(注) 1.第4回新株予約権証券(以下、「本新株予約権」といいます。)の発行については、2024年12月19日に開催された当社取締役会決議によるものであります。
2.申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに当社及び割当予定先との間で本新株予約権に係る総数引受契約(以下、「本新株予約権引受契約」といいます。)を締結し、払込期日までに上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。
3.本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに本新株予約権の割当予定先との間で本新株予約権引受契約を締結しない場合は、本新株予約権に係る割当は行われないこととなります。
4.本新株予約権の募集は、第三者割当の方法によります。
5.本新株予約権の振替機関の名称及び住所は次のとおりであります。
名称:株式会社証券保管振替機構
住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号
(注) 1.本新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権付社債券等)の発行により資金調達をしようとする理由
(1) 募集の目的及び理由
ア.当社グループの事業概要
当社グループは、当社(セーラー広告株式会社)及び連結子会社7社(株式会社あわわ、アド・セイル株式会社、株式会社ゴング、南放セーラー広告株式会社、株式会社FISH、株式会社MD&アソシエイツ、株式会社メディア・エーシー)及び持分法非適用関連会社(ひょうたん島不動産合同会社)で構成しております。
当社グループは、広告業を主たる事業とし、四国中国九州エリア及び東京を主要事業エリアとして、テレビ、ラジオ、新聞及び雑誌を中心とする各種メディアを媒体とした広告の企画、立案、制作、並びに、セールスプロモーションやインターネット関連広告など、広告に関するあらゆるサービス活動を行うほか、「あわわアプリ」の運営、徳島県全域においてフリーマガジン「ワイヤーママ」及びタウン情報誌「めぐる、」の発行を行っております。
その他、ECサイト「トモニ市場ONLINE」の運営並びに物産館「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を行っております。
当社グループの提供するサービスは以下のとおりです。
a.広告事業
(a) コミュニケーションプランニング
市場調査や環境分析等によるブランド開発、ターゲット戦略、ポジショニング戦略、企業・商品広報戦略、コンセプト開発等の企画・立案
(b) メディアプランニング
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット・モバイル・印刷物など各媒体を活用した広告活動の企画・立案、並びに、これらを組み合わせたメディア戦略及び表現戦略の企画・立案
(c) セールスプロモーション
折込チラシやダイレクトメール、屋外広告、交通広告等を用いた広告戦略の構築や各種イベント・式典等の企画など生活者の購買意欲等を喚起する広告の企画・立案・運営・管理
(d) 催事・イベント
官公庁・行政・各種団体の式典・大会及び啓蒙活動の企画・運営・管理
b.リテール事業
(a) 通信販売事業、店舗販売事業
オンラインショップ「トモニ市場ONLINE」の運営、並びに、徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営
当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客様の課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。
イ.当社グループの事業方針及び中期経営方針
2024年3月期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進んだことから、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながら、不安定な国際情勢、資源・エネルギー・原材料価格の上昇や円安の進行等により、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
広告業界におきましては、経済活動正常化に伴う各企業のプロモーション活動の再開から広告需要が高まりを見せる中、経済全般のデジタル化の流れを背景に各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への関心が高い状況が続き、2023年の広告業の売上高は前年同水準の5兆6,674億円(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)となりました。
当社グループ商勢圏におきましても、2023年5月以降人流が活発化したことに加え、年後半には円安を背景としたインバウンド需要が徐々に回復したこともあって、広告出稿量につきましてはおおむね回復基調となりました。
このような事業環境の中、2024年3月期における当社グループの業績は、総売上高7,625百万円(前年同期比100.8%)、収益2,050百万円(同97.3%)、営業利益37百万円(同22.5%)、経常利益62百万円(同33.4%)、親会社株主に帰属する当期純損失74百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益136百万円)となりました。
また、2025年3月期第2四半期(中間期)における当社グループの業績は、総売上高3,271百万円(前年同期比101.9%)、収益848百万円(同97.1%)、営業損失168百万円(前年同期は営業損失107百万円)、経常損失151百万円(前年同期は経常損失96百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失133百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失77百万円)となりました。
なお、2024年3月期における自己資本比率は47.2%、2025年3月期第2四半期(中間期)における自己資本比率は49.1%となっております。
(注) 総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であり、「収益認識に関する会計基準」に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断する上で重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。収益は、「収益認識に関する会計基準」に準拠し算出した収益の総額であります。
当社グループにおきましては、特定の業種・業態の顧客に依存しておらず、かつ、顧客も多分に分散されているため、売上高及び仕入高を差し引いた売上総利益については、特定の顧客の経営状況・業績変動等による影響を受けにくい体質となっており、顧客との関係において当社の価格決定力も維持されていることから、原則として大きな変動はありません。もっとも、10月から12月にかけての第3四半期に見られる年末商戦に合わせた広告需要や1月の年始広告需要等におきましては利益率の高い案件が多く、3月決算会社の年度末の広告活動や官公庁受託案件の収益計上等が3月の年度末にかけて重なるため、当社グループの経営成績につきましては年後半のウェイトが高い特徴があります。
なお、2025年3月期の当社グループの業績予想につきましては、人流活発化やインバウンド需要の回復のほか、企業の賃上げや所得減税効果による消費改善から企業業績回復に伴うプロモーション活動の活発化が期待されることから、総売上高7,900百万円、営業利益200百万円、経常利益220百万円となっております。
(将来に関する記述等についての注意点)
上記に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
また、当社グループは、2022年4月に「中期経営方針」を策定し、以下の各方針に基づき各施策を進めております。
<中期経営方針の概要>
社会のデジタル化は多くの業界に影響を与え、既存事業の見直しや新しい価値を顧客に提供する動きが活発になりました。そして、過去、主流であったマス媒体を中心としたコミュニケーション活動は、デジタル化の進展やワークスタイルの変化によって激変し、インターネット広告費は各業界のデジタルシフトを背景に毎年好調な伸びを示しています。また、当社グループが事業を営むローカルエリアにおいては、少子高齢化や労働力不足など解決すべき課題が数多く存在しています。
このようなデジタル化や少子高齢化で社会が大きく変化する時代にあっては、お客様は経営全般の課題解決策を求めるようになり、そのような提案を実行することが顧客第一の精神となります。
そこで、当社グループにおきましては、「お客様の経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになること」を今後の当社グループの在り方と定義し、これを「マーケティングデザイン」と称して「既存事業の収益改善」と「新しい事業領域の開発」に取り組んでいます。
1) デジタル領域への取り組み
国内広告業界のインターネット広告売上高は年々増加を続け、当社グループ商勢圏においても、各企業におけるマーケティング活動のデジタル領域へのシフトが加速したこともあって、当社グループのデジタル領域の売上高も好調な伸びを維持しています。
このような中で、当社グループは、デジタル領域全般の受注拡大をより加速させるため、デジタルマーケティング分野の提案強化やデジタル技術を活かした新規事業の企画提案に取り組んでいます。引き続き、デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客様の成長に貢献できる真のパートナーを目指してまいります。
2) 新規事業への挑戦
当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えてくためには、「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考えています。そして、当社グループが取り組む新規事業の領域は当社の強みを活かしたものでなければならないと考えます。
現在、当社グループは、新しい事業への取り組みの一環として、新会社の設立や、サイトの開設、物産販売店の運営等に挑戦しており、今後につきましても、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組んでまいります。
3) 株主還元
当社は、安定した配当を継続して実施することを基本とし、設備投資や販売強化等に関する資金需要の状況、業績の動向、並びに内部留保の充実等を総合的に検討した上で配当額を決定しております。
当方針のもと、安定配当を維持しながら中長期的な視点で業績に応じた利益還元を検討してまいりたいと考えており、自己株式の活用を含めたM&Aの推進等によって、利益成長に向けた新規投資と安定した株主還元の最適なバランスを検討してまいります。
4) DXの取り組み
当社は、業務の見える化・顧客理解の深化・ナレッジの共有化の3つを柱にDXを進めていきます。これらの取り組みで、既存の常識や枠組みを打破し業務の連携を進めて生産性を高めたり、経営データの可視化によるスピード経営や的確な意思決定を可能にするシステムの基盤整備を進めます。
社員が社内にある情報を「いつでも」「欲しいものが」「欲しい形で」得られ、定型的作業の負担を軽減して社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えます。そして人員の再配置を可能とし、中期経営方針を加速させてまいります。
5) 中期経営方針重点施策
① デジタル領域への挑戦
デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客様の成長に貢献できる真のパートナーを目指します。
・デジタル領域全般の受注拡大をより加速させるため、デジタルマーケティング分野の提案強化やデジタル技術を活かした新規事業の企画提案に取り組みます。
・デジタル化の波に遅れを取ることなく、着実にDXを推進していきます。
② 新規事業への挑戦
当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組みます。
・グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、商品開発、観光資源のブランディング、地域産品の販路拡大等に取り組みます。
③ クリエイティブスタッフの高付加価値化
クリエイティブスタッフの高付加価値化から「既存事業の収益改善」に取り組みます。
・個性豊かなクオリティの高い作品を創出します。
・新しいものを生み出す「創造力」や独自の発想で何かを作り出す「独創力」を兼ね備えた人材を育成していきます。
④ 課題解決型営業の推進
お客様の経営課題の解決策をお客様とともに考える課題解決型営業を継続して推進します。
・リアルの価値にデジタル技術を融合したより具体的で高度化した提案活動に取り組みます。
⑤ 人材への投資
従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、失敗を恐れず挑戦し続ける組織・企業風土の醸成を推進します。
・優秀な人材の確保と育成
・多様な働き方の尊重
・心身の健康への配慮
中期経営方針重点施策に関する取り組み状況は、以下のとおりです。
a.広告事業
① デジタル領域への挑戦
2023年の国内広告業界のインターネット広告売上高は1兆4,861億円(前年比103.4%)となり(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)、当社グループ商勢圏におきましても、各企業におけるマーケティング活動のデジタル領域へのシフトが加速したこともあり、当社グループのデジタル領域の売上高は引き続き好調な伸びを維持しております。
このような中で、当社グループは、デジタル領域全般の受注拡大をより加速させるため、デジタルマーケティング分野の提案強化やデジタル技術を活かした新規事業の企画提案に取り組むとともに、データと観光・行政を連動させた提案活動等にも取り組んでおります。また、当社におきましては、2023年1月1日付の「DX認定事業者」(注)認定結果に基づき、営業支援システムの導入など社内DXの推進を図っております。当社グループにおきましては、引き続き、デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客様の成長に貢献できる真のパートナーを目指してまいります。
(注) DX認定制度
「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度であり、認定された事業者は「認定事業者一覧」としてインターネット上で公表されます。
