名称 三井化学株式会社
所在地 東京都中央区八重洲二丁目2番1号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年2月4日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の発行済普通株式(以下「当社株式」といいます。)を937,474株(所有割合(注1):13.87%)所有しており、当社の筆頭株主であるとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年2月4日に公表した「2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社株式の発行済株式総数(6,767,174株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(6,638株)を控除した株式数(6,760,536株)(以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいい、以下、所有割合の記載について同じとします。
この度、公開買付者は、2025年2月4日開催の取締役会において、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、3,119,000株(所有割合:46.14%)を買付予定数の下限と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(3,119,000株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
なお、買付予定数の下限(3,119,000株)は、本基準株式数(6,760,536株)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する当社株式(937,474株)を控除した株式数(5,823,062株)に係る議決権数(58,230個)の過半数となる議決権数(29,116個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(2,911,600株)を上回っているとのことです。公開買付者と利害関係を有しない当社の株主からその株式数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定」にて定義します。以下同じです。)に相当する数の同意が得られない場合には本公開買付けは成立せず、当社の一般株主の意思を重視したものとなっているとのことです。
また、当社における直近5事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が42%から56%(小数点以下第一位を四捨五入。以下、議決権行使率の計算において同じです。)と比較的低い水準にあり、更に、同種事案(注2)の分析によれば、本臨時株主総会(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。以下同じです。)のような二段階買収に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があることに鑑みれば、買付予定数の下限(3,119,000株)は、本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化しつつ、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2以上の株式数を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数が、本臨時株主総会において、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を現実的に実施することができ、かつ「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」を上回る水準(公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が当社の総議決権の60%に相当する数以上)となっているものと考えているとのことです。具体的には、上述のとおり、当社の過去5事業年度に係る定時株主総会における議決権行使率は42%から56%で推移しており、その最大値は56%であるところ、本臨時株主総会における議決権行使率が90%以上にならない限り、公開買付者において当社の総議決権の60%を所有することにより、実際に行使される当社の総議決権のうちの3分の2以上の議決権を所有することになるとのことです。また、公開買付者としては、当社の株主の中には、本公開買付けへの応募は行わない一方で、本公開買付けが成立した後、本臨時株主総会において本株式併合(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。以下、同じです。)に係る議案が付議された場合には、同議案への賛成の議決権行使を行うことが見込まれる株主として、譲渡制限付株式報酬として付与された譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)3,500株(所有割合:0.05%)を保有する当社の取締役2名が存在するものと考えているとのことです(注3)。これらの事情を踏まえれば、公開買付者が、本公開買付けにおいて応募株券等の全部の買付け等を行った場合、本臨時株主総会において本スクイーズアウト手続に係る議案が承認される蓋然性は高いものと考えているとのことです。
(注2) 「同種事案」とは、2022年1月以降に公表された、発行者以外の者による完全子会社化を目的とする買付予定数の上限のない公開買付けで、スクイーズアウトの方法が株式併合であり、当該公開買付けの開始前に、当該公開買付けの公開買付者(その特別関係者を含みます。)による対象者株式の所有割合が特別関係者の所有割合とあわせて15%未満である国内上場会社を対象者とした公開買付け案件合計8件をいうとのことです。公開買付者がかかる8件を分析した結果、①当該8件において直近の定時株主総会における議決権行使率(ただし、公開買付者の行使個数は当該計算から除きます。)は、49%から84%で、平均値は約72%である一方で、スクイーズアウトを目的とした株式併合に係る議案(以下「スクイーズアウト議案」といいます。)に係る議決権行使率(ただし、公開買付者の行使個数は当該計算から除きます。)は、5%から57%であり、平均値は29%であること、②当該8件の全てにおいて、スクイーズアウト議案に係る議決権行使率が直近の定時株主総会における議決権行使率を下回っていること、及び③当該8件の全てにおける定時株主総会における議決権行使率と、スクイーズアウト議案における議決権行使率の差は、最大で78%、最小で10%であることを確認しているとのことです。
(注3) 当社の取締役2名が保有する本譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、2025年2月4日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する意見を表明することを決議しており、当該決議に際しては、取締役全員が賛成の議決権を行使していることから、本公開買付けが成立した場合にはスクイーズアウト議案に賛同する見込みであると考えているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、1997年10月1日をもって公開買付者の前身である三井石油化学工業株式会社と三井東圧化学株式会社とが対等合併して新たに発足した会社であり、その淵源は、1933年4月に、三井東圧化学株式会社の前身である東洋高圧工業株式会社が福岡県大牟田市で硫安工場の操業を開始したことに始まるとのことです。公開買付者は、1962年10月、東京証券取引所市場第二部及び株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)市場第二部に株式を上場し、1965年2月に東京証券取引所市場第一部及び大阪証券取引所市場第一部に指定されているとのことです。なお、大阪証券取引所市場第一部については2003年12月に上場を廃止し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しているとのことです。
