第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、2019年5月をもって創業から20年を迎えたことを機に、今後のグループの方向性を見据え、下記のとおり、新たに経営理念を策定いたしました。
・私たちは、継続的にチャンスを切り拓き、世界のマーケットで成長します。
・私たちは、常にスピードをもって、クリエイティブにチャレンジします。
・私たちは、個性豊かな事業会社が互いに尊重し、連携し合うことで、新しい価値を創造します。
・私たちは、外食業界の未来のために、リーディングカンパニーとして、イノベーションを起こします。
・私たちは、お客様に彩り豊かな食のシーンを提供し続けることで、社会に貢献します。

このような経営理念のもと、グループとしての社会的責任を果たしながら、企業価値向上に向け、努力してまいります。
 

(2)重視する経営指標

当社グループでは、経営効率を高め安定した財務体質を維持しつつ、持続的成長を達成するために、以下の経営指標を重視しております。

① 連結売上収益

当社グループは、「グループ連邦経営」を推進しており、国内外のオーガニックな成長とともに、積極的な国内外のM&Aの実行等により、中長期的には、連結売上収益2,000億円の達成を目指してまいります。

② 調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン

当社グループは、事業状況を判断する上で、有用な指標として調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンを重視しております。

なお、調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンは、以下の算式により算出しております。

・調整後EBITDA = 営業利益 + その他営業費用 - その他営業収益(協賛金収入を除く) + 減価償却費
 + 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)

・調整後EBITDAマージン = 調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループを取り巻く環境は、経済政策等の各種政策の効果による景気回復やお客様の嗜好、ライフスタイルの多様化、中食を含めた競争の激化、良質な人財確保等の外部環境の変化、また、当社におきましても、M&Aの実行によるグループ事業会社の増加、グループ拡大に伴う戦略、文化、立地の多様化、海外事業展開の開始等、大きく変化してまいりました。

当社グループは2013年以降M&Aを積極的に実施し、多様な企業文化をもつ事業会社の良さを活かし、グループとして成長を図る「グループ連邦経営」を軸に成長してまいりました。しかしながら現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの店舗は、「緊急事態宣言」を受け、一時休業となる商業施設内にある店舗や繁華街の居酒屋業態等において、多くの店舗が一時休業を余儀なくされたほか、現在でも営業時間を短縮している店舗も多数あります。

このような環境のなか、当社グループとしては、コストを極力圧縮することを通じて、損失を最小限にとどめることを目的に、休業店舗の従業員の一時帰休等による人件費削減、家賃の減免交渉、新規投資の抑制等、あらゆる手段を通じて支出を削減しております。また一方で、資金面の手当てについても万全を期していきたいと考えております。また、中期的にもポストコロナ時代に対応した、新しい業態や店舗のあり方を従来の枠組みにとらわれず検討し、お客様の新しいニーズに対応してまいります。

グループ一丸となって臨機応変に対応していくことで、この危機を乗り越え、将来に向けた事業基盤を強化してまいります。

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社は、食の安全性に対する消費者意識の高まりや、外部環境の厳しさが増すと目される中、以下の課題に適切に対処してまいります。

 

① 新型コロナウイルス感染症への対応

世界的な大問題となっている新型コロナウイルス感染症は、お客様の外食機会の大幅な減少を通じて、当産業を直撃しております。当社グループも、足許はこの感染症により、多くの店舗で休業・営業時間短縮を余儀なくされており、売上収益は大幅に減少しております。2021年2月期につきましては、まずは、この感染症への対応に全力を注ぐことが喫緊の課題であると認識しております。具体的な対応としては、コストを極力圧縮することを通じて、損害を最小限にとどめることを目的に、休業店舗の従業員の一時帰休等による人件費削減、家賃の減免交渉、新規投資の抑制等、あらゆる手段を通じて支出を削減しております。また一方で、資金面の手当てについても万全を期していきたいと考えており、今後も外出自粛等による売上高の減少が長期継続化するリスクに備え、グループ経営の安定化を図るべく、機動的に銀行借り入れを実行し、手元流動性を厚く保持することで、資金繰りに懸念なきよう財務基盤を整備してまいります。なお、上記施策の実行により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

