文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営環境
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、企業収益や雇用情勢の改善が進み緩やかに回復していくことが期待されるものの、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」を達成するため、以下5つの方針を実行してまいります。
1 日本市場でのイノベーションと持続的利益創出
2 ブランド価値の向上
3 人材、組織の多様化加速
4 研究開発・生産・物流の多様化加速による競争力強化
5 変化に対応できる経営の推進
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、売上高、営業利益及び自己資本当期純利益率/ROEを重要な経営指標とし、企業価値の最大化と収益性の向上を実現してまいります。
(3)優先的に対処すべき課題
当社グループの主要事業である化粧品、医薬・食品事業の市場における変化や多様化に対応するため、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」を推し進めていくとともに、以下を優先的に対処すべき課題として対応してまいります。
(中長期的な戦略の実現)
当社グループは、化粧品事業を中心に事業を展開しておりますが、今後の景気動向は、緩やかな回復が予想されるものの、物価上昇に伴う個人消費の下押しリスク等、不透明な状況が見込まれます。
このような環境の中、消費者の多様な潜在需要に対応し、当社グループの主要事業である化粧品、医薬・食品事業の市場において、確固たるブランド価値の向上に努め、安定的な利益創出に取り組んでまいります。
また、今後の大きな環境の変化に、より一層対応していくため、研究開発・生産・物流の多様化加速による競争力強化を図ってまいります。
当社グループが事業を展開する国内外の市場においては、消費者の多様な潜在需要が見込まれ、急速な変化が続いており、より一層変化に対応できる経営を推し進めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」を中長期的な戦略のテーマとしております。
サステナビリティに関するガバナンスの体制は、全社的なコーポレートガバナンスの体制に包含しており、サステナビリティに関する事項で経営に関する重要事項は、取締役会に付議、報告し、取締役会の決定、監督のもと進めることとしております。詳細は、「
サステナビリティに関するものを含むリスク全般については、報告経路を定め、識別、対応等適切に管理を行っております。詳細は、「
特に気候変動をはじめとする地球環境問題に対して、当社グループでは、これまで行ってきた環境負荷低減のための取り組みを、グループ事業全体において一層推進していくため、2022年2月に「環境負荷低減委員会」を設立いたしました。 環境負荷低減委員会は、重要な経営課題の一つである環境負荷の低減について、グループ全体で適切かつ迅速に実行・推進できる体制を確保するため、グループ事業における気候変動によるリスクと機会の特定に関与する部門の取締役等で構成し、環境や気候変動に関するグループ事業の課題と対応についてとりまとめを行い、適時取締役会へ報告しております。
取締役会は、環境負荷低減委員会より報告を受け、環境や気候変動に関する課題と対応について監督を行います。
(2)気候変動について
①気候変動に関する戦略
当社グループは、気候変動による環境変化が当社グループ事業に及ぼす影響を鑑み、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」のため、環境に関する方針として、限りある資源の有効活用、持続可能な原材料調達、環境負荷低減に配慮した販売・営業活動等、廃棄物の削減とリサイクルを掲げ、これらのもと、容器・包材における廃棄物削減を推進、サステナブルな原材料の調達等の取り組みを行っております。
当社ウェブサイトに、環境に関する方針及び環境への取り組みの内容を掲載しております。詳細は、以下をご参照ください。
当社ウェブサイト「環境とともに」https://www.noevirholdings.co.jp/csr/environment/index.htm
②気候変動に関する指標及び目標
地球環境の保全において喫緊の課題となる気候変動への対応として、当社グループにおけるCO2排出量(Scope1,2,3)を算出し、段階的な削減に向けた取り組みを進めてまいります。
当社ウェブサイトにて、CO2排出量実績を掲載しており、2024年9月期のCO2排出量につきましては、2025年2月に公開予定です。詳細は、以下をご参照ください。
当社ウェブサイト「環境とともに」https://www.noevirholdings.co.jp/csr/environment/index.htm
(3)人的資本について
当社グループは、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」のため、人的資本を重要な経営課題の一つと位置づけ、取り組んでおります。
①人的資本に関する戦略
1)社内環境整備方針
当社グループは、常に変化する社会環境や労働環境のなかで、社員一人ひとりが、持続的に力を発揮できる職場環境を整えるため、以下のような取り組みを行っております。
・育児休業制度及び短期育児休業制度の利用推進