② 新規事業への挑戦
当社グループは、地域密着主義で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡・東京を加えた拠点ネットワーク、70年の実績に基づくノウハウによってお客様の様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。
広告業界を含めた社会全体の転換期にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。
前述したとおり、当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えていくためには「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考え、四国遍路等の地元コンテンツを意識した新しいビジネスにも挑戦しております。具体的には、新しい事業への取り組みの一環として、地域の魅力ある産品やサービスをECサイト等で紹介し販売していくことを目的として、2022年12月1日付で株式会社MD&アソシエイツを設立し、ECサイト「ロコメル(LOCOMERU)」を2023年2月11日にオープンいたしました。また、2023年7月に前運営事業者から事業を譲り受け、2023年8月から再開した徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を通して地域産品の販路拡大に取り組んでおり、同店舗におきましては、購入者数も順調に増え、百貨店や大型量販店での展示販売にも挑戦いたしました。そのほか、地元コンテンツを意識したビジネスや視覚学習教材の販売支援など新たなビジネスのほか、地元の大学とともに新規事業構想プロジェクトとしてビジネスコンペを開催しております。さらに、2021年からは新規事業の1つとして、四国の酒蔵と88カ所の寺を結ぶ日本酒の販売事業に関して企画・販売も実施しており、2023年5月には同企画の第2弾を開始し、2024年6月には「遍路国往還記」の復刻版を発刊いたしました。2024年8月には香川と徳島の特産品を取り扱う通販サイト「トモニ市場ONLINE」をオープンいたしました。
今後につきましても、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、当社グループ自身が価値を生み出せる新しい事業の創出に取り組んでまいります。
③ クリエイティブスタッフの高付加価値化
お客様が私たち広告会社に期待することにクリエイティブ力があります。素晴らしいクリエイティブワークは後世に残り、新しい顧客の開拓に繋がります。また、マーケティングに基づくものや、イノベーションを目指すクリエイティブもあります。お客様にとって最適なコミュニケーションサービスを提供するためには、お客様の課題を発見でき、解決すべき方向性を仮設でき、これらに基づくお客様の価値を高めるサービスの提供が必要になります。すなわち、デザインする力、素晴らしいコピーを生み出せる力、的確にマーケティングできる力等の専門的な能力だけではなく、最終的にはこうした力を兼ね備えた総合力が必要になります。
当社グループにおきましては、「無から有を生み出す」というクリエイティビティの原点に立ち戻り、新しいものを生み出す「創造力」や独自の発想で何かを作り出す「独創力」を兼ね備えた人材を育成すべく、クリエイティブスタッフの高付加価値化に取り組んでおり、海外向けの動画や地域再生・観光振興を題材にしたプロモーションのほか地元企業のブランディングに至るまで、毎年数多くの個性豊かな作品を創出しております。今後におきましても、クリエイティブスタッフの高付加価値化を図り、企業価値向上に繋げてまいります。
④ 課題解決型営業の推進
当社グループは、四国エリア(香川・愛媛・徳島・高知)、中国エリア(岡山・広島)、福岡・東京に拠点を配し、多様化するお客様の要望にお応えし、質の高いコミュニケーションサービスの提供に努めております。デジタル化へのシフトが加速している中にあっては、当社グループ商勢圏におきましても、デジタル技術が非接触・非対面の手段を提供し、デジタル化できることはデジタル化されていく一方で、デジタルには替えられないリアルの価値が再認識されていくと考えております。
⑤ 人材への投資
当社グループの競争力の源泉や人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成のほか、専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。また、社員の「健康」や「働き方」も企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。当社グループにおきましては、優秀な人材の確保と育成はもちろんのこと、多様な働き方の尊重や心身の健康に配慮した安全衛生について、引き続き取り組んでまいります。
b.リテール事業
① 強みを活かした多面的な取り組みの強化
当社グループにおきましては、2022年4月策定の中期経営方針に基づき「新しい事業領域の開発」に取り組んでおり、四国の選りすぐりの逸品を販売するオンラインショップ「トモニ市場ONLINE」の運営等に努めるほか、徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を通して地域産品の販路拡大に取り組んでおります。こうした取り組みによって、地域産品メーカーの帳合をとれることが強みとなり、百貨店や大型量販店での展示販売に繋がりました。
当社グループにおきましては、県外の物産展や催事へ出展するほか、商品の磨き上げや海外販路開拓の可能性を検討するとともに、オンラインショップのリニューアルを実施し、強みを活かした多面的な取り組みと確実な収益化に取り組んでまいります。
他方で、当社は、2024年5月22日付「社内調査委員会の設置に関するお知らせ」及び2024年7月24日付「社内調査委員会の調査報告書の公表並びに再発防止策に関するお知らせ」に記載のとおり、2024年4月下旬、外部通報により、特定の発注先1社から発注額の一部を発注者本人に還流する仕入取引(以下、「本件不正行為」といいます。)が行われていた可能性を認識したことから、2024年5月22日に社内調査委員会を設置し、2024年5月22日から同年6月21日までの間、社内調査委員会による調査及び調査結果に基づく検討を実施し、2024年7月24日に調査報告書を公表いたしました。当該調査報告書においては、特定の発注先に支払われた発注代金から不正実行者にキックバックが支払われ、私的費用に流用されていた事実が認定された上で、認定された不正取引は、当社グループを含め、本件不正行為のみであった旨の調査結果の報告がなされました。
また、本件不正行為に関する社内調査に伴い、2024年5月22日付「第73回定時株主総会の『継続会』の開催方針に関するお知らせ」、2024年6月28日付「第73期有価証券報告書の提出期限延長に関する承認のお知らせ」及び2024年7月24日付「2024年3月期決算短信の開示が期末後50日を超えたことに関するお知らせ」に記載のとおり、当該取引に関する調査内容の検証、類似取引に関する調査内容の検証、内部統制の再評価結果の検証など監査人による追加的な監査手続が発生し、これらに相応の時間を要したため、第73回定時株主総会における第73期決算報告及び法定提出期限内での第73期有価証券報告書の提出ができず、また、2024年3月期決算短信の開示が期末後50日を超えることとなりました。
当社は、2024年7月24日付「社内調査委員会の調査報告書の公表並びに再発防止策に関するお知らせ」及び同月26日付「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」に記載のとおり、当該調査報告書で指摘された発生原因の提言を真摯に受け止め、具体的な改善策として以下の再発防止策を実行しております。
1) 役職員への本件事案の周知とコンプライアンス教育体制の整備
本件不正行為においては、コンプライアンスに関する意識と知識の不足が大きな発生原因であり、以下の周知、教育活動を実施してまいります。
① 経営トップからのメッセージ発信
再発防止の第一に必要な事項として、今後、コンプライアンスの意識を組織の隅々まで行きわたらせるという経営トップの強い意志を改めて伝えてまいります。
② 本事案の周知と理解促進
不正を発生させないために必要な意識と知識に関する理解を促すことを目的に、本件不正行為の発生事実、発生原因、再発防止策を全社員に周知いたします。また、上司からの誤った指示や命令に対して部下からは正当な意見を伝えることも必要であり、それを担保するための職場における心理的安全性の確保といった課題も周知してまいります。
③ 社員への教育体系の再整備
社員への教育体系を再整備してまいります。また、このような教育を行う前提として、会社としての利益管理、適正な業務に関する方針を整えておく必要があり、明確な企業方針を全役員・社員に周知してまいります。
④ グループ倫理規範の周知
「セーラー広告グループ倫理規範」において、「第1条(法令等遵守)私たちは、あらゆる法令を遵守し、高い倫理観をもって行動します。」と記載しているところ、周知活動が十分に行われていませんでした。今後は「セーラー広告グループ倫理規範」の周知活動を確実に実施し、コンプライアンスの軽視が企業活動に負の影響を及ぼすことを改めて理解する機会を設けてまいります。
2) 不正行為防止のための統制活動の整備
本件不正行為に関しては、不正実行者が一営業担当者であり部門長でもあったことから、自ら担当する個別受注案件について、外注先の発注の承認、検収の承認、請求内容の承認を行うことが可能となっており、承認する際の確認事項が不十分であったことが挙げられます。
現状、徳島支社、西讃支社、東京支社、東予支社、倉敷支社及び広島支社については、担当役員が常駐していないこともあり、それぞれの支社長が自己承認により、発注業務を承認しております。
今後は、本部管理部門総務局において、毎月、自己承認となっているこれら6拠点の支社長の発注内容をレビューし、発注内容や発注額の妥当性を検証してまいります。また、内部監査項目へ発注先への支払項目を追加してまいります。
3) 実効性のある通報制度の整備
社員が不正行為の発生を知りながら、事実関係を会社に報告することができないことのないように、通報制度の活用方法、通報時の通報者の保護等の仕組みなどについて、形骸化している内部通報制度を再度周知してまいります。
以上のとおり、当社グループは、引き続き、再発防止策への対応及び内部統制・コンプライアンス体制の強化に取り組み、ステークホルダーの皆様の信頼回復及びさらなる株式価値の向上に努めてまいります。
ウ.当社グループのM&A戦略・新規事業戦略及び本資金調達における資金使途
当社グループといたしましては、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図り、持続的な成長を実現していくためには、利益成長に向けた新規投資を積極的に推進・強化していくことが不可欠であると考えております。
当社グループは、中期経営方針に掲げる「デジタル領域への挑戦」と「新しい事業領域の開発」を実現するため、今後さらにM&Aや他社との戦略的提携及び新規事業投資を強化することにより、成長分野への新規参入や、地方の有力企業との連携等による新たな収益獲得の機会を目指し、中長期的な企業価値向上への取り組みを推進してまいります。
以上より、本資金調達による調達資金は、当社グループにおけるさらなる事業拡大、収益力強化及び財務基盤の強化を目的として、以下の各成長戦略に基づき、①M&A又は戦略的提携のための成長投資資金、②新規事業のための成長投資資金に充当する予定です。各資金使途の詳細は以下のとおりです。
① M&A又は戦略的提携のための成長投資資金
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的としたM&A又は戦略的提携を選択肢の1つとし、当社グループの重要な成長戦略の1つと位置付けております。
2024年9月18日付「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」に記載のとおり、当社は、高知県において広告業を営む株式会社メディア・エーシーの全株式を取得し、連結子会社化いたしました。当該M&Aにより、高知エリアにおけるシェア拡大及び営業力・企画提案力の強化を図ることが可能になったものと考えております。
当社グループは、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図るため、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として、M&A又は戦略的提携による成長投資を積極的に推進していく方針です。
具体的には、㋐当社グループのコア事業である広告事業を中心に、デジタル領域において優れた技術力を有する企業、㋑特定のマーケットにおいて顧客基盤や優秀な人材を有する企業、㋒後継者難の事業承継案件や事業再生案件、㋓異業種であっても新たな収益機会の創出に資する企業等をターゲットとして、幅広く投資検討を行ってまいります。
また、当社グループは、四国中国エリアに福岡・東京を加えた拠点ネットワークを有しておりますところ、さらなる事業エリアの拡大を図るため、上記エリアに限らず、全国エリアを対象として投資検討を行ってまいります。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2025年1月から2028年3月を予定しておりますところ、当該期間において、1案件当たりの投資金額約50~150百万円、2~3件程度のM&A又は戦略的提携を実施する計画です。
当社グループにおいては、日常的に多数の案件情報を入手するよう努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な案件が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、かつ相手方との交渉を有利に進める観点からも、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち308百万円をM&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には原則として金融機関からの借入又は自己資金等を充当する予定です。
② 新規事業のための成長投資資金
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力強化のための施策として、当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組んでおり、当社グループの重要な成長戦略の1つと位置付けております。