かかる状況下、グループ一丸となって臨機応変に対応していくことで、この危機を乗り越え、将来に向けた事業基盤を強化してまいります。

② 「食の安全・安心」への取り組み

お客様に「安全」なメニューをご提供し、「安心」して召し上がって頂けるようにすることは、飲食企業にとって最重要事項であると認識しております。当社グループといたしましては、「食の安全・安心」に対する全役職員の意識浸透及びレベルアップに全力で取り組んでまいります。

具体的には、お客様の目線から見た「食の安全・安心」に関するモラルについて、従業員に対するメッセージを繰り返し発信すると共に、経営理念の中核にあるのが「お客様からの信頼」であることを広く浸透させる取り組みを実施しております。また、食の安全安心推進室を中心に、料理や食材の取り扱いに関するマニュアルを随時見直し、これに基づく従業員教育の徹底、店舗オペレーションの強化に努めております。更に、店舗と本社の情報共有の仕組みを見直し、社内及びグループ間の報告・連絡体制を迅速化することに加え、店舗内のコミュニケーション及びチームワークの強化に取り組んでおります。

③ お客様から支持される商品及び業態開発の推進

お客様の食に対するニーズは、近年のスマートフォンやSNS等の普及による情報収集力の向上やライフスタイルの変化等により多様化が進んでおり、加えてニーズの変化のスピードも速まっている中、業態(ブランド)及び立地の陳腐化も早まる傾向にあります。

当社グループでは、このようなニーズの変化に機敏に対応していくために、グループ事業戦略本部を中心に、立地や店舗の規模に合う新たな業態の創出や、マーケティング調査等に取り組んでおります。今後もお客様のニーズに的確かつスピーディーに対応するため、マーチャンダイジングの強化を図ると共に、立地特性に応じた業態開発を推進してまいります。

④ 競争力強化に向けた各グループ事業会社の育成

今後も『グループ連邦経営』を推進するにあたり、各グループ事業会社の競争力の強化は当社グループの持続的成長にとって重要であり、各社の競争状況、役割、ステージに応じた効果的な経営指導及び機動的かつ最適な経営資源の配分を行っていくことが必要であると認識しております。そのために、当社が各社の経営状態を的確に把握できる管理体制の強化に努めるとともに、複数の専門的かつ特徴的な企業文化、戦略を持つ各社の経営陣が、グループ内にてそれぞれのノウハウや情報交換等を密に行い、個々の経営力を拡充することができ、加えて、各グループ事業会社が成長に向け、迅速かつ最適な意思決定が可能となる組織体制及び環境を整えてまいります。また、各グループ事業会社の内部統制に係る体制につきましてもより一層の整備に努めることで、企業体質の強化を図ってまいります。

⑤ 本社機能の更なる強化

『グループ連邦経営』の当社の役割として、グループ全体の経営戦略を策定、実行することのほかに、各グループ事業会社が持続的な成長戦略の実行に集中できる環境(プラットフォーム)を提供することも必要であると認識しております。具体的には、各社の間接部門業務の集約化、標準化による効率性の向上と多様な立地・業態に対する開発機能の強化、原材料・設備等の集約化によるコスト面でのシナジーの最大化、食の安全・安心やコンプライアンスに関連する情報の提供等において一層の強化に取り組み、各社の収益性の最大化に資する支援体制強化に努めるとともに、グループガバナンスの更なる強化に取り組んでまいります。

 

⑥ グローバル展開

現在、当社グループはアジア3か国、北米1か国に店舗を展開しておりますが、継続的な海外への展開は重要な課題の一つととらえております。それぞれの拠点が自律的に経営を行うこと、M&A及び出店により、ポートフォリオを多様化すること、経営を支えるグローバルな人財ネットワークを獲得すること等を通じて、グローバル市場において、基盤を固め「グローバル連邦経営」を目指してまいります。

⑦ 人財の確保及び育成の強化

当社グループは、現在、国内外の複数のグループ事業会社で構成されており、今後も継続的なM&A等の実施により、更にグループ事業会社は増加することが見込まれることから、高い専門性を持ち、様々な課題に対処し、進化させ、経営することができる人財の育成強化及び優秀な人財の確保が必須と認識しております。

