第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第24期

第2四半期
連結累計期間

第25期

第2四半期
連結累計期間

第24期

会計期間

自2020年3月1日
至2020年8月31日

自2021年3月1日
至2021年8月31日

自2020年3月1日
至2021年2月28日

売上収益

(百万円)

32,031

34,493

74,425

(第2四半期連結会計期間)

(20,219)

(16,753)

税引前四半期利益又は税引前四半期(当期)損失(△)

(百万円)

△10,198

7,170

△15,021

親会社の所有者に帰属する四半期利益又は親会社の所有者に帰属する四半期(当期)損失(△)

(百万円)

△9,165

4,823

△13,874

(第2四半期連結会計期間)

(△1,802)

(3,755)

四半期利益又は四半期(当期)損失(△)

(百万円)

△10,169

5,267

△15,571

親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)包括利益

(百万円)

△9,493

5,030

△14,110

四半期(当期)包括利益

(百万円)

△10,497

5,473

△15,804

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

9,136

24,012

19,406

総資産額

(百万円)

166,309

158,200

161,966

基本的1株当たり四半期利益又は基本的1株当たり四半期(当期)損失(△)

(円)

△49.07

25.83

△74.28

(第2四半期連結会計期間)

(△9.65)

(20.11)

希薄化後1株当たり四半期利益又は希薄化後1株当たり四半期(当期)損失(△)

(円)

△49.07

25.82

△74.28

親会社所有者帰属持分比率

(%)

5.5

15.2

12.0

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

△4,105

6,846

409

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

△2,421

△824

△3,855

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

27,576

△11,464

22,843

現金及び現金同等物の
四半期末(期末)残高

(百万円)

38,938

31,881

37,312

 

(注) 1.当社は要約四半期連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上収益には、消費税等は含まれておりません。

3.上記指標は、国際財務報告基準(IFRS)により作成した要約四半期連結財務諸表及び連結財務諸表に基づいております。

4. 第24期第2四半期連結累計期間の希薄化後1株当たり四半期損失において、連結子会社の発行するストックオプション12,000株は逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり四半期損失の計算に含めておりません。また、第24期連結会計年度の希薄化後1株当たり当期損失において、連結子会社の発行するストックオプション8,000株は逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期損失の計算に含めておりません。

5. 前連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第24期第2四半期連結累計期間の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

2 【事業の内容】

当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、重要な変更はありません。

 

第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、変更追加すべき事項が生じております。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)外食業界の動向について 

①  新型コロナウイルス感染症の影響について

全世界へ急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、国内外に事業を展開する当社グループの事業活動に大きく影響しています。当社グループは、各国政府からの規制や要請に則り、営業時間の短縮や一時休業等に協力するほか、営業している店舗においても、換気や消毒の徹底、社会的距離の確保(ソーシャルディスタンス)等を実施し、従業員やお客様の安全・安心の確保を最優先に考えた店舗運営を行っております。しかし、緊急事態宣言の再発令等、新型コロナウイルス感染症の収束が長引く等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大等による影響により、前連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりました。しかし、第1四半期連結累計期間までに以下の対応策を講じたことから、第1四半期連結会計期間末以降当第2四半期連結会計期間末においても、当該事象又は状況は存在していないと判断しております。 

当社グループは、前連結会計年度から継続して人件費・家賃等固定費を圧縮する運営の強化を図るとともに、不採算店舗を中心とした退店を徹底して、筋肉質なコスト構造への転換を推し進め、併せて、雇用調整助成金や、時短営業等に対する協力金の申請を行うことで、新型コロナウイルス感染症の影響による売上収益の減少に対応できる体制を整備してまいりました。その結果、引き続き新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けた第1四半期連結累計期間において、営業利益及びその他の各段階利益において黒字を確保することができ、当第2四半期連結累計期間においても同様であります。なお、前述の対応策により、第3四半期連結累計期間以降においても売上収益の減少が生じた場合でも、適切に収益及び費用等のコントロールを行える体制が整備されたものと判断しております。

また、感染拡大が抑制されるまでに必要な運転資金については、手許資金及び前連結会計年度に実行した金融機関からの借入等により十分確保しているほか、2021年2月に永久劣後特約付ローンによる資金調達を実施した結果、財務面の安定性も確実なものとなっております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

