文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」というビジョンを掲げ、デジタル化によって生じる新たなリスクの解決だけでなく、社会へのデジタル化実装の支援に取り組んでおります。
② 中長期的な会社の経営戦略
第1期(2022年2月期~2024年2月期)中期経営計画では、非連続なトップラインの成長を掲げて、事業成長に取り組んでおりました。第2期(2025年2月期~2027年2月期)には、収益基盤の強化を最優先テーマとして、営業利益を最重要指標として、以下の重点施策を実施してまいります。なお、2024年5月16日公表の「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」において、スマートシティ事業をセグメントとして新設しておりますので、4つの事業について記載しております。
(ア)デジタルリスク事業
持続的な成長を支えるグループの収益基盤として、エルテスグループを牽引してきたソーシャルリスク領域に加えて、複数の営業秘密持ち出しインシデントの発生を受け、日本を代表する企業群への導入が進む内部脅威検知サービスを中心としたインターナルリスク領域の伸長による売上高および収益面の向上に取り組みます。
(イ)AIセキュリティ事業
警備業界のDX化で新時代の安全保障の在り方の創造を目指しております。デジタルプロダクトの活用などを通じて、警備事業の規模を拡大するとともに、警備会社へDXプロダクト展開を図り、次代の中核事業とすべく売上高および収益面での伸長に取り組みます。
(ウ)DX推進事業
「デジタル田園都市国家構想」などの社会トレンドを追い風に、行政サービスのデジタル化支援を中心に自治体DXサービスの展開拡大を目指します。さらに、SESとラボ型開発のハイブリットで企業向けのDX領域での取り組みを拡大し、次代の中核事業とすべく売上高および収益面の伸長に取り組みます。
(エ)スマートシティ事業
プロパティ・マネジメント事業のデジタル化から着手し、そのデジタル化の領域をビル・施設、そして地域に広げることで、最新テクノロジー・データを活用した居住空間のデジタル化を目指します。今後、プロパティ・マネジメント領域のデジタル化による収益化を図りつつも、次代の中核事業を目指して、事業育成に取り組みます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。
第14期から第16期の3カ年を対象とした中期経営計画「Build Up Eltes」においては、営業利益を最重要指標として、企業価値の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境および対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの事業に関連する市場においては、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されており、デジタル化が進むことで新たなリスクが生じるため、当社グループが立脚する市場は拡大すると考えております。
② 対処すべき課題
中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えており、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。
(ア)デジタルリスク事業における収益基盤の強化
中長期的な企業価値向上には、持続的な成長を支える収益基盤の拡大が不可欠であると考えております。高収益プロダクトの販売強化と、AI活用、自動化等による生産性向上によって、収益基盤の強化を進めてまいります。また重点市場においては他領域の企業と積極的にアライアンスを展開し、統合的に捉えたサービスの拡充によって収益性の向上を図ります。
(イ)AIセキュリティ事業、DX推進事業の利益貢献拡大
当社グループでは、警備業界のデジタル化、行政サービスのデジタル化を促進するプロダクトの開発・展開に取り組み、健全なデジタル社会の発展に寄与する新たな事業の創出と育成に挑戦しております。警備業界のデジタル化を促進する「AIK order」においては、営業・マーケティング活動の強化による新規登録ユーザーの獲得と、登録ユーザーの利用促進を行うカスタマーサクセスを強化、行政サービスのデジタル化を実現するDX-Pand及びスマート公共ラボの拡販に注力し、さらなる利益貢献を目指します。
(ウ)グループ経営管理
中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えております。経営戦略本部、組織マネジメント本部を中心にグループ各社の経営資源を一元的に管理し、業績管理のモニタリング体制の強化、グループ各社のシナジーを最大化するよう努めて参ります。
(エ)人材の育成
中長期的な企業価値向上には、競争優位性を高めるための多様な人材の継続的な強化が不可欠と考えております。グループ内における人材の適材適所への柔軟な配置転換や研修などの人的資本投資の強化により、能力向上の機会を創出し、人材の育成を強化致します。
(オ)優秀な人材の確保
事業の成長には、優秀な人材の確保が不可欠と考えております。人材育成の取組と並行して、優秀な人材確保に向けた、人事評価制度の整備、多様な働き方を可能にする人事制度の充実、研修制度などの教育基盤の強化に取り組んで参ります。また、採用広報活動などにも投資し、優秀な人材獲得に努めます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、デジタル化によって生じる新たなリスク対策、自治体へのデジタル化支援などを提供する企業として、社会から広く信頼を得る企業として高品質かつ発展的なサービスの提供を行うとともに、株主などのステークホルダーの期待に応えるため企業価値の向上を図ること、及び法令遵守と経営の透明性を確保するために、サステナビリティをめぐる課題への取り組みを推進することが重要であると認識しており、サステナビリティに関する課題にエルテスを中心としてグループで取り組んでまいります。また、グループ規模の拡大に伴い、企業モラルの維持・コンプライアンスや社会的責任への貢献など一層の高度かつ、健全で透明性のあるガバナンス体制が必要であると考えており、それらの構築に取り組んでおります。
当社グループは、2024年5月にアップデートした「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける」というミッションを掲げ、デジタル化によって生じたリスク対策サービスや、デジタル化を支援しています。
サービスの持続的な発展・拡大と、それがもたらす企業の中長期的な価値向上においては、人材を最も重要な経営資源と位置付けております。多様性に富んだ優秀な人材を採用し、事業・サービスの前進に取り組める人材の育成及び社内環境整備に努めてまいります。
当社グループでは、サステナビリティに関するリスク及び機会を経営上のリスク及び機会と一体的に管理しております。詳細は、