そのため、人財の確保に関しましては、即戦力となる中途採用に加えて、将来の幹部人財の早期育成のために新卒採用を引き続き拡充してまいります。人財の育成に関しましては、「スピード、クリエイティブ、チャレンジ」という当社グループの経営理念を牽引することを期待される幹部人財の育成強化を計画的に実施できるよう教育・研修システムの整備を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項については、以下のようなものがあります。

なお、当社グループの事業においてはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。また、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外食業界の動向について

① 既存店売上高の減少について

当社グループが属している外食産業については、生活防衛意識の高まりによる消費マインドの低下、調理済食材や惣菜を家庭に持ち帰って食する中食市場の成長等の影響により、外食事業者の既存店売上高については減少する傾向にあります。

当社グループといたしましては、サービスの提供方法の変更、内装のリニューアル及び業態変更等を実施することにより、既存店売上高の維持拡大を目指しております。

ただし、当社グループが出店している商業施設、ショッピングセンター、駅前及び繁華街等の立地において商流の変化及び周辺の商業施設との競合等が生じることによる立地自体の集客力の低下、自然災害や感染症等の影響により、既存店舗の売上高が減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 食材の調達について

食材につきましては、残留農薬や鳥インフルエンザ等に代表されるように、その安全性が特に問われる環境下にあり、以前にも増して安全な食材の確保が重要になっております。

また、天候不順などによる農作物の不作や新規需要の増加、政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動など需給関係の変動を伴う事態が生じた場合、食材市況に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループにおきましては、様々な業態を運営しているため、特定の食材に依存している事実はありませんが、安全かつ安定した食材の確保については、積極的に取り組む方針であります。

ただし、食材に係わる安全性の問題や、諸原材料価格の高騰による食材市況の変動激化等の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 新型コロナウイルス感染症等の影響について

新型コロナウイルス感染症に関しては、現時点で、外出自粛等を通じて、外食業界に多大な影響を与えています。その収束の動向は現時点で見通すことは難しく、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2)当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて

① 出店政策について

当社グループは、予め一定以上の集客を見込めるショッピングセンター、地下鉄を含む駅構内、百貨店等の商業施設、駅前、繁華街及び郊外ロードサイド等に出店しており、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性等の観点から、好立地を選別した上で、出店候補地を決定しております。そのため、計画した出店数に見合った出店地を十分に確保できない可能性もあり、その場合には、当社グループの業績見通しに影響を与える可能性があります。

また、商業施設につきましては、商業デベロッパーとの交渉を経て、当社グループの計画した業態と異なる業態の出店を行う場合があります。当社グループにおいては、各業態によりその収益力に差異があるため、計画通りの店舗数を出店した場合であっても、業態構成の状況によっては、業績に影響が生じる可能性があります。

加えて、当社グループは、賃貸による出店形態を基本としており、賃貸借契約のうち、特に、定期賃貸借契約は、契約終了後再契約されない可能性があります。このような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を勘案すると、ソーシャルディスタンスの確保や営業時間の短縮要請により、当初見込んだ採算性が維持できない可能性があります。

② 敷金・保証金について

当社グループは、賃貸による出店形態を基本としており、出店等に際しては、賃貸人へ敷金・保証金を差し入れております。契約に際しては、賃貸人の信用状況の確認等を行い、十分検討しておりますが、今後、契約期間満了による撤退等が発生した際に、賃貸人の財政状況によっては、当該敷金・保証金の全部若しくは一部回収不能となる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 業態開発について

当社グループは、商業施設の価値向上といった商業デベロッパーのニーズに対して、新規に開発した業態を継続的に提案することに加え、駅前や繁華街においては、ドミナント戦略等により好調な業態の出店を加速させ、事業の拡大を図っております。ただし、市場の変化への対応の遅れ等により、お客様に受け入れられる業態を開発できなかった場合には、売上高が減少し、また、これにより商業デベロッパーとの関係が損なわれた場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④ 出退店時に発生する費用及び損失について

当社グループでは、新規出店時に什器、備品等の消耗品や、販売促進にかかる費用が一時的に発生するため、大量の新規出店や、期末に近い新規出店は、利益を押し下げる要因となります。また、収益性改善のため、業績の改善が見込めない店舗を閉鎖しておりますが、店舗閉鎖時においては、固定資産除却損、賃貸借契約解約及びリース契約解約による違約金等が発生するため、大量に店舗を閉鎖した場合には、一時的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 商標権の管理について

