第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

   当中間連結会計期間における国内経済は、欧米諸国の高金利政策や、先行きが懸念されはじめた中国市況に加え、中東地域をめぐる不安定な情勢など、海外景気の下振れによるわが国経済の回復基調を下押しするリスクはあったものの、雇用・所得環境の改善や好調なインバウンド需要、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資の拡大などにより、引き続き緩やかな回復基調が続くことが見込まれます。
 このような経済環境の中、当社グループの関連する市場においては、効率化や競争力向上のためのIT投資に加え、新たな顧客ニーズに対応するためのシステムの改修や新規システムの開発など、ビジネスモデルの変革を目的としたバリューアップ投資が拡大しています。また、DX関連投資の拡大を受けた情報セキュリティやプロジェクトマネジメント、データサイエンスを担うIT人材の獲得・育成への投資も急速に高まっています。当社グループでは、これらのIT投資動向やDXと密接に関わるデータドリブン経営の実現ニーズに備え、コアコンピタンスである「データマネジメント」と「サービスマネジメント」によるお客様への価値提供モデルの創造を進めています。また、今年度よりスタートした中期経営計画「Re.Connect2026」(2024年度~2026年度)では、よりユニークかつ付加価値の高いITサービスを提供するため、お客さまを含めた全てのステークホルダーとの「つながり」のあり方を根本的に見直し「再度、より良い形でつながり直す」ことを最重要テーマとし、持続的な成長基盤の確立を図っています。 


なお、中期経営計画「Re.Connect2026」のもと、当中間期の主な取り組みは、以下のようなものです。

ジョブ管理ツール「A-AUTO」、「セキュリティ」「信頼性」「運用上の優秀性」が評価され、アマゾンウェブサービスのFTR認定を取得
 ジョブ管理ツールとして業界を代表するロングセラー製品「A-AUTO(エーオート)」が、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)が実施する技術レビュー「AWS ファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)」の認定を得ました。AWS上で稼動するソフトウェアとして「セキュリティ」「信頼性」「運用上の優秀性」を評価する技術レビューを受け、AWSが定める共通要件をすべて満たしておりAWS 認定ソフトウェアとして認定されました。https://www.unirita.co.jp/press/2024/0822_press001.html
■「ITreview Grid Award 2024 Summer」において、「LMIS」が最高位「Leader」を14期連続受賞
 サービスデスク機能を中心としたサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS(エルミス)」が、アイティクラウド株式会社が主催するアワード「ITreview Grid Award 2024 Summer」の「インシデント管理ツール」部門と「ヘルプデスクツール」部門において、満足度・認知度ともに優れた製品であると評価され、最高位である「Leader」を受賞しました。なお、「インシデント管理ツール」部門の「Leader」受賞は、2021 Springから14期連続となります。
https://www.unirita.co.jp/press/2024/0717_press001.html
■AIとヒト、サービスマネジメントの共存をテーマに、第18回システム管理者感謝の日イベントを実施

 国内最大規模のシステム管理者のネットワーク「システム管理者の会」は、当社が発起人となり、企画および運営に携わりながら、IT人材の知識と技術力の向上や働きがいを醸成する文化と環境づくりを支援しています。毎年7月のイベントでは「新たな可能性を見出す、AIとヒト、サービスマネジメントの共存」をテーマにハイブリッドで開催しました。

https://www.unirita.co.jp/press/2024/0724_press001.html

 

<当中間期業績>

 当中間連結会計期間の業績は、売上高57億47百万円(前中間連結会計期間比3.0%減)、営業利益3億68百万円(同26.9%減)、経常利益5億6百万円(同18.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益2億90百万円(同29.7%減)となりました。

 

<セグメント業績>

 セグメントごとの業績は次のとおりです。なお、当社は組織変更に伴い、当中間連結会計期間より、「プロダクトサービス」事業に含めていた一部の部門を「クラウドサービス」事業に変更しており、前中間連結会計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。

(百万円)

セグメント

項目

1Q

2Q

上期(2Q累計)