当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針を定めておりません。そのため、定量的な指標や目標は設定しておりませんが、指標や目標の設定要否及びその内容も引き続き検討してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
ソーシャルメディアの活性化などに伴い、ビッグデータ関連ビジネスが推進されております。しかしながら、法令等の改定により、ビッグデータの利用について何らかの規制が生じた場合には、サービス提供のための情報収集やサービス提供の手法自体に何らかの制約が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② SNS情報取得について
当社グループは、ソーシャルメディアから生成されるビッグデータをソフトウエアにより自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針により収集に制限が加えられた場合や禁止された場合には、サービスの品質が低下、情報収集のための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
データ解析に関連する技術の進化に合わせて、当社グループは継続的な技術開発に取り組んでおります。しかしながら、技術開発が想定通りに進まず、機能不全などのサービス品質の低下や、追加開発によるコスト発生が、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
デジタルリスク関連市場は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落、又は、価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在は、多くの企業や消費者がソーシャルメディアの積極的利用を行っており、それに伴いソーシャルリスクマネジメントに対する意識も高まっております。しかしながら、ソーシャルメディア自体が衰退し、利用者数が減少した場合には、関連する投稿数や記事数が減少し、ソーシャルメディアに起因するリスクが低下することが予想されるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法規制について
当社グループの事業は、警備業法をはじめとした厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されております。そのため、業務管理及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス意識の維持、向上に努めておりますが、これらの関係法令に違反した場合、処罰の対象となり、営業停止等の行政処分を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの関係法令に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 人材の確保や育成について
事業拡大に伴う優秀な人材の確保と育成が重要な課題であり、実務を担うデータアナリストやエンジニアをはじめ、内部での人材育成及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、採用や育成に支障をきたす事態や雇用に支障をきたす事態が発生した場合には、円滑な業務の遂行及び積極的な受注活動が阻害されるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは警備事業において、継続的な人材確保を必要としております。少子化の進行などに伴い人材確保が困難となり必要な要員配置が出来なかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、年間を通じてグループ横断的な採用に注力する他、女性警備員の増員、グループ全体での人材配置の最適化、デジタル化による業務の効率化や生産性の向上に努めております。
当社グループは、24時間365日体制でサービス提供しておりますが、通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼動することが前提であります。そのため、災害や事故による通信ネットワークの切断、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入やソフトウエアの不具合などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、また、障害や不具合の原因が当社にあった場合には、 顧客企業からの信頼度が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の営業機密や社内情報等の機密情報を扱う場合があり、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS「ISO/IEC 27001:2013」、「ISO/IEC 27017:2015」の認証を取得するなど、規程やマニュアル等に従った体制や教育の下で、機密情報を厳しく管理しております。しかしながら、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、高い公共性を有するインターネットにおいて、リスクマネジメントを支援する事業会社グループとして、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設け、社会から信頼される健全性と倫理観を常に保持するための取り組みが有効かつ継続的に機能する体制を運用しております。しかしながら、何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する知的財産権に関しては、商標登録等を行っており、今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定であります。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、従業員に対して知的財産権についての研修、理解度の確認を行い、啓発を図っており、また業務上で不適切な取扱いがないよう可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、認識せずに侵害してしまう可能性が否定できず、この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大等のため、会社を買収することがあります。買収した会社の業績が買収決定時の事業計画と大きく乖離した場合、のれんなどの無形固定資産、その他有形固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、買収した会社の業績については、常時管理体制を構築しており、買収決定時の事業計画と実績の乖離が認められた場合には、速やかに対応策を実行することとしております。
また、当社グループは、ビッグデータ解析ノウハウや事業基盤を活かし、デジタルリスク関連事業への投資事業を行っております。投資先の業績業況によっては、投資が回収できなくなる可能性や減損会計の適用による評価損が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう厳格に審査の上、総合的な経営判断のもと、対応方針を決定しております。