公開買付者は、2024年12月末時点で、公開買付者、公開買付者の子会社127社、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)4社並びに関連会社及びジョイント・ベンチャー(共同支配企業)25社からなる公開買付者グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)により構成されているとのことです。
公開買付者グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念、目指すべき企業グループ像を「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」に掲げているとのことです。公開買付者が2021年6月2日に公表した長期経営計画「VISION 2030」においては、内外環境・メガトレンド(注4)を踏まえ、起こり得る環境・社会の課題に対して公開買付者グループが貢献することで目指す未来社会を、「多様な価値を生み出す包摂社会」、「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」と定義しているとのことです。また、同環境・社会課題解決に向けた貢献と、その取り組みを原動力とした持続的成長の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図り、「社会課題視点」、「ソリューション型ビジネスモデル」、「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」、「デジタル・トランスフォーメーション」の展開を進めており、その着実な実行のために、以下の内容の4つの事業ポートフォリオを設定しているとのことです。
(注4) 「メガトレンド」とは、長期にわたる広範な社会的、経済的、技術的な変化のことで、世界や産業に大きな影響を与えるトレンドのことをいうとのことです。
いのちと健康、豊かなくらしに貢献するソリューションを提供し、生活の質(QOL)向上と安全・安心な食の提供に貢献するという事業ビジョンのもと、ビジョンケア材料、不織布、オーラルケア材料、パーソナルケア材料及び農業化学品の製造・販売を行っているとのことです。また、整形外科事業、検査・診断事業等の新領域への展開も積極的に推進しているとのことです。
特徴のある材料・機能・サービスの提供により社会課題解決に貢献し、持続的な事業成長を実現するという事業ビジョンのもと、エラストマー(注5)、機能性コンパウンド(注6)及びポリプロピレン・コンパウンド(注7)の製造・販売並びに自動車等工業製品の新製品開発支援業務(ソリューション事業)を行っているとのことです。
『ユニークな』ICTソリューション事業を創造・拡大し、安全・快適なインフラ、健康なくらし、持続可能な地球環境を支えるAI、Beyond 5G等の進化に貢献するという事業ビジョンのもと、半導体・電子部品工程部材、光学材料、リチウムイオン電池材料・次世代電池材料及び高機能食品包装材料の製造・販売を行っているとのことです。
再構築を完遂するとともに、環境負荷の軽減、脱炭素社会の実現を目指し、全社サーキュラーエコノミー変革をリードするという事業ビジョンのもと、エチレン(注8)、プロピレン(注9)、ポリエチレン(注10)、ポリプロピレン(注11)、触媒、フェノール類(注12)、高純度テレフタル酸(注13)、ペット樹脂(注14)、ポリウレタン原料(注15)及び工業薬品の製造・販売を行っているとのことです。
(注5) 「エラストマー」とは、合成ゴム等のゴム弾性を有する工業用材料の総称のことをいうとのことです。
(注6) 「機能性コンパウンド」とは、高分子化合物に各種添加物を混合させて機能を高めた材料のことをいうとのことです。
(注7) 「ポリプロピレン・コンパウンド」とは、代表的な汎用樹脂であるポリプロピレンに、各種添加物を混合させて機能を高めた材料のことをいうとのことです。
(注8) 「エチレン」とは、ナフサを高温分解した際に生産されるモノマーで、ペットボトルやポリエステル繊維の原料(エチレングリコール)に使用される材料のことをいうとのことです。
(注9) 「プロピレン」とは、ナフサを高温分解した際に生産されるモノマーで、塗料の原料やアクリル繊維の原料に使用される材料のことをいうとのことです。
(注10) 「ポリエチレン」とは、エチレンを重合させることで生産されるポリマーで、耐衝撃性や耐薬品性に優れた材料のことをいうとのことです。
(注11) 「ポリプロピレン」とは、プロピレンを重合させることで生産されるポリマーで、軽量で耐熱性に優れた材料のことをいうとのことです。
(注12) 「フェノール類」とは、ベンゼン環に水酸基が直接結合した化合物で、フェノールやビスフェノールA、メタ/パラクレゾール等の基礎化学品のことをいうとのことです。
(注13) 「高純度テレフタル酸」とは、パラキシレンの酸化反応後、粗テレフタルの分離・精製を通じた高純度化(99.9%以上)によって生産される化合物で、ポリエステル原料に使用される材料のことをいうとのことです。
(注14) 「ペット樹脂」とは、テレフタル酸とエチレングリコールを結合させて生産される“ポリエチレンテレフタレート樹脂”の略称で、耐熱性や透明性に優れた材料のことをいうとのことです。
(注15) 「ポリウレタン原料」とは、ウレタン結合を含む高分子化合物であるポリウレタンの主原料となるイソシアネートとポリオールのことをいうとのことです。
公開買付者グループは、長期経営計画「VISION 2030」において、「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業を第一の収益の柱として成長させていくポートフォリオ変革を掲げており、積極的な資源投入を進める中で、M&A・社外提携による新規参入領域の事業基盤の獲得も目指しているとのことです。
一方、当社は、1999年4月に株式会社デイエヌエイチップ研究所として創業し、2002年11月に現商号である株式会社DNAチップ研究所に商号変更しました。その後、2004年3月に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場、2014年8月に東京証券取引所第二部へ変更、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所スタンダード市場に移行しております。
当社は、本書提出日現在、子会社及び関連会社を有しておらず、当社単体で、受託解析を行う「受託事業」、核酸解析の技術を用いた診断サービスの開発や販売を行う「診断事業」を主な事業内容としており、この事業区分ごとに包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
当社の各事業の概要は以下のとおりです。
受託事業におきましては、大学や公的研究機関、製薬会社等の企業を主要な顧客として次世代シークエンス、マイクロアレイ実験解析等を行っております。また、顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートの対応に注力しております。
受託事業の主なサービスには、次世代シークエンス受託解析サービス、マイクロアレイ受託解析サービス及びデジタルPCR解析を含むその他遺伝子解析サービスがあり、次のような種類があります。
<次世代シークエンス受託解析サービス>
次世代シークエンサー(注16)により、DNA(注17)やRNA(注18)を網羅的に解読することで、遺伝子の変異や細胞中の遺伝子の量を測定することができます。主要なサービスは以下のとおりです。
・遺伝子発現解析サービス(RNA-Seq)
各種生物種由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。FFPE(注19)由来の分解したサンプルや微量のサンプルなど、様々なサンプルに、対応しています。
