第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献する」という経営理念のもと、「絶えざる革新」により、変化する環境に対応し、人の一生を支援する事業を通じて、企業の価値の向上と、株主のみなさまをはじめとする全てのステークホルダーへの貢献を追求しています。

 

(当社グループの組織価値観)

経営理念

私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、
日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献します

経営目標

私たちは、人の一生にかかわる企業として、地域一、日本一、そして世界一を目指します

社是

私たちは、常に創意工夫をし、絶えざる革新を心がけます

3つの原則

1.私たちは、ひとりひとりを大切にします

2.私たちは、高い志を持ち、仕事を通じて成長します

3.私たちは、常に感動づくりを心がけます

 

 

(2) 優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題

我が国においては、国民の年齢構成や人口動態が変化することにより、少子高齢化が加速しています。当社グループにとって、少子高齢化は成長戦略の重要な要素であり、課題でもあります。社会構造もグローバル化や高度なデジタル化がますます進行し、多様化してきています。今後当社グループは、学習塾事業、語学関連事業、保育事業、介護事業、人材育成・紹介事業、フードサービス事業をコア事業と位置づけ、一生支援事業を行っていきたいと考えています。

学習塾事業においては、更に多様化する未来を見据え、学習を通じて自主性を持った子どもたちを育てていきたいと考えています。未来を生きるために必要な自主性を育む教育サービスである「リーチングメソッド」を独自能力として更に磨いていくことが課題であります。また、大学入試制度、英語教育の抜本的な改革、教育のオンライン化の進行など教育環境も変化し、顧客ニーズの多様化への対応も課題であります。 

語学関連事業では、グローバル化の進行により、日本国内だけでなく、グローバルな教育事業を拡大していきたいと考えています。将来の労働人口の減少は日本国内の産業にも大きく影響してきます。海外からの留学生に日本語教育を行い、技能実習生の教育に携わることも当社グループの重要なミッションであります。また、日本国民のグローバルなコミュニケーションの道具としての英会話力向上により将来のグローバル化に対応できる人材を育成していきたいと考えています。グローバル化が進むにつれ、各国の文化・慣習などを把握して対応することが課題であります。

社会的な要請である待機児童問題は、少子化の加速により徐々に解消されてきてはいますが、あと1,2年は続くと見込んでおります。保育事業においては、出店スピードを抑制しながら、学習塾の特性を活かした知育を実現し、社会からの要請に応えていきたいと考えています。しかしながら、他社同様、保育士不足は依然問題と認識しており、保育士の確保、質の高い保育サービスを提供することが課題であります。

介護事業においては、高齢人口が急速に増加する中で、現在は入居者等の健康を考慮し、機能改善を図っておりますが、これまで以上に健康維持・改善や認知機能の低下防止など更なる高い質の介護サービスの提供が課題であります。フードサービス事業においても、高齢者への配食による健康回復や予防につなげていくことが課題であります。

 

人材育成・紹介事業においては、当社グループをはじめ保育事業や介護事業を営んでいる事業者へ技術力の高い人材を育成し紹介していくことが社会的使命だと考えています。日本人の育成・紹介を展開するだけでなく、海外からの留学生や技能実習生、特定技能資格で働く外国人など、国境を越えた人材育成と地域貢献も課題と捉え、取り組んでおります。外国人が日本国内で保育士や介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士等の資格を取得するためには日本語能力だけでなく、専門知識も身につけてもらうことも必須であり、これまで培ってきた学習塾事業のノウハウをどう活かしていくかが課題であります。

加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大で、各国からの入国が困難な状況は続いており、日本語教育事業、海外語学事業で大きな影響を受けております。今後、ワクチン接種も進み、渡航が再開する状況を見据え、事業展開の準備を整えてまいります。また、学習塾事業などその他の事業においては、感染防止対策を徹底し、顧客の安全と安心を第一に考え、最善を尽くしてまいります。

 

(3) 中長期的な経営戦略

当社グループは、少子高齢化や教育改革など環境の変化に対応し、「総合教育企業」から「人の一生に寄り添い、社会に貢献できる企業」としての展開を進めております。2022年5月期からスタートする中期経営計画(2021~2024年)においては、「ステキな大人が増える未来をつくる」を当社のグループビジョンとして、人材育成に特に注力し、当社グループ内でのシナジーを効果的に生かせる体制を作ることで、既存事業の成長と新規領域の拡大による更なる成長と収益性の向上を目指していきます。