⑬ 内部管理体制について
当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及びルールの遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は子会社の事業運営に関して管理責任を有しており、グループ全体のリスク管理体制やコンプライアンス体制を運用する必要があります。グループガバナンスの強化の観点から、業務執行の報告を適時受け、連携してリスク対応を行うとともに、当社から取締役等を派遣して経営全般にわたる管理及び業務改善に指導助言を実施するなど、コンプライアンス遵守に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により統制機能が不十分となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 代表取締役への依存について
当社創業者である菅原貴弘は、当社の大株主かつ代表取締役であり、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中核として、重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。当社グループは権限委譲、幹部社員の採用・育成等により、同氏に過度に依存しない経営体制の整備に努めていますが、何らかの理由により、同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、優秀な人材確保のため、従業員等に新株予約権を付与するインセンティブプランを採用しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は1,620,800株であり、同日現在の発行済株式総数(自己株式を除く)6,033,257株の26.9%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における当社グループを取り巻く経済環境は、世界的な金融引き締めに伴う影響により不透明感はありましたが、経済活動は緩やかに正常化に向かっております。通信インフラの高度化やデジタルサービス、SNSの普及や多様化とともに、データ流通量は爆発的な増加傾向(総務省「情報通信白書令和5年版」)にあります。新型コロナウイルス感染拡大後は非接触・非対面での生活を可能とするデジタル化が日常となり、オンラインショッピングや動画視聴サービスなどの利用が拡張、またあらゆる主体や個人が情報の発信者となり得るSNSの活用も進んでいます。一方で、SNSをはじめとした動画配信・投稿サイトにおける偽・誤情報拡散や炎上事象、ネット上の誹謗中傷の投稿、組織内部からの機密情報持ちだしなど課題も多発、日本経済活動に与える影響は甚大かつ深刻化しており、国内外の情報セキュリティの市場規模は年々伸張の一途をたどり、当社グループのニーズは益々高まっております。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ897,622千円増加し、6,898,024千円となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、2,926,618千円となり、前連結会計年度末に比べ417,580千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が100,624千円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が601,930千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、3,971,405千円となり、前連結会計年度末に比べ480,041千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが195,497千円増加、のれんが27,049千円増加、投資有価証券が17,868千円増加、および繰延税金資産が259,172千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ622,750千円増加し、4,288,137千円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ700,071千円増加し、2,039,448千円となりました。これは主に買掛金が89,047千円増加、短期借入金が441,200千円増加、1年内返済予定の長期借入金が238,563千円増加し、一方で未払金が100,634千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ77,320千円減少し、2,248,689千円となりました。これは主に長期借入金が65,433千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ274,871千円増加し、2,609,886千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益257,302千円等によるものであります。
(b) 経営成績
当連結会計年度の連結業績において、企業や自治体における業務効率の向上を期待したデジタル化とそれらによって生じる新たなリスクへの対策や、中長期的な少子高齢化に伴う人口減少を見越したDX化による行政サービスの利便性向上、地域経済活性化、IT人材の育成や雇用再生など様々な課題に取り組んでおります。これらの社会的な追い風を受けて、当社グループでは創業以来過去最高の売上を達成致しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、今後の業績見通しを踏まえ繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等調整額△248,609千円(△は利益)を計上したことにより、業績予想を大幅に上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は6,535,138千円(前年同期比39.5%増)となり、EBITDAは557,179千円(前年同期比24.8%増)、営業利益は182,077千円(前年同期比10.1%減)、経常利益は143,528千円(前年同期比0.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は257,302千円(前年同期比503.4%増)となりました。
(注) 当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から非現金支出項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。
・EBITDA=税引前当期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費