当社グループは、多業態による店舗展開を行っており、多数の店舗ブランドを保有しているため、同一ブランドをチェーン展開する飲食企業と比較して、商標権侵害等による係争・訴訟のリスクが相対的に高いものと認識しております。そのため、新たな業態の店舗を出店する際には、商標の出願、登録を行うか、若しくは商標登録には馴染まない一般的な名称を用いた店舗名を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように常に留意しております。

過年度において出店した一部の業態においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていない業態、若しくは登録未申請の業態がありますが、これらはあくまで当社グループが独自に開発した知的所有権であり、第三者の商標権等の知的財産権には該当しないものと認識しております。従いまして、当社グループは既存登録商標との非類似性を主張することにより、商標権を取得する方針であります。

ただし、出店時における当社グループの調査内容が十分である保証はなく、当社グループの見解が法的に常に正当性があるとは保証できません。万一、当社グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求等がなされた場合、若しくは、当該事項により当社グループの信用力が低下した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、現在商標権に関する重大な係争・訴訟はありません。

⑥ 人財の育成及び確保について

当社グループは、各社員の創意工夫がサービス力の強化、競争力の向上に寄与すると考えているため、店舗の運営、サービス提供方法等については、画一的な運用を行わず、現場における創意工夫を活かす仕組みとしております。その結果、各業態、各店舗によって、お客様に提供する料理、サービス内容及び店舗運営方法等が異なっており、また、各店舗における顧客満足度は、各店舗で提供するサービスの水準に影響を受けることとなります。そのため、当社グループは人財の育成及び確保を経営上の重要課題であると認識しております。

人財育成については、お客様へのより一層のサービス向上と店舗運営に焦点をあてたオペレーション教育、店舗マネジメント教育を計画的に実施できるよう教育・研修システムの整備を進めていく方針であります。また、人財確保については、即戦力となる中途採用に加えて、将来幹部となる人財を早期から育成するために新卒採用を実施していく方針であります。

ただし、今後においても当社グループは業態開発及び店舗網の拡大を図っていく方針であるため、業容に見合った人財の育成及び確保が出来ない場合には、サービスの質の低下による信用力の低下が生じ、または、出店計画どおりの出店が困難となり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(3)法的規制等について

当社グループが属する外食産業においては、主な法的規制として、「食品衛生法」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「健康増進法」、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」等の法的規制があります。これらの法的規制が強化され、その対応のため新たなコストが発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

① 食品衛生法に係わる規制について

当社グループが経営する店舗は、食品衛生法の規定に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可を取得しております。食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害防止、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としております。当社グループにおいては、衛生管理マニュアルに基づき、衛生管理体制の強化を図っておりますが、仮に食中毒事故等が発生した場合には、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、若しくは一定期間の営業停止の処分、被害者からの損害賠償請求、信用力の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)に係わる規制について

2001年5月に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」が2007年6月に改正され、同年12月より食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の外食事業者は、毎年度、主務大臣に定期報告を行うことが義務付けられております。また、食べ残し等の食品廃棄物について、発生抑制と減量化により最終的に処分される量を減少させるとともに、肥料等の原材料としての再生利用を促されております。

そのため、今後の出店の増加により食品廃棄物の排出量が増加する場合には、新たに対応費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 個人情報の管理について

当社グループは、従業員の情報及び店舗にご来店頂いたお客様の情報等の多数の個人情報を保有しており、全社を挙げて適正管理に努めておりますが、万が一個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償請求の提起等により業績及び財務状態に影響を受ける可能性があります。

④ 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律等について

厚生労働省は、長時間労働の是正や雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等を目的に、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律が2019年4月1日より順次施行され、労務環境の変化が起こりつつあります。

こうした各種労働法令の改正や更なる法規制の強化が行われた場合は、それらへの対応に追加費用を要する等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)金利変動の影響について