新型コロナウイルス感染症による事業への影響は、今後も暫く続くと想定されるものの、中長期でみると、当社グループの各事業の課題は不変的要素が多分にあり、これまでの戦略が大きく変わることはないと考えています。今後は学習塾事業や語学関連事業において、オンライン授業やiPadを使用した学習管理等を実施したことからの学びを活かし、独自性の追求による更なる進化へつなげていきたいと考えております。

 

具体的には、以下の5つの戦略テーマを推進いたします。

1.本気の人材育成

  ①ダイナミックな組織編成と積極的な人事異動

  ②リーチングの更なる促進

  ③風通しの良い職場環境の実現

2.徹底した収益性向上への対応

  ①人件費率の低減

  ②事業部ごと・事業所ごとの収益性向上

  ③人件費を除く経費削減

  ~生産性アップで、毎年1%経常利益率をアップする~

3.グローバルな事業展開

   海外人材の活用・海外での積極的な活動

4.独自性の追求

   事業部単位の商品(サービス)開発

5.新規事業展開  

   これから研究所の充実・検討会の定期化・提案制度の構築

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、顧客や社会から評価された結果としての集客及び収益性の向上を目指しており、経営指標としては、各事業において顧客数・売上高・営業利益を重視しております。長期的な経営指標の目標としては、顧客数・売上高の成長と同時に経常利益率の向上を重視しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 安全・安心に関するリスク

・顧客、従業員の安全・安心

当社グループは、何よりも安全・安心を重要と考えています。全校舎電子錠システムを採用し、モニターカメラを設置しチェックする体制の確立など、学習塾事業においては、安全に安心して通える環境の提供は必須であります。保育事業、介護事業、フードサービス事業においては、アレルギー性物質の混入や食中毒等が発生しないよう各種マニュアルの制定・研修の実施等、体制を整えています。その他の事業でも、お客様が安全に安心してご利用いただけるサービスの提供を最重要事項として位置づけ、活動を行っています。また、従業員が安全・安心に働けることも重視しており、特に心のケアができる体制を強化することが重要であり、外部の相談窓口等とも提携し体制を整えています。しかしながら、顧客や従業員の安全を脅かす事態が発生した場合、社会的信用の低下により業績等に大きな影響を与える可能性があります。

 

・海外事業

当社グループでは、海外にて学習塾事業、語学関連事業の拠点を運営しています。海外での事業は、各国の法律・規則、税制などの変化、自然災害の発生、政治情勢及び経済情勢の変化、商習慣や文化の相違、戦争や紛争、テロの発生等により影響を受ける可能性があります。当社グループでは、拠点のある各国、地域の動向等情報収集に努めているものの、これらの国・地域において上記事象が発生・顕在化することにより、事業継続に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・個人情報の取り扱い

当社グループでは、多数の個人情報を有しております。これらに関しては、様々な部門メンバーで構成された委員会を組織し、顧客情報保護方針に基づいた管理を徹底し、漏洩等の未然防止を徹底しております。しかしながら、何らかの原因により情報が流出した場合は、社会的信用の低下により業績等に影響を与える可能性があります。

 

② 自然災害の発生に関するリスク

当社グループが事業を展開している地域において、大規模な地震・水害等の自然災害が発生した場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、事業拠点における施設・設備の安全対応、災害マニュアルの浸透徹底や訓練の実施、従業員等安否確認システムの整備や各事業所へ備蓄品を配備するなど、お客様及び従業員の安全確保と事業が継続できる体制の構築に努めておりますが、首都直下型地震や南海トラフ地震等の想定を上回る大災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新型コロナウイルス等のパンデミックに関するリスク

