当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きが見られ、雇用情勢も改善傾向にあり、景気は緩やかな回復基調にありますが、欧米における高金利継続や中国の不動産市場停滞、アメリカ合衆国政権の行方、さらにはウクライナや中東地域をめぐる情勢により、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの主力事業をおく電力業界におきましては、世界的な脱炭素化の潮流のなか、DXの進展による半導体工場の立地やデータセンターの新設などに伴う電力需要の増加や、地政学的リスクの高まりによるエネルギー・経済安全保障の重要性の増大など、取り巻く環境は非常に大きな転換点を迎えております。
このような事業環境のもと、当社は昨年4月にスタートした「社会構造の変化に即応できる守りの経営」「社会の発展に寄与する攻めの経営」「新しい企業価値をもたらす共創経営」を骨子とする「中期経営計画(2023年度~2025年度)」の計画達成に引き続き取り組んでおります。また、サステナビリティ経営をより一層推進するため、本年7月にはサステナビリティ推進委員会を設置いたしました。さらに、木質バイオマス発電所を中心に、農業・林業等の地域資源を生かし、新たな産業と雇用を創出する地域循環型社会の実現と社会課題の解決に貢献することを目的とした取り組みである「グリーンプロジェクト」を、茨城県筑西市と新潟県村上市でスタートいたしました。
その結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、受注高81,311百万円(前年同期比26.5%増)、売上高60,361百万円(前年同期比3.9%増)、うち海外工事は2,067百万円(前年同期比40.3%減)となりました。
利益面につきましては、営業利益6,062百万円(前年同期比88.8%増)、経常利益6,230百万円(前年同期比42.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益4,283百万円(前年同期比36.9%増)となりました。
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
(建設工事部門)
受注高は、原子力発電設備工事が減少したものの、事業用火力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、32,529百万円(前年同期比62.1%増、構成比40.0%)となりました。
売上高は、原子力発電設備工事および製鉄関連設備工事が増加したものの、環境保全設備工事が減少したことにより、部門全体として減少し、19,066百万円(前年同期比4.0%減、構成比31.6%)となり、セグメント利益は575百万円(前年同期比1,457.4%増)となりました。
(補修工事部門)
受注高は、事業用火力発電設備工事および自家用火力発電設備工事が減少したものの、原子力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、48,781百万円(前年同期比10.4%増、構成比60.0%)となりました。
売上高は、自家用火力発電設備工事が減少したものの、事業用火力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、41,295百万円(前年同期比8.1%増、構成比68.4%)となり、セグメント利益は7,600百万円(前年同期比48.8%増)となりました。
資産、負債及び純資産の状況
(イ) 資産
流動資産は、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産が7,349百万円減少したものの、現金預金が6,952百万円および未成工事支出金が2,818百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて859百万円増加し、107,692百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券が597百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて532百万円減少し、45,657百万円となりました。
(ロ) 負債
流動負債は、1年内償還予定の社債が5,000百万円および支払手形・工事未払金が2,616百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて8,443百万円減少し、30,672百万円となりました。
固定負債は、社債が5,000百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4,515百万円増加し、17,830百万円となりました。
(ハ) 純資産
純資産は、資本剰余金が1,649百万円および利益剰余金が1,654百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4,254百万円増加し、104,846百万円となりました。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は48,922百万円となり、前連結会計年度末より7,003百万円増加しました。なお、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは7,479百万円の収入(前年同中間連結会計期間は4,474百万円の支出)となりました。これは、主に営業債権、契約資産及び契約負債の減少9,221百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは369百万円の支出(前年同中間連結会計期間は856百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出301百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは28百万円の収入(前年同中間連結会計期間は2,615百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額2,566百万円があったものの、新株予約権の行使による自己株式の処分による収入1,045百万円および新株予約権の行使による株式の発行による収入1,984百万円によるものです。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は26百万円であります。なお研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
雇用・所得環境の改善のもと、各種政策の効果もあって国内経済は緩やかな回復が続くことが期待されるものの、円安の影響による物価上昇や金融資本市場の変動など、国内景気の下押しリスクとなる要因も存在しております。
電力業界では、エネルギー安全保障の強化とGXの同時実現に向けたエネルギー基本計画の見直しが進められております。エネルギー政策の羅針盤となるこの計画では、安定供給とエネルギー安全保障の重要性が明確化され、再生可能エネルギーの推進、原子力発電の活用の明確化、火力発電の維持・脱炭素化が重要な論点として挙げられているほか、電化の推進やGX実現に向けた環境整備も考慮されており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、バランスの取れたエネルギーミックスの構築と必要な制度措置の検討が進められております。
当社グループといたしましては、工事請負管理体制の強化、脱炭素事業やデータセンターなどの新規工事分野への参画、海外における営業・工事の一貫体制の確立、さらには筑西市・村上市における木質バイオマス発電所を中心とした「グリーンプロジェクト」の実現などにより、中期経営計画(2023年度~2025年度)で掲げる売上高1,500億円、ROE9%以上の目標達成に向け努力してまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事施工のための外注費用および人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。運転資金に対しては原則、自己資金により賄っており、不足が生じた際はコミットメントライン契約に基づく借入、社債、および長期借入金により調達することとしております。
また、設備投資資金需要に対しては自己資金、長期借入金および新株予約権により調達することとしております。
なお、当社グループでは、資金の流動性を確保するため、シンジケート銀行団と150億円のコミットメントライン契約を締結し流動性リスクに備えております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。