当社グループは、出店時における設備投資資金を主として金融機関からの借入により調達しており、当連結会計年度末における総資産に占める有利子負債の割合は42.6%となっております。現在は、当該資金を主として固定金利に基づく長期借入金により調達しているため、一定期間においては金利変動の影響を受けないこととなりますが、新たに借り換え等を行う際、資金調達コストが変動している場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後も外出自粛等による売上高の減少が長期継続化するリスクに備え、グループ経営の安定化を図るべく、機動的に銀行借り入れを実行し、手元流動性を厚く保持することで、資金繰りに懸念なきよう財務基盤を整備しております。

 

(5)災害等及び感染症等の流行による影響について

当社グループは、国内外に店舗展開しておりますが、地震や津波、台風等の自然災害の発生や、自然災害に起因するライフラインや交通網の遮断・制限、感染症の流行等により、来店客数の減少、原材料の調達の阻害や従業員の人員の確保ができない場合は、店舗運営に支障をきたし、営業が困難となることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。足許においては、新型コロナウイルス感染症により、多くの店舗で休業・営業時間の短縮を余儀なくされており、今後の当社グループの業績への影響は大きいものと予想されます。

 

(6)インターネット等による風評被害に伴うリスク

当社グループの所有する商標等の不正利用、商品への異物混入や調理設備の不適切使用等、インターネット上の掲示板やSNS等への書き込みに伴うマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループの事業、財政状態、社会的信用等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)海外展開におけるカントリーリスクについて

当社グループは、海外へ店舗展開しておりますが、海外子会社及び関連会社の進出国における、市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替、その他の様々なカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)M&A等による業容の拡大に係るリスクについて

当社グループは、成長戦略の一つとして、シナジー効果が期待できるM&Aについて前向きに検討していくことを基本方針としております。

当社グル―プは、当社グループが展開するコアビジネスとのシナジー効果が期待できる事業のM&Aを含めた業容拡大を進めてまいりますが、これらの業容拡大がもたらす影響について、当社グループが予め想定しなかった結果が生じた場合には、当社グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

※当社グループは前連結会計年度(2018年3月1日から2019年2月28日まで)より、国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グル-プが判断したものであります。

 

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半を中心に設備投資の増加や雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、米国を中心とする通商問題の動向や中国経済の先行き懸念、英国におけるEU離脱問題の行方等、海外における政治の動向や経済の不確実性等に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

外食産業におきましては、消費に持ち直しの傾向があったものの、長引く人手不足による人件費の上昇に加え、2019年10月からの消費増税に伴う軽減税率の導入や新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響により、楽観視できない経営環境が続いております。

こうした環境の中、当社グループは、商業施設や繁華街・駅前立地へそれぞれの専門業態を計画的に出店し、グループ全体では43店舗の新規出店、56店舗の退店を実施いたしました。また、「グループ連邦経営」の強みである変化対応力を駆使し、業態変更や改装を積極的に行い、事業会社の垣根を越えたグループ間での業態変更も実施いたしました。更には、M&Aの実行により、木屋フーズ株式会社の7店舗、連結子会社のSFPホールディングス株式会社を通じてグループ入りした株式会社ジョー・スマイルの19店舗及び株式会社クルークダイニングの22店舗、受託型ビジネスにてゴルフ場やレジャー施設のレストラン等を運営する株式会社クリエイト・スポーツ&レジャーの124店舗、当社初の大型海外M&Aによりグループ入りしたIl Fornaio (America) LLCの20店舗、並びに北関東を中心に和食レストランを展開している株式会社いっちょうの46店舗を連結の対象に加えた結果、当連結会計年度末における業務受託店舗等を含む連結店舗数は1,149店舗となりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上収益は139,328百万円(前連結会計年度比16.8%増)、営業利益は3,483百万円(前連結会計年度比12.4%減)、税引前利益は3,118百万円(前連結会計年度比15.4%減)、当期利益は1,818百万円(前連結会計年度比12.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,278百万円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。また、調整後EBITDAは25,212百万円(前連結会計年度比133.1%増)、調整後EBITDAマージンは18.1%(前連結会計年度は9.1%)となりました。(注1)なお、調整後EBITDAの大幅な増加は、IFRS第16号「リース」の適用の影響によるものであります。

 

(注1)当社グループの業績の有用な指標として、調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンを用いております。

調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。

・調整後EBITDA=営業利益 + その他営業費用 - その他営業収益(協賛金収入除く)+ 減価償却費
+ 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)

・調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100

 