当社グループが事業を展開している地域において、新型コロナウイルス等の感染症が発生した場合、海外からの留学生を顧客対象とする事業や、対面によるサービス提供を中心とする事業において、業務遂行が困難となる可能性があります。新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に基づき感染防止対策の徹底を行っております。学習塾事業では、双方向のオンライン授業の体制を整え、対面授業と並行しております。語学関連事業では、入国制限により自国で待機せざるを得ない留学生にオンライン授業やセミナー実施によるサービス提供を行っております。保育・介護事業では、イベント等の中止や規模を縮小するなど、施設内での感染防止対策を徹底しております。当社グループでは、有事に備えて体制の整備に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が継続し、長期に渡る海外渡航制限や複数施設での大規模クラスターの発生等により、事業活動の運営が困難になった場合には、売上減少や感染症対応費用の増加により、業績等に影響を与える可能性があります。

 

④ 法的規制に関するリスク

・子育て支援にかかる法的規制

当社グループが展開する保育事業において、国や地方自治体の子育て支援事業に関連する方針が変更され、保育所の設置・運営に関する法律の改定が行われた場合や、補助金制度の見直しが行われる場合、当社グループの保育事業活動が制約を受ける可能性があります。また、何らかの事由により、現在運営している認可保育所や東京都認証保育所などの許認可が取り消された場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

・外国人受け入れにかかる法的規制

当社グループが展開する日本語教育事業、海外の語学関連事業において、入国管理局及び国の外国人受け入れに関連する法的規制の制定・改定が行われた場合、計画通りの留学生の受け入れができず、当社グループの日本語教育活動が制約を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のように想定外の事態が顕在化した場合においても、入国制限及び行動制限措置等により、計画通りの留学生の受け入れができなくなった場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

・介護事業にかかる法的規制

介護サービス事業は介護保険法の影響を強く受けており法律の制定・改定が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。当社グループでは、介護サービスを提供する関連会社において、マニュアルの整備や研修を充実させ、適切な事業経営に努めております。しかしながら、何らかの理由により指定の取消又は停止処分を受けた場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 企業の存続に関わるリスク

・人材の不足

当社グループでは人材が重要な経営資源であり、サービス提供を行う従業員の確保と育成は提供価値の質に関わるものであり、企業規模の拡大成長には不可欠で重要な要素となっております。また、保育事業における保育士、介護事業における介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士等、有資格者によるサービスが法的に義務付けられている事業もあります。当社グループでは、要員計画に基づいた採用活動で人材要件に沿った人材確保をするとともに、育成についても、職種別・階層別等のさまざまな研修の充実を行い、独自のリーダー育成制度等により人材育成に努めております。しかしながら、今後、採用環境の急激な変化により人材の確保や育成が計画どおりに行えない場合には、出店計画の遂行やサービスの提供に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・システムトラブル

当社グループでは、コンピュータネットワークシステム上で基幹システムを構築しており、顧客情報の管理、請求管理等を行っております。また、インターネット上で提供しているオンラインサービスも実施しています。災害や事故の発生に備えてシステム会社とのメンテナンス契約、バックアップ体制をとっております。しかしながら、予期せぬ規模の災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、顧客へのデータ提供等に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

⑥ 業績変動に関わるリスク

・集客時期の偏り

当社グループの学習塾事業、語学関連事業では、入学や卒業等により生徒数が大きく変動し、学校の新学期である春期が最も少なく、その後増加していく傾向にあります。新学期開始時期と、その他の季節講習の時期は、新規顧客の集客時期となります。集客時期に想定外の事態が発生し、集客が進まなかった場合、通期の業績等に影響を与える可能性があります。

 

・出店計画の変更

拠点の開設に当たっては、中長期の出店計画とマーケティングデータをもとに、顧客の安全性の確保等を重視して物件選定を行っております。競合環境の大きな変化や物件確保が計画どおりに進まない場合、出店計画が変更になり、業績等に影響を与える可能性があります。

 

のれんの減損や子会社株式の評価減

当社グループでは、成長戦略の一環として積極的なM&Aを行っており、のれんや子会社株式を保有しております。買収した子会社の業績不振により、のれんの減損や子会社株式の評価減を行った場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

・固定資産の減損

 当社グループでは、事業所の新設等に伴い設備投資を行っており、設備等の有形固定資産を有しております。当該資産への投資が将来的に回収できるかどうかを定期的に検討し、将来的に投資金額を回収できないと判断する場合、減損を認識することとなります。このような場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、当連結会計年度より、補助金収入に係る表示方法の変更を行っており、当該変更内容を反映させた前連結会計年度との比較、分析を行っております。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞の影響を受け、景況感が悪化し先行き不透明な状況で推移いたしました。緊急事態宣言の解除後は経済活動が段階的に再開し、政府による各種経済対策もあり回復の兆しがみられた一方で、感染再拡大に伴う先行き不透明感から個人消費へのマイナス影響が懸念され、引き続き予断を許さない状況が続いております。

