第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当中間連結会計期間における国内経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の拡大効果等から、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、原材料価格の高騰や為替変動等による物価上昇、人件費の高騰等が続き、景気の先行きは、依然として不透明な状況が続きました。

このような状況の下、当社グループは、2024年5月に当社グループの果たすべき使命(ミッション)を「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」とし、2030年をゴールとしたビジョンを「従業員が投資したくなる会社へ」と定めました。その上で「中期経営計画~Tsunageru2027~」を策定し、2025年3月期からの3年間においては、経営基盤のさらなる充実を図る期間と位置付け、重点取り組み事項を、①人的資本をより活かす経営、②既存事業の収益安定化、③資本コストや株価を意識した経営とし、取り組みを開始いたしました。中期経営計画の初年度である当期においては、第一に最終利益の黒字化・V字回復を目指しております。そのために、特に既存事業の収益安定化に注力し、重点施策として、「営業体制の最適化」「不振事業の構造改革」「伸長事業の盤石化」に取り組んでおります。

当中間連結会計期間における重点施策の状況については、改善の余地が残る部分はあるものの、概ね各施策とも順調に進捗しております。

「営業体制の最適化」では、1店舗当りの平均売上高において、不採算店舗8店舗を閉鎖した美容事業については前期を維持し、その他の4事業は改善いたしました。「不振事業の構造改革」では、前期に営業赤字であったDSM事業及びリユース事業の赤字幅が縮小いたしました。さらに「伸長事業の盤石化」では、堅調に拡大を続ける教育事業が利益率の上昇を伴って事業規模を拡大いたしました。

当中間連結会計期間の連結損益につきましては、売上面は、和装宝飾事業において一部商品で納品遅延が生じ減収となったものの、2023年12月にグループ入りした学習塾を運営する株式会社灯学舎の寄与等により、増収となりました。利益面については教育事業の伸長に加え、前期苦戦した美容事業、DSM事業、リユース事業の収益が回復したことにより、和装宝飾事業の減収影響を吸収し、収益の改善に繋がりました。なお経常利益は、前期計上した営業外収益の特殊要因が当期はなくなり、また中間純損失は、当社及び業績好調の教育事業の子会社2社において、税金費用が増加したことにより減益となりましたが、概ね計画通りで進捗しております。

 

   以上の結果、当中間連結会計期間の連結業績は下記のとおりとなりました。

  〈連結業績〉                                       単位:百万円

 

2024年3月期

中間連結会計期間

2025年3月期

中間連結会計期間

増減額

増減率

売上高

6,811

6,845

+33

+0.5

EBITDA(注)1、2

48

49

+1

   +3.2

営業損失

△8

△5

+3

経常利益又は経常損失

4

△13

△18

親会社株主に帰属する中間純損失

△9

△63

△54

 

(注)1.EBITDA=営業利益(または営業損失)+減価償却費+のれん償却費

EBITDAに含まれるのれん償却額は28百万円(前年同期は25百万円)であり、主に教育事業子会社の取得に係るのれんであります。

2.当社グループでは、重要な成長戦略として「事業承継型M&Aの推進」を掲げております。今後、係るM&A戦略を積極的に推進していくに当たり、のれんの発生及びのれん償却が業績に大きな影響を与える可能性があることを考慮し、有用な比較情報としてEBITDAを開示しております。

 

セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

・美容事業

 美容事業においては、営業資源の有効活用に向け不採算店舗の閉鎖を進めたことで、前年同期比で8店舗減少いたしました。また、出店エリアの顧客層の変化に対しては、多様なサロン形態を有する強みを活かし店舗業態の転換を実施し、独立志向の従業員に対してはFC化を提案する等、営業体制の最適化を進めてまいりました。以上の結果、売上高は9億16百万円(前年同期比5.7%減)となりました。損益面については、不採算店舗の閉鎖により、固定費の削減が図られ、1店舗当りの利益率が改善した結果、セグメント利益は12百万円(前年同期比541.4%増)となりました。

 美容事業では、引き続き、社員教育の強化による一人当たり生産性の向上、付加メニュー提案強化等によるサービス単価の向上に加え、出店エリアの顧客特性に合わせた店舗業態への転換やFC化等を推進し、収益の拡大を図ってまいります。

 

