文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループは、経営方針に「原点回帰」を掲げ、「外食の原点である魅力のある商品作りとメニューの絞り込み」「全店舗のQSC立て直し」「安全安心な食事環境の提供」に取り組んでおります。
「幸楽苑」店舗ひとつひとつが社会インフラと考え、地域社会の発展に貢献することで企業価値を高め、地域に必要とされる企業を目指してまいります。
わが国経済は、行動規制緩和による個人消費回復等により経済活動は正常化に進んでおります。一方、経済活動の正常化に伴う人手不足による人件費上昇、不安定な国際情勢を背景にした物価高、これらの状況により、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続くことが見込まれます。
このような状況の中、当社グループが対処すべき重点課題・施策は以下のとおりであります。
季節に合わせた限定メニューを投入し来店訴求を行うとともに、中華そば、みそらーめん、しおらーめん、ギョーザ、チャーハン等のグランドメニューの魅力を高める取り組みを行います。
店舗毎のQSCレベル向上のために、品質・品温管理の徹底をすすめ、店舗巡回指導による「調理」、「接客」、「清掃」に関するスタッフ教育の徹底とマニュアルの整備を行い、店舗レベルを高い水準で平準化いたします。
行動制限解除に伴う人流回復に対応した店舗運営として、ロードサイド店舗の営業時間を23時まで延長し業績拡大を図るとともに安全安心な街づくりに貢献します。
社員ひとりひとりが、幸楽苑は「生活インフラとして地域社会へ貢献」していることを認識し、幸楽苑で働く意義を理解することで幸楽苑ブランド強化へつなげてまいります。
これまでの新聞折込等による不特定多数に対するマーケティングから、公式アプリやSNSなどを用いた顧客との接点を重視したデジタルマーケティングへシフトを行います。
以上の重点課題・施策を推し進めることで、当社グループの業績拡大を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「幸楽苑」が立地する地域社会において、「安全安心な食事環境の提供」を通して、お客様に満足していただくことにより、地域社会に必要とされる店舗を目指しております。地域における店舗の運営を長く行うことにより「地域における持続的な生活インフラ」として地域社会へ貢献することを目指しております。
また、取締役会において、TCFD提言に基づき、①気候変動に対応したガバナンスのあり方、②気候変動に対応したビジネス戦略、③気候変動に対応したリスク管理、④気候変動関連指標と目標設定、以上の課題について認識し、「安全安心な食事環境の提供」を実現するために、サステナビリティ活動へ積極的に取り組むことが重要であると考えており、TCFD提言に基づく気候変動に係る開示体制を整えてまいります。
当社グループは、経営戦略部を事務局とし全ての部門長をメンバーとしたワーキンググループを設置し、TCFD提言に基づいた活動を行っております。ワーキンググループから取締役会に対して、「気候変動対策など地球環境に配慮した事業運営」、「フードロス削減と循環型社会への取り組み」、「安全安心な食材の持続的な確保」について実績報告を行っております。
当社グループは、持続可能な社会の達成を目指し、循環型社会・脱炭素社会の実現のために、原材料の調達、工場での製造、店舗への配送、店舗での調理、お客様への商品提供まで一貫した環境負荷低減に向けた取り組みを行っております。事業活動において、環境負荷が大きいと考えられるのは「CO2排出」、「食品ロス」となります。CO2排出削減は、工場・店舗におけるLED照明への変更による電力量抑制、エコキュートへ切替によるガス使用量抑制、工場店舗間の配送ルート及び回数の見直しなどに取り組んでおります。
食品ロス削減については、3つの「もったいない」取り組みを行っております。
従業員オーダー受け教育、デジタルオーダーの導入、調理者への技術向上教育等により調理ロスの削減を図るとともに、ご了承いただいたお客様には調理ミス・オーダーミスの商品を100円引きで提供しております。
店舗で販売しているPB(プライベートブランド)商品等について、賞味期限に近い商品を50%OFFにて販売することで、食品ロス削減の取り組みを推進しております。
ご注文されたお料理を店内で食べきれなかったお客様にお持ち帰り容器をご提供いたします。廃プラスチック削減のために、植物原料(バイオマス)を一部使用した容器をご提供しております。
当社グループは、社員のみにとどまらずパートナー従業員に対しても、モチベーション向上と勤務時間の適正化に向けた施策を講じることによって、従業員の心身の健康を確保するとともにワーク・ライフ・バランスを実現し、健康で働き甲斐のある職場環境を創出することを目指し、長時間労働の抑制と年次有給休暇の取得促進に労使一体となって取り組んでおります。人財の多様性を確保することが持続的な成長のため必要であるとの考えのもと、従前より女性従業員がその能力を高めつつ継続的に就業できる環境の整備に努めております。パートナー従業員については、店舗教育などを行ったうえで正社員へ登用を積極的に行っております。
フレックスタイム制度や一部在宅勤務等働きやすい環境作りを推進しております。長時間労働の是正と労働生産性向上、ハラスメント防止対策にも積極的に取り組んでおります。
当社グループでは、グループ経営にかかるリスクマネジメントは各担当部署において識別と評価を行い、経営会議及び取締役会において審議を行っております。気候変動などサステナビリティに関するリスクマネジメントについては、経営戦略部を事務局としたワーキンググループで検討を行い取締役会に報告を行っております。
当社グループの事業活動において「CO2排出」、「食品ロス」が環境負荷に影響が大きいと考えております。CO2排出削減については、毎年前年比1%削減を目標に、工場・店舗において取り組んでおります。
食品ロス削減については、食品ロス率社内目標(食品ロス高を売上高で除した比率)を0.2%以下と設定しており、当事業年度実績は0.23%となりました。また、食品リサイクル法で定められている外食産業の目標値は、食品廃棄物のリサイクル率50%以上、2019年度に設定された食品廃棄物等の発生抑制の目標値は、売上100万円あたり170kg以下となっております。これらの当事業年度実績は、リサイクル率62%(前期41%)、売上100万円あたりの食品廃棄物量28kg(前期37kg)となっております。
