第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当中間期の経営成績の概況

当中間連結会計期間における経営成績は、ウェルネス事業、環境ソリューション事業は前年並みに留まったものの、情報電子事業、産業インフラ事業では大きく売上を伸ばしました。その結果、当社グループの売上は前年同期比で増収となりました。

損益面では、人件費の増加、研究開発費の増加、原材料価格やエネルギー・輸送コストの高騰、ランサムウェアによる単体製造拠点の生産停止影響などの減益要因があったものの、情報電子事業や産業インフラ事業の増収効果に加え、生産効率の向上・価格転嫁などの収益向上施策の推進をしたことなどにより、前年同期比で増益となりました。

この結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高754億49百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益56億24百万円(前年同期比45.5%増)、経常利益58億42百万円(前年同期比35.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益36億22百万円(前年同期比4.9%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(ウェルネス事業)

医薬・医療用包装材については売上減少となりましたが、バイオ医薬品等製造用シングルユースバッグ及び関連製品は増収となりました。その結果、事業全体で売上微増となりました。損益面では、医療機器及び体外診断薬関連製品や再生医療分野において開発費用投入を進めていることなどにより減益となりました。

この結果、売上高は133億43百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は3億8百万円(前年同期比57.8%減)となりました。

 

(環境ソリューション事業)

液体容器では国内・海外子会社ともに売上を伸ばしたものの、食品包装やつめかえ包装の売上が減少したことから、事業全体では微減となりました。損益面では、液体容器の増収効果があったものの、つめかえ包装の減収要因などにより、事業全体で減益となりました。

この結果、売上高は169億41百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は8億32百万円(前年同期比2.3%減)となりました。

 

(情報電子事業)

ディスプレイ関連については、主力のプロテクトフィルムで業界再編により当社の競争力が高まり、大きく増収となりました。電子部材関連他についても、半導体市場の冷え込みの影響が緩和し、前年同期比で増収となりました。損益面では、増収効果により事業全体で増益となりました。

この結果、売上高は263億61百万円(前年同期比30.7%増)、営業利益は21億43百万円(前年同期比192.1%増)となりました。

 

(産業インフラ事業)

建築・土木資材関連においては、空調用配管及び集合住宅向けボイドスラブ(床構造部材)、ビル用煙突及びトンネル用資材の売上が増加しました。化成品については、半導体、車載フィルム用途の粘着商品の売上が好調であったことにより増収となりました。事業全体では増収増益となりました。

この結果、売上高は188億2百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は23億39百万円(前年同期比51.1%増)となりました。

 

 

 

 

 

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

前年同期比

 

 

金額

(百万円)

売上高比率

(%)

金額

(百万円)

売上高比率

(%)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

65,917

100.0

75,449

100.0

9,531

14.5

 

ウェルネス

13,193

20.0

13,343

17.7

149

1.1

 

環境ソリューション

17,184

26.1

16,941

22.5

△243

△1.4

 

情報電子

20,175

30.6

26,361

34.9

6,186

30.7

 

産業インフラ

15,364

23.3

18,802

24.9

3,438

22.4

営業利益

3,865

5.9

5,624

7.5

1,759

45.5

 

ウェルネス

731

5.5

308

2.3

△422

△57.8

 

環境ソリューション

852

5.0

832

4.9

△19

△2.3

 

情報電子

733

3.6

2,143

8.1

1,409

192.1

 

産業インフラ

1,547

10.1

2,339

12.4

791

51.1

 

(2)当中間期の財政状態の概況

当中間連結会計期間末における総資産は、短期の有価証券や棚卸資産が減少しましたが、現金及び預金、有形固定資産が増加したことなどにより、前年度末に対して7億25百万円増加の1,424億5百万円となりました。

負債は、仕入債務が減少したことなどにより、前年度末に対して41億6百万円減少の439億32百万円となりました。

純資産は、利益剰余金が増加したことに加え、円安の進行に伴い為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前年度末に対して48億31百万円増加の984億73百万円となり、自己資本比率は63.0%となりました。

 

(3)当中間期のキャッシュ・フローの概況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より13億49百万円減少して307億63百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とその主な増減理由は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動により得られた資金は、40億77百万円(前年同期は47億51百万円の収入)となりました。

これは、仕入債務の減少、売上債権の増加、法人税等の支払額などの資金減少要因があったものの、税金等調整前中間純利益54億8百万円、減価償却費27億72百万円などの資金増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動により支出した資金は、48億77百万円(前年同期は16億51百万円の支出)となりました。

これは、事業譲渡による収入などの資金増加要因があったものの、有形固定資産の取得51億41百万円などの資金減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動により支出した資金は、15億1百万円(前年同期は13億40百万円の支出)となりました。

これは、配当金の支払や借入金の返済などの資金減少要因があったことによるものであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

(5)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、25億13百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、当社のグループ企業であるフジモリプラケミカル株式会社春日井工場の食品包装事業等、及びこれに関する当社の販売事業を、当社が新たに設立した完全子会社であるFPC準備株式会社に対して、それぞれ、当社からFPC準備株式会社への吸収分割、及びフジモリプラケミカル株式会社からFPC準備株式会社への吸収分割の方法により、包括承継させた上で、当社の保有するFPC準備株式会社の全株式を、株式会社カナオカホールディングスに対して譲渡することとし、2024年4月11日に株式譲渡契約を締結いたしました。また、当該契約に基づき、2024年7月1日に株式を譲渡いたしました。そのうえで、当社はフジモリプラケミカル株式会社について吸収合併することとし、2024年4月11日に吸収合併契約を締結いたしました。また、当該契約に基づき、2024年7月1日に吸収合併を実施いたしました。なお、詳細につきましては「第4 経理の状況 1.中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」 に記載しております。