報告セグメントにつきましては、当社グループは飲食事業以外の報告セグメントがないため、記載を省略しております。なお、飲食事業における主要カテゴリー毎の状況は以下のとおりです。

 

(CRカテゴリー)

当カテゴリーは、株式会社クリエイト・レストランツ、株式会社クリエイト・ダイニング、株式会社クリエイト・ベイサイド及び株式会社クリエイト・スポーツ&レジャーが運営する店舗で構成されており、商業施設を中心に多様なブランドにてレストラン及びフードコートを運営しているほか、ゴルフ場内レストラン等の受託業務を行っております。

当連結会計年度におきましては、しゃぶしゃぶ業態やデザート業態等の出店により、15店舗の新規出店、24店舗の退店を実施したほか、M&Aにより124店舗が増加しております。

以上の結果、当カテゴリーの当連結会計年度の売上収益は51,843百万円となり、連結店舗数は569店舗となっております。

 

(SFPカテゴリー)

当カテゴリーは、SFPホールディングス株式会社、株式会社ジョー・スマイル及び株式会社クルークダイニングが運営する店舗で構成されており、都心繁華街を中心に「磯丸水産」、「鳥良」、「鳥良商店」ブランド等の居酒屋を運営しているほか、熊本県や長野県においても居酒屋を運営しております。

当連結会計年度におきましては、海鮮居酒屋「磯丸水産」を都市部に加え熊本県や長野県等へ出店したことにより、11店舗の新規出店、16店舗の退店を実施したほか、M&Aにより41店舗が増加しております。

以上の結果、当カテゴリーの当連結会計年度の売上収益は40,216百万円、連結店舗数は275店舗となっております。

 

(専門ブランドカテゴリー)

当カテゴリーは、当社の国内子会社である株式会社ルモンデグルメ、株式会社イートウォーク、株式会社YUNARI、株式会社グルメブランズカンパニー、株式会社KRホールディングス、株式会社ルートナインジー、株式会社遊鶴、木屋フーズ株式会社及び株式会社いっちょうが運営する店舗で構成されております。

当連結会計年度におきましては、株式会社KRホールディングスが「あずさ珈琲」、株式会社YUNARIが「つけめんTETSU」、株式会社イートウォークが「AWキッチン」等、11店舗の新規出店、10店舗の退店を実施したほか、M&Aにより53店舗が増加しております。

以上の結果、当カテゴリーの当連結会計年度の売上収益は39,198百万円、連結店舗数は251店舗となっております。

 

(海外カテゴリー)

当カテゴリーは、海外において展開している店舗で構成されており、シンガポール国内にて展開しているcreate restaurants asia Pte. Ltd.が運営する店舗、香港にて展開している香港創造餐飲管理有限公司が運営する店舗、台湾にて展開している台湾創造餐飲股份有限公司が運営する店舗、米国にて展開しているcreate restaurants NY inc.及びIl Fornaio (America) LLCが運営する店舗で構成されております。

当連結会計年度におきましては、シンガポールや香港にて「抹茶館」等を出店し、6店舗の新規出店、6店舖の退店を実施したほか、M&Aにより20店舗が増加しております。

以上の結果、当カテゴリーの当連結会計年度の売上収益は8,962百万円、連結店舗数は54店舗となっております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが24,818百万円の資金増(前連結会計年度比196.7%増)、投資活動によるキャッシュ・フローが25,672百万円の資金減(前連結会計年度比425.4%増)、財務活動によるキャッシュ・フローが5,449百万円の資金増(前連結会計年度は2,900百万円の支出)となり、更に換算差額等を加味した当連結会計年度末の資金残高は17,918百万円(前連結会計年度比35.2%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は24,818百万円となりました。この主な要因は、税引前利益3,118百万円、減価償却費17,288百万円を計上する一方で、法人所得税の支払額2,164百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によって使用した資金は25,672百万円となりました。この主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出20,875百万円、有形固定資産の取得による支出3,693百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によって得られた資金は5,449百万円となりました。この主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用等によるリース負債の返済による支出12,580百万円、長期借入金の返済による支出6,812百万円、配当金の支払額1,120百万円があった一方で、短期借入金の純増額14,504百万円、長期借入れによる収入12,248百万円等によるものであります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金などであります。