・時間単位有休制度の活用
・退職者再雇用制度による人材活用 等
2)人材育成方針
当社グループは、全社員に対してキャリアアップの機会を積極的に提供することで、社員一人ひとりが、それぞれのキャリアを通じて成長できるよう、以下のような取り組みを行っております。
・女性管理職登用の推進及び男女比率の開示
・役職者への登用支援
・非管理職の活躍支援 等
②人的資本に関する指標及び目標
当社グループは、人員・組織状況に迅速・柔軟に対応するため、以下の取り組みについてのみ、指標及び目標を設定しております。
1)社内環境整備方針
指標:男性労働者の育児休業取得率
目標:2030年9月30日までに100%取得を目指す
2024年9月30日時点:36%
2)人材育成方針
指標:管理職の男女比率
目標:管理職の男女比率を2040年9月30日までに同率(5:5)にする
2024年9月30日時点:管理職の男女比率7:3
※管理職の定義は「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計であり、「課長級」の労働者とは、同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)販売制度
当社グループの化粧品事業のカウンセリング化粧品における販売形態は委託販売であり、「委託販売契約」を締結している販売代理店を通じて、お客さまに対面販売を行っております。
従って、当社グループの販売制度は「特定商取引に関する法律」の規制を受けております。「特定商取引に関する法律」が改正された場合は、販売方法等の見直しにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、カウンセリング化粧品における主力商品である基礎化粧品については、毎期、冬と夏の年2回「スキンケアフェア」を実施しており、その期間に対応する売上高及び利益の比重が高まる傾向があります。従って、「スキンケアフェア」の状況が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
このため、当社グループでは、関連部門を中心にした情報収集を行い、適宜対応しております。
(2)景気変動
当社グループが主に取扱う化粧品は、嗜好性の高い商品であり、個人消費動向等の景気変動の影響を受けます。予測し得ない景気変動が生じ、個人消費が低迷した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、販売データに基づいた需要予測による生産計画を策定し、対策を講じております。
(3)環境
当社グループの化粧品事業及び医薬・食品事業は、気候変動等によるお客さまの消費行動の変化に影響を受けます。また、気候変動に対する規制や制度の変化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、環境負荷低減委員会を中心として、環境や気候変動に関する課題の解決に向けて対策を講じております。
(4)自然災害、感染症の流行等
当社グループは、高度な情報システムによって、多品種に及ぶ商品とその製造や物流に関するデータを処理しています。これらのシステムとオペレーションにつきましては、想定を超える大規模な地震、台風や豪雨等の自然災害、火災等の事故によって、通信回線のトラブル、情報システムの破損や保存データの喪失等が発生する可能性があります。
当社グループの主たる生産拠点は、化粧品事業では滋賀工場、医薬・食品事業では三重工場となっております。自然災害、感染症の流行等が発生した場合には、生産ラインが停止し、商品の供給が行えなくなることや復旧に際して費用が発生すること等が想定されます。さらに、事業所の閉鎖等により営業活動に制限を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一般用医薬品及び医薬部外品(風邪薬、のど飴等)は、風邪等の流行の影響を受けます。
このため、当社グループでは、自然災害、感染症の流行等が発生した場合、関連部門を中心に対応策を協議の上、実行する体制を整えております。
(5)製造物責任及びクレーム
当社グループは、製造物責任法に基づき訴訟を提起される可能性があります。商品の安全性をめぐるクレームや風評が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要な原材料や仕入商品に不良品が混入していた場合にも、同様の影響を及ぼす可能性があり、追加的に不良品回収のためのコストや損害賠償費用等が発生する可能性があります。
このため、当社グループでは、製造・販売する製品については品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。
(6)研究開発
当社グループの研究技術、市場動向、業界を取り巻く情勢に対する対応能力、時代に即応した効果効能のある新商品開発力は、市場競争力に重要な影響を与えています。化粧品は特に嗜好性の高い商品であり、開発が順調に進み商品化できた場合でも、必ずしも、お客さまに受け入れられるとは限りません。また、お客さまに求められる新商品の開発のため研究開発の強化に努めておりますが、こうした対応が遅れた場合やお客さまの望む商品を提供できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、付加価値の高い商品の開発に努めております。
(7)知的財産権保護