当社グループは女性活躍推進法にも主体的・積極的に取り組んでおり、法令所定の行動計画において、「管理職(店長級以上)に占める女性の割合を10%以上とする」との数値目標を設定し、厚生労働省が運営する「女性の活躍・両立支援総合サイト」に掲載して公表しております。当事業年度末における全従業員に占める女性従業員の割合は正社員が11%、パートナー従業員が68%、管理職(店長級以上)に占める女性従業員の割合は8%となっております。今後は女性従業員の割合の高いパートナー従業員の正社員登用を推進し、正社員及び管理職(店長級以上)に占める女性従業員の割合向上を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
過去2期間の当社グループにおけるセグメント別の売上高は以下のとおりとなっており、ラーメン事業の比率が高い水準にあります。当社グループは、ラーメン事業への依存度が高いことから、国内外の景気の悪化・低迷や電力供給事情の悪化により店舗営業に支障を来たした場合等の外的要因、あるいは、当社グループ固有の問題発生等により、当該事業の展開に何らかの支障が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 1.その他の事業は、フランチャイズ事業、洋・和食等の外食事業等であります。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度末現在、当社グループが事業を展開している地域は、東北(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)、関東(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)、甲信越(新潟県・山梨県・長野県)、東海(静岡県)の国内17都県並びに海外(タイ王国)であります。当連結会計年度末現在の店舗数は389店舗(国内382店舗、海外7店舗)であり、その内訳は、ラーメン事業の直営店359店舗(国内359店舗)、その他の事業の直営店10店舗、フランチャイズ加盟店20店舗(国内13店舗、海外7店舗)となっております。
当社グループは、店舗の商圏が隣接するようなドミナント出店方式を継続し、出店地域のマーケットシェアを高めていく方針であります。しかしながら、ラーメン事業の「幸楽苑」が大部分を占めていることと、出店エリアが東北・関東に集中していることで、消費者嗜好の変化や自社競合の発生等により、営業戦略を変更する可能性があります。
過去2期間の当社グループの直営店における売上高、売上高シェア及び期末店舗数を地域別に示すと以下のとおりであります。
当社グループが多店舗展開を推進するにあたり、直営店を基本としてきた理由は、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店ベースで維持・管理するとともに、店舗のスクラップ・アンド・ビルドや業態転換を機動的に実施できること等によるものであります。今後も直営店を主体とした出店継続を計画しており、出店にあたっては、事前のマーケティング調査を十分実施したうえで、社内基準に従った店舗開発を進めてまいります。出店戦略としては、引き続き主要幹線道路や主要生活道路に面した場所への出店により、食材の効率的な配送ルートを確保するとともに、周辺地域のファミリー層やビジネス顧客等を中心とした、地域密着型の店舗展開を推進していく方針であります。店舗新設資金は、自己資金及び金融機関からの借入金等にて調達する予定でありますが、新設した店舗が計画どおりの収益を計上できず、投下資本の回収に時間を要した場合等には、有利子負債残高の増加が負担となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、麺や餃子等の主要な食材については、国内では福島県郡山市の郡山工場及び神奈川県小田原市の小田原工場の2工場による集中生産体制をとっており、生産面及び物流面の支障は発生しておりません。しかしながら、今後の店舗展開に伴う生産量の増大及び物流コストの増加、あるいは各生産工場における不測の事態発生等に伴う生産能力の低下等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
2工場による集中生産体制は、今後の出店計画と密接に関係するため、直営店の店舗展開が計画どおりに進まなかった場合、あるいは、当初の収益計画を達成できずに投下資本の回収に時間を要した場合には、当該工場の稼動率低下や有利子負債残高の増加等が負担となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、その他の食材につきましては、世界各地から品質の高い食材をより低コストで購買できる体制を構築してまいりますが、異常気象や国際紛争による世界的な食糧不足に伴う原材料価格の高騰が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループのパートナー(臨時従業員)数は約2,400名であり、業種柄、各店舗の従業員数に占める割合は大きく、今後の店舗展開に比例して、引き続きパートナー数を増加させる見込みであります。これらパートナーの教育は、各店舗・各エリアに配属する当社グループ従業員(正社員)のうち店長及び営業本部の管理職層等が担当し、綿密にプログラム化された各種マニュアルをパートナーに徹底させるための継続的なOJTを実施しております。当社グループは、正社員の能力育成のために階層別教育制度を導入しており、各職能資格別に習熟すべき技量・能力を具体的に定めることにより、高度で均質な技能を保持した正社員の育成に努めております。また、それらの技能をパートナーの教育に反映させることによって、グループ全体の人的能力の向上に努めております。