当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えていくための新規事業への取り組みの一環として、2022年11月29日付「子会社設立に関するお知らせ」に記載のとおり、地域の魅力ある産品やサービスをECサイト等で紹介し販売していくことを目的として、2022年12月1日付で株式会社MD&アソシエイツを設立し、ECサイト「ロコメル(LOCOMERU)」を2023年2月11日にオープンいたしました。
また、2023年6月26日付「『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の営業再開について」に記載のとおり、2023年7月、当社連結子会社である株式会社MD&アソシエイツは、徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の事業を譲り受け、2023年8月から運営を開始いたしました。当社グループは、「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を通して地域産品の販路拡大に取り組んでおり、同店舗におきましては、購入者数も順調に増え、百貨店や大型量販店での展示販売にも挑戦いたしました。
加えて、地元コンテンツを意識したビジネスや視覚学習教材の販売支援など新たなビジネスのほか、地元の大学とともに新規事業構想プロジェクトとしてビジネスコンペを開催しております。
さらに、2021年からは新規事業の1つとして、四国の酒蔵と88カ所の寺を結ぶ日本酒の販売事業に関して企画・販売も実施しており、2023年5月には同企画の第2弾を開始し、2024年6月には「遍路国往還記」の復刻版を発刊いたしました。2024年8月には香川と徳島の特産品を取り扱う通販サイト「トモニ市場ONLINE」をオープンいたしました。
当社グループは、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図るため、グループ内に蓄積された地域情報や、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、地域経済活性化のための新規事業投資を積極的に推進していく方針です。
具体的には、当社グループの強みであるⓐクリエイティブ(クリエイティブの原点である「無から有を生む」に立ち戻り、顧客の事業・商品・店舗等あらゆるものを新しく生み出す力を磨き直す)、ⓑ地域密着(地域に根差した関係者と連携し、地域ならではの自然・歴史・文化・食などの観光資源を磨き上げる取り組みをビジネスにする)、ⓒBtoBでの顧客密着(従来のBtoBからBtoCに踏み出し、その知見をコアビジネスである広告業にフィードバックする)を活かし、引き続き、新たな収益機会の獲得を図るための新規事業投資の検討を行ってまいります。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2025年1月から2028年3月を予定しておりますところ、当該期間において、2~3件程度の新規事業投資の検討を実施する計画です。
当社グループにおいては、日常的に多数の地域情報やノウハウ、アイディアの蓄積・共有に努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な投資機会が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち100百万円を新規事業のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には原則として金融機関からの借入又は自己資金等を充当する予定です。
以上のとおり、今後の当社グループにおける成長戦略であるM&A又は戦略的提携及び新規事業のための成長投資を確実に実行し、さらなる事業拡大及び収益力の強化を図るため、今後想定される投資機会に備えて十分な自己資金を確保するとともに、本資金調達に伴う純資産の増加により当社グループの財務基盤を強化することを目的として、本新株予約権の発行を決定いたしました。
エ.上場維持基準の適合に向けた流動性向上に関する取り組み
2021年12月16日付「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「計画書」といいます。)に記載のとおり、新市場区分への移行基準日である2021年6月30日時点における当社の流通株式時価総額は6.3億円であり、スタンダード市場における上場維持基準である流通株式時価総額10億円を下回ったことから、適合計画期間を2025年3月期末と定め、各種取り組みを進めてまいりました。
2023年6月26日付「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」に記載のとおり、2023年3月31日時点における当社の流通株式時価総額は6.1億円であり、スタンダード市場における上場維持基準である流通株式時価総額10億円を下回りました。
その後も各種取り組みを進めましたが、2024年6月27日付「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」に記載のとおり、2024年3月31日時点における当社の流通株式時価総額は7.9億円であり、スタンダード市場における上場維持基準である流通株式時価総額10億円を下回りました。
今般の資金調達においては、本新株予約権の行使の結果交付されることとなる当社株式の全てには、当社が保有する自己株式1,000,000株を充当する予定であるため、発行済株式総数は増加いたしません。また、割当予定先は、本新株予約権の行使により取得した当社株式については、株価への悪影響を極力排除しつつ、市場の状況等を勘案し、比較的短期間で市場売却等する方針となっております。したがいまして、当社の試算によれば、現時点での発行済株式総数を基準とすると、本新株予約権の行使が完了した時点においては、当社の流通株式比率は約59.0%まで高まり、流動性が向上する見込みです。その上で、当該時点における流通株式比率約59.0%を前提とすると、当社株価が概ね280円を超える場合に流通株式時価総額10億円以上の基準を達成する見込みです。したがいまして、2025年3月期末までに上場維持基準を達成するため、今般の資金調達を実施し流動性の向上に努めるとともに、業績及び株価の回復に向けて引き続き以下の各種施策を進めてまいります。
1) 時価総額向上に向けた取り組み
当社グループが事業を営む広告業界におきましては、インターネット広告の伸長が目覚ましく、既存メディアを活用した広告は減少傾向にあります。さらに、コロナ禍によって既存メディアからインターネットを活用した広告へのシフトが加速いたしました。当社グループは、こうした経営環境を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、「既存事業の収益改善」と「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考え、時価総額の向上を図るため、以下に取り組んでおります。
① 既存事業の事業基盤の再構築
当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益及び経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。したがいまして、営業の成果である総売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益及び売上総利益率(=売上総利益/総売上高)を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。
また、当社グループを取り巻く環境は、デジタル化の進展や少子高齢化の進行によって、お客様の課題がますます高度化しており、常にお客様に対して新しいサービスを提供し続けることが重要となっております。当社グループにおきましては、付加価値の高いサービスの提供に努め、受注案件の利益率向上を図っております。
2024年3月期の当社グループにおきましては、外出機会の増加による旅行や催事に関連したプロモーション活動のほか、2023年10月下旬に愛媛県で開催された「第35回全国健康福祉祭えひめ大会~ねんりんピック愛顔のえひめ2023」の運営関連、JR高松駅周辺の再開発に関するプロモーション活動、地元への就職・転職支援フェアの開催等が当社グループの売上高に貢献いたしました。そのほか、地元コンテンツを意識したビジネスや資格学習教材の販売支援など新たなビジネスにも挑戦しており、今後につきましても、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、既存事業の事業基盤の再構築を進めてまいります。
② デジタルメディア提案力の強化
前述のとおり、国内広告業界のインターネット広告売上高及び当社グループのデジタル領域の売上高は引き続き好調な伸びを維持しております。
このような中で、当社グループは、デジタル領域全般の受注拡大をより加速させるため、2022年4月1日付でデジタルデザイン局を設置し、デジタルマーケティング分野の提案強化やデジタル技術を活かした新規事業の企画提案に取り組んでまいりました。こうした取り組みから、デジタルマーケティング分野の受注を安定して獲得でき、さらに、行政自治体向け観光マーケティング支援サービスの提供に繋がりました。また、動画広告やSEO・MEO対策などデジタル領域の提案を切り口とした新規開拓に努め、マーケティング分野へのデータ活用を積極的に提案したことから、インターネット広告の売上高は順調な伸びとなっております。
また、前述のとおり、当社におきましては、デジタル化の波に遅れを取ることなく、着実にDXを推進していくため、2023年1月1日付で経済産業省が定めるDX認定制度に基づいた「DX認定事業者」の認定を取得し、社内DXの推進にも取り組んでおります。引き続き、デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客様の成長に貢献できる真のパートナーを目指してまいります。
③ 地域創生の推進
上記「イ.当社グループの事業方針及び中期経営方針」の「中期経営方針重点施策に関する取り組み状況」に関する「② 新規事業への挑戦」に記載のとおり、当社グループは、地域密着主義で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、70年の実績に基づくノウハウによってお客様の様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。
前述のとおり、当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えていくためには、「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考えており、新しい事業への取り組みの一環として、地域の魅力ある産品やサービスをECサイト等で紹介し販売していくことを目的として、2022年12月1日付で株式会社MD&アソシエイツを設立し、ECサイト「ロコメル(LOCOMERU)」を2023年2月11日にオープンいたしました。また、2023年7月に前運営事業者から事業を譲り受け、2023年8月から再開した徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を通して地域産品の販路拡大に取り組んでおり、同店舗におきましては、購入者数も順調に増え、百貨店や大型量販店での展示販売にも挑戦いたしました。そのほか、地元コンテンツを意識したビジネスや視覚学習教材の販売支援など新たなビジネスのほか、地元の大学とともに新規事業構想プロジェクトとしてビジネスコンペを開催しております。さらに、2021年からは新規事業の1つとして、四国の酒蔵と88カ所の寺を結ぶ日本酒の販売事業に関して企画・販売も実施しており、2023年5月には同企画の第2弾を開始し、2024年6月には「遍路国往還記」の復刻版を発刊いたしました。2024年8月には香川と徳島の特産品を取り扱う通販サイト「トモニ市場ONLINE」をオープンいたしました。
今後につきましても、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、こうした事業を通じて、当社グループの企業価値向上と地域や経済の活性化に取り組んでまいります。
④ 課題解決型営業の推進
当社グループは、四国エリア(香川・愛媛・徳島・高知)、中国エリア(岡山・広島)、福岡・東京に拠点を配し、多様化するお客様のご要望にお応えし、質の高いコミュニケーションサービスの提供に努めてまいりました。デジタル化へのシフトが加速している中にあっては、当社グループ商勢圏におきましても、デジタル技術が非接触・非対面の手段を提供し、デジタル化できることはデジタル化されていく一方で、デジタルには替えられないリアルの価値が再認識されていくと考えております。
当社グループにおきましては、「無から有を生み出す」というクリエイティビティの原点に立ち戻り、新しいものを生み出す「創造力」や独自の発想で何かを作り出す「独創力」を兼ね備えた人材を育成すべく、クリエイティブスタッフの高付加価値化に取り組んでおり、SNSによる情報発信事業やデジタルスタンプラリーのようなデジタル技術を活用したもののほか、SDGsへの取り組みや自然食材のブランディング、子宮けいがん予防啓発ウェブ漫画、地方市シティプロモーションに至るまで、数多くの個性豊かなクオリティの高い作品を創出することができました。
当社グループにおきましては、このようなリアルの価値にデジタル技術を融合したより具体的で高度化した提案活動に取り組み、お客様の経営課題の解決策をお客様とともに考える課題解決型営業を引き続き推進してまいります。
⑤ その他
当社は、経済情勢や業績の変動に動じない経営体質を確立するため、配当金と内部留保のバランスを勘案し、安定した配当の継続を基本としております。内部留保につきましては、新規事業への投資のほか、職場環境の改善や老朽化した資産の修繕など、将来の事業展開に向けた競争力強化のための投資に対して財務体質の維持に留意しつつ充当する方針であります。当方針のもと、安定配当を維持しながら中長期的な視点で利益還元の充実を図ってまいりたいとの考えから、2024年3月期につきましては、従業員に対する譲渡制限付株式としての自己株式の処分による自己資本比率の改善等を踏まえ、利益成長に向けた新規投資と安定した株主還元の最適なバランスを検討した結果、2024年3月期の期末配当金につきましては、2023年5月12日に1株当たり5円00銭と発表しておりましたが、1株当たり6円00銭とすることにいたしました。
2) 流通株式比率向上に向けた取り組み
当社の流通株式比率につきましてはスタンダード市場の上場維持基準を充たしておりますが、流通株式比率は時価総額の向上に影響を与える要素であることを踏まえ、上記1)の取り組みを補完する策として、流通株式比率40%を目標に取り組み、2024年3月期におきましては42.5%を達成いたしました。引き続き、当水準を維持・向上できるように以下に取り組んでまいります。
