第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

当社グループは、2024年4月より新たにスタートした第八次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン(以下「VC」)構築による成長”をテーマに掲げ、グローバルにVC体制を構築し、将来に向け更に成長できる礎を築くと同時に、資本コストを意識した経営に向けてROIC(投下資本利益率)を導入するなど、企業価値向上に向けた取組を進めております。

 

当中間連結会計期間は、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、労働力不足、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しました。

当中間連結会計期間の売上高は海外食品事業、香辛・調味加工食品事業、外食事業を中心に事業基盤を拡大し増収、営業利益は香辛・調味加工食品事業がけん引し増益となりました。経常利益は増益、親会社株主に帰属する中間純利益は前期に退職給付制度改定益を計上した反動により減益となりました。

 

これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。

 

2025年3月期 中間期

金額(百万円)

前年同期比(%)

売上高

154,964

108.5

営業利益

9,269

114.9

経常利益

9,650

110.0

親会社株主に帰属する中間純利益

5,510

50.9

 

 セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。

事業の種類別

セグメント

売上高

営業利益

(セグメント利益又は損失(△))

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

香辛・調味加工食品事業

63,270

104.7

5,384

146.9

健康食品事業

8,721

101.4

1,387

112.7

海外食品事業

30,762

116.3

1,697

154.9

外食事業

29,578

110.3

1,744

96.5

その他食品関連事業

28,077

109.0

645

59.3

小計

160,409

108.4

10,857

122.2

調整(消去)

△5,445

△1,588

合計

154,964

108.5

9,269

114.9

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

 

<香辛・調味加工食品事業>

ハウス食品㈱を中心とする当事業セグメントの家庭用事業は、前期、前々期と二度行った価格改定による新売価の定着に努め販売数量の回復に努めるとともに、コストダウンテーマの推進による持続的な収益力強化に取り組んでおります。売上高はルウカレー、スパイスおよびレトルトカレーを中心に堅調に推移し増収となりました。ルウカレーは価格改定による単価上昇や新製品が貢献したほか、レトルトカレーは消費者の防災意識の高まりが需要増に影響しました。ハウスギャバン㈱が推進する業務用事業に関しても、昨年9月に価格改定を実施したことに加え、外食市場の伸長を背景に販売が好調に推移したことから増収となりました。利益面は増収効果・価格改定効果に加えて、効率的なマーケティングコストの運用が奏功し増益となりました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は632億70百万円、前年同期比4.7%の増収、営業利益は53億84百万円、前年同期比46.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は8.5%となり、前年同期より2.4pt向上いたしました。

 

<健康食品事業>

当事業セグメントを担うハウスウェルネスフーズ㈱は、国内事業の更なる収益基盤強化とグローバルでの機能性素材系バリューチェーンの構築に取り組んでおります。

売上高は主力ブランドである「ウコンの力」や「C1000」が前年同期並みで推移した一方で、ゼリー市場の競争環境激化を受けて「1日分のビタミンゼリー」の販売が前年同期を下回りましたが、乳酸菌事業が食品素材としての取扱いが進んだことでセグメントとして増収を確保しました。利益面は収益力の維持拡大に向けたコスト合理化に取り組み、増益を確保しました。

以上の結果、健康食品事業の売上高は87億21百万円、前年同期比1.4%の増収、営業利益は13億87百万円、前年同期比12.7%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は15.9%となり、前年同期より1.6pt向上いたしました。

 

<海外食品事業>連結対象期間:主として2024年1月~6月

当事業セグメントは、主要3エリア(米国・中国・タイ)の持続的成長に向けた基盤強化および課題解決に取り組んでおります。

米国の豆腐事業は、キーストーンナチュラルホールディングス社の販売が低調だったものの、ハウスフーズアメリカ社におけるチャネル別営業施策が奏功し販売が伸長したことから、増収増益となりました。

中国のカレー事業は事業全体では減収減益となりました。家庭用事業は第1四半期連結会計期間に流通在庫の適正化を図った影響が大きく、減収減益。業務用事業は外食を中心に新規顧客開拓が進み、増収増益となりました。