しかしながら、新商勢圏においては、知名度の浸透割合が十分とは言い難く、店舗展開に合わせ適時に適切なパートナー等の確保ができず、また、フランチャイズ加盟店を含め十分な技能教育ができなかった場合等には、出店計画の遂行に支障を来たす可能性があるとともに、サービスの質が低下し、顧客満足度の維持が困難となること等から、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが営んでいる外食事業に関する主たる法的規制には、食品の規格・添加物・衛生監視・営業許可等を定めた「食品衛生法」、工場・事業場の排水規制を定めた「水質汚濁防止法」、浄化槽の設置等を定めた「浄化槽法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」、食品廃棄物の排出抑制と再生利用等を定めた「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」、容器包装の廃棄に関して一般廃棄物の減量と再生利用を目的とした「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」並びに温室効果ガスの排出抑制を目的とした「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」や燃料資源の有効な利用の確保を目的とした「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」等があります。これらの法的規制が強化された場合には、設備投資等の新たな費用が発生・増加すること等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、安全な食品を提供するために、法定の食品衛生検査に加え、ISOの考え方を基本とした品質・安全対策を実施しております。しかしながら、今後において当社グループ固有の衛生問題が発生した場合、あるいは、他の外食事業者の衛生管理の不手際に基づく連鎖的風評被害、原料メーカー等における無認可添加物の使用等による食品製造工程に対する不信、BSE(狂牛病)・口蹄疫・輸入野菜の農薬残留等の食物の安全性に対する問題並びにそれらを監督する行政に対する社会全般的な問題等、各種の衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの各社において、お客様、株主及び従業員等の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報の漏洩及び個人情報への不正なアクセスにつきましては重大なリスクと認識し、情報セキュリティには最善の対策を講じておりますが、万一、個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜による企業イメージの低下、損害賠償の支払い等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの属する外食産業においては、ラーメン事業等を営む同業者との競合のみならず、和・洋・中華レストラン及びファストフードチェーン等との競合のほか、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、持ち帰り弁当事業及び宅配ピザ事業等の食品小売業者との間においても、商品・価格・利便性・品質・サービス内容等をめぐり、激しい競合状態にあります。特に最近では、物価高に伴うコスト上昇に対応した価格転嫁が進んでおり、業種を超えた価格競争が激しくなっているほか、良好な新規の出店場所や優秀な人材の獲得においても競合が発生しております。当社グループは、これらの競合に対処すべく「高品質・低価格」をモットーに、顧客満足度を高めるとともに、新規顧客の獲得と既存顧客のリピート率の向上に努めております。しかしながら、これらの競合による品質の向上及びサービスレベルの改善等に伴うコストの増加や、物価高に伴うコスト上昇の販売価格への転嫁状況によっては、利幅の低下が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの営業店舗や工場所在地を含む地域において、大規模な地震や洪水、台風等の自然災害が発生した場合、店舗・工場設備の損壊、社会インフラ・物流の寸断等の理由から、正常な店舗営業が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が取引金融機関との間で締結している借入契約には、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば同契約上の期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
前連結会計年度において3期連続の営業損失を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失を計上していたことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する旨の記載をするとともに、このような状況を早期に解消するべく、人手不足の解消による営業時間の正常化、定番メニューの絞り込みによる店舗運営の効率化、メニューミックスによる客単価の上昇、店舗運営コストの上昇を考慮した一部商品の価格改定、販売促進費の大幅な削減及び固定費管理の徹底、不採算店舗の撤退等に取り組んでまいりました。
これらの取り組みにより、当連結会計年度の第2四半期連結会計期間より3四半期連続で営業利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益を計上し、当連結会計年度の通期においても営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上することとなりました。このような状況を総合的に判断した結果、現時点において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断しております。
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国の経済環境は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行したことに伴いコロナ禍以前の活気を取り戻し、経済活動の正常化が進んでいます。その一方で、ウクライナや中東における緊迫した世界情勢の長期化に加えて、円安の進行により原材料価格やエネルギー価格の上昇に伴う物価上昇が継続しており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、行動制限の緩和に伴い人流が回復し外食需要は回復基調が継続しております。しかし、経済環境の正常化に伴う人手不足による人件費関連コストの上昇、長期化する原材料費、光熱費、物流費などの店舗運営コストの高止まりにより厳しい経営環境が続いております。