※当社グループは、国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。

なお、2019年9月1日に行われた株式会社クリエイト・スポーツ&レジャーとの企業結合及び2019年9月30日に行われたIl Fornaio (America) LLCとの企業結合について前第2四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第3四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

また、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、前年に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響を受けました。6月20日に沖縄県を除き解除された緊急事態宣言は、7月12日に東京都に4度目が発令され、その後対象地域が21都道府県まで拡大し、期間も9月まで延長されることとなりました。加えて、まん延防止等重点措置の適用も各地域で断続的に行われており、これらにより経済活動は引き続き抑制され、企業活動や個人消費は弱い動きとなっています。しかしながら、ワクチン接種が進行し、行動制限の緩和による社会経済の正常化に向けた政府の方針が打ち出されるなど、持ち直しの動きが期待されています。

外食産業におきましては、リモートワークの浸透や企業の会食自粛等、生活様式の変化への対応が求められ、加えて、政府や各自治体からの緊急事態宣言の発令及びまん延防止等重点措置に係る各種要請等により、営業自粛や営業時間短縮等に伴う客数の減少が続きましたが、各自治体による協力金制度が拡充されたことで厳しい経営環境には改善が見られます。

こうした中、当社グループにおきましては、感染拡大防止に協力するとともに、お客様及び従業員の健康を守るべく、政府や各自治体からの営業時間短縮や、酒類提供禁止の要請に真摯に対応し、特に繁華街の居酒屋業態等においては、多くの店舗を一時休業いたしました。その一方で、前連結会計年度から継続して人件費・家賃等固定費を圧縮する運営の強化を図るとともに、不採算店舗を中心とした退店を徹底して、筋肉質なコスト構造への転換を推し進め、併せて、雇用調整助成金や時短営業等に対する協力金の申請を行うことで、新型コロナウイルス感染症の影響による売上収益の減少に対応できる体制を整備することができました。また、コストダウンや食材価値の最大化を目的とした連結子会社SFPホールディングス社との購買企画機能を担う合弁会社設立の準備や、新たに立ち上げたDX推進室の主導により、グループにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みの一環として、モバイルオーダーの導入や、業態に合わせたアプリの活用等の準備に注力致しました。その結果、当第2四半期連結累計期間においては、依然新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けたものの、第1四半期連結累計期間に引き続き、営業利益及びその他の各段階利益において黒字を確保することができました。なお、前述の対応策により、売上収益の減少に対応できる体制を整備した結果、第3四半期連結累計期間以降においても各段階利益において黒字が確保できる構造になっているものと判断しております。

また、感染拡大が抑制されるまでに必要な運転資金については、手許資金及び前連結会計年度に実行した金融機関からの借入等により十分確保しているほか、2021年2月に永久劣後特約付ローンによる資金調達を実施した結果、財務面の安定性も確実なものとなっております。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上収益は34,493百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は7,314百万円(前年同期は営業損失9,760百万円)、税引前四半期利益は7,170百万円(前年同期は税引前四半期損失10,198百万円)、四半期利益は5,267百万円(前年同期は四半期損失10,169百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,823百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する四半期損失9,165百万円)となりました。また、調整後EBITDAは15,121百万円(前年同期は△1,006百万円)、調整後EBITDAマージンは43.8%(前年同期は△3.1%)となりました(注1)。

 

(注1)当社グループの業績の有用な指標として、調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンを用いております。

調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。

・調整後EBITDA=営業利益 + その他の営業費用 - その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金、協力金及び賃料減免分等を除く) + 減価償却費 + 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)

・調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100

 

(2) 財政状態の分析

 (資産の部)

当第2四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,715百万円増加し、47,465百万円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が5,430百万円減少した一方で、営業債権及びその他の債権が7,857百万円増加したこと等によるものであります。

当第2四半期連結会計期間末の非流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ5,482百万円減少し、110,734百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が5,208百万円、その他の金融資産に含まれる差入保証金が466百万円減少したこと等によるものであります。

 (負債の部)

当第2四半期連結会計期間末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ8,819百万円減少し、129,883百万円となりました。この主な要因は、社債及び借入金が4,345百万円、リース負債が3,595百万円減少したこと等によるものであります。

 (資本の部)

当第2四半期連結会計期間末の資本合計の残高は、前連結会計年度末に比べ5,052百万円増加し、28,316百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が4,326百万円増加したこと等によるものであります。