当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境を勘案して銀行借入による間接調達のほか、社債による直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っております。

また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、資金需要に対応しております。

足元の新型コロナウイルス感染症への対応として、主に短期の信用枠を増枠の上、借入を実施して手元流動性を高めたほか、新たにクレジットラインを設定することで機動的な資金調達の必要性に備えております。

なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

 

 

(4)仕入及び販売の状況

 

① 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。

 

カテゴリー名称

仕入高(百万円)

前年比(%)

CRカテゴリー

14,304

+11.0

SFPカテゴリー

11,922

+9.3

専門ブランドカテゴリー

12,247

+18.4

海外カテゴリー

1,937

+149.2

その他

△722

+71.9

合計

39,689

+15.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.金額は、仕入価格で記載しております。

3.その他は、主に本社一括購入による仕入割戻であります。

4.上記の金額には、他勘定振替高は含まれておりません。

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。

 

カテゴリー名称

販売高(百万円)

前年比(%)

CRカテゴリー

51,614

+14.0

SFPカテゴリー

40,117

+6.6

専門ブランドカテゴリー

39,007

+16.8

海外カテゴリー

8,962

+200.0

その他

△374

合計

139,328

+16.8

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.その他は、主に業務受託収入であります。

 

(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グル-プの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グル-プが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末総資産は、149,997百万円(前連結会計年度比107.0%増)となりました。この主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用等による有形固定資産が49,676百万円、のれんが12,631百万円、現金及び現金同等物が4,670百万円増加したこと等によるものであります。
 当連結会計年度末の負債は、125,808百万円(前連結会計年度比159.6%増)となりました。この主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用等によりリース負債が50,132百万円、社債及び借入金が20,723百万円増加したこと等によるものであります。
 当連結会計年度末の資本は、24,188百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。

 

③ 当連結会計年度の経営成績の分析・検討内容

(売上収益)

当連結会計年度の連結売上収益は、台風等の天候不順や消費増税の影響、2月中旬以降の新型コロナウイルス感染症の影響等があったものの、前連結会計年度に出店した89店舗(内、M&Aによる増加29店舗含む。)が通年寄与したほか、新規出店281店舖(内、M&Aによる増加238店舗含む。)により、139,328百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。

当社グループの店舗は、新型コロナウイルス感染症に関する「緊急事態宣言」を受け、一時休業となる商業施設内にある店舗や繁華街の居酒屋業態等において、多くの店舗が一時休業を余儀なくされたほか、現在でも営業時間を短縮している店舗も多数あり、売上収益は大幅に減少しております。

 

(営業利益、調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン)

営業利益は、台風などの天候不順や新型コロナウイルス感染症の影響等に加え、IFRS基準に基づき新型コロナウイルス感染症の影響も含む減損損失の計上を行ったこともあり、3,483百万円(前連結会計年度比12.4%減)となりました。

また、調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンは、IFRS第16号「リース」の適用により、対前年で大幅に増加したものの、ほぼ想定通りに推移し、25,212百万円(前連結会計年度比133.1%増)、調整後EBITDAマージンは18.1%(前連結会計年度は9.1%)となりました。

 

当社グループは、新型コロナウイルス感染症による損失を最小限にとどめることを目的に、休業店舗の従業員の一時帰休等による人件費削減、家賃の減免交渉、新規投資の抑制等、あらゆる手段を通じて支出を削減しております。

 

(その他)

当社グループは、資金面の手当てについても万全を期していきたいと考えており、今後も新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛等による売上収益の減少が長期継続化するリスクに備え、グループ経営の安定化を図るべく、機動的に銀行借り入れを実行し、手元流動性を厚く保持することで、資金繰りに懸念なきよう財務基盤を整備してまいります。

かかる状況下、グループ一丸となって臨機応変に対応していくことで、この危機を乗り越え、将来に向けた事業基盤を強化してまいります。

 

④ キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの事業領域である外食業界全般では残留農薬や鳥インフルエンザ、BSE等の食材リスクの顕在化や、調理済食材や惣菜を家庭に持ち帰って食する中食との競合、外食店舗のオーバーストア傾向による外食店舗同士の過当競争、新型コロナウイルス等の感染症の拡大等による需要減退の影響があります。また、個別店舗における食中毒事故等を起こした場合には、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、若しくは一定期間の営業停止の処分、被害者からの損害賠償請求、信用力低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、2019年に新たに策定いたしました「わくわく無限大! 個性いろいろ ともに創る 驚きの未来。」というグループミッションに基づき、個性豊かな事業会社の強みを活かしながら、様々な可能性に挑戦し、お客様だけでなく従業員や社会が驚くような未来を創ることにより、豊かな食生活への貢献を目指してまいります。

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を現段階において合理的に算定することが困難なことから、次期の連結業績予想につきましては、未定としております。

当社グループの店舗は、「緊急事態宣言」を受け、一時休業となる商業施設内にある店舗や繁華街の居酒屋業態等において、多くの店舗が一時休業を余儀なくされたほか、現在でも営業時間を短縮している店舗も多数あります。これらを踏まえ、連結業績予想を未定といたしましたが、今後、新型コロナウイルス感染症の動向を見極めながら、開示が可能となった段階で速やかに公表いたします。

このような環境のなか、当社グループとしては、コストを極力圧縮することを通じて、損失を最小限にとどめることを目的に、休業店舗の従業員の一時帰休等による人件費削減、家賃の減免交渉、新規投資の抑制等、あらゆる手段を通じて支出を削減しております。また一方で、資金面の手当てについても万全を期していきたいと考えております。

かかる状況下、グループ一丸となって臨機応変に対応していくことで、この危機を乗り越え、将来に向けた事業基盤を強化してまいります。

 

(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

当連結会計年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

(のれんの償却に関する事項)

日本基準では、のれんについて償却しますが、IFRSでは非償却であるため、移行日以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が1,087百万円減少しております。

 

(リースに関する事項)

 当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用しています。日本基準においてオペレーティングリースとして費用処理している取引については、IFRSでは使用権資産とリース負債を計上し、見積ったリース期間にわたり規則的に償却を行っております。また、支払リース料は実効金利法に基づき支払利息とリース負債の返済額に配分しております。

 この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、連結財政状態計算書の有形固定資産の残高(使用権資産相当額)が47,682百万円増加、その他の金融負債の残高(リース負債相当額)が50,566百万円増加、連結損益計算書の販売費及び一般管理費が312百万円減少、金融費用が363百万円増加しております。また、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローで得られた資金が11,947百万円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローで使用した資金が同額増加しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

 

(1)木屋フーズ株式会社の株式取得

当社は、2019年1月31日開催の取締役会において、木屋フーズ株式会社の全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2019年3月1日付で当社は木屋フーズ株式会社の全株式を取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

 

(2)SFPホールディングス株式会社による株式会社ジョー・スマイルの株式取得

当社の連結子会社であるSFPホールディングス株式会社は、2019年1月24日開催の同社取締役会において、株式会社ジョー・スマイルの全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2019年3月1日付で同社は株式会社ジョー・スマイルの全株式を取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

 

(3)SFPホールディングス株式会社による株式会社クルークダイニングの株式取得

当社の連結子会社であるSFPホールディングス株式会社は、2019年5月30日開催の同社取締役会において、株式会社クルークダイニングの株式を99.8%取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2019年7月1日付で同社は株式会社クルークダイニングの株式を99.8%取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

 

(4)エスエスエル株式会社の株式取得

当社は、2019年6月26日開催の取締役会において、エスエスエル株式会社の全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2019年9月1日付で当社はエスエスエル株式会社の全株式を取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

なお、エスエスエル株式会社は、商号を「株式会社クリエイト・スポーツ&レジャー」に変更しております。

 

(5)株式会社いっちょうの株式取得

当社は、2019年9月2日開催の取締役会において、株式会社いっちょうの全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2019年10月1日付で当社は株式会社いっちょうの全株式を取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

 

(6)Il Fornaio (America) LLCの持分取得

当社は、2019年9月11日開催の取締役会において、連結子会社であるCreate Restaurants NY Inc.を通じてIl Fornaio (America) LLCの全持分を取得することを決議し、2019年9月12日付で持分取得契約を締結いたしました。これに基づき、2019年9月30日付でCreate Restaurants NY Inc.はIl Fornaio (America) LLCの全持分を取得し、子会社化しておりますが、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載の通りであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。