このような環境の中、当社グループは経営方針として「原点回帰」を掲げ、「外食の原点である魅力のある商品作りとメニューの絞り込み」「全店舗のQSC立て直し」「安全安心な食事環境の提供」を重点課題として、全社一丸となって取り組んでまいりました。営業体制の再構築として、店長会議を毎月定例開催し、会社の経営方針を全店長へ共有することで透明性の高い事業環境の構築を行いました。
メニュー施策として、5月と10月にグランドメニューの変更を行いました。5月はメニュー数の見直しにより店舗オペレーション負荷軽減を図りました。10月は一部商品の値下げ、全ての麺類がギョーザ又はチャーハンとセットメニューを選択可能にするなど、お客様の選択の幅を広げる取り組みを行いました。また、アイドルタイムの集客を目的として15時から「ディナーメニュー」、期間限定メニューとして、冷し担担麺、煮干しらーめん、月見らーめん、ゆず塩らーめん、和風カレーらーめん、メガたんめんなど合計18品目の期間限定商品をお客様に販売してまいりました。デジタルマーケティング強化策として、SNSを通して期間限定メニューの告知や各種キャンペーンの実施、3月には公式アプリのリニューアルを行いお客様の利便性を見直しました。
一方で、賃貸借契約満了及び不採算店舗の撤退により店舗数は42店舗減少し、当連結会計年度末のグループ店舗数は、389店舗(前年同期比42店舗減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高26,800百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益33百万円(前連結会計年度営業損失1,687百万円)、経常損失106百万円(同経常損失1,528百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益94百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失2,858百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであり、金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んで表示しております。
① ラーメン事業
ラーメン事業においては、主力商品である中華そば、みそらーめん、塩らーめん、ギョーザ、チャーハンを軸としながら、毎月1,2品の期間限定メニューの継続投入、また、新たな取り組みとして15時以降にディナーセットの販売を開始しました。
店舗展開は、採算性を重視し不採算店舗の撤退を行いました。その結果、店舗数は、直営店359店舗(前年同期比26店舗減)となり、業態別には「幸楽苑」354店舗、「幸楽苑 since1954+幸楽苑のからあげ家」5店舗となりました。
この結果、ラーメン事業の売上高は24,401百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
② その他の事業
その他の事業は、フランチャイズ事業(ラーメン業態のフランチャイズ展開)、その他外食事業を行っております。
フランチャイズ事業につきましては、店舗数は20店舗(国内13店舗、海外7店舗)となりました。
その他外食事業は、「焼肉ライク」直営店8店舗、「焼肉食堂まんぷく」直営店1店舗、「餃子の味よし」1店舗となりました。なお、「からやま」直営店、「赤から」直営店、「VANSAN」直営店は閉店いたしました。
この結果、その他の事業の売上高は2,399百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ329百万円減少し、10,467百万円(前連結会計年度末比3.1%減)となりました。主な要因は、次のとおりであります。
流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ928百万円増加し、3,337百万円となりました。これは、現金及び預金842百万円、売掛金119百万円の増加等によるものであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,258百万円減少し、7,129百万円となりました。これは、建物及び構築物643百万円、土地136百万円、リース資産304百万円、敷金及び保証金103百万円、投資その他の資産「その他」に含まれる保険積立金114百万円の減少及び繰延税金資産133百万円の増加等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,167百万円減少し、8,763百万円(前連結会計年度末比11.8%減)となりました。主な要因は、次のとおりであります。
流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ502百万円減少し、6,078百万円となりました。これは、一年内返済予定の長期借入金793百万円、未払金117百万円の減少及び買掛金170百万円、賞与引当金149百万円、未払消費税等136百万円の増加等によるものであります。
固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ665百万円減少し、2,685百万円となりました。これは、長期借入金256百万円、リース債務226百万円、退職給付に係る負債80百万円の減少等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ837百万円増加し、1,703百万円(前連結会計年度末比96.8%増)となりました。これは、資本金340百万円、資本準備金340百万円、利益剰余金94百万円、退職給付に係る調整累計額80百万円の増加等によるものであります。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ842百万円増加し、2,127百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,099百万円の収入(前連結会計年度は282百万円の収入)となりました。