・miRNA遺伝子発現解析サービス(miRNA-Seq)
各種生物種由来のRNAサンプルから、miRNA(注20)発現量を測定します。血清や血漿、がんとの関わりの深いエクソソーム(注21)中のmiRNAの発現解析などに対応しています。
・エクソソーム解析、全ゲノム解析サービス
遺伝子全体あるいは遺伝子のある領域のみを濃縮して解析することにより、効率的に遺伝子上の変異を検出します。希少疾患の原因やがんの原因となる遺伝子を網羅的に探究することができます。
・がんパネル解析
がん遺伝子の特定の領域における遺伝子変異を高感度に検出します。
・エピジェネティクス解析
DNAメチル化解析(注22)により、遺伝子の転写調節に係るゲノム領域の探索を網羅的に行います。
・16SrRNA解析、メタゲノムショットガン解析(細菌叢解析)
糞便・唾液・皮膚等のサンプルから、ヒト腸内や環境中に含まれる細菌叢の同定を行います。
(注16) 「次世代シークエンサー」とは核酸の塩基配列を大量かつ高速に解析する装置のことをいいます。
(注17) 「DNA」(デオキシリボ核酸)とは、細胞の核の中の染色体にあり、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の塩基が長い鎖のような形に結合したもののことをいいます。
(注18) 「RNA」(リボ核酸)とは、DNAに似た、A(アデニン)、U(ウラシル)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の塩基で構成された鎖のような形に結合した1本鎖の分子のことをいいます。
(注19) 「FFPE」とはFormalin-Fixed Paraffin-Embeddedの略語で組織病理検査の際に行う処理方法のことをいいます。
(注20) 「miRNA」とはmicro RNAの略語で遺伝子発現の調節に寄与する分子のことをいいます。
(注21) 「エクソソーム」とは細胞から分泌される直径50-150nmの細胞外小胞のことをいいます。
(注22) 「DNAメチル化解析」とはメチル基に修飾されたDNAを解析することをいいます。
<マイクロアレイ受託解析サービス>
マイクロアレイ受託解析サービス(注23)は以下のとおりです。
・遺伝子発現解析サービス
各生物由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。
・ゲノム構造解析サービス
DNAの微細な領域の構造(欠損、重複、コピー数変化等)を測定します。
・C3チェックサービス
当社独自開発のカスタムアレイCGH解析(注24)により、培養工程におけるゲノムコピー数異常を高精度に検出し、再生医療用細胞の品質評価を行います。
(注23) 「マイクロアレイ受託解析サービス」とはDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いた遺伝子解析の受託サービスのことをいいます。
(注24) 「カスタムアレイCGH解析」とはオーダーメイドのDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いてゲノムコピー数異常を解析する手法(Comparative Genomic Hybridization)のことをいいます。
<その他遺伝子解析サービス>
微量な遺伝子の絶対定量が可能な「デジタルPCR受託サービス」を提供していきます。また、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れています。
・デジタルPCR受託解析サービス
低濃度のサンプルを使って、高い精度で検量線を作成せずに絶対定量を行うことができ、わずかなコピー数の差の違いを検出することができます。遺伝子の変異解析等に利用されます。
・核酸(DNA/RNA)抽出サービス
細胞や組織等の各種生体サンプルから、次世代シークエンスやマイクロアレイの目的に応じた核酸(DNA/RNA)抽出を行います。
診断事業は、当社が培ってきた遺伝子解析技術を活用して、社会のニーズである「個別化医療」や「未病社会」に対応した以下の検査を社会に広めることを目的とした事業で、医療関連機関や研究関連機関、企業等を主要な対象顧客としております。また、診断事業の主なメニューは「肺がんコンパクトパネル🄬」(注25)及び「MammaPrint」であります。
(注25) 「肺がんコンパクトパネル🄬」とは特定の薬剤(分子標的薬)が有効かどうかを判別するために、薬剤投与前に複数の遺伝子変異を検出する検査のことをいいます。
<肺がんコンパクトパネル®>
当社の肺がんコンパクトパネル®は、肺がん患者さんそれぞれの遺伝子異常に対応した個別化医療・精密医療を実現するためのコンパニオン診断検査です。現在、EGFR ALK MET BRAF ROS1 KRAS RET ERBB2(HER2) NTRKといったドライバー変異に対応する分子標的薬が上市されており、一括で遺伝子変異の検査が可能なパネル検査の重要性が高まってきております。肺がんコンパクトパネル®は、肺がんに特化して薬剤投与につながる遺伝子変異にターゲットを絞り、高感度かつ一括での遺伝子パネルコンパニオン診断を提供いたします。生検組織から抽出する核酸のクオリティは、患者さんの検体ごとによってまちまちですが、クオリティの悪い検体にも対応可能な設計となっています。また、胸水・細胞診といったこれまでにパネル検査の実施が難しかった検査種へ適用することも可能なシステムであり、より多くの患者さんにお薬を届けることができるようになると期待しております。
年間11万人といわれている新規肺がん患者を対象とした初回検査において、パネル検査の普及が進んでおり、対象薬剤及び対象遺伝子が増えてきたことから、単一遺伝子検査の積み上げで対応することは困難になってきています。このような状況から、パネル検査の実施割合は今後更に増えていくことが予想されます。また、手術時の補助療法としての分子標的薬の有用性も示され、低ステージ肺がんでの検査需要が増えてきております。また、薬剤耐性時の獲得耐性変異の検査ニーズも高まっており、コンパニオン遺伝子検査の対象も広がりつつあります。将来的に全肺がん症例の半数程度がパネル検査を実施すると推定し、国内全体で年間5万件規模の市場規模になると予想しております。
本検査は国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学と地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターの共同研究成果をもとに、当社が開発・薬事試験を進めてきました。2022年11月16日に薬事承認を取得し、現在、臨床検査ラボ・メディカルラボラトリーにて保険診療検査サービスを提供しています。
<NOIR・AI解析>
当社は、分子バーコード法と呼ばれる核酸変異検出について、独自の特許技術を有しています。この技術により、血液中の微量な腫瘍由来DNAを検出したり、免疫発現状態を正確にプロファイルするリキッドバイオプシー検査系の開発と研究用解析サービスの提供をしております。膨大なデータをAIで処理して臨床的に有用な情報に結びつける技術開発にも取り組んでいます。
<MammaPrint>
MammaPrintは乳がんの再発リスクを予測する遺伝子検査です。
乳がんの予後診断は大変難しく、術後も再発・転移を防ぐための治療が必要となります。MammaPrintは、手術によって切断されたがん組織の遺伝子発現を調べ、一人一人のがんの再発リスクを明確にします。その結果、予後のリスクをあらかじめ知ることができ、乳がんの体系的な治療計画を立てることが可能となります。
本検査は、Agendia,Inc.(本社オランダ)において行われ、当社はMammaPrintの日本国内における販売代理店となっております。
また、上記「ア 受託事業」及び「イ 診断事業」に加え、研究開発活動として下記関連技術の研究開発を行っております。
<NOIR-SS技術>
独自の分子バーコード技術を用いて微量な遺伝子変異を正確に検出する「NOIR-SS」の研究開発に取り組んでおります。高感度が要求される微小な生検組織検体や血液検体への適用が期待されます。特に、リキッドバイオプシー(血液などの体液を用いた低侵襲検査)への応用の可能性を検証すべく、手術後の残存がん病変の確認やがんの薬剤の治療効果判定に関する研究を進めております。