学習塾業界においては、小学校での英語教科化など教育制度改革や新たに開始された大学入学共通テスト、GIGAスクール構想で進む教育環境のデジタル化への対応に加え、新型コロナウイルス感染防止対策で、教育のオンライン化が急速に進展いたしました。また、保育事業に関しても待機児童問題や保育士不足に関する課題は残っており、教育や保育に関する国内の関心は非常に高まっております。また一方では、高齢者人口の増加傾向は2042年まで続くと予想されており、高齢者向けのサービス需要が拡大していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で、高齢者ケアのさらなる必要性が社会的に認識されました。

当社グループにおいては、長期的な事業拡大を支え、時代の流れと社会の要請に対応するため、2018年3月に“人の一生に関わる「一生支援事業」を展開する企業への変革”として中期ビジョンを見直しました。また、2020年12月には、「ステキな大人が増える未来をつくる」企業になることを当社のグループビジョンとして掲げ、既存事業の成長と新規領域の拡大で更なる成長を目指しております。当連結会計年度は、保育事業や介護事業による売上の増加等により、創業以来最高売上高を5期連続で更新しました。感染拡大の影響等により、主に学習塾部門で前連結会計年度の3月~5月は休講を余儀なくされましたが、当連結会計年度は平常時に戻りつつあることから、当連結会計年度の営業利益は前年を上回る結果となりました。

業績不振となった子会社に対するのれん、及び閉鎖・移転等が決定した校・教室に関する固定資産に対する減損損失として76百万円を計上しました。

 

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は23,145百万円(前年比5.1%増)となり、前年に比べ1,117百万円増加しました。営業利益は77百万円(前年は55百万円の営業損失)となり、前年に比べ133百万円増加しました。経常利益は371百万円(前年は88百万円の経常損失)となり、前年に比べ459百万円増加しました。保育園開園に伴う補助金収入により、親会社株主に帰属する当期純利益は189百万円(前年比62.1%減)となり、前年に比べ310百万円減少しました。期中平均の顧客数(FC事業部における末端生徒数含む。)は36,499名(前年比0.5%増)となりました。

セグメント別の概況は、以下のとおりです。

 

<学習塾事業>

学習塾事業においては、脳科学に基づく独自の学習法「リーチングメソッド」の定着や、当社独自の教育プログラムとひとりひとりを大切にする指導が、顧客からの支持を得ております。期中平均生徒数は0.4%減少しましたが、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、オンラインも併用しながらほぼ通常通りの営業を行い、影響を最小限に留めました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高10,810百万円(前年比2.4%増)、セグメント利益2,009百万円(同10.2%増)となりました。

 

 

<語学関連事業>

英会話事業においては、幼児から小学生までを主な対象とするユニバーサルキャンパス、成人を対象とした英会話教室コペル英会話、英語圏の留学先としてオーストラリアの英会話学校 English Language Company Australia Pty Ltd.及び専門学校SELC Australia Pty Ltd.を運営しております。ユニバーサルキャンパスは感染防止対策を徹底しながら通常通りの営業を行うことで、生徒数は順調に推移しました。首都圏で営業を行うコペル英会話は、外出制限を受け、生徒数が減少となりました。オーストラリアの英会話学校は、海外から同国への留学生が入国できないことから入室数が減少しており、回復は、2022年以降と想定しております。

日本語教育事業においては、留学生の入国制限が続く中、入国待機中の学生に、オンラインの授業を提供しております。2020年11月から徐々に入国受入が再開しましたが、期中平均生徒数は減少しました。中国及びミャンマーで日本語教育を行っている国際人材交流事業では、国外での営業活動ができず、新規の顧客開拓ができない状況となっておりますが、オンラインで中国の学生に向けた特別講義を行うなど、今後の布石となる活動を続けました。