東南アジアで展開する機能性飲料事業は、タイ国内のビタミン飲料市場全体を再構築すべく新たなブランドコミュニケーションに注力した結果、主力製品「C-vitt」の売上高が着実に拡大し増収増益となりました。

以上の結果、海外食品事業の売上高は307億62百万円、前年同期比16.3%の増収、営業利益は16億97百万円、前年同期比54.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は5.5%となり、前年同期より1.4pt向上いたしました。

 

<外食事業>連結対象期間:㈱壱番屋は2024年3月~8月、国内外子会社は2024年1月~6月

当事業セグメントは、国内既存事業の収益力強化、海外事業の拡大、新業態の育成に取り組んでおります。

売上高は、㈱壱番屋が推進する国内事業が各種営業施策に加えて8月に価格改定を実施したことなどから増収となりました。利益面は、国内事業の食材などの仕入れ価格の上昇や人件費・物流費などの増加の影響が大きく、減益となっております。

以上の結果、外食事業の売上高は295億78百万円、前年同期比10.3%の増収、営業利益は17億44百万円、前年同期比3.5%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は5.9%となり、前年同期より0.8pt減少いたしました。

 

<その他食品関連事業>

㈱デリカシェフは惣菜・デザートの販売が減少したほか、労務費などの増加により減収減益となりました。

㈱ヴォークス・トレーディングは増収も、一部商材のコスト増加影響が大きく、減益となりました。

以上の結果、その他食品関連事業の売上高は280億77百万円、前年同期比9.0%の増収、営業利益は6億45百万円、前年同期比40.7%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は2.3%となり、前年同期より1.9pt減少いたしました。

 

 

(2)財政状態の分析

当中間連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。

総資産は、4,264億89百万円となり、前連結会計年度末に比べて51億11百万円の減少となりました。

流動資産は、有価証券や商品及び製品が増加した一方で、現金及び預金が減少したことなどから、27億19百万円減少の1,684億89百万円となりました。固定資産は、建設仮勘定や建物及び構築物が増加した一方で、投資有価証券が減少したことなどから、23億93百万円減少の2,580億円となりました。

負債は、1,033億70百万円となり、前連結会計年度末に比べて66億22百万円の減少となりました。

流動負債は、未払金が減少したことなどから、70億29百万円減少の587億49百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が減少した一方で、長期借入金が増加したことなどから、4億7百万円増加の446億22百万円となりました。

純資産は、自己株式の消却により利益剰余金が減少したほか、その他有価証券評価差額金が減少した一方で、為替換算調整勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて15億10百万円増加の3,231億19百万円となりました。

この結果、当中間連結会計期間末の自己資本比率は68.8%(前連結会計年度末は67.7%)、1株当たり純資産は3,125円41銭(前連結会計年度末は3,016円19銭)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は724億28百万円となり、前連結会計年度末に比べて77億36百万円減少いたしました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は76億75百万円(前年同中間期比△14億33百万円)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益95億23百万円、減価償却費62億82百万円、その他の負債の減少額37億52百万円、法人税等の支払額36億29百万円によるものであります。

また、前年同中間連結会計期間に比べての減少は、主に税金等調整前中間純利益の減少(前年同中間期比△75億43百万円)、仕入債務の増減額の減少(前年同中間期比△29億69百万円)、退職給付制度改定益の減少(前年同中間期比+69億88百万円)、売上債権の増減額の減少(前年同中間期比+25億81百万円)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は75億65百万円(前年同中間期比△32億61百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出72億3百万円によるものであります。

また、前年同中間連結会計期間に比べての減少は、主に有価証券の売却による収入の減少(前年同中間期比△31億96百万円)、有形固定資産の取得による支出の増加(前年同中間期比△13億52百万円)、定期預金の預入による支出の減少(前年同中間期比+12億20百万円)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は105億48百万円(前年同中間期比△60億3百万円)となりました。これは主に自己株式の取得による支出80億88百万円、配当金の支払額23億24百万円によるものであります。

また、前年同中間連結会計期間に比べての減少は、主に自己株式の取得による支出の増加(前年同中間期比△80億87百万円)、長期借入れによる収入の増加(前年同中間期比+20億89百万円)によるものであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23億39百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。