① 事業法人等所有株式の縮減
政策保有株式並び政策保有株式以外の一般法人株につきましては、株式の保有の意義及び保有の合理性、株主との関係、資金需要や市場への影響等を勘案し、株主様との対話を通して縮減を検討しております。
今後につきましても、上記1)の取り組みを補完する策であることを念頭にしつつ株主様との対話を通して縮減について検討してまいります。
② 取得済み自己株式の処分
当社は、2011年に実行した自己株式の公開買付けによって2,150,000株を取得したことを主な要因として、2023年3月31日現在、自己株式を2,300,328株所有しておりました。当社におきましては、これまで当社グループを取り巻く経営環境が厳しさを増し、自己株式の処分コストを吸収するだけの利益を確保することができなかったこともあって、当該自己株式の処分には至りませんでしたが、当社の従業員を対象に当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を図ることを目的として、譲渡制限付株式付与制度を新たに導入することを決議し、2024年3月15日に払込手続きが完了いたしました。これによって、2024年3月31日現在の自己株式は1,900,328株となり、流通株式比率が大きく改善する結果となりました。引き続き、機動的な資本政策に活かすことなどを目的に、自己株式の処分について検討を重ねてまいりました。今般の第三者割当による本新株予約権の発行は、このような自己株式の処分策の1つとして実施するものです。これにより、当社グループの成長戦略の強化及び成長投資資金の確保が可能になるとともに、財務基盤の強化及び資本バッファーの構築による負債調達余力の確保・拡大をも図ることができ、当社グループの中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考えております。
③ IR活動の推進、情報発信の充実
当社では、総務局をIR担当部署として、ホームページや事業報告等を活用し、株主や投資家に対して適時・適切な情報開示に取り組んでおります。また、株主との対話は総務局長が担当し、総務局長は取締役会をはじめ総務局内各部署との連携を図ることによって株主との対話から得られる意見を経営に活かすよう努めております。
当社におきましては、これまで、株主・投資家向けの説明会は実施しておらず、中期経営計画や株主総会情報の掲載等につきまして十分な発信ができておりませんでしたため、まずは、グループ各企業を含め情報発信できる取り組みについては発信していくよう努め、中期計画方針やDXの取り組み、株主総会サイト、サステナビリティサイトの構築のほか、採用サイトのリニューアル等にも取り組み、ステークホルダーに対する情報発信に努めてまいりました。引き続き、様々な情報を発信し、ステークホルダーの皆様に当社グループの方針や取り組みを理解いただけるように努めてまいります。
なお、株主・投資家向けの説明会の開催につきましては、他社の動向、コスト面等を含め引き続き検討を進めてまいります。
さらに、2023年12月21日付「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」に記載のとおり、当社グループは、安定した収益の確保及びPBR・PERの改善を実現するため、資本コストや株価を意識した経営の実現に取り組んでおります。
今後、当社グループは、資本コストを上回る投下資本の効率的な活用を通じて、安定的な利益成長及びキャッシュ創出力の拡大を図り、さらなる業績向上及び株価向上に努めるとともに、成長戦略の強化・実行、流動性の向上、EPS(1株当たり純利益)の成長等を目指し、様々な施策を通じて株式価値の向上及び株主の皆様への還元により一層努めてまいります。
1) 当社グループの現状分析
2023年3月末の当社グループ連結のPBRは0.6倍で1倍割れとなっており、過年度におきましても0.6倍程度の水準で推移しております。2023年3月末のPERは8.2倍ですが、2020年3月期は49.8倍となっており、各年度によって大きく変動する状況にあります。いずれの指標につきましても2023年3月期におきましては、東証スタンダード市場の平均と比べて低い倍率となっております(2023年3月の東証スタンダード市場平均 PBR:0.8倍、PER:13.4倍)。なお、2024年3月末のPBRについても、0.7倍で1倍割れとなっております。
このようにPBRが低い水準となっていることやPERの変動が激しいことは、当社グループは毎年安定した収益を継続して確保できていない結果であり、かつ、成長戦略に関して株主の理解を十分に得られていないため当社グループの将来性が評価されていない結果であると分析しております。
<連結経営指標等>
(注) PER及びPBRは、各年度最終取引日の終値をもとに算出しております。
2) PBR改善に向けた方針・目標
上記分析を踏まえ、株主をはじめ各ステークホルダーから当社グループの成長性を適切に評価していただくことを基本的な方針として、安定した収益の確保とPBR及びPERについて東証スタンダード市場の平均値を上回る水準を確保することを第一に、PBRについては1倍を上回る水準を目標としてまいります。
3) 具体的な取り組み
当社グループにおきましては、上記方針・目標を実現するため、上場維持基準の適合に向けた計画期間の終了年度として掲げる2025年3月期までに、以下の取り組みに注力し、資本コストや株価を意識した経営の実現に取り組んでまいります。
(a) 事業戦略
現在進行している2025年3月期を最終年度とする中期経営方針を着実に実行していくことで、安定した収益の確保を図ってまいります。
特に、デジタル領域と新規事業領域の拡大につきましては、経営資源を投入して拡大を図り、ビジネスの高付加価値化を進め、グループ全体の収益の増強を図ります。
<中期経営方針重点施策(前記イのとおり)>
① デジタル領域への挑戦
② 新規事業への挑戦
③ クリエイティブスタッフの高付加価値化
④ 課題解決型営業の推進
⑤ 人材への投資
(b) 資本戦略
事業活動によって獲得したキャッシュにつきましては、デジタル領域や新規事業領域の拡大に向けた人的資本の増強(人材の採用・育成)のほか、社内DXの推進など経営基盤の強化に充当してまいります。
また、安定配当を維持しながら中長期的な視点で業績に応じた利益還元を検討し、自己株式の活用を含めたM&Aの推進等によって、利益成長に向けた新規投資と安定した株主還元の最適なバランスを検討してまいります。
① 業績に応じた株主還元の維持・向上
② 自己株式活用等による株式価値向上策の検討
③ 人的資本投資の強化
(c) IR戦略
当社ウェブサイトを活用し、適時開示に基づく財務情報のほか、サステナビリティ等の非財務情報を含めた情報発信を充実させてまいります。
こうした活動を通して、株主・投資家の皆様に当社グループの魅力や成長戦略に対する理解を深めていただけるよう努めてまいります。
① 情報開示の充実による経営方針や成長戦略理解の促進
② サステナビリティ等の非財務情報の発信強化
このように、今般の第三者割当による本新株予約権の発行は、自己株式の活用等による株式価値向上、並びに、上場維持基準の適合及び資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた流動性向上策の1つとして実施するものです。なお、割当予定先が本新株予約権の行使により取得した当社株式については、市場の状況等を勘案し、株価への悪影響を極力排除しつつも、比較的短期間で市場売却等する方針となっていることから、当社株式の市場売却により株価への下落圧力がかかる可能性もあります。しかしながら、中長期的な株価及び企業価値を形成するのは、本第三者割当による1株当たり利益の希薄化の影響(資本コストの増加)を上回る投下資本利益率を当社グループが今後達成できるか否かであり、株価及び企業価値の向上を図るためには、本新株予約権により調達した資金を活用することによって当社グループの本質的な収益力を向上させることが重要であると考えております。
当社といたしましては、本第三者割当により、当社グループの成長戦略の強化及び成長投資資金の確保が可能になるとともに、財務基盤の強化及び資本バッファーの構築による負債調達余力の確保・拡大をも図ることができ、当社グループの中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考えております。
当社グループは、引き続き、さらなる流動性の向上及び投資家層の多様化・拡大を図り、持続的な企業成長と中長期的な企業価値の向上により一層努めてまいります。
以上のとおり、今後の当社グループにおける成長戦略であるM&A又は戦略的提携及び新規事業のための成長投資を確実に実行し、さらなる事業拡大及び収益力の強化を図るため、今後想定される投資機会に備えて十分な自己資金を確保するとともに、本資金調達に伴う純資産の増加により当社グループの財務基盤を強化すること及び上場維持基準の達成等に向けた流動性の向上を図ることを目的として、本新株予約権の発行を決定いたしました。
(2) 資金調達方法の概要
本資金調達は、当社が割当予定先に対し、対象株式数を1,000,000株、行使期間を3年間とする、行使価額修正条項付新株予約権である本新株予約権を割り当て、割当予定先による本新株予約権の行使に伴って当社が資金を調達する仕組みとなっております。
本新株予約権の行使期間は、2025年1月7日から2028年1月6日までの3年間です。
なお、今般の資金調達においては、本新株予約権の行使の結果交付されることとなる当社株式の全てには、当社が保有する自己株式1,000,000株を充当する予定であり、新株の発行は予定しておりません。
本新株予約権の概要は以下のとおりです。
本新株予約権の当初行使価額は、420円(本発行決議前取引日の終値)であり、2025年1月7日以降、修正日の属する週の前週の最終取引日の終値(同日に終値がない場合にはその直前の終値)の90%に相当する金額の小数第1位未満の端数を切り上げた金額(以下、「修正基準日価額」といいます。)が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正されます。この場合の下限行使価額は210円(当初行使価額の50%)となります。
なお、上記のとおり、本新株予約権の行使価額は、修正日の属する週の前週の最終取引日の終値の90%に修正されることから、当該前週の最終取引日から行使日までの間に株価が上昇した場合には、行使価額が行使日前日終値の90%を下回る状況となる可能性も考えられます。他方で、当該前週の最終取引日から行使日までの間に株価が一旦下落した後行使日に上昇したような場合には、行使価額が行使日前日終値の90%を上回る状況となる可能性も考えられます。このように、株価の変動は予測困難であり、修正基準日を行使日の前週最終取引日とするか前取引日とするかによって当社にとって有利な条件であるか否かが決定されるものではないこと、本新株予約権と同一の修正条件に基づく他の複数の案件における行使状況・行使実績等に何ら問題がないこと等に鑑みても、本新株予約権の修正条件は適切であると判断しております。
加えて、本新株予約権は、上記のとおり修正基準日を行使日の前週最終取引日とする新株予約権であり、週毎に行使価額が固定される新株予約権と考えることができます。当該修正条件においては、原則として、行使日の株価が前週最終取引日の終値を超えている局面において、本新株予約権の行使を期待することができ、日々の株価のボラティリティを一定程度吸収することが可能となります。
他方で、日毎に行使価額が修正される修正条件の場合、原則として、行使日当日の株価が行使日前日の株価を上回っている局面において新株予約権の行使が行われ、行使日当日の株価が行使日前日の株価を下回っている局面において新株予約権の行使は行われない傾向にあるため、新株予約権の行使が円滑に進むか否かは日々の株価の変動に依存し、株価のボラティリティが高い場合には、マーケット状況や割当予定先の判断等によっては新株予約権の行使が円滑に進まない可能性があります。特に直近(2024年9月27日以降)における当社株価のボラティリティをも考慮すると、当社においては、日々の株価のボラティリティを一定程度吸収しつつ、本新株予約権の円滑な行使を期待できるスキームが適切であると判断いたしました。
したがいまして、本修正条件においては、行使時の株価を基準として足元での資金需要に対応しながら、日々の株価のボラティリティを一定程度吸収しつつ、本新株予約権の行使判断が行使日前日及び行使日当日の株価の変動に大きく影響を受けることなく、円滑に本新株予約権の行使を行うことが可能となると考えられることから、当社における円滑な資金調達の実現及び流動性の向上に資するものであり、前記「(1) 募集の目的 ウ.当社グループのM&A戦略・新規事業戦略及び本資金調達における資金使途」及び「エ.上場維持基準の適合に向けた流動性向上に関する取り組み」に記載した当社の現状の目的及びニーズに沿うものと判断いたしました。
また、前記「(1) 募集の目的 エ.上場維持基準の適合に向けた流動性向上に関する取り組み」に記載のとおり、当社は、上場維持基準適合のための計画期間である2025年3月期末までに上場維持基準(流通株式時価総額10億円以上)を達成することを、今般の本新株予約権を発行する目的の1つとしております。本スキームによっても、当社株価や市場の動向等により本新株予約権の行使が進まない場合には、流動性の向上が実現できず、2025年3月期末までに上場維持基準を達成することが困難となる可能性があります。しかしながら、このような場合であっても、引き続きM&A戦略・新規事業戦略は当社グループにおける重要な成長戦略であり、今後の業績及び株価向上、中長期的な企業価値向上を図るためには、本資金調達を実行し、M&A戦略・新規事業戦略を着実に遂行していくことが必要不可欠であると考えております。したがいまして、本新株予約権の行使のために十分な期間を確保することにより、本資金調達を実行し、M&A戦略・新規事業戦略を着実に遂行していくことが、当社グループの今後の業績及び株価向上、中長期的な企業価値向上において重要であると判断し、行使期間を3年間に設定いたしました。
本新株予約権の行使により調達した資金については、前記「(1) 募集の目的及び理由 ウ.当社グループのM&A戦略・新規事業戦略及び本資金調達における資金使途」において述べましたとおり、①M&A又は戦略的提携のための成長投資資金、②新規事業のための成長投資資金に充当する計画であり、支出予定時期は2025年1月から2028年3月までを想定しております。
上記成長投資資金は、今後当社グループの事業拡大、収益力強化及び財務基盤の強化を図るために必要不可欠な資金であり、足元での資金需要が生じていることから、本新株予約権については、権利行使が比較的進みやすい行使価額修正型のスキームを採用することといたしました。これにより、当社グループにおいて必要不可欠な足元での資金需要に迅速に対応することができ、今後の成長戦略のための①M&A又は戦略的提携のための成長投資資金、②新規事業のための成長投資資金を確保することが可能となります。