前上期

前年同期比

増減率

プロダクトサービス

売上高

1,124

1,137

2,262

2,110

7.2%

営業利益

325

362

688

565

21.8%

営業利益率

29.0%

31.9%

30.4%

26.8%

3.6pt

クラウドサービス

売上高

836

879

1,716

1,766

△2.8%

営業利益

△151

△123

△274

△50

営業利益率

プロフェッショナル

サービス

売上高

879

888

1,768

2,050

△13.8%

営業利益

18

81

99

179

△44.2%

営業利益率

2.1%

9.1%

5.7%

8.7%

△3.0pt

 

 

プロダクトサービス

・自動化事業

 「2025年の崖」問題に伴うマイグレーションニーズを受け、既存のお客様の基幹システムのリプレイス案件やパートナー企業へのオープンライセンス案件が増加し、同事業の主力製品である「A-AUTO(エーオート)」の受注が堅調に推移しました。これらの結果、自動化事業として増収増益となりました。

・帳票事業

 帳票事業のサービスシフトを牽引する「まるっと帳票クラウドサービス」が、DX推進に伴う電子化対応や業務効率化を進めるエンタープライズ企業の高度な要求に対応することで伸長しました。一方で、クラウド基盤の仕入原価が上昇し、利益の減少要因となりました。これらの結果、帳票事業は増収減益となりました。

・メインフレーム事業

 メインフレームベンダーの製品保守終了に伴うリプレイス案件の増加や、海外のお客様からのシステム増強、およびサービス提供形態の見直しを含めた案件対応により、メインフレーム事業は大幅な増収増益となりました。 以上を踏まえ、プロダクトサービス全体として増収増益となりました。

 

クラウドサービス
・IT活用クラウド事業

 DX推進を背景に、事業モデルのサービスシフトと品質向上の両立を図る企業におけるサービスマネジメント導入ニーズの高まりを受け、当社サービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」の新規受注が順調に推移しました。

 また、システム統合に伴うデータ連携基盤の更改ニーズを受けたデータマネジメント案件や情報セキュリティを含むID管理やSSO案件などの引き合いはあり、当社の「Waha! Transformer(ワッハー・トランスフォーマー)」や「infoScoop×DigitalWorkforce(インフォスクープ デジタルワークフォース)」の提案件数は伸長するものの、期初から見込んでいた大型案件の失注等が影響し、IT活用クラウド事業としては、減収減益となりました。

 

・事業推進クラウド事業
  通勤費管理サービス「らくらく通勤費」が、リモートワークから出社に切り替える企業の増加や、前期から注力しているパートナー企業との協業モデルが奏功し、新規の受注が増加しました。また、デジタルサービスで事業を展開する企業のカスタマーサクセス活動基盤の構築を支援する「Growwwing(グローウィング)」について、コンサルティングを含めた案件の引き合いが増加傾向にあります。その他、人材派遣業界向け人事管理クラウドサービス「DigiSheet(デジシート)」や「The Staff-V(スタッフブイ)」については、景気回復に伴う人材派遣業界の活況を受け案件も増加傾向にあります。一方で、個社ニーズや要件の多様化に対応した受注プロセスに課題を残し、売上は足踏み状態となりました。

 以上を踏まえ、事業推進クラウド全体としては増収となりましたが、サービス提供体制、およびプロモーション強化費用等が増収効果を上回り、減益となりました。

・ソーシャルクラウド事業
 同事業は、国や地方公共団体と共にさまざまな社会課題に取り組んでおります。高齢運転者の免許返納問題や交通空白地の課題を解決する手段として、持続的社会の構築を支援するデジタル基盤「Community MaaS(コミュニティマース)」の引き合いが増加しました。しかし、上期の成約には至らず、減収減益となりました。

 以上を踏まえ、クラウドサービス全体を通して、引き合いや提案件数は増加するものの、案件立上げから受注に至るプロセスの課題や、各種コスト増の影響もあり減収減益となりました。

 