なお、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は15.2%であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から5,430百万円減少し、31,881百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動によって得られた資金は6,846百万円(前年同期は4,105百万円の支出)となりました。これは主に、税引前四半期利益7,170百万円、減価償却費8,156百万円、営業債権及びその他の債権の増減△8,028百万円を計上したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動によって使用した資金は824百万円(前年同期比65.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出640百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動によって使用した資金は11,464百万円(前年同期は27,576百万円の収入)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出6,616百万円、長期借入金の返済による支出3,589百万円等によるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの経営方針・経営戦略等から、変更追加すべき事項が生じております。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」の項目番号に対応したものであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

(2)重視する経営指標

当社グループでは、経営効率を高め安定した財務体質を維持しつつ、持続的成長を達成するために、収益性の重要な経営指標(KPI)として調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン、財務の安定性を図る指標として親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)を重視しております。

① 2022年2月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束状況等を踏まえて策定し

    ております。

② 親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)につきましては、引き続き水準向上を図ってまいります。

(注)調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。

・調整後EBITDA=営業利益 + その他営業費用 - その他営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金、協力金及び賃料減免分等を除く)+ 減価償却費 + 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)

・調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2021年7月14日に発表した中期経営計画において、お客様のニーズが急速に変化し、外食産業からの店舗の撤退・廃業、人財の流出が表面化している外部環境を踏まえ、当社グループの強みである「変化対応力」を最大限発揮し、サスティナブルな利益成長を図っていくことといたしました。

具体的には、中期経営計画の期間である今後3年間において、成長戦略の3本の柱として、①アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し、②グループ内の求心力と遠心力のリバランスによるグループ連邦経営の更なる進化、③DXの推進による生産性の向上と人財不足への対応、に重点的に取り組むことで、『食を通じて、ステークホルダーに対し、「豊かさ」を提供し続ける企業グループ』を目指してまいります。ここで言うステークホルダーとは、お客様・社会、お取引先、従業員、株主を指し、お客様・社会には安心・安全で地域に愛される店舗・料理・サービスを提供し、お取引先とは長期的な互恵関係を構築、従業員へは安定的な雇用と多様な働き方を提供し、株主にはサスティナブルな利益成長を提供することを掲げています。

成長戦略の一つ目の柱は、「アフターコロナを見据えたポートフォリオ見直し」です。お客様の新たな需要の変化を見極め、当社グループの特徴である変化対応力を駆使して、適合する効率的なポートフォリオを再構築することで、外食業界における「勝ち組」として、サスティナブルな成長を目指します。長引くコロナ禍の影響により、今後、一部の同業他社においては、業績不振による撤退・廃業等が増加する傾向が見込まれる一方、当社グループにとっては潜在的な出店余力、M&A機会は増加するものと見込まれます。このような環境の中、当社グループは外食業界における「勝ち組」として、サスティナブルに成長する企業グループを目指して、新たな需要の変化を的確に見極め、適合する効率的なポートフォリオを再構築いたします。具体的には、業態の切り口からは、これまでの「非日常・法人接待需要」から、「日常(プラスα)、家族・友人、低価格、専門性」へ、立地の切り口からは、これまでの「都心・一等立地、オフィスビル」から「郊外、住宅地」へ重点を移し、新たな業態×立地の組み合わせでポートフォリオを再構築します。これらを実現するため、新規出店については、年間30店舗の出店を2023年2月期以降に再開する予定ですが、投資効率に関しより厳格化した基準を設定し、これまで以上に数ではなく質を重視した展開を行ってまいります。また、退店についても投資効率を重視し、既存店舗において基準に満たない水準に達した場合には、迅速且つ積極的な撤退を行ってまいります。また、業態変更は、従来以上に新しいお客様のニーズを捉え、非接触対応、ファスト・カジュアル化、テイクアウト・デリバリー対応等を実施してまいります。また、M&Aについても、過去のM&A経験を活かし、アフターコロナにおいても引き続き長く支持されるブランド・業態の案件を実行する予定ですが、従来の規模拡大を意識したM&Aから、新たに設定するポートフォリオの補完・強化に資するものを、厳選した上で獲得を目指します。ターゲットとしては、比較的小粒ながらエッジの利いたブランドや、地域密着型のブランド等を中心に検討していく方針です。また、グループ内で投資効率基準に満たないポートフォリオがあれば、将来的なカーブアウトやグループ内再編も検討してまいります。