当社グループは、競合他社と差別化を図り経営の安全性と優位性を保つため、一定の知的財産権を確保する措置を講じています。また、入念な特許・商標等の調査をしながら、商品の開発を進めております。しかしながら、他社の特許出願の公開前に商品を開発、販売した場合など、他社特許に抵触する可能性があります。判明した場合は、交渉による解決や代替技術・原料の使用により回避する努力を進めますが、商品の仕様変更、回収等の費用発生や、損害賠償請求権を行使された場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、関連部門を中心にした情報収集を行い、適宜対応しております。
(8)法規制等
当社グループは、化粧品・医薬品・食品を中心に多様な商品を製造販売、または仕入販売をしております。商品の製造、販売、輸出並びに表示、広告宣伝等の活動に適用される医薬品医療機器等法をはじめとする規制、品質・安全・環境に関する基準、さらに会計、労務や取引関係等に関する、様々な法規制等の適用を受けております。今後、これらの法規制等が変更されたり、予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの活動が一時的に制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、関連部門を中心にした情報収集を行い、法令遵守の徹底を図っております。
(9)情報セキュリティ
当社グループの顧客情報や機密情報のシステム管理において、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能なコンピュータウイルス感染等によって、システム障害、情報漏洩やデータ改ざん等の被害を受けた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、関連部門を中心に技術的対策を講じ、情報管理体制を整えております。
(10)航空運送事業
当社グループのその他の事業において、国内連結子会社㈱ノエビアアビエーションにおける航空運送事業、日本フライトセーフティ㈱における航空機操縦訓練事業、海外連結子会社ノエビア アビエーション インクにおける航空機・船舶等の仕入販売及び航空運送事業等を行っております。航空運送事業、航空機操縦訓練事業において重大な航空機事故が発生した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、関係法規の遵守に努めるとともに、安全運航には万全を期しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(2023年10月1日~2024年9月30日)における景気の動向は、緩やかな回復の動きがみられたものの、依然として不透明な状況で推移しました。
このような環境の中、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高63,823百万円(前期比2.0%増)、営業利益11,423百万円(同3.6%増)、経常利益11,594百万円(同2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,970百万円(同3.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 化粧品事業
化粧品事業は、売上高49,761百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益12,226百万円(同3.0%増)となりました。
② 医薬・食品事業
医薬・食品事業は、売上高11,443百万円(前期比4.5%減)、セグメント利益1,230百万円(同3.8%増)となりました。
③ その他の事業
その他の事業は、売上高2,618百万円(前期比9.5%増)、セグメント利益330百万円(同26.7%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
化粧品事業 |
27,855 |
105.7 |
|
医薬・食品事業 |
5,361 |
90.3 |
|
その他の事業 |
- |
- |
|
合計 |
33,217 |
102.9 |
② 受注実績
OEM等による受注生産を行っておりますが、金額は僅少であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
化粧品事業 |
49,761 |
103.3 |
|
医薬・食品事業 |
11,443 |
95.5 |
|
その他の事業 |
2,618 |
109.5 |
|
合計 |
63,823 |
102.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱PALTAC |
9,023 |
14.4 |
9,866 |
15.5 |
|
㈱井田両国堂 |
7,098 |
11.3 |
8,065 |
12.6 |