<肺がんコンパクトパネル®の応用>
肺がんコンパクトパネル®で培った遺伝子パネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウをいかした他癌種パネルの開発を計画しております。高感度かつ幅広い検体種に適用可能な、国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指し、Key Opinion Leader(KOL)の先生方や製薬企業との協議を進めております。
<RNAチェック>
大学や研究機関との共同研究により、将来の診断・創薬に役立つ新しい検査方法「RNAチェック」を開発しております。RNAチェックでは、DNAを対象とする遺伝子検査と異なり、遺伝子の働き具合を知ることができます。主な研究として、抗リウマチ薬の効果予測やうつ病等の早期発見に向けたバイオマーカー研究などを進めております。
<公開買付者との協業>
公開買付者との資本業務提携契約(下記で定義する「第1回資本業務提携契約」及び「第2回資本業務提携契約」をご参照ください。)の下、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、検査・診断領域における新サービスの創出を目的とし、協議・開発を進めております。
当社は、「創造的革新」をモットーに「世の中に役立つこと」、「人間尊重」を経営理念として事業を行っております。人類の健康と幸福のために大きな発展が期待されているライフサイエンス分野のトップランナーの会社として、常にブレークスルーとグローバル化を意識した最高レベルの技術を磨き、信頼関係に基づく共同研究と自己啓発に努め、「日本および人類のために」を合言葉とする正当で不偏の経営を進めております。また、社会的責任を果たすべく、内外の法令を遵守しフェアな企業活動に徹すること、企業価値を高め株主・顧客・従業員等のステークホルダーの方々に報いることを目指しております。
公開買付者は検査・診断領域へ新規事業展開を図るための提携先候補について公開買付者内で検討を重ね、次世代シークエンサーやDNAマイクロアレイ等を用いた遺伝子解析技術を強みとし診断事業及び研究事業を展開する当社を提携先候補とし、2021年5月より当社との協議を開始したとのことです。更に、公開買付者と当社は、両社における資本業務提携の可能性を検討するため、2022年4月より両社の人員を出し合い複数回に亘る検討会を実施し、相互理解を深めるとともに、協議を重ねたとのことです。
その結果として、公開買付者は、当社との間で2023年1月24日付に資本業務提携契約(以下「第1回資本業務提携契約」といいます。)を、2024年2月8日付で資本業務提携契約(以下「第2回資本業務提携契約」といいます。)をそれぞれ締結したとのことです。
第1回資本業務提携契約に関しては、当社のDNA、RNAを中心とする遺伝子解析技術と公開買付者のライフサイエンス関連技術を有効に活用すること、公開買付者及び当社が有するネットワークや経営資源を活用することで相互の遺伝子検査領域を中心とした検査・診断事業の拡大、及び新事業の創出を目的としているとのことです。具体的には、当社が培ってきた遺伝子解析、診断分野の業界ネットワーク、特に、大学病院、公的機関、製薬会社、食品会社、検査会社へのネットワークと、公開買付者が有する材料、化学製品業界へのネットワークが補完関係にあることから、両社のネットワークを利用することによって、新たな研究開発の推進、診断分野における新分野領域への進出や、新規顧客獲得が可能になると考えられること、また、当社が有する遺伝子解析技術と、公開買付者が有するライフサイエンス関連技術を融合することによってより高精度、高品質な診断ツールの開発につながると同時に、より低コストで高性能なサービスの実現が可能になると考えられたため締結したとのことです。
公開買付者は、当社との第1回資本業務提携契約の締結以降、当社の肺がんコンパクトパネル®の販売拡大を図るべく、両社でマーケティング戦略及び各種拡販施策についての協議を進めたとのことです。
この具体的な成果としては、当社において、肺がんコンパクトパネル🄬の販売促進活動を進め、大手検査会社との連携を強化するとともに、全国の肺がん診療を行う病院・クリニックに対する営業活動を通じて、顧客(医療機関等)数の拡大を達成したとのことです。また、両社は、肺がん以外の疾患を対象とした新たな遺伝子パネル診断に係る検査手法の開発について協議を重ねるとともに、技術的調査、マーケット調査、規制状況の調査を行い、ターゲット疾患について絞り込みを行ったとのことです。こうした経緯を経て、公開買付者と当社は、両社の資本業務提携を更に発展させるとともに、新規テーマの開発推進及び肺がんコンパクトパネル🄬の拡販強化を通じて、両社の診断事業の拡大を図ることを目的に第2回資本業務提携契約を締結しました。公開買付者は、第1回資本業務提携契約において、当社の監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)候補者1名の指名を有することとなり、第2回資本業務提携契約においては、監査等委員でない社外取締役(非業務執行・非常勤)候補者1名及び監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)候補者1名の指名を有することとなった結果、本書提出日現在、監査等委員でない社外取締役(非業務執行・非常勤)1名及び監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)1名を当社に派遣しているとのことです。
なお、公開買付者は、第1回資本業務提携契約を通じて2023年2月21日付で当社株式523,364株(当時の当社の発行済株式総数(5,829,700株)から当時当社が所有した自己株式数(137株)を控除した株式数(5,829,563株)に対する割合:8.98%)を、第2回資本業務提携契約を通じて2024年3月28日付で414,110株(当時の当社の発行済株式総数(6,353,064株)から当時当社が所有した自己株式数(3,138株)を控除した株式数(6,349,926株)に対する割合:6.52%)をそれぞれ第三者割当増資の引き受けにより取得しており、本書提出日現在、当社株式937,474株(所有割合:13.87%)を所有しているとのことです。
公開買付者は、上記のとおり当社との連携を推進し関係を深めてまいりましたが、限定的な資本関係の中では、当社に対する経営資源の効率的かつ積極的な投入や、公開買付者と当社間での経営資源の相互活用・人材交流等に一定の制約が存在していることから、迅速な意思決定や施策の実行が困難な場面があるとのことです。
上記を踏まえ、2024年7月上旬、公開買付者は、当社及び公開買付者グループの更なる成長のために、本公開買付けを通じ当社を公開買付者の完全子会社とすることの初期的な検討を開始したとのことです。そして、公開買付者は2024年9月中旬、以下の(ⅰ)~(ⅲ)において記載する取り組みや第2回資本業務提携で2024年4月より1件の共同研究開発開始、経営企画副本部長(非常勤)の派遣や両社にて立ち上げた事業ワーキンググループを通じたセールス&マーケティング活動の強化というシナジーを創出できたことにも鑑み、中長期的な当社及び公開買付者グループの発展のためには、公開買付者グループの人材の追加派遣や相互の人材交流、公開買付者の有する経営管理ノウハウ・アドミ支援サービス(注26)の提供等によって公開買付者グループが当社とより強固に連携していくことが重要であり、また、当社が上場を維持して独立した経営を継続するよりも、当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループとして一体で綿密に連携した業務運営を行うことができ、相互の事業成長に資するものであると考えたことから、その実現のために本取引の一環として本公開買付けを実施することが適切であるとの考えに至ったとのことです。
(注26) 「アドミ支援サービス」とは、グループファイナンスの供与、法務関連支援、知財調査支援等の親会社による子会社の間接部門への支援のことをいうとのことです。