(c) セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デジタルリスク事業)
デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスク対策を支援するソーシャルリスク対策と営業秘密情報の持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。
ソーシャルリスク対策は、リスク検知時の初動対応コンサルティングを含むWebリスクモニタリングを主力サービスとして提供しております。また、SNSリスク低減のための社内規程作成支援や従業員向け研修の提供など、幅広い形で企業のSNSリスク対策を支援致しました。
インターナルリスク対策は、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出し対策や、経済安全保障の観点による情報管理強化支援を目的に製造業・金融業を中心に新規導入が進み、KPIとしていたユーザーID数が2024年2月期の目標の20万IDを大きく上回り、27.6万IDに達しました。さらに将来の提供強化のために即戦力のアナリスト人材の獲得にも注力しております。
以上の結果、売上高は2,633,806千円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は1,092,059千円(前年同期比23.6%増)となりました。
(AIセキュリティ事業)
AIセキュリティ事業は、フィジカルな警備サービス事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備業界のDXを推進しております。
株式会社AIKの主要サービスである「AIK order」に加えて、警備管制DXシステム「AIK assign」の提供によって、警備業界のDX推進に取り組んでいます。また、IT業界での採用ノウハウを駆使した警備サービスでの採用活動の成果をもとにした、採用支援ソリューションの提供も開始しました。また、警備サービス事業においては、イベント再開や警備業界の人手不足による需要増加、株式会社And Securityの大阪支店を立ち上げによるさらなる新規開拓を行い、前期から強化してきた警備員の採用活動も奏功し、順調に業績を拡大しております。
以上の結果、売上高は1,522,762千円(前年同期比14.1%増)、セグメント利益は39,162千円(前年同期は34,855千円のセグメント損失)となりました。
(DX推進事業)
DX推進事業は、行政の住民サービスのデジタル化支援、エンジニアなどのDX人材の派遣サービス、プロパティマネジメントサービスを展開しております。
行政の住民サービスのデジタル化支援では、デジタル田園都市国家構想の追い風を受けながら、各自治体へのDX-Pand、スマート公共ラボの活用が進んでおり、行政クライアント数は100に達しました。また、複数プロジェクトを推進できる社内体制構築、DX人材の派遣サービス強化に向けた採用活動を強化しております。
エンジニアなどのDX人材の派遣サービスにおいては、株式会社JAPANDX、株式会社GloLing、プレイネクストラボ株式会社の3社の連携強化を目的に、オフィス統合や人材交流などの取り組みを推進しております。
以上の結果、売上高は2,501,683千円(前年同期比141.0%増)、セグメント利益は18,151千円(前年同期は84,739千円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,624千円減少し、1,556,163千円となりました。
営業活動の結果使用した資金は、76千円(前年同期は、715,090千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益82,804千円、減価償却費98,476千円、のれん償却額349,208千円、投資有価証券評価損58,639千円、売上債権の増加額522,906千円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、690,382千円(前年同期は、3,110,535千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出144,518千円、投資有価証券の取得による支出110,833千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出367,589千円によるものであります。
財務活動の結果獲得した資金は、589,847千円(前年同期は、2,785,626千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額441,200千円、長期借入れによる収入750,000千円、長期借入金の返済による支出615,222千円等によるものであります。
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。
現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。
当社グループの事業に関連する市場においては、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されております。デジタル化が進むことで新たなリスクが生じるため、当社グループが立脚する市場は拡大すると考えております。特に、経済安全保障などにも関連し、セキュリティに対する関心が高まっており、利便性と両立する安全なデジタル化に関する需要が増大していると考えられます。中核事業が立脚するインターネット市場においても、市場は堅調な回復傾向にあるものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは第1期(2022年2月期~2024年2月期)中期経営計画「The Road To 2024」を策定し、中長期的な企業価値の向上を目指しておりました。そして、2024年5月16日に開示の通り第2期(2025年2月期~2027年2月期)中期経営計画「Build Up Eltes」を策定し、営業利益を最重要指標として、企業価値向上に取り組んでまいります。
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」というビジョンのもと、デジタル化によって生じる新たなリスク対策や、リスクを恐れたデジタル化の停滞を防ぐDX支援に取り組んでいます。日々変化するテクノロジーの変化に対応するため、ビッグデータ処理技術の向上、自然言語処理技術の多言語対応、統計解析・機械学習、データビジュアライゼーションに関する研究開発を行っております。また、技術開発効率を高めるべく、先端技術の導入を目的とした大学との共同研究や専門性を持ったパートナー企業とのアライアンスを推進しております。
当連結会計年度における研究開発費は、
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。
DX推進事業においては、事業会社DX領域でのサービス開発への投資を行い、当連結会計年度における研究開発費の金額は