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ774百万円減少し、76,471百万円となりました。主に、流動資産(その他)が1,606百万円減少したことと、投資有価証券が500百万円、現金及び預金が340百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,475百万円減少し、22,564百万円となりました。主に、未払金が1,073百万円、長期預り保証金が418百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ701百万円増加し、53,906百万円となりました。主に、前期末配当7,514百万円による減少と、親会社株主に帰属する当期純利益7,970百万円により、利益剰余金が455百万円増加したことと、その他有価証券評価差額金が343百万円増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は69.9%、1株当たり純資産は1,565.68円となり、前連結会計年度末に比べて自己資本比率は1.6%の増加、1株当たり純資産は20.14円の増加となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,840百万円増加し、29,006百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は9,123百万円(前期は7,624百万円の増加)となりました。主に、増加要因として、税金等調整前当期純利益11,619百万円、減少要因として、法人税等の支払額及び還付額2,161百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は1,525百万円(前期は3,544百万円の減少)となりました。主に、増加要因として、定期預金の払戻による収入2,717百万円、減少要因として、有形固定資産の取得による支出626百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は7,712百万円(前期は7,493百万円の減少)となりました。主に、配当金の支払7,522百万円によるものであります。
当社グループの資金調達につきましては、手元資金で賄うことを基本としております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、積極的な研究開発等に取り組むことで将来キャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
委託販売契約
㈱ノエビアは、販売会社及び一部のビューティ・マスター(販売代理店)との間で直接、委託販売契約を締結しております。
|
① 契約の本旨 |
:販売代理店である販売会社等が顧客の注文に対して、品切れがなく常時受注できるようにし、かつ販売会社等の流通リスクを回避することであります。 |
|
② 契約先(受託者) |
:販売会社及び㈱ノエビアと直接取引を行っている一部のビューティ・マスター(販売代理店) |
|
③ 委託販売商品 |
:化粧品、トイレタリー、栄養補助食品 |
|
④ 契約期間 |
:2年(自動更新) |
当社グループは、“すべてはお客さまのために”を第一に、お客さまの美と健康に役立つ商品を提供し、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」に取り組んでおります。
当社グループの新商品開発は、㈱ノエビアのグループ総合研究開発部が担い、化粧品・医薬部外品・医薬品・食品のイノベーション創出を目指しています。滋賀研究所は、化粧品を生産する滋賀工場に隣接し、商品開発を加速しています。研究開発部門に知的財産及び薬事申請部門を統合し、商品開発を強化しました。東京研究所の先端研究、北海道暑寒別岳パイロットファームにおける植物栽培、鈴鹿高山植物研究所における植物エキス抽出を推進し、高品質で競争力のある植物由来の素材と製品の開発を進めています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
当連結会計年度における研究開発活動及び研究成果は次のとおりであります。
化粧品事業
当連結会計年度におきましては、当社グループの強みであるスキンケア研究を活かし、各ブランドの価値向上を目指した化粧品の開発に取り組みました。当連結会計年度において開発いたしました主な商品は、以下のとおりであります。
スキンケア商品
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商品名称 |
主な特徴 |
販売形態 |
|
ノエビアリンクル91 |
乾燥による小じわを目立たなくし、ハリと弾力感のある肌へ導く美容液。次世代レチノールと呼ばれるバクチオール、自社栽培ワレモコウなど9つの植物エキスを配合。 |
カウンセリング販売 |
|
ノエビア バイオサイン ナイトスムージー |
乾燥に耐える復活草、時間リズムに着目した時計草、夜に花咲く茉莉花(まつりか)などを配合した、睡眠中にはぐくまれる美しさをサポートする美容液。 |
カウンセリング販売 |
|
なめらか本舗 シリーズ |
豆乳のスキンケアブランド「なめらか本舗」から、肌荒れ防止&毛穴ケアして透明感のあるお肌に導く薬用純白ライン「薬用純白化粧水」「薬用純白乳液」「薬用純白美容液」、しわ改善&シミ対策のWケアができる薬用リンクルライン「薬用リンクルミスト化粧水 ホワイト」、「薬用リンクル美容液 ホワイト」を発売。 |
セルフ販売 |
|
ノブプラス シリーズ |
低刺激性化粧品ブランド「ノブ」から、機能性スキンケア「ノブプラス」を発売。保湿化粧水「ノブプラス セラムローション」をはじめ、美容石けん、化粧水、美容液など4種類。 |
セルフ販売 |