成長戦略の二つ目の柱は、「グループ内の求心力と遠心力のリバランスによるグループ連邦経営の更なる進化」です。従来のグループ事業会社の個性を尊重し、連携し合うことで成長を図る「グループ連邦経営」の基本スタンスに変更はありませんが、求心力と遠心力の定義や役割分担を再度調整(リバランス)いたします。具体的には、求心力を担う持株会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、危機対応時のガバナンス、グループ事業会社の再編(クリエイト・レストランツ社とクリエイト・スポーツ&レジャー社の統合等)、立地情報の集約による投資・撤退判断(ロードサイド物件情報の当社への一本化等)、バックオフィス機能の統合によるシナジーの更なる追求(経理・購買・システム等、購買についてはSFPホールディングス社と購買企画機能を担う合弁会社を設立)、グループ内人財の横断的な再配置、働き方改革の推進、DXミッションに基づく本社機能の効率化・高度化、デジタルマーケティングの推進等について求心力を強め実行してまいります。一方、遠心力を担うグループ事業会社は、アフターコロナ需要に対応した新たなブランドの開発、既存店舗の商品力・サービスの強化等により、お客様に安全・安心で、地域に愛される店舗・サービス提供の深化を目指していきます。

成長戦略の三つ目の柱は、「DX推進による生産性の向上・人財不足への対応」です。DXミッションとして、「当社グループのビジネスの基本は「人(お客様・従業員)」であり、アフターコロナで時代が変化しようとしても変わらない」との考え方を定め、DX推進により、効率化・自動化できる業務は省人化し、従業員の接客サービスに関わる時間を最大化し、お客様満足度の向上を目指します。また、デジタル技術の導入により、お客様の利便性の向上を目指します。具体的には、①バックオフィス業務の効率化項目として、クラウド、SaaSを利用した効率的なITツールの活用、バックオフィス業務の標準化とRPA、BIの活用等を、②店舗業務の省人化、コスト削減、売上収益拡大項目として、セルフオーダー、セルフ会計による省人化、AIによる売上予測とシフト、発注業務の自動化、オンライン予約システム(会員サービス認証基盤の統合)等を検討してまいります。また、本件に関連してソフトバンク(株)とDX推進に関するパートナー契約を締結しております。

(追加項目)新株式発行に係る発行登録並びに資本金及び資本準備金の額の減少

当社グループは、1999年の創業以来、店舗の立地に着目し優良立地に適合する様々なブランドを開発するとともに、お客様のニーズに合わせてブランドを変えていく「マルチブランド・マルチロケーション戦略」にて拡大し、2013年以降においてはM&Aを積極的に実施し、多様な企業文化をもつ事業会社の良さを活かし、グループとして成長を図る「グループ連邦経営」を軸に一層の成長をしてまいりました。

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、前年に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響を受けました。6月20日に沖縄県を除き解除された緊急事態宣言は、7月12日に東京都に4度目が発令され、その後対象地域が21都道府県まで拡大し、期間も9月まで延長されることとなりました。加えて、まん延防止等重点措置の適用も各地域で断続的に行われており、これらにより経済活動は引き続き抑制され、企業活動や個人消費は弱い動きとなっています。しかしながら、ワクチン接種が進行し、行動制限の緩和による社会経済の正常化に向けた政府の方針が打ち出されるなど、持ち直しの動きが期待されています。

外食産業におきましては、リモートワークの浸透や企業の会食自粛等、生活様式の変化への対応が求められ、加えて、政府や各自治体からの緊急事態宣言の発令及びまん延防止等重点措置に係る各種要請等により、営業自粛や営業時間短縮等に伴う客数の減少が続きましたが、各自治体による協力金制度が拡充されたことで厳しい経営環境には改善が見られます。