公開買付者の第一の収益の柱として成長させていく「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業において、診断事業及び研究・受託事業における開発・薬事・検査オペレーション・販売等の機能を有する当社を完全子会社化し一体とすることで、検査・診断領域における事業基盤を獲得することが可能となるとのことです。また、公開買付者グループが有するライフサイエンス関連技術と当社のDNA、RNAを中心とする遺伝子解析技術の融合や、公開買付者グループの有する企業・研究関連機関とのネットワーク・CVC機能の活用がより促進されることで、新たに特徴のある検査・診断コンテンツの開発・事業創出が期待できるとのことです。今後、当社を公開買付者の検査・診断事業の中心として位置付け、上記取り組みを通じた事業拡大を図ることにより、公開買付者の長期経営計画「VISION2030」の実現に不可欠な「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業の成長を図ることができるものと考えているとのことです。
公開買付者は、当社が2023年1月に肺がんコンパクトパネル🄬(4遺伝子)を、2024年2月に肺がんコンパクトパネル🄬(7遺伝子)をそれぞれ発売し、高い検出感度(1%)や細胞診検体でも検出可能といった特徴から2024年3月期実績から2025年3月期業績予想(2024年11月当社「第2四半期決算説明資料」より)において、診断事業の売上高が175百万円から880百万円へと順調に拡大していると認識しているとのことです。肺がんコンパクトパネル🄬を中心とした診断事業の更なる拡大のため、公開買付者グループの経営資源やネットワークを活用することで、国内における新規顧客開拓の加速やグローバル展開が図れるものと考えているとのことです。
当社が公開買付者グループの傘下に入ることで、公開買付者グループのグループファイナンスの供与により財務的安全性の向上が見込まれ、また、顧客・取引先等のステークホルダーに対する認知度や信用力の向上が見込まれるとのことです。更に、公開買付者の有する経営管理ノウハウ・アドミ支援サービスを提供することで、当社の経営基盤を強化し、企業価値の向上が期待できるとのことです。
このような認識のもと、公開買付者は、本取引についての具体的な手続を進めるために、2024年10月上旬に公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下「KPMG」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現森・濱田松本法律事務所外国法共同事業)をそれぞれ選任して、本取引に関する検討及び当社との協議を行う体制を構築したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年10月中旬に、当社に対して、本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを行い、2024年10月24日に、本取引の背景及び目的、本取引のストラクチャー等について記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
その後、公開買付者は、本取引の実現可能性を精査するための当社に対するデュー・ディリジェンスを2024年11月上旬から2024年12月下旬まで実施し、並行して当社との間で、本取引の意義、目的、本取引後の事業の方針、本取引によって生じるシナジー効果、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)や本取引の諸条件について交渉を行ったとのことです。具体的には、公開買付者は、KPMGによる当社株式価値の試算、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けへの応募の見通し等を勘案し、2024年12月26日、当社に対して、(1)本公開買付価格を900円(同提案日の前営業日である2024年12月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値604円に対して49.01%(小数点第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値652円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して38.04%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値703円に対して28.02%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値770円に対して16.88%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限をいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」を充足する2,911,600株(所有割合:43.07%)に設定する旨の提案を行ったとのことです。
これを受け、2025年1月8日に、本特別委員会(下記「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に定義します。以下同じです。)から、公開買付者に対し、(1)2024年12月26日の提案価格が当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないとして、公開買付者に本公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については公開買付者より開示される予定の公開買付届出書における、当社一般株主に対する説明内容を確認の上、協議させていただく可能性がある旨の回答を受けたとのことです。
2025年1月8日の本特別委員会からの価格等の再提案要請を受けて、公開買付者にて提案価格等の再検討を実施し、2025年1月16日、公開買付者は、当社に対して、(1)本公開買付価格を980円(同提案日の前営業日である2025年1月15日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値650円に対して50.77%、2025年1月15日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値643円に対して52.41%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値683円に対して43.48%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値743円に対して31.90%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定については、公開買付届出書における当社の一般株主に対する説明内容を確認してほしい旨の第2回提案を行ったとのことです。この第2回提案に対して、2025年1月17日に、本特別委員会から、公開買付者に対し、(1)2025年1月16日の第2回提案価格は依然として当社の一般株主の利益に十分配慮したものとはいえないとして、公開買付者に改めて価格を再考いただきたい旨とともに、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については、公開買付届出書の内容における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、本特別委員会として改めて協議をさせていただく可能性がある旨の回答を受け、また、買付予定数の下限、本件の意義目的等に関する追加質問事項書を受領したとのことです。