これは、減価償却費1,010百万円、減損損失278百万円、賞与引当金の増加額149百万円、固定資産売却益343百万円、売上債権の増加額119百万円、未払消費税等の増加額136百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、417百万円の収入(前連結会計年度は27百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出399百万円、有形固定資産の売却による収入649百万円、投資有価証券の売却による収入66百万円、敷金及び保証金の回収による収入94百万円、保険積立金の解約による収入94百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、675百万円の支出(前連結会計年度は205百万円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出1,050百万円、リース債務の返済による支出305百万円、新株の発行による収入680百万円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は、製造原価で表示しております。
当社グループは、店舗の売上計画に基づき見込生産を行っておりますので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.直営店売上についての地域別販売実績は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度の売上高は、26,800百万円(前年同期比5.3%増)となりました。連結売上高の増加要因は、主としてグランドメニューを見直し価格改定を行ったこと及びセットメニューの開発を行った影響等によるものであります。
当連結会計年度の営業利益は、連結売上高の増加と販管費の見直しによる削減、赤字店舗の閉店等により、33百万円(前連結会計年度営業損失1,687百万円)となりました。
当連結会計年度の経常損失は、106百万円(同経常損失1,528百万円)となりました。
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益343百万円の計上等により、前連結会計年度に比べ155百万円増加し、503百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、減損損失が前連結会計年度に比べ561百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ518百万円減少し、402百万円になりました。
上記①~④の要因及び法人税、住民税及び事業税91百万円、繰延税金資産133百万円の計上及び繰延税金負債54百万円の減少等による法人税等調整額△191百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は94百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失2,858百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの主な資金需要は、新規出店や既存店舗の改装・業態転換及び生産設備の増強等によるものであります。これらの設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内における投資を原則としておりますが、必要に応じて主に金融機関からの借入金等により対処することにしております。
資金の流動性の確保に関しては、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、2024年3月時点で、総額20億円のシンジケート・ローン(コミットメントライン)契約を更新しており、十分な運転資金を確保しております。
今後のわが国経済は、少子高齢化を背景に大幅な成長を見込むことは難しいと考えております。外食産業においては、消費者の低価格志向による業態を超えた競争激化、人手不足による人件費の上昇、不安定な国際情勢を背景にした物価高など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が継続すると見込まれます。
このような状況下において、当社は「原点回帰」を掲げ、「魅力ある商品作り」「店舗QSCレベルの平準化」「安全安心な食事環境の提供」に取り組むことで企業価値向上を図ってまいります。
2025年3月期は、23時までの営業時間延長を通して店舗が立地する地域の社会インフラとして貢献することにより、「幸楽苑」ブランドの強化に取り組んでまいります。加えて、「デジタルマーケティング推進」「不採算店舗の立て直し」「更なるコスト見直し」を実施してまいります。
当社は、チェーン展開を図るため、フランチャイジー契約として加盟店と、フランチャイザー契約として㈱ダイニングイノベーション及び㈱コロッケエンターテイメントフーズとフランチャイズ契約を結んでおります。
その概要は次のとおりであります。
(注) 店舗数は、2024年3月31日現在のものとなっております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、顧客満足度を高める商品を提供することを目指して、原材料の調達から商品の提供までの過程を網羅した研究開発活動を行っております。
現在、研究開発は、当社の商品開発室により推進されております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
当連結会計年度における各セグメントの研究の目的、主要課題及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1) ラーメン事業
当社において、ラーメン店「幸楽苑」の新規メニューの開発と季節メニューの開発を行うとともに、工場での製品試作の研究開発を行っております。当連結会計年度における主な成果としては、「ディナーメニュー」「スタミナらーめん」「メガたんめん」「和風カレーらーめん」等の新商品及び「冷し中華」「冷し担担麺」「背油牛肉つけめん」「激辛マーラーつけめん」等の季節限定商品を随時開発いたしました。当事業に係る研究開発費は、
(2) その他の事業
該当事項はありません。