こうした中、当社グループにおきましては、感染拡大防止に協力するとともに、お客様及び従業員の健康を守るべく、政府や各自治体からの営業時間短縮や、酒類提供禁止の要請に真摯に対応し、特に繁華街の居酒屋業態等においては、多くの店舗を一時休業いたしました。その一方で、前連結会計年度から継続して人件費・家賃等固定費を圧縮する運営の強化を図るとともに、不採算店舗を中心とした退店を徹底して、筋肉質なコスト構造への転換を推し進め、併せて、雇用調整助成金や時短営業等に対する協力金の申請を行うことで、新型コロナウイルス感染症の影響による売上収益の減少に対応できる体制を整備することができました。また、コストダウンや食材価値の最大化を目的とした連結子会社SFPホールディングス社との購買企画機能を担う合弁会社設立の準備や、新たに立ち上げたDX推進室の主導により、グループにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みの一環として、モバイルオーダーの導入や、業態に合わせたアプリの活用等の準備に注力致しました。その結果、当第2四半期連結累計期間においては、依然新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けたものの、第1四半期連結累計期間に引き続き、営業利益及びその他の各段階利益において黒字を確保することができました。なお、前述の対応策により、売上収益の減少に対応できる体制を整備した結果、第3四半期連結累計期間以降においても各段階利益において黒字が確保できる構造になっているものと判断しております。 

また、感染拡大が抑制されるまでに必要な運転資金については、手許資金及び前連結会計年度に実行した金融機関からの借入等により十分確保しているほか、2021年2月に永久劣後特約付ローンによる資金調達を実施した結果、財務面の安定性も確実なものとなっております。当社は、2021年7月14日に中期経営計画を開示しておりますが、アフターコロナにおける成長機会を捉え、今後もサスティナブルな利益成長を図っていく方針です。

かかる状況において、当社は、財務基盤の一層の拡充及び成長資金の確保を図ることが、当社の企業価値・株主価値向上の観点から望ましく、合理性があるものと判断したため、今後機動的な資本調達を実施する体制を整えるべく、2021年7月19日付で新株式発行に係る発行登録書を提出いたしました。新株式の発行による手取金は、永久劣後特約付ローンを含む長期借入金の返済、中期経営計画の成長戦略の柱であるアフターコロナを見据えたポートフォリオの見直しのための新規出店・業態変更・改装資金等及びDX推進資金に充当する予定です。

また、新株式の発行を当社普通株式の公募増資(以下、「本公募増資」といいます。)及びこれに付随するグリーンシュー・オプションの行使による第三者割当増資(以下、本公募増資と合わせて「本増資」といいます。)により実施する場合には、同時に本増資によりそれぞれ増加する資本金及び資本準備金の額と同額で、それぞれ資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金へ振り替えることを決定いたしました。これは、本増資後の資本政策等の柔軟性・機動性の向上を図ることを目的とし、新株式の発行後においても現在の資本金等の額を維持することを企図しております。

なお、新株式発行の具体的な発行時期、募集方法、発行条件、発行総額及び資金使途の詳細等につきましては、現時点で未定であります。今後、市場の状況等を総合的に勘案し、慎重に検討の上で決定する予定であります。具体的な内容が決定した場合は速やかに開示いたします。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題から、変更追加すべき事項が生じております。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題」の項目番号に対応したものであります。 

なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社は、新型コロナウイルス感染症への対応が継続し、これに伴うお客様のライフスタイルの変化が進む中、以下の課題に適切に対処してまいります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

①  新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、お客様の外食機会の大幅な減少を通じて、外食産業を直撃し、当社グループにおきましても、大きな影響を受けております。足許につきましても、新型コロナウイルス感染症の動向に左右される、不安定な事業環境が続いておりますが、ワクチン接種が進行し、行動制限の緩和による社会経済の正常化に向けた政府の方針が打ち出されるなど、持ち直しの動きが期待されています。

かかる状況下、当社グループは、外食産業全体に対し、お客様のニーズが完全には元に戻らないことを前提に、ポストコロナを見据え店舗立地の見直しや新業態の開発などを行ってまいります。また、引き続きコスト削減の徹底を図るとともに、筋肉質な経営体質を維持強化していくこと等により、収益力を強化してまいります。

また一方で、財務面の手当てについても万全を期すため、今後も外出自粛等による売上収益の減少が長期継続化するリスクに備え、手許資金及び金融機関からの借入等で必要な運転資金を確保するとともに、2021年2月には国際財務報告基準(IFRS)上の資本となる永久劣後特約付ローンの調達を実施することで、財務基盤の安定強化を図りました。

かかる状況下、グループ一丸となって臨機応変に対応していくことで、この危機を乗り越え、将来に向けた事業基盤を強化してまいります。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(7) 主要な設備

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。