プロフェッショナルサービス
・コンサルティング事業
 データマネジメント領域では、前期に引き続き、データ活用に対する企業からのニーズが旺盛であり、それに伴うコンサルティング需要の増加を受けた受注が順調に推移しました。サービスマネジメント領域では、ニーズは引き続き堅調なものの受注を伸ばしきれず減収となり、コンサルティング事業全体では減収減益となりました。
・システムインテグレーション事業
 パートナー企業からの受注減少および一括請負案件の減少により、大幅な減収減益となりました。しかしながら、DX推進ニーズを受けた提案活動により、新規問わずパートナー企業からの引き合いは回復傾向にあります。また、ユニリタグループの顧客への提案を進める高付加価値事業への転換を進めております。

・アウトソーシング事業

 前期に引き続き、DX投資を背景としたシステム運用のアウトソーシング需要を捉え、システム運用代行サービスが堅調に推移し、増収増益となりました。
 以上を踏まえ、プロフェッショナルサービス全体は減収減益となりました。

 

(脚注)

・A-AUTO(エーオート)
システム運用管理・監視業務のルーティン・タスクの自動化ツール。システム管理者向けソフトウェアとしての信頼性、安定性、コストパフォーマンスの観点からエンタープライズ企業が利用するバッチ・ジョブ管理ツールとして40年以上に渡り採用されている。

・まるっと帳票クラウドサービス
一般的な請求書の電子化やWeb配信から、多くのエンタープライズ企業に見受けられる専用封筒や専用紙を利用した郵送・宅配便などの特殊な帳票業務要件まで、幅広いアウトソーシングニーズに対応可能。帳票運用にまつわる全ての業務のDXを推進。
・LMIS(エルミス)
事業者が顧客に提供するサービスを適切にマネジメントし、サービスによる課題解決と継続的なカイゼンを実現するプラットフォーム。 サブスクリプション形式での提供で、導入コストやランニング費用を抑えた利用を可能にしている。
・infoScoop×DigitalWorkforce(インフォスクープ デジタルワークフォース)
  利用者と管理者であるIT部門の生産性とセキュリティを向上する機能を取り揃えた働き方改革のプラットフォーム。「ポータル」、「シングルサインオン」、「ID管理」、「API管理」、「セキュアブラウザ」の5つの機能を組み合わせ、安全で快適なリモートワーク環境を構築することができる。

・DigiSheet(デジシート)
人材派遣業に特化した、勤怠業務効率化サービス。流動人材の勤怠管理業務のスピードアップ、正確性の向上、コストダウンといった業務の効率化を可能にしている。
・The Staff-V(スタッフブイ)
スタッフ管理から契約管理、顧客管理、給与管理、請求管理、勤怠管理などといった、人材派遣ビジネスに求められる管理機能がこれひとつに集約された管理サービス。


・Community MaaS(コミュニティマース)
複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせ、路線検索や予約、決済などを一括で行うサービスであるMaaSに、移動の目的を促すサービスを連携させ、そのサービスで収集したデータを活用できるプラットフォーム。公共交通と地域活性化の実現を支援する。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末(以下、当中間期末)における総資産は、前連結会計年度末(以下、前期末)と比較して6億25百万円減少し、151億38百万円となりました。これは主に現金及び預金が2億80百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2億28百万円及び投資有価証券が66百万円それぞれ減少したことによるものです。

 

(負債)

負債は、前期末と比較して6億61百万円減少し、33億75百万円となりました。これは主に、前受収益が1億74百万円が増加した一方で、賞与引当金が1億29百万円及び流動負債その他が5億53百万円それぞれ減少したことによるものです。

 

(純資産)

純資産は、前期末と比較して36百万円増加し、117億62百万円となりました。これは主に、利益剰余金が33百万円増加したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により2億90百万円増加し、配当金の支払いにより2億57百万円減少しています。

この結果、当中間期末における自己資本比率は77.7%(前期末は74.4%)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は前期末と比較して2億80百万円減少し87億33百万円となりました。当中間期における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は74百万円となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前中間純利益5億6百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は1億3百万円となりました。主な資金増加要因は定期預金の払戻による収入4億13百万円、主な資金減少要因は定期預金の預入による支出4億13百万円及び無形固定資産の取得による支出1億円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は2億57百万円となりました。主な資金減少要因は、配当金の支払額2億57百万円であります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は2億5百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。