なお、割当予定先が本新株予約権の行使により取得した当社株式については、市場の状況等を勘案し、株価への悪影響を極力排除しつつも、比較的短期間で市場売却等する方針となっていることから、当社株式の市場売却により株価への下落圧力がかかる可能性もあります。しかしながら、中長期的な株価及び企業価値を形成するのは、資金調達の手法・スキームそのものではなく、資本コストを上回る投下資本利益率を達成できるか否かであり、本新株予約権により調達した資金を活用することによって当社グループの本質的な収益力を向上させることが重要であると考えております。
したがいまして、本資金調達は、当社グループのさらなる事業拡大、収益力強化及び財務基盤の強化を目的として、足元での資金需要に対応するための機動的な調達を実現できるものであることから、当社グループの既存株主の皆様の持分の希薄化を考慮しましても、中長期的に株主価値の向上に寄与するものと判断し、本資金調達を行うことを決定いたしました。
(3) 資金調達方法の選択理由
当社は、資金調達に際し、間接金融の融資姿勢及び財務状況、今後の事業展開等を勘案し、既存株主の利益に対する影響を抑えつつ自己資本を拡充させることを軸として、直接金融で調達できる方法を検討してまいりました。このため、下記「[他の資金調達方法との比較]」に記載の各項目及び他の手段との比較を行い、また、下記「[本資金調達スキームの特徴]」に記載のメリット及びデメリットを総合的に勘案した結果、割当予定先からの提案である第三者割当による本新株予約権による資金調達が、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる、現時点において最適な選択であると判断し、これを採用いたしました。
本資金調達スキームは、以下の特徴を有しております。
[本資金調達スキームの特徴]
<メリット>
① 対象株式数の固定
本新株予約権の対象株式数は、発行当初から発行要項に示される1,000,000株で固定されており、将来的な市場株価の変動によって潜在株式数が変動することはありません。そのため、希薄化の規模は予め限定されております。なお、本新株予約権の対象株式数は、株式分割等の一定の事由が生じた場合には、本新株予約権の発行要項に従って調整されることがあります。
② 株価への影響の軽減及び資金調達額の減少のリスクの軽減
本新株予約権には下限行使価額が設定されており、修正後行使価額が下限行使価額を下回る価額に修正されることはありません。したがいまして、当社株価が下限行使価額を下回る局面において、当社普通株式が市場へ過剰に供給され、さらなる株価低迷を招き得る事態が回避されるとともに、資金調達額の減少リスクを防止する設計となっております。
③ 株価上昇時における資金調達額の増加
本新株予約権には行使価額修正条項が付されており、株価に連動して行使価額が修正されるため、株価が上昇した局面においては資金調達額が増額されます。
④ 株価上昇時における行使促進効果
本新株予約権には行使価額修正条項が付されており、株価に連動して行使価額が修正されるため、株価が大きく上昇した局面においては、割当予定先が早期にキャピタル・ゲインを実現すべく速やかに行使を行う可能性があり、これにより迅速な資金調達が実現されます。
⑤ 取得条項
当社は、本新株予約権の取得が必要と当社取締役会が決議した場合は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って2週間前までに通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができます。これにより、将来的に当社の資金ニーズが後退した場合や資本政策方針が変更になった場合など、本新株予約権を取得することにより、希薄化の防止や資本政策の柔軟性が確保できます。
⑥ 行使停止期間
当社は、本新株予約権の行使期間中、随時、合計4回まで、割当予定先に対して本新株予約権の行使の停止を要請する期間(以下、「行使停止期間」といいます。)を定めることができます。当社は、割当予定先に対し、当該期間の初日の5取引日前の日までに行使停止期間を書面で通知することにより、行使停止期間を設定することができます(以下、かかる通知を「行使停止要請通知」といいます。)。1回の行使停止期間は10連続取引日以下とし、各行使停止期間の間は少なくとも10取引日空けるものとします。また、当社は、割当予定先に対して別途通知することにより、設定した行使停止期間を短縮することができます。但し、本新株予約権の取得事由が生じた場合には、それ以後取得日までの間は行使停止期間を設定することができず、かつ、かかる通知又は公告の時点で設定されていた行使停止期間は、当該通知又は公告がなされた時点で直ちに終了します。行使停止期間において本新株予約権の行使停止の対象となる新株予約権は、行使停止期間開始日に残存する本新株予約権の全部とします。このように当社が行使停止期間を設定することにより、本新株予約権の行使の数量及び時期を当社が一定程度コントロールすることができるため、資金需要や市場環境等を勘案しつつ、当社の裁量で株価への影響を抑えることが可能となります。また、当社は、割当予定先に対して書面で通知することにより、行使停止要請通知を撤回することができます。当社が割当予定先に対して行使停止要請通知を行った場合又は行使停止要請通知を撤回する通知を行った場合には、適時適切に開示いたします。
⑦ 譲渡制限
本新株予約権は、割当予定先に対する第三者割当の方法により発行されるものであり、かつ本新株予約権引受契約において譲渡制限が付されており、当社の事前の承認なく、割当予定先から第三者へは譲渡されません。
⑧ 行使コミット
割当予定先は、2025年1月7日以降、504計算対象日(以下に定義します。)の期間(以下、「行使コミット期間」といいます。)内に、保有する本新株予約権の全てを行使するものとし、そのうちLCAO(詳細は後記)が保有する本新株予約権2,000個及びMAP246(詳細は後記)が保有する本新株予約権500個については2025年1月7日以降、126計算対象日の期間内に行使するものとします(すなわち、計算対象日から除外すべき日がないと仮定した場合、2027年1月27日までに本新株予約権の全てが行使され、2025年7月10日までに本新株予約権の発行総数のうち25%が行使されることになります)。これにより、原則として本新株予約権は一定の期間内に一定数又は全て行使されることとなり、当社は比較的短期間で資金調達を実現することが可能となります。また、このように行使コミットを設定することにより、本新株予約権の迅速な行使が担保されることから、上場維持基準の適合計画期間である2025年3月期末に向けて可能な限り流通株式比率の向上を図ることが期待できます。
なお、各新株予約権の行使は制限超過行使に反しない限度で行われるものとし、行使コミット期間の終了日より前に当社による本新株予約権の全部又は一部の取得日が到来した場合又は行使コミット期間中に以下の(ⅰ)に該当する取引日が合計で5取引日以上となった場合には、割当予定先は本新株予約権の行使を行う義務を免除されます(但し、割当予定先は、当該条項に定める本新株予約権の行使を行う義務を免除された後も、制限超過行使に反しない限度で、自らの判断により残存する本新株予約権を行使することができます。)。
「計算対象日」とは、以下のいずれかに該当する日を除く取引日をいいます。
(ⅰ)東京証券取引所における当社普通株式の終値が本新株予約権の下限行使価額を下回っている場合
(ⅱ)当該取引日における当社普通株式の株価が一度でも当該取引日の属する週の前週の最終取引日の当社普通株式の終値の90%以下となった場合
(ⅲ)当該取引日において本新株予約権の行使を行うことにより、適用法令又は裁判所、行政官庁、株式会社証券保管振替機構、若しくは自主規制機関の規則、決定、要請等に違反する可能性が高いと割当予定先が合理的に判断した場合
(ⅳ)災害、戦争、テロ、暴動等の発生又は売買停止措置等の実施により、当該取引日における本新株予約権の行使又は本新株予約権の行使によって取得することとなる当社普通株式の売却が実務上不可能になった場合又はそのおそれがある場合
(ⅴ)上記⑥に基づき当社が定めた行使停止期間に含まれる場合(但し、当該行使停止期間に係る行使停止要請通知が撤回された場合、行使停止要請撤回通知に記載された失効日以降の日を除きます。)
<デメリット>
① 本新株予約権の行使により希薄化が生じる可能性
本新株予約権の行使の結果交付されることとなる当社株式の全てには、当社が保有する自己株式1,000,000株を充当する予定であるため発行済株式総数は増加せず、また、本新株予約権の対象株式数は発行当初から発行要項に示される1,000,000株で一定であるため最大増加株式数は固定されているものの、本新株予約権の行使がなされた場合には、総議決権数が増加するため希薄化が生じます。
② 当初に満額の資金調達はできないこと
新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に対象株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行時に満額の資金調達が行われるわけではなく、当初に満額が調達される資金調達方法と比べると実際に資金を調達するまでに時間が掛かる可能性があります。
③ 株価低迷時に本新株予約権が行使されず資金調達が当初想定額を大きく下回る可能性
株価が下限行使価額を下回る場合には、本新株予約権の行使はされず、資金調達額が当初想定額を大きく下回る可能性があります。
④ 割当予定先が当社株式を市場売却することにより当社株価が下落する可能性
割当予定先の当社株式に対する保有方針は短期保有目的であることから、割当予定先は本新株予約権を行使して取得した株式を売却することを前提としており、割当予定先による当社株式の市場売却により当社株価が下落する可能性があります。
⑤ 不特定多数の新投資家へのアクセスの限界
第三者割当方式という当社と割当予定先のみの契約であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募るという点において限界があります。
⑥ 割当予定先の取得請求権
当社は、本新株予約権の行使期間の末日において本新株予約権が残存する場合には、本新株予約権1個当たりその払込金額と同額で、残存する全ての本新株予約権を割当予定先から買い取ります。なお、本新株予約権の行使期間が満了した場合でも、当該取得請求権に基づく当社の支払義務は消滅又は免除されません。したがいまして、当社株価が長期にわたり大幅に下落した場合等において、行使期間末日までに本新株予約権の行使が完了しなかったときには、本新株予約権の行使による資金調達が行われないことにより、資金調達額が当社の想定額を下回る可能性があり、また、本新株予約権の払込金額と同額の金銭の支払が必要になることにより、本新株予約権による最終的な資金調達額が減少する場合があります。
⑦ 権利不行使
本新株予約権について、割当予定先が本新株予約権の行使を行わない可能性があり、権利が行使されない場合、資金調達額は、当社が想定した額を下回る可能性があります。
⑧ 優先交渉権
当社は、払込期日から、1)本新株予約権の行使期間の満了日、2)当該満了日以前に本新株予約権の全部の行使が完了した場合には、当該行使が完了した日、3)当社が割当予定先の保有する本新株予約権の全部を取得した日のいずれか先に到来する日までの間、割当予定先以外の第三者に対して、株式等を発行又は処分しようとする場合(当社又はその子会社の取締役又は従業員に対してインセンティブ目的で発行される場合、及び資本提携又はM&A目的による場合を除きます。)、当該第三者との間で当該株式等の発行又は処分に合意する前に、割当予定先に対して、当該株式等の内容及び発行又は処分の条件を通知した上で、当該株式等の全部又は一部について当該条件にて引き受ける意向の有無を確認する旨が本新株予約権引受契約において定められる予定です。割当予定先がかかる引受を希望する場合には、当社は、当該第三者の代わりに又は当該第三者に加えて、割当予定先に対して当該株式等を当該条件にて発行又は処分するものとします。
[他の資金調達方法との比較]
当社が本資金調達を選択するに際して検討した他の資金調達方法は以下のとおりです。
1) 公募増資
株式の公募増資は、資金調達が当初から実現するものの、同時に1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こすため、株価に対する直接的な影響がより大きいと考え、今回の資金調達方法としては適切でないと判断しました。
2) 株主割当増資
株主割当増資では、既存株主持分の希薄化は払拭されますが、調達額が割当先である既存株主参加率に左右されることから、当社の資金需要の額に応じた資金調達が困難であるため、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
3) 第三者割当による新株発行
新株発行の場合は、発行と同時に資金を調達することができますが、一方、発行と同時に株式の希薄化が一度に起こってしまうため、既存株主様の株式価値へ悪影響を及ぼす懸念があります。また、第三者割当による新株発行により今般の資金調達と同規模の資金を調達しようとした場合、割当先が相当程度の議決権を保有する大株主となり、当社のコーポレート・ガバナンス及び株主構成に重要な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、現時点では適当な割当先が存在しないと判断いたしました。
4) 第三者割当による新株予約権付社債の発行
新株予約権付社債の場合は、発行と同時に資金を調達でき、また株式の希薄化は一気に進行しないというメリットがあります。しかしながら、社債の株式への転換が進まなかった場合、満期時に社債を償還する資金手当てが別途必要になります。資金手当てができなかった場合デフォルトを起こし、経営に甚大な影響を与えるリスクがあります。また、新株予約権付社債の設計によっては、転換又は償還が行われるまで利息負担が生じることにもなります。
5) 行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(MSCB)の発行
株価に連動して行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(いわゆるMSCB)の発行条件及び行使条件は多様化していますが、一般的には、転換により交付される株式数が転換価額に応じて決定されるという構造上、転換の完了までに転換により交付される株式総数が確定しないため、株価に対する直接的な影響が大きく、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
6) 新株予約権無償割当による増資(ライツ・オファリング)