キャリア支援事業部では、介護の資格取得スクール「介護のキャンパス」の授業提供を、これまでの大阪の4か所に加えて2021年2月から兵庫県神戸市三宮でも開始しました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高2,589百万円(前年比18.3%減)、セグメント損失784百万円(前年は451百万円のセグメント損失)となりました。

 

<保育・介護事業>

保育事業では、2021年春に3園の保育園を開園し、当社グループ及び連結子会社の保育園の園数は91園となりました。それに伴い園児数も増加し、売上高が増加しました。一方で、2021年4月の出店数を抑えた結果、出店に伴う初期コストが大きく減少しました。

介護事業においては、2020年9月に大阪府豊中市に「プレタ豊中桜の町」を開設し、当社グループ及び連結子会社の介護事業所数は44か所となりました。フードサービス事業では、2020年5月に子会社である株式会社もぐもぐの工場を移転し、新たに食品の長期保存可能な設備の稼働を開始し、販路拡大を図ってまいりました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高9,745百万円(前年比17.4%増)、セグメント損失132百万円(前年は264百万円のセグメント損失)となりました。

なお、保育園を開園したことに伴う補助金収入264百万円をセグメント損益とは別に特別利益として計上しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は21,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,310百万円減少しました。流動資産は4,867百万円となり1,593百万円減少しました。主な原因は、現金及び預金の減少1,771百万円です。固定資産は16,868百万円となり、282百万円増加しました。有形固定資産は12,253百万円(390百万円増加)となりました。無形固定資産は1,861百万円(226百万円減少)となりました。投資その他の資産は2,753百万円(117百万円増加)となりました。

当連結会計年度末の負債合計は17,976百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,327百万円減少しました。流動負債は8,097百万円となり1,552百万円減少しました。主な要因は、短期借入金の減少1,635百万円、未払法人税等の増加239百万円、前受金の減少203百万円等です。固定負債は9,879百万円となり、225百万円増加しました。主な要因は、リース債務の増加478百万円、長期借入金の減少274百万円等です。

当連結会計年度末の純資産合計は3,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加しました。主な要因は、連結剰余金の増加39百万円等です。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末16.2%から1.1ポイント上昇し17.3%になりました。

 

 

  (3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより2,935百万円となり、前年同期と比べ1,812百万円減少しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益583百万円、減価償却費906百万円、のれん償却額303百万円、支払利息151百万円等が発生しました。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,005百万円の収入となり、前年同期と比べ31百万円(3.1%)の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出794百万円、補助金の受取額264百万円等が発生しました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、716百万円の支出となり、前年同期と比べ361百万円(33.5%)減少しました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額1,635百万円、長期借入れによる収入1,400百万円、長期借入金の返済による支出1,638百万円等が発生しました。この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、2,108百万円の支出(前年同期は1,669百万円の収入)となりました。

 

 (4) 生産、受注及び販売の実績

a.生産及び受注実績

当社グループは、サービスの提供を主たる業務としておりますので、生産及び受注の実績については、該当事項はありません。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

前年同期比

顧客数(人)

金額(百万円)

顧客数(%)

金額(%)

学習塾事業

26,574

10,810

99.6

102.4

語学関連事業

6,288

2,589

93.0

81.7

保育・介護事業

3,637

9,745

126.7

117.4

合計

36,499

23,145

100.5

105.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.顧客数は、期中平均の在籍人数を記載しております。

4.販売の数量につきましては、表示すべき適当な指標はありませんので、記載を省略しております。

5.学習塾事業の顧客数には、個別指導教室京進スクール・ワンのフランチャイズ教室の末端生徒数を含めて記載しております。

 

 

 (5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えています。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は主に手元の自己資金及び借入金により充当しています。

また、当社グループは、将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え、十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入金によって調達しており、資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当することで確保しています。

なお、新型コロナウイルス感染症の当期の資金状況への影響は軽微であります。今後の不測の事態に備えて金融機関からは十分な融資枠を確保しています。新型コロナウイルス感染症の状況の変化には注意を払いながらも、中長期的に将来の成長が見込める分野についてはM&Aや事業基盤強化のための投資等を今後も積極的に推進していきたいと考えています。

 

 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としています。これらの見積りについて過去の実績や合理的と判断される入手可能な情報等を勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。