当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、経営理念“世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ”の実現に向け、2035年をターゲットとする長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」を策定し、当年度より開始する第5次中期事業計画(対象期間は2024年度から2026年度)において「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」をテーマに掲げ、経営基盤の再構築に向けて各施策を実行しています。
当中間連結会計期間の連結業績については、売上高は増収となりましたが、営業利益・経常利益は、国内需要減及び原燃料価格の上昇等の影響から低調であった紙・板紙事業を、国内を中心に堅調であったホーム&パーソナルケア事業でカバーするまでには至らず、減益となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、これらに加え、前中間連結会計期間に政策保有株式の売却益や受取保険金等を計上していた反動により減益となりました。
当中間連結会計期間の連結業績は、以下のとおりです。
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売上高 |
333,650百万円 |
(前年同期比 0.7%増) |
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営業利益 |
3,708百万円 |
(前年同期比 50.1%減) |
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経常利益 |
870百万円 |
(前年同期比 83.9%減) |
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親会社株主に帰属する 中間純損失(△) |
△3,467百万円 |
(前年同期は親会社株主に帰属する 中間純利益3,926百万円) |
セグメントの状況は、次のとおりです。
① 紙・板紙
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売上高 |
173,958百万円 |
(前年同期比 0.4%減) |
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セグメント利益 |
2,585百万円 |
(前年同期比 69.9%減) |
紙・板紙事業において、新聞用紙は、発行部数及び頁数の減少により販売数量・売上高ともに前年同期を下回りました。
洋紙は、デジタル化の加速に伴いチラシやパンフレット用途の紙を中心に国内需要の減退が継続していますが、輸出販売の増加により販売数量は前年同期を上回り、売上高は前年同期並みとなりました。
包装用紙は、紙袋分野では省包装化の進行等に伴う需要減少の影響がありましたが、回復基調にある産業分野、脱プラ・特殊分野及び輸出販売での増加により、販売数量・売上高ともに前年同期を上回りました。
板紙・段ボールは、主要用途である食料品や日用品を中心に国内需要が低迷し、輸出についても中国及び東南アジア市場の停滞の影響を受けたこと等で販売数量・売上高ともに前年同期を下回りました。
これらの結果、紙・板紙事業では、売上高は前年同期並みとなりましたが、セグメント利益は国内需要減、古紙や輸入チップ等の原燃料価格の上昇及び修繕費等の固定費増加の影響等により前年同期を下回りました。
② ホーム&パーソナルケア
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売上高 |
148,831百万円 |
(前年同期比 3.1%増) |
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セグメント損失(△) |
△162百万円 |
(前年同期はセグメント損失△2,643百万円) |
ホーム&パーソナルケア事業の国内事業では、衛生用紙については、原燃料価格や物流費の高騰を背景に実施した価格改定の浸透に取り組みました。また、需要が伸長するソフトパックティシュー、長尺トイレットペーパー等の付加価値商品の販売が堅調に推移するとともに、エリエール45周年を迎えて発売した最高品質(注)のトイレットペーパー「The エリエール」が好評を得ました。紙加工品については、価格改定の定着とともに、ベビーケア・フェミニンケアでの企画品の連続投入、及び好調なヘルスケア関連商品が売上拡大を牽引しました。また、ペットケアブランド「エリエールPet キミおもい」では、ブランドアンバサダーであるシンガーソングライター絢香さんが書き下ろしたブランドソングを発表し、各種メディアで取り上げられるなど注目を集めました。一方、継続する少子化の影響により販売数量が減少した商品カテゴリーがあったものの、前記の付加価値品の拡販に加えて価格改定の浸透もあり、売上高は前年同期を上回りました。
(注)2023年12月現在の当社エリエールラインナップに基づく(当社調べ)
海外事業では、ブラジルは、付加価値商品の販売が伸長するとともに各商品の価格改定を推進する等、引き続き好調を維持しています。中国は、フェミニンケアの販売が伸長していますが、ベビーケアは本格回復の途上です。タイは、付加価値商品を中心とするベビーケア及びフェミニンケアが販売伸長を牽引しました。これらの結果、海外事業全体の売上高は前年同期を上回りました。
ホーム&パーソナルケア事業では、主に国内事業及びブラジル事業が牽引役となった結果、売上高及びセグメント利益は前年同期を上回りましたが、セグメント損失となりました。
③ その他
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売上高 |
10,859百万円 |
(前年同期比 11.4%減) |
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セグメント利益 |
1,226百万円 |
(前年同期比 15.7%減) |
主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、木材チップの売上が減少したことで売上高は前年同期を下回りました。
<主要品種別販売数量・金額増減要因>
紙・板紙セグメント
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品種 |
数量 |
金額 |
動向 |
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新聞用紙 |
- |
- |
新聞発行部数及び頁数の減少 |
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洋紙 |
+ |
→ |
デジタル化加速による印刷・情報用紙の国内需要減少、 輸出販売の増加 |
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包装用紙 |
+ |
+ |
産業分野の回復、脱プラ・特殊分野や輸出販売の増加 |
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板紙・段ボール |
- |
- |
段ボール需要の減少 |
ホーム&パーソナルケアセグメント(国内)
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品種 |
数量 |
金額 |
動向 |
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ファミリーケア (衛生用紙) |
- |
→ |
ソフトパックティシュー、長尺トイレットペーパー等の付加価値商品の販売伸長、追加の価格改定に伴う販売減少 |
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ベビーケア |
- |
+ |
少子化に伴う需要減少、パンツ型紙おむつの新商品の導入店舗拡大、 価格改定の浸透 |
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ヘルスケア |
+ |
+ |
高機能・高付加価値商品の販売伸長、価格改定の浸透 |
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フェミニンケア |
- |
+ |
ショーツタイプの販売伸長、肌ケア関連商品の販売減少、 価格改定の浸透 |
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ハウスホールドケア (ウエットワイプ) |
- |
+ |
除菌関連商品の需要減少、トイレクリーナーの販売伸長、 価格改定の浸透 |
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ペットケア |
+ |
+ |
ペット事業に本格参入 |
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ15,155百万円減少し、924,589百万円となりました。
負債はその他流動負債や支払手形及び買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ19,691百万円減少し、659,967百万円となりました。
純資産は利益剰余金の減少があるものの、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ4,536百万円増加し、264,622百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.7ポイント上昇し、27.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3,033百万円減少し、120,717百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、18,969百万円(前中間連結会計期間比5,545百万円の獲得の増加)となりました。これは主に、減価償却費22,760百万円、売上債権の減少(収入)12,978百万円、未払消費税等の減少(支出)5,001百万円、法人税等の支払額6,161百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、13,762百万円(前中間連結会計期間比2,927百万円の支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15,653百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、9,073百万円(前中間連結会計期間は20,436百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額(支出)1,507百万円、長期借入れによる収入38,200百万円、長期借入金の返済による支出42,840百万円、配当金の支払額1,508百万円によるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、1,818百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、北越コーポレーション株式会社との間で戦略的業務提携基本契約を締結することを決議し、同日に契約締結いたしました。