いわゆるライツ・オファリングには、金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・オファリングと、そのような契約を締結せず、新株予約権の行使が株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・オファリングがありますが、コミットメント型ライツ・オファリングについては、引受手数料等のコストが増大することが予想され、今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。また、ノンコミットメント型ライツ・オファリングについては、株主割当増資と同様に、調達額が割当先である既存株主又は市場で新株予約権を取得した者による新株予約権の行使率に左右されることから、ライツ・オファリングにおける一般的な行使価額のディスカウント率を前提とすると当社の資金需要の額に応じた資金調達が困難であるため、今回の資金調達手法としては適切でないと判断いたしました。
7) 第三者割当による固定行使価額新株予約権の発行
固定行使価額新株予約権は、行使価額が一定であるため、株価が行使価額を下回って推移する場合には新株予約権の行使が進まず、資金調達そのものが困難となる可能性があります。また、このような固定行使価額新株予約権は、行使価額が一定であるため、株価が行使価額を上回って推移する場合であっても、一定の額以上の資金調達を見込むことはできません。したがいまして、固定行使価額新株予約権は、当社の資金需要に十分に対応できないおそれがあることから、今回の資金調達手法としては適切でないと判断いたしました。
8) 金融機関からの借入や社債による調達
低金利環境が継続する現在の状況下においては、比較的低コストで負債調達が可能であり、金融機関からの借入や社債による資金調達は、運転資金や設備投資等の比較的リスクの低い資金の調達として適しているというメリットがあります。もっとも、金融機関からの借入や社債による資金調達では、利払負担や返済負担が生じるとともに、調達額全額が負債となるため当社の財務健全性が低下し、今後の借入余地が縮小する可能性があります。したがいまして、将来の財務リスクの軽減のためには、資本バッファーを構築した上で有利子負債の調達余力を十分に確保しておくことが必要かつ適切であると思料されることから、今回の資金調達手法として間接金融での資金調達は適切でないと判断いたしました。
これらに対し、新株予約権の発行は、一般的に段階的に権利行使がなされるため、希薄化も緩やかに進むことが想定され、既存株主の株式価値への悪影響を緩和する効果が期待できます。また、本新株予約権は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って2週間前までに通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができることとなっており、希薄化の防止や資本政策の柔軟性を確保した設計としております。
以上の検討の結果、本新株予約権の発行による資金調達は、上記の他の資金調達方法よりも現実的な選択肢であり、既存株主の利益にもかなうものと判断いたしました。
2.企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第9項に規定する場合に該当する場合にあっては同項に規定するデリバティブ取引その他の取引として予定する取引の内容
該当事項はありません。
3.当該行使価額修正条項付新株予約権付社債券等に表示された権利の行使に関する事項について割当予定先との間で締結する予定の取り決めの内容
当社が割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく届出の効力発生後に締結する本新株予約権引受契約には、上記「(注) 1.本新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権付社債券等)の発行により資金調達をしようとする理由」の「(2) 資金調達方法の概要」及び「(3) 資金調達方法の選択理由」に記載した内容が含まれます。また、当社と割当予定先は、本新株予約権について、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同施行規則第436条第1項から第5項までの定め、並びに日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」第13条の定めに基づき、原則として、単一暦月中に割当予定先が本新株予約権の行使により取得される株式数が、本新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える部分に係る行使を制限するよう措置を講じる予定です。
4.当社の株券の売買について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
該当事項はありません。
5.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容
割当予定先と当社及び当社の特別利害関係者等との間において、本新株予約権の行使により取得する当社普通株式に関連して株券貸借に関する契約を締結しておらず、またその予定もありません。
6.その他投資者の保護を図るために必要な事項
該当事項はありません。
7.本新株予約権の行使請求及び払込の方法
(1) 本新株予約権を行使する場合、上記「新株予約権の行使期間」欄記載の本新株予約権を行使することができる期間中に上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の行使請求受付場所に対して、行使請求に必要な事項を通知しなければなりません。
(2) 本新株予約権を行使請求しようとする場合、前号の行使請求に必要な事項を通知し、かつ、本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額を、現金にて上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄に定める払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとします。
(3) 本新株予約権の行使請求の効力は、(1)行使請求に必要な事項の全ての通知が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第1項「新株予約権の行使請求の受付場所」に到達し、かつ(2)当該本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第3項「新株予約権の行使請求の払込取扱場所」の当社の指定する口座に入金された日に発生します。
(4) 本(注)7.に従い行使請求を行った者は、その後これを撤回することはできません。
8.本新株予約権証券の発行及び株式の交付方法
(1) 当社は、本新株予約権にかかる新株予約権証券を発行しません。
(2) 当社は、本新株予約権の行使請求の効力が生じた日の2銀行営業日後の日に、当該本新株予約権者が指定する振替機関又は口座管理機関における振替口座簿の保有欄に振替株式の増加記録を行うことによって株式を交付します。
9.社債、株式等の振替に関する法律の適用等
本新株予約権は、社債、株式等の振替に関する法律に定める振替新株予約権とし、その全部について同法の規定の適用を受けます。また、本新株予約権の取扱いについては、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程、同施行規則その他の規則に従います。
該当事項はありません。
(注) 1.払込金額の総額は、本新株予約権の発行価額の総額(4,040,000円)に、本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額(420,000,000円)を合算した金額であります。
2.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
3.発行諸費用の概算額の内訳は、ストームハーバー証券株式会社への財務アドバイザリーフィー(12,600千円)、株式会社Stewart McLarenへの新株予約権公正価値算定費用(1,250千円)、調査費用及び登録免許税(390千円)、有価証券届出書作成費用(954千円)です。
4.払込金額の総額は、全ての本新株予約権が当初行使価額で行使された場合の金額であり、行使価額が修正又は調整された場合には、本新株予約権の払込金額の総額及び差引手取概算額は増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合又は当社が本新株予約権を取得し消却した場合、又は買取った場合には、払込金額の総額及び差引手取概算額は減少する可能性があります。
具体的な使途及び支出予定時期につきましては、以下のとおりです。
(注) 1.上記の金額は本新株予約権が全て当初行使価額で行使された場合の調達金額を基礎とした金額です。そのため、行使価額が修正又は調整された場合には、増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の行使期間中に行使が行われない場合及び当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、減少する可能性があります。
2.当社は本新株予約権の払込みにより調達した資金を上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金等にて安定的な資金管理を図る予定であります。
上記「1 新規発行新株予約権証券(第4回新株予約権証券) (2) 新株予約権の内容等 (注) 1.本新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権付社債券等)の発行により資金調達をしようとする理由 (1) 募集の目的及び理由 ウ.当社グループのM&A戦略・新規事業戦略及び本資金調達における資金使途」に記載のとおり、当社グループといたしましては、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図り、持続的な成長を実現していくためには、利益成長に向けた新規投資を積極的に推進・強化していくことが不可欠であると考えております。
当社グループは、中期経営方針に掲げる「デジタル領域への挑戦」と「新しい事業領域の開発」を実現するため、今後さらにM&Aや他社との戦略的提携及び新規事業投資を強化することにより、成長分野への新規参入や、地方の有力企業との連携等による新たな収益獲得の機会を目指し、中長期的な企業価値向上への取り組みを推進してまいります。
以上より、本資金調達による調達資金は、当社グループにおけるさらなる事業拡大、収益力強化及び財務基盤の強化を目的として、以下の各成長戦略に基づき、①M&A又は戦略的提携のための成長投資資金、②新規事業のための成長投資資金に充当する予定です。各資金使途の詳細は以下のとおりです。
① M&A又は戦略的提携のための成長投資資金 308百万円
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的としたM&A又は戦略的提携を選択肢の1つとし、当社グループの重要な成長戦略の1つと位置付けております。
2024年9月18日付「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」に記載のとおり、当社は、高知県において広告業を営む株式会社メディア・エーシーの全株式を取得し、連結子会社化いたしました。当該M&Aにより、高知エリアにおけるシェア拡大及び営業力・企画提案力の強化を図ることが可能になったものと考えております。
当社グループは、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図るため、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として、M&A又は戦略的提携による成長投資を積極的に推進していく方針です。
具体的には、㋐当社グループのコア事業である広告事業を中心に、デジタル領域において優れた技術力を有する企業、㋑特定のマーケットにおいて顧客基盤や優秀な人材を有する企業、㋒後継者難の事業承継案件や事業再生案件、㋓異業種であっても新たな収益機会の創出に資する企業等をターゲットとして、幅広く投資検討を行ってまいります。
また、当社グループは、四国中国エリアに福岡・東京を加えた拠点ネットワークを有しておりますところ、さらなる事業エリアの拡大を図るため、上記エリアに限らず、全国エリアを対象として投資検討を行ってまいります。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2025年1月から2028年3月を予定しておりますところ、当該期間において、1案件当たりの投資金額約50~150百万円、2~3件程度のM&A又は戦略的提携を実施する計画です。
M&A又は戦略的提携の対象となる候補先企業につきましては、現時点において具体的に条件交渉等を進めている候補先企業はありませんが、常に案件情報を多方面から入手し、随時、幅広く選定・検討を行っております。
当社グループにおいては、日常的に多数の案件情報を入手するよう努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な案件が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、かつ相手方との交渉を有利に進める観点からも、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち308百万円をM&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には原則として金融機関からの借入又は自己資金等を充当する予定です。
② 新規事業のための成長投資資金 100百万円
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力強化のための施策として、当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組んでおり、当社グループの重要な成長戦略の1つと位置付けております。
当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えていくための新規事業への取り組みの一環として、2022年11月29日付「子会社設立に関するお知らせ」に記載のとおり、地域の魅力ある産品やサービスをECサイト等で紹介し販売していくことを目的として、2022年12月1日付で株式会社MD&アソシエイツを設立し、ECサイト「ロコメル(LOCOMERU)」を2023年2月11日にオープンいたしました。