2025年1月17日の本特別委員会からの価格等の再提案要請を受けて、公開買付者にて提案価格等の再検討を真摯に行い、2025年1月21日、公開買付者は、当社に対して、(1)本公開買付価格を1,050円(同提案日の前営業日である2025年1月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値654円に対して60.55%、2025年1月20日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値639円に対して64.32%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値678円に対して54.87%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値732円に対して43.44%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定に関する一般株主への説明については改めて提出する上記追加質問事項書への買付予定数の下限、本件の意義目的等に関する回答内容を確認してほしい旨の第3回提案を行ったとのことです。この第3回提案に対して、2025年1月22日に、本特別委員会から、公開買付者に対し、(1)2025年1月21日の第3回提案価格は依然として当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者に改めて価格を再考いただきたい旨とともに、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については、追加質問事項書への回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、それらが十分でない場合には、本特別委員会として買付予定数の下限の引き上げを要請させていただくことを予定している旨の回答を受けたとのことです。
2025年1月22日の本特別委員会からの価格等の再提案要請を受けて、公開買付者にて提案価格等の再検討を真摯に行い、2025年1月24日、公開買付者は、当社に対して、(1)本公開買付価格を1,080円(同提案日の前営業日である2025年1月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値644円に対して67.70%、2025年1月23日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値640円に対して68.75%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値674円に対して60.24%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値728円に対して48.35%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については変更せず、提出する追加質問事項書への買付予定数の下限に関する回答内容を確認してほしい旨の第4回提案を行ったとのことです。この第4回提案に対して、2025年1月27日に、本特別委員会から、(1)2025年1月24日の第4回提案価格は一定程度評価できる水準であるものの、中長期的に継続保有する当社の一般株主の利益確保の観点を十分に考慮すべきとして、公開買付者に更なる価格の引き上げの検討を要請するとともに、また、(2)買付予定数の下限については、「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数として2,911,600株(所有割合:43.07%)と設定されていたことに対して、買付予定数の下限に関する同日時点における追加質問事項書に対する回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を踏まえても、公開買付者からの説明を踏まえても強圧性の問題を完全に払拭できないと考えているとして、公開買付者に下限の引き上げを検討するように要請をしたとのことです。
2025年1月27日の本特別委員会からの価格及び買付予定数の下限の再提案要請を受けて、提案価格及び買付け予定数の下限設定の再検討を真摯に行い2025年1月28日、公開買付者は、当社に対して、(1)本公開買付価格を1,100円(同提案日の前営業日である2025年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値667円に対して64.92%、2025年1月27日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値650円に対して69.23%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値673円に対して63.45%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値723円に対して52.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)買付予定数の下限を3,119,000株(所有割合:46.14%)(公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が当社の総議決権の60%に相当する数以上となる水準)とする第5回提案を行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、2025年2月3日、本特別委員会から、第5回提案に対し、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件について応諾する旨の回答を受けたとのことです。
以上の経緯、その後の協議・交渉を経て、公開買付者は、2025年2月4日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
公開買付者は、本取引後における当社の経営方針について、当社の役職員が一丸となってこれまで築き上げてきた事業基盤を生かしつつ、公開買付者グループが有する経営資源やネットワークを提供することにより、当社及び公開買付者グループの企業価値向上に資する経営を推進していく予定とのことです。
なお、本書提出日現在、公開買付者は、監査等委員でない社外取締役(非業務執行・非常勤)1名及び監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)1名を当社に派遣しているところ、本取引後の当社の具体的な役員構成を含む経営体制については、当社と協議の上、決定していく予定ですが、公開買付者は公開買付者グループから取締役会の過半数の取締役を派遣することを想定しているとのことです。公開買付者は、本取引後においても、当社の既存の顧客や調達先等の取引先との取引を継続することを想定しているとのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年10月24日、公開買付者から、本意向表明書を受領するとともに、本取引の意義・目的について、両社の資本関係をより強固なものとし、更に緊密な事業上の連携を実現することで、両社の企業価値の最大化及び持続的な成長を実現することを企図している旨の説明を受けました。当社においてかかる提案について慎重に検討を行った結果、デュー・ディリジェンスその他の本取引に向けた具体的な検討及び協議を開始することを決定するとともに、2024年11月上旬、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとして株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。また、当社は、公開買付者の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、公開買付者は、当社との資本業務提携に基づき当社株式を937,474株(所有割合:13.87%)所有する当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社の役員に公開買付者の役職員を兼任する者がいること等を考慮し、当社の取締役会において本取引の是非を検討するに際して、本取引に関する当社の意思決定過程の恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、西村あさひの助言を踏まえ、2024年11月20日付で、当社の取締役会における決議により、当社の社外取締役である久慈正一氏、川本祥子氏、外部有識者である岡田孝太郎氏(弁護士・東京国際法律事務所)の3名によって構成される、公開買付者及び当社並びに本取引の成否から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました(特別委員選任の経緯を含め、本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。また、当社は、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、2024年11月25日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会により、かかる検討体制につき独立性の観点から問題がないことについて承認を受けております。
