECS環境のコンテナを監視するSysdigのみとなっておりました。一方、Amazon EKSはKubernetesをベースとしていますが、複数ホストでのコンテナ運用の際のロードバランシングやリソース管理といった機能が必要な際には多くの場合、Amazon EKSが選択されます。このため、Kubernetes環境にも対応して欲しいといった声が多く、新たにAmazon EKS環境に対応いたしました。尚、今後Azure、Google Cloud上のKubernetes環境にも対応していく予定です。
もう一つの活動内容として、当社の展開するキュリティ運用・監視サービス 「セキュリティ・プラス マネージドセキュリティサービス」の監視対象として新たにトレンドマイクロ株式会社のクラウドネットワーク用IPS「Trend Micro Cloud One - Network Security」(C1NS)を追加するための準備を進めてまいりました。当社は、これまでDeep Securityを皮切りに様々なトレンドマイクロのセキュリティソリューションを監視対象としてまいりました。近年では、システム環境が従来のオンプレからクラウドへシフトしている現状を鑑み、Vision One Endpoint Security(V1ES)等のクラウド環境のサーバ・エンドポイントセキュリティソリューションを監視対象としています。今回新たにC1NSを対象とすることで、クラウドネットワーク経路上の通信を監視することが可能となります。
業績につきましては、主にプロダクト関連で大型案件の受注が実現するなど受注環境の改善が進んだことにより、売上高は1,537百万円(前年同期比29.1%増)となりました。なお、プロダクト関連は下期以降も引き続き大型案件の受注が見込まれております。サービス関連でも、今後サービスメニューの拡充を継続的に実施していくことによる効果が期待でき、当事業年度業績予想として開示している増収増益かつ黒字転換は、引き続き射程圏内となっております。
一方、コストについては、上述の通り中長期成長戦略の実現に向けた人員体制を含めたインフラ増強施策を継続して進めていることに加え、販売活動強化を積極的に展開した結果、販売費及び一般管理費652百万円(前年同期比3.7%増)となりました。その結果、各段階利益につきましては、営業損失84百万円(前年同期は164百万円の営業損失)、経常損失101百万円(前年同期は157百万円の経常損失)、中間純損失101百万円(前年同期は158百万円の中間純損失)となりました。
当中間期終了時点においては新商品投入に向けた準備やサービス基盤拡張のためのインフラ増強によりコストが先行している状況となっておりますが、上述の通り受注環境の改善もあり、売上増加かつ各段階利益の赤字幅は縮小され、更に第2四半期単体では営業黒字化が実現するなど、業績は回復し始めております。特に第4四半期以降における案件が顕在化しておりますので、引き続き業績回復への期待が持てる状況となっております。今後は、市場ニーズを先取りしたスマートサービスを早期に展開していくことに加え、経費増加を最低限に抑えることで、引き続き業績の回復を図ります。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
(財政状態)
当中間会計期間末の総資産額は1,609百万円となり、前事業年度末に比べ50百万円減少しました。これは主に、売掛金が76百万円増加した一方、現金及び預金が88百万円、無形固定資産が15百万円減少したことなどによるものであります。
負債合計は935百万円となり、前事業年度末に比べ52百万円増加しました。これは主に、未払消費税等が53百万円増加したことなどによるものであります。
純資産合計は674百万円となり、前事業年度末に比べ103百万円減少しました。これは主に、中間純損失101百万円の計上があったことなどによるものであります。その結果、自己資本比率は41.9%となり、前事業年度末比で4.9ポイント減少しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は689百万円となり、前事業年度末に比べ、88百万円減少いたしました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は37百万円(前年同期は234百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前中間純損失の計上101百万円、売上債権76百万円の増加があった一方、減価償却費の計上50百万円、未払消費税等53百万円の増加があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35百万円(前年同期は17百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得に35百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は0百万円(前年同期は該当なし)となりました。これは、自己株式の取得に0百万円支出したことによるものであります。
(3)事実上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において事業上及び財務上において新たに対処すべき課題について発生した事項はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当中間会計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。