また、2023年6月26日付「『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の営業再開について」に記載のとおり、2023年7月、当社連結子会社である株式会社MD&アソシエイツが徳島県及び香川県の物産販売店舗「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の事業を前運営事業者から譲り受け、2023年8月から運営を開始いたしました。当社グループは、「徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~」の運営を通して地域産品の販路拡大に取り組んでおり、同店舗におきましては、購入者数も順調に増え、百貨店や大型量販店での展示販売にも挑戦いたしました。
加えて、地元コンテンツを意識したビジネスや視覚学習教材の販売支援など新たなビジネスのほか、地元の大学とともに新規事業構想プロジェクトとしてビジネスコンペを開催しております。
さらに、2021年からは新規事業の1つとして、四国の酒蔵と88カ所の寺を結ぶ日本酒の販売事業に関して企画・販売も実施しており、2023年5月には同企画の第2弾を開始し、2024年6月には「遍路国往還記」の復刻版を発刊いたしました。2024年8月には香川と徳島の特産品を取り扱う通販サイト「トモニ市場ONLINE」をオープンいたしました。
当社グループは、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図るため、グループ内に蓄積された地域情報や、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、地域経済活性化のための新規事業投資を積極的に推進していく方針です。
具体的には、当社グループの強みであるⓐクリエイティブ(クリエイティブの原点である「無から有を生む」に立ち戻り、顧客の事業・商品・店舗等あらゆるものを新しく生み出す力を磨き直す)、ⓑ地域密着(地域に根差した関係者と連携し、地域ならではの自然・歴史・文化・食などの観光資源を磨き上げる取り組みをビジネスにする)、ⓒBtoBでの顧客密着(従来のBtoBからBtoCに踏み出し、その知見をコアビジネスである広告業にフィードバックする)を活かし、引き続き、新たな収益機会の獲得を図るための新規事業投資の検討を行ってまいります。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2025年1月から2028年3月を予定しておりますところ、当該期間において、2~3件程度の新規事業投資の検討を実施する計画です。
当社グループにおいては、日常的に多数の地域情報やノウハウ、アイディアの蓄積・共有に努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な投資機会が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち100百万円を新規事業のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には原則として金融機関からの借入又は自己資金等を充当する予定です。
なお、M&A又は戦略的提携案件が成立・確定した場合又は事実上決定した場合や、新規事業の開始を決定した場合等には、法令等に従い適時適切に開示いたします。他方で、仮に支出予定期間内に具体的な案件についてM&A又は戦略的提携・新規事業の実行に至らなかった場合においても、引き続きM&A又は戦略的提携・新規事業への投資検討を継続する予定であり、現時点では資金使途の変更は予定しておりません。但し、将来においてM&A又は戦略的提携・新規事業に関する当社方針に変更が生じた場合など、M&A又は戦略的提携・新規事業の検討・実行を停止することとなった場合には、本資金調達により調達した資金については、代替使途として、設備投資資金・人的資本投資資金等に充当する可能性があります。資金使途の変更を行う場合には速やかに開示いたします。
また、本新株予約権の行使による払込みの有無と権利行使の時期は新株予約権者の判断に依存し、また株価が下限行使価額を下回る状況等では権利行使がされず、本新株予約権の行使価額は修正又は調整される可能性があるため、現時点において調達できる資金の額及び時期は確定したものではなく、現時点において想定している調達資金の額及び支出予定時期に差異が発生する可能性があります。また、本新株予約権が行使されずに調達資金が不足した場合においても、原則として、上記M&A又は戦略的提携・新規事業のための成長投資を実施していく方針に変更はなく、当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、手元資金又は金融機関からの借入金を充当する予定であり、状況に応じて、調達コストを勘案しつつ新たな増資等も含めた追加の資金調達方法を検討することにより不足分を補完する予定です。
該当事項はありません。
(注) 割当予定先であるMAP246の出資額、主たる出資者及び出資比率については、当社がストームハーバー証券(住所:東京都港区赤坂一丁目12番32号、代表取締役社長:渡邉佳史)を通じて、LCAO及びMAP246と一任契約を締結し、その運用を行っている、香港に所在する機関投資家であるLong Corridor Asset Management Limited(香港SFC登録番号:BMW115)(以下、「LCAM」といいます。)のInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本代表である西健一郎氏に確認したものの、開示の同意が得られていないため、記載しておりません。開示の同意を行わない理由につきましては、MAP246とLCAMとの間で締結した秘密保持契約に基づき守秘義務を負っているためと聞いております。
(注) 割当予定先の概要欄及び提出者と割当予定先との間の関係の欄は別途時点を特定していない限り本有価証券届出書提出日現在におけるものです。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るため、「既存事業の収益改善」と「新しい事業領域の開発」を実現するための取り組みを進めており、間接金融からの調達のみならず、直接金融からの調達も含め、資金調達方法を模索してまいりました。
そのような中で、2023年12月中旬頃、既存取引行よりストームハーバー証券株式会社(所在地:東京都港区赤坂一丁目12番32号、代表取締役社長:渡邉佳史。以下、「ストームハーバー証券」といいます。)の紹介を受け、上場維持基準の適合やPBR改善に向けた当社の資本政策等に関する情報提供及び助言をいただくとともに、資金調達スキームの提案を受け、検討を進めておりました。
当社は、今後の当社グループにおける成長戦略を強化し、M&A又は戦略的提携及び新規事業のための成長投資資金を十分に確保するとともに、上場維持基準の適合及びPBR改善に向けた当社株式の流動性向上を図る必要があったことから、2024年9月下旬頃、上記ストームハーバー証券から提案のあった資金調達について本格的に準備を開始することとし、ストームハーバー証券を当社の財務アドバイザーとして起用することといたしました。
ストームハーバー証券は、2009年に設立されたグローバルな金融市場に精通した独立系投資銀行であり、国内又は海外の機関投資家引受によるエクイティファイナンスやM&A・資本業務提携等、顧客企業の財務戦略・資本政策に関するアドバイザリー業務を幅広く展開しております。ストームハーバー証券は、顧客企業の財務アドバイザーとして、資金調達スキームを立案・構築した上で、そのグローバルなネットワークを活用して複数の国内又は海外の機関投資家の中から顧客企業の資金調達戦略に適すると考えられる割当先を選定し、本資金調達を含む財務戦略・資本政策全般に関する助言等を行う役割・機能を担っております。このように、ストームハーバー証券からは、当社の財務アドバイザーとして、割当先の紹介のみならず、本資金調達の実務面のプロセス等を含めて多岐にわたり助言・支援をいただけること、ストームハーバー証券が国内上場企業のエクイティファイナンス等に関する財務アドバイザーとして多数の実績を有すること、本資金調達以外の面においても当社の財務戦略及び資本政策全般に関して継続的に助言・支援をいただけること等から、当社は、ストームハーバー証券を本資金調達に関する財務アドバイザーとして起用いたしました。
その後、当社は、2024年10月上旬頃、ストームハーバー証券より割当予定先の紹介を受け、ストームハーバー証券を通じてLCAMより、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246に対する第三者割当による本新株予約権発行の提案を受けました。なお、ストームハーバー証券は、これまでも、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246を割当先とするエクイティファイナンスの案件を複数手掛けた実績があります。
LCAMは、香港本拠のマルチストラテジーファンドであり、米国の年金や大学基金を預かるファンドオブファンズが主な資金源であること、本拠地の香港に加え、東京に拠点を持ち、アジアの主要マーケットをカバーした投資プラットフォームを有しており、株式等を中心に様々なアセットクラスに投資し、事業会社に対するファンダメンタルズ分析に基づき投資を検討していること、投資形態は柔軟であり、経営には一切関与しない友好的な純投資家であること、LCAO及びMAP246は、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているケイマンに所在する免税有限責任資産運用会社(Exempted Company in Cayman with Limited Liability)及び分離ポートフォリオ会社(Segregated Portfolio Company)の分離ポートフォリオ(Segregated Portfolio)であることについて、ストームハーバー証券からの報告及びLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤治氏との面談等を通じて確認しております。
当社は、今後の当社グループにおける重要な成長戦略であるM&A又は戦略的提携及び新規事業のための成長投資資金を着実に調達するとともに、上場維持基準の適合及びPBR改善に向けた当社株式の流動性向上を達成するニーズを有していたところ、ストームハーバー証券及び割当予定先から提案を受けた資金調達スキームは、足元での資金需要に対応するための機動的な調達を実現できるとともに、自己株式を効率的に活用することによって当社株式の流動性向上を図ることが可能な資金調達スキームであったことから、今後の成長戦略に資する資金調達方法であると判断いたしました。
当社は、以上の内容に基づき、本第三者割当について検討を進めた結果、本提案が当社の資金調達ニーズを満たすものであったこと、LCAMのこれまでの国内での活動及び実績や保有方針等を総合的に勘案し、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246を本新株予約権の第三者割当の割当予定先とすることが適切であると判断いたしました。
本新株予約権の目的である株式の総数は1,000,000株であります。
割当予定先に割り当てる本新株予約権の目的である株式の数は、以下のとおりです。
本新株予約権:LCAO 800,000株
MAP246 200,000株
割当予定先であるLCAO及びMAP246との間で、本新株予約権の行使により取得する当社株式について、継続保有及び預託の取り決めはありません。なお、本新株予約権の行使後の当社株式に関する割当予定先の保有方針は純投資であり短期保有目的である旨、割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏から口頭で確認しております。当社と割当予定先の資産運用を一任されているLCAMとの協議において、本新株予約権の行使により取得する当社株式については、割当予定先が適宜市場売却等の方法により、市場の状況等を勘案し、株価への悪影響を極力排除する様に努めることを前提に適宜売却する方針である旨を口頭で確認しております。
なお、本新株予約権について、当社と割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく届出の効力発生後、本新株予約権引受契約を締結する予定です。
また、本新株予約権引受契約において、当社と割当予定先は、本新株予約権について、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同規程施行規則第436条第1項乃至第5項、並びに日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」第13条の定めに基づき、原則として、単一暦月中に割当予定先が本新株予約権を行使することにより取得される株式数が、本新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える部分に係る行使(以下、「制限超過行使」といいます。)を制限するよう措置を講じる予定です。
具体的には、以下の内容を本新株予約権引受契約で締結する予定です。①割当予定先が制限超過行使を行わないこと、②割当予定先が本新株予約権を行使する場合、あらかじめ、当社に対し、本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行うこと、③割当予定先が本新株予約権を転売する場合には、あらかじめ、転売先となる者に対し、当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること、④割当予定先は、転売先となる者がさらに第三者に転売する場合も、あらかじめ当該第三者に対し当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること、⑤当社は割当予定先による制限超過行使を行わせないこと、⑥当社は、割当予定先からの転売先となる者(転売先となる者から転売を受ける第三者を含みます。)との間で、当社と割当予定先が合意する制限超過行使の制限と同様の合意を行うこと等の内容について、本新株予約権引受契約により合意する予定です。
当社は、割当予定先のうちLCAOについて、2023年12月期のErnst&Youngによる監査済み財務書類及びLCAOの保有財産の裏付けとなるプライム・ブローカーの2024年9月27日から同年10月2日現在までにおける残高証明書を確認するとともに、LCAOより資金拠出を確約するコミットメントレターを受領しております。当社は、LCAOの財務書類に記載されるキャッシュフロー上の入出金の金額及びLCAOが現在運用している資金の残高を確認するとともに、上記残高証明書の日付以降LCAOの保有財産に重大な変更がないことを上記書類の確認と併せて割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏からのヒアリングにより確認いたしました。