メイクアップ商品
|
商品名称 |
主な特徴 |
販売形態 |
|
ノエビア スペチアーレ 薬用クッションファンデーションセラム<医薬部外品> |
最高峰スキンケアシリーズ「ノエビア スペチアーレ」から発売。みずみずしくうるおいに満ちた上質なつや肌へ導く。 |
カウンセリング販売 |
|
ノエビア レイセラ |
サンケアシリーズ「レイセラ」から、やさしい使い心地とUVカット力の強さを兼ね備えた日焼け止め、UVクリーム・ミルク・ジェルを発売。 |
カウンセリング販売 |
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エクセル シリーズ |
メイクアップブランド「エクセル」から、朝用スキンケアUVクリーム「デイスキンコンフォート」を発売。メイク前に使用し、肌をうるおいで守る。 |
セルフ販売 |
|
毛穴パテ職人 ポアレス クッションファンデーション |
毛穴ベースメイクブランド「毛穴パテ職人」初の「クッションファンデーション」を発売。厚塗り感のない薄膜ハイカバー。 |
セルフ販売 |
|
ニューボーン シリーズ |
アイブロウブランド「ニューボーン」から多機能アイブロウ「パーフェクトアイブロウ」発売。ロングセラーの3機能一体型「WブロウEX N」を刷新。 |
セルフ販売 |
医薬・食品事業
当連結会計年度におきましては、美と健康を求めるお客さまのニーズに寄り添った機能性表示食品の開発に取り組みました。当連結会計年度において開発いたしました主な商品は、以下のとおりであります。
食品
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商品名称 |
主な特徴 |
販売形態 |
|
素肌記念日 モイストヌードサプリ |
ナチュラルメイクブランド「素肌記念日」から、初のサプリメントを発売。顔やからだの肌の水分を逃しにくくし、乾燥から肌を守る(バリア機能)機能性表示食品。 |
セルフ販売 |
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すや睡眠ドリンク |
睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)向上をサポートする機能性表示食品ドリンク。 |
セルフ販売 |
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アイルテインV |
目の疲労感を軽減し、くっきり見る力を改善する機能があるアスタキサンチンとルテイン・ゼアキサンチンを機能性関与成分とした機能性表示食品。認知機能維持、肌の水分保持にも役立つ。 |
配置販売 |
その他の事業
研究開発活動を行っておりません。
基礎研究分野での主な成果は、次のとおりであります。
植物と夜美容の研究成果として、復活草(ハベルレアロドペンシス)がヒアルロン酸とエラスチンを増加し肌の生まれ変わりを促すこと、さらに、老化により減少する睡眠ホルモン・メラトニンの合成酵素と受容体を茉莉花(まつりか)と時計草が回復させることを見出しました(「日本薬学会第144年会」にて一部発表)。老化によって乱れた肌の体内時計を整え、夜間に高まる肌の回復を促進する効果が期待されます。
植物と皮膚の研究成果として、皮膚バリア機能改善が報告された芳香族炭化水素受容体AhR作動薬に着目して植物成分を探索した結果、エゾヨモギとその含有成分にAhR活性化による炎症抑制と皮膚バリア機能の改善作用を発見しました(「第70回日本生薬学会」にて発表)。研究成果は、エゾヨモギ配合スキンケア化粧品の品質向上に活用します。
植物と神経の研究成果として、神経細胞を維持・修復する機能をもつシュワン細胞に着目したところ、シュワン細胞が産生する神経栄養因子をシャクヤクが促進することを見出しました(「第70回日本生薬学会」にて発表)。研究成果は、老化によって衰える感覚神経の維持・増進に応用し、脳-皮膚相関による新たな美容理論を開発します。
植物と皮膚セラミドの研究成果として、ムラサキバレンギクが角層の細胞間脂質のセラミド量を増加し、ラメラ構造形成を促し、皮膚バリア機能を向上することを発見しました(「第1回 日本化粧品技術者会 学術大会」で発表)。ムラサキバレンギクに含まれる特定の脂質の関与を確認しています。
セラミド含有製剤技術の研究成果として、角層の細胞間脂質と同じラメラ構造をもつ製剤にセラミドを含有させたところ、ヒト試験により皮膚の水分量の増加と皮膚バリア機能の向上を確認しました(「第1回 日本化粧品技術者会 学術大会」で発表)。外部からセラミドを補う効果に加えて、皮膚状態の改善により、内因性のセラミド合成も促進することを示しました。
リポソーム製剤技術の研究成果として、リポソームの微細構造を大型放射光施設の小角X線散乱で解析し、添加したセラミドの種類による多重層リポソームのラメラ構造への影響を確認しました(「第75回コロイドおよび界面化学討論会」にて発表)。研究成果は、より高品質なリポソーム化粧品の開発に活用します。
アトピー性皮膚炎患者の臨床研究の成果として、アトピー性皮膚炎患者を対象にしみやしわなど皮膚の加齢変化を評価したところ、皮膚の乾燥による小じわや慢性炎症による色素沈着が見た目の年齢に影響することを確認しました(「第49回日本香粧品学会」にて発表)。研究成果は、治療を補助し患者のQOL(生活の質)を向上する化粧品の開発に応用します。本発表は、第49回日本香粧品学会の会頭より会頭賞を受賞しています。