・和装宝飾事業

 和装宝飾事業においては、着物のメンテナンスサービスの強化、展示販売会における集客強化等に注力した結果、受注高は回復基調で推移いたしました。一方で、営業資源の有効活用に向けた店舗閉鎖及び移転を進めたことに加え、一部商品で納品遅延が生じた影響により、売上高は46億46百万円(前年同期比2.1%減)となりました。損益面については、売上高減少による売上総利益の低下等により、セグメント損失は29百万円(前年同期はセグメント利益47百万円)となりました。

 和装宝飾事業では、時代に沿った店頭商材の強化や「前楽結び着方教室」の開催を通じて、着物ファンの拡大を推進しております。また、各店舗や各エリアにおいては「きもの会」を企画し、お客様が着物を着て楽しむ機会を積極的に提供しております。引き続き、お客様へのソフトと価値の提供を強化し顧客満足度の向上を図ってまいります。

 

・DSM事業

 DSM事業においては、販売員や顧客の高齢化等により依然厳しい状況が続く中、拠点の統廃合を実施した影響や販売員稼働数の低下等もあり、売上高は4億4百万円(前年同期比7.8%減)となりました。損益面においては、拠点統廃合による固定費の削減、コスト管理の更なる強化等を進めた結果、セグメント損失は19百万円(前年同期はセグメント損失21百万円)と改善いたしました。

 DSM事業では、引き続き、顧客数を増やすための紹介キャンペーンの実施や休眠顧客の深耕開拓、さらに提案商品や動員企画の見直し等を図ることで販売員稼働数の向上に繋げ、収益確保に努めてまいります。

 

・教育事業

 教育事業においては、株式会社マンツーマンアカデミーおよび東京ガイダンス株式会社が前期に引き続き順調に推移いたしました。加えて、2023年12月に教育事業の3社目として新たにグループ入りした株式会社灯学舎が期初より寄与したことにより、売上高は7億14百万円(前年同期比44.8%増)と大きく伸長しました。損益面については、既存2社が順調に推移し、コスト管理の適正化が図られ、セグメント利益は45百万円(前年同期比90.8%増)と大幅に増加し、事業の盤石化が進展いたしました。

 教育事業では、「スクールIE」のブランド特色を活かし、他社差別化を図るとともに、キャリアアップ研修の充実やさまざまな育成プログラム等人財育成にも注力してまいります。また、オンライン教育の充実を推進し、さらなる顧客満足度向上に繋げ、安定的な収益確保に努めてまいります。

 

・その他の事業

 その他の事業については、株式会社ヤマノセイビングの前払い式特定取引業による手数料収益、一般社団法人日本技術技能教育協会の着物着付け教室の運営収益、及びリユース事業を営む株式会社OLD FLIPの収益が含まれています。当中間期においては、売上高については1億63百万円(前年同期比0.4%減)と前年水準に留まりましたが、損益面については株式会社OLD FLIPにおいて、収益改善に向けた構造改革を進めた結果、売上総利益率の改善、固定費の削減等により損益分岐点が改善し、セグメント損失は8百万円(前年同期はセグメント損失39百万円)と大きく改善いたしました。

 株式会社OLD FLIPについては、拡大が期待されるリユース市場に対し、キャンペーン販売やSNSを活用したマーケティングの強化に加え、回収品に新たな付加価値を付けたアップサイクル商品の販売を強化し、収益の改善に取り組んでまいります。

 

 

(2)財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて7億43百万円減少し79億3百万円となりました。これは主に現金及び預金が3億47百万円減少、売掛金が4億41百万円減少したことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて6億72百万円減少し67億51百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1億2百万円減少、電子記録債務が90百万円減少、短期借入金が1億30百万円減少、前受金が89百万円減少、長期借入金が1億61百万円減少したことによるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ71百万円減少し11億52百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失計上による利益剰余金63百万円の減少、その他有価証券評価差額金7百万円の減少によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ3億47百万円減少の18億96百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1億29百万円(前年同期は1億99百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前中間純損失17百万円、売上債権が4億39百万円減少、仕入債務が1億93百万円減少、前受金が89百万円減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、98百万円(前年同期は48百万円の支出)となりました。

これは主に、有形固定資産取得による支出16百万円、連結の範囲の変更を伴う連結子会社株式の取得による支出15百万円、貸付による支出50百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、3億78百万円(前年同期は54百万円の収入)となりました。

これは主に、短期借入金の減少額1億30百万円、長期借入金の返済による支出2億38百万円によるものです。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(6)従業員数

当中間連結会計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(8)主要な設備

当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。