同様に、当社は、割当予定先のうちMAP246について、2023年12月期のGrant Thorntonによる監査済み財務書類及びMAP246の保有財産の裏付けとなるプライム・ブローカーの2024年9月26日から2024年10月1日現在までにおける残高証明書を確認するとともに、MAP246より資金拠出を確約するコミットメントレターを受領しております。当社は、MAP246の財務書類に記載されるキャッシュフロー上の入出金の金額及びMAP246が現在運用している資金の残高を確認するとともに、上記残高証明書の日付以降MAP246の保有財産に重大な変更がないことを上記書類の確認と併せて割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏からのヒアリングにより確認いたしました。
したがって、本新株予約権の発行に係る払込み及び本新株予約権の行使に要する資金の確保状況について問題はないものと判断しております。
当社は、①割当予定先及びLCAM、②割当予定先の出資者及びディレクター、並びに③LCAMの出資者及びディレクター(以下、「割当予定先関係者」と総称します。)が、反社会的勢力と何らかの関係を有しているか否かについて、第三者調査機関である株式会社セキュリティ&リサーチ(住所:東京都港区赤坂二丁目16番6号、代表取締役:羽田寿次)に調査を依頼しました。割当予定先であるMAP246については、英国領ケイマン島に設立された分離ポートフォリオ会社(Segregated Portfolio Company)であるLMA SPCの分離ポートフォリオ(Segregated Portfolio)であることから、調査対象をLMA SPC(所在地:Walkers Corporate Limited, 27 Hospital Road, George Town, KY, KY1-9008、代表者:Jon Scott Perkins(Director)、Robert Swan(Director))としております。当該調査の結果、割当予定先関係者について、反社会的勢力である又は反社会的勢力と何らかの関係を有している旨の報告はありませんでした。以上のことから、当社は割当予定先及び割当予定先の主な出資者並びに業務執行組合員が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。
本新株予約権は、会社法第236条第1項第6号に定める新株予約権の譲渡制限はありませんが、本新株予約権引受契約の規定により、割当予定先は、当社の事前の書面による承認なく、本新株予約権を譲渡することができない旨の制限が付されております。但し、割当予定先が、本新株予約権の行使により交付された株式を第三者に譲渡することを妨げません。本新株予約権の譲渡承認にあたり、当社は、譲受先の本人確認、反社会的勢力との関係の有無、本新株予約権行使のための払込原資及び譲受先の保有方針等に関する確認を事前に実施いたします。本新株予約権の譲渡がなされた場合には、直ちにその内容について開示いたします。
本新株予約権の発行価額は、第三者算定機関である株式会社Stewart McLaren(所在地:東京都港区白金台五丁目9番5号、代表取締役:小幡治)に算定を依頼しました。当社は、財務アドバイザーであるストームハーバー証券株式会社より、当該算定機関の紹介を受けたところ、当該算定機関が新株予約権の発行実務及び価値評価に関する十分な専門知識・経験を有すると認められること、当社との間に資本関係・人的関係等はなく、また、当該算定機関は当社の会計監査を行っている者でもないため当社との継続的な契約関係が存在せず、当社経営陣から一定程度独立していると認められること等に鑑み、当該算定機関を本新株予約権の第三者算定機関として選定いたしました。
当該算定機関は、価格算定に使用する価格算定手法の決定に当たって、境界条件から解析的に解を求めるブラック・ショールズ方程式や格子モデルといった他の価格算定手法との比較及び検討を実施した上で、一定株数及び一定期間の制約の中で段階的な権利行使がなされること、並びに本新株予約権の発行要項及び割当予定先との間で締結する予定の本買受契約に定められたその他の諸条件を適切に算定結果に反映できる価格算定手法として、一般的な価格算定手法のうち汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法(モンテカルロ法)を用いて本新株予約権の評価を実施しています。
汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法(モンテカルロ法を含む)は、新株予約権の原資産である株式の価格が汎用ブラック・ショールズ方程式で定義されている確率過程で変動すると仮定し、その確率過程に含まれる標準正規乱数を繰り返し発生させて将来の株式の価格経路を任意の試行回数分得ることで、それぞれの経路上での新株予約権権利行使から発生するペイオフ(金額と時期)の現在価値を求め、これらの平均値から理論的な公正価値を得る手法です。
当該算定機関は、本新株予約権の諸条件、新株予約権の発行決議に先立つ算定基準日である2024年12月18日における当社普通株式の株価終値420円/株、当社普通株式の価格の変動率(ボラティリティ)51.09%(過去3.05年間の日次株価を利用)、満期までの期間3.05年、配当利率1.43%、非危険利子率0.59%、当社の行動、割当予定先の行動を考慮して、一般的な価格算定モデルである汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法を用いて、本新株予約権の評価を実施しました。
本新株予約権の価値評価にあたっては、当社は、2025年1月7日以降、金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、20取引日連続して、当該各取引日における行使価額の200%を超えた場合、当社取締役会が別途定める日(取得日)の2週間前までに割当予定先に対する通知を行うことにより、当該取得日において本新株予約権1個につき発行価額で、当該取得日に残存する本新株予約権の全部又は一部を取得することができると想定しており、当社は基本的に割当予定先による権利行使を待つものとしています。また、当社に付された取得条項は、発行要項上、2025年1月7日以降、いつでも行使することが可能な権利とされております。
なお、上記のとおり、当社は、株価が一定程度上昇した場合、残存する本新株予約権を全部取得するものと想定しており、当該評価においてはその水準を当該各取引日における行使価額の200%以上となった場合と設定しております。発行要項上取得条項は任意コール(ソフトコール)であり、同条項が発動される具体的な株価水準は定められていません。通常任意コールの発動は取得者の収益が正の値を取る場合に行われるため、この発動水準を行使価額の100%と設定する場合もあります。しかし、本新株予約権の算定においてはこの発動水準を保守的に設定し、2025年1月7日以降、金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、20取引日連続して、当該各取引日における行使価額の200%を超えた場合、当社は、当社取締役会が別途定める日(取得日)の2週間前までに割当予定先に対する通知を行うことにより、当該取得日において本新株予約権1個につき発行価額で、当該取得日に残存する本新株予約権の全部又は一部を取得することができると想定しております。発動水準を200%と設定した理由は、当社がより有利な代替資金調達手法を確保することという既存株主の保護の観点を加味し、代替資金調達コストをCAPMと調達金利から10%程度と見積もり、取得条項を発動する株価水準は、行使価額に代替資金調達コストを加えた水準をさらに保守的に設定しました。これは、株価が当該水準を超えた場合、対象新株予約権による資金調達よりも代替の資金調達の方が、調達コストが安価となり、企業が株主価値の最大化のため取得条項を発動することが合理的と考えられるためです。
また、割当予定先の行動は、当社株価が権利行使価格を上回っている場合に随時権利行使を行い、取得した株式を直近3年間にわたる当社普通株式の1日当たり平均売買出来高の約10%で売却することと仮定しております。本新株予約権には、行使コミット条項が付帯されており、割当予定先は、2025年1月7日以降、504計算対象日の期間内に、保有する本新株予約権の全てを行使するものとし、そのうち本新株予約権2,500個については126計算対象日の期間内に行使するものと想定しております。
これらの算定方法により、当該算定機関の算定結果として、本新株予約権の1個当たりの払込金額は404円となりました。また、本新株予約権の行使価額は、当初、420円としました。本新株予約権の行使価額の修正に係るディスカウント率は、当社普通株式の株価動向等を勘案した上で、割当予定先との間での協議を経て、10%としました。
本新株予約権の払込金額の決定に当たっては、当該算定機関が公正な評価額に影響を及ぼす可能性のある事象を前提として考慮し、新株予約権の評価額の算定手法として一般的に用いられている汎用ブラック・ショールズ方程式を用いて公正価値を算定していることから、当該算定機関の算定結果は合理的な公正価格であると考えられるところ、払込金額が算定結果である評価額を参考に、当該評価額と同額で、割当予定先との間での協議を経て決定されているため、本新株予約権の払込金額は、有利発行には該当せず、適正かつ妥当な価額であると判断いたしました。
さらに、当社監査等委員3名全員(うち会社法上の社外取締役2名)から、発行価額が割当予定先に特に有利でないことに関し、上記算定根拠に照らして検討した結果、有利発行に該当せず、適法である旨の見解を得ております。
本新株予約権の目的である株式の総数は1,000,000株であり、本新株予約権が全て行使された場合に交付される株式数は1,000,000株(議決権数10,000個)であります。さらに、2024年9月30日現在の当社発行済株式総数6,078,000株(自己株式及び単元未満株式を除く当社普通株式に係る議決権数41,679個)を分母とする希薄化率は16.45%(自己株式及び単元未満株式を除く当社普通株式に係る議決権の総数に対する割合は23.99%。小数第3位四捨五入)の希薄化をもたらすこととなります。
しかしながら、前述のとおり今回の資金調達における資金使途は、①M&A又は戦略的提携のための成長投資資金、②新規事業のための成長投資資金であり、今回の新株予約権の募集による資金調達を成功させ、上記資金使途に充当することで、当社のさらなる企業価値向上を図ることが可能となります。したがいまして、当社といたしましては、今回の第三者割当による新株予約権の募集は、当社の企業価値及び株式価値の向上を図るためには必要不可欠な規模及び数量であると考えております。なお、将来何らかの事由により資金調達の必要性が薄れた場合、又は本新株予約権より有利な資金調達方法が利用可能となった場合には、当社の判断により、残存する新株予約権を取得できる条項を付すことで、必要以上の希薄化が進行しないように配慮しております。
また、本新株予約権が全て行使された場合に交付される当社の普通株式数1,000,000株に対し、2024年12月18日から起算した当社株式の過去6か月間における1日あたりの平均売買出来高は346,244株、過去3か月間における1日あたりの平均売買出来高は673,162株、過去1か月間における1日あたりの平均売買出来高は211,474株となっております。したがいまして、市場で売却することによる流通市場への影響は、行使期間である3年間(年間取引日数:245日/年営業日で計算)で行使して希薄化規模が最大となった場合、1日あたりの売却数量の概算は1,361株であり、上記過去6か月間における1日あたりの平均売買出来高の0.39%にとどまることから、当社株式は、本新株予約権の目的である株式の総数を勘案しても一定の流動性を有しており、本新株予約権の行使により交付された当社株式の売却は、当社株式の流動性によって十分に吸収可能であると判断しております。
該当事項はありません。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2024年9月30日現在の株主名簿を基準として記載をしております。
2.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出にあたっては、「割当後の所有株式数」に係る議決権の数を、2024年9月30日現在の総議決権数(41,679個)に本新株予約権の目的である株式の総数に係る議決権数(10,000個)を加算した数(51,679個)で除して算出しております。
3.「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点以下第3位を四捨五入して算出しております。
4.割当予定先の「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、本新株予約権を全て行使した上で取得する当該株式を全て保有したと仮定した場合の数となります。本新株予約権の行使後の当社株式に関する割当予定先の保有方針は、純投資であり、長期間保有する意思を表明しておりませんため、本新株予約権の発行後の大株主の状況は直ちに変動する可能性があります。
5.割当予定先が本新株予約権を行使した場合、当社が保有する自己株式を保有する予定です。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
第1 【公開買付け又は株式交付の概要】
該当事項はありません。
第2 【統合財務情報】
該当事項はありません。
第3 【発行者(その関連者)と対象者との重要な契約(発行者(その関連者)と株式交付子会社との重要な契約)】
該当事項はありません。
後記「第四部 組込情報」の有価証券報告書(第73期)及び半期報告書(第74期中)(以下、「有価証券報告書等」といいます。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後本有価証券届出書提出日(2024年12月19日)までの間に生じた変更その他の事由はありません。
また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、本有価証券届出書提出日(2024年12月19日)現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載する将来に関する事項もありません。
次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。
なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております。
該当事項はありません。
第1 【保証会社及び連動子会社の最近の財務諸表又は財務書類】
該当事項はありません。