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、プルータス及び西村あさひの助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の公正性・妥当性等に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2024年12月26日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり900円(同提案日の前営業日である2024年12月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値604円に対して49.01%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値655円に対して37.40%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値703円に対して28.02%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値772円に対して16.58%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限をいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」を充足する2,911,600株(所有割合:43.07%)に設定する旨の第1回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第1回提案に対し、2025年1月8日に、第1回提案において公開買付者が当社に提示した公開買付価格は当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については公開買付者より開示される予定の公開買付届出書における、当社一般株主に対する説明内容を確認の上、協議させていただく可能性がある旨を回答いたしました。
その後、当社は、同年1月16日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり980円(同提案日の前営業日である同年1月15日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値650円に対して50.77%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値643円に対して52.41%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値683円に対して43.48%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値743円に対して31.90%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定については、公開買付届出書における、当社一般株主に対する説明内容を確認してほしい旨の第2回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第2回提案に対し、同年1月17日に、第2回提案において公開買付者が当社に提示した第2回提案の公開買付価格は依然として当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、公開買付届出書の内容における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、本特別委員会として改めて協議をさせていただく可能性がある旨の回答及び買付予定数の下限、本件の意義目的等に関する追加質問事項書を提出いたしました。
その後、当社は、同年1月21日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり1,050円(同提案日の前営業日である同年1月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値654円に対して60.55%、同年1月20日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値639円に対して64.32%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値678円に対して54.87%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値732円に対して43.44%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定に関する一般株主への説明については、改めて提出する上記追加質問事項書への回答内容を確認してほしい旨の第3回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第3回提案に対し、同年1月22日に、第3回提案において公開買付者が当社に提示した第3回提案の公開買付価格は依然として当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、追加質問事項書への回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、それらが十分でない場合には、本特別委員会として買付予定数の下限の引き上げを要請させていただくことを予定している旨を回答いたしました。
その後、当社は、同年1月24日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり1,080円(同提案日の前営業日である同年1月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値644円に対して67.70%、同年1月23日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値640円に対して68.75%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値674円に対して60.24%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値728円に対して48.35%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については変更せず、改めて提出する追加質問事項書への回答内容を確認してほしい旨の第4回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第4回提案に対し、同年1月27日に、第4回提案において公開買付者が当社に提示した第4回提案の公開買付価格は一定程度評価できる水準であるものの、中長期的に当社株式を継続保有する当社の一般株主の利益確保の観点を十分に考慮して、更なる引き上げを要請するとともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、同日時点における追加質問事項書に対する回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を踏まえても、強圧性の問題を完全に払拭できないと考えていることから、買付予定数の下限についても引き上げを要請いたしました。
その後、当社は、同年1月28日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を1,100円(同提案日の前営業日である同年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値667円に対して64.92%、同年1月27日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値650円に対して69.23%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値673円に対して63.45%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値723円に対して52.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限を3,119,000株(所有割合:46.14%)に設定する旨の第5回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第5回提案に対し、同年2月3日に、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件について応諾する旨を回答いたしました。
その上で、当社は、2025年2月4日、プルータスから2025年2月3日付で取得した株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)の内容、西村あさひから受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年2月3日付の答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
当社が属するライフサイエンス及び医療分野においては、技術の進歩が著しく、DNAチップ、次世代シークエンサー等の網羅的かつ超高速遺伝子解析技術が普及し、それらを利用した新しい薬剤・診断ツールが次々と開発されてきています。特に、がんの分野で薬剤効果を予測するコンパニオン診断や再発予測などの「個別化医療」が進んでいます。
一方で、世界的な超高齢化社会を迎えるにあたり、労働力の減少、年金や社会保障の問題など、様々な社会問題を抱えています。特に、国民医療費は年々増加し、国の財政の多くを占めており、これを解決するためには、より効果的な個別化医療に加えて、予防医療のための(病気にならないための)新しい診断ツールの開発が期待されています。
このような状況の中、当社の検査診断事業のコンテンツの拡充及び売上の向上、更に受託解析サービスの事業拡大を中長期的に維持発展させていくためには、情報化時代に即した、最新の技術を取り入れるとともに、より一層の研究開発投資と売上拡大のための施策を講じることが急務であります。
当社は、このような不透明な経営環境の中、上記課題を解決し、両社のシナジー効果を最大限に発揮するためには、両社の資本関係をより強固なものとした上で、両社が中長期的なビジョンを共有し、一体となって事業展開を行うことが必要であると考えました。
当社が本取引により公開買付者の完全子会社となることで実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
ア.両社の独自技術や材料を組み合わせた新しい検査診断サービス及び新規事業(創薬やヘルスケア分野事業)の創生
当社のDNA、RNAを中心とする遺伝子解析技術と公開買付者グループが有するライフサイエンス関連技術との融合により、検査・診断領域において、当社が中心となって新たな特徴のある検査・診断コンテンツの開発・事業創出が期待できます。また、検査・診断の開発の過程で得られた新たなバイオマーカーをシーズとした創薬事業や、新規測定技術をベースとした医療分野以外のライフサイエンス及びヘルスケア分野事業など、新たな領域における事業創出への展開が期待できます。
イ.公開買付者の海外ネットワークを利用した、海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大
公開買付者グループの有する海外の企業・研究関連機関とのネットワーク、更にはCVC機能の活用がより促進されることで、当社の診断コンテンツの海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大が期待できます。
ウ.研究開発投資による検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進
当社は、2023年1月に肺がんコンパクトパネル®(4遺伝子)を、2024年2月に肺がんコンパクトパネル®(7遺伝子)をそれぞれ発売し、高い検出感度(1%)等の優れた特徴から順調に販売を拡大しています。今後、さらなる診断事業拡大のために、その他のがん及びがん以外の疾患を対象に新しい遺伝子検査サービスについて研究開発投資を行う必要があり、公開買付者グループのグループファイナンスを利用することにより、より迅速に、検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進が期待されます。
エ.公開買付者の経営資源を利用した人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用
当社が公開買付者グループの傘下に入ることで、顧客・取引先等のステークホルダーに対する認知度や信用力の向上が見込まれます。更に、公開買付者の有する経営管理ノウハウ・アドミ支援サービスを受けることにより、当社の経営基盤を強化し、人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用することが可能となり、企業価値の向上が期待できます。
なお、当社株式の非公開化により、当社は、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失することになります。しかしながら、当社が公開買付者グループの傘下に入ることで、公開買付者グループのグループファイナンスの供与により、投資のための資金調達が見込まれ、また、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、必ずしも非上場化することでブランド力等を失うわけではないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的であると考えております。なお、公開買付者が当社を完全子会社とすることによるディスシナジーは特段想定しておりません。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格(1,100円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しております。
(a) 当該価格が、下記「(3) 算定に関する事項」に記載されているプルータスによる対象者株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果の中央値を上回る水準にあること。
(b) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値685円に対して60.58%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値661円に対して66.41%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値670円に対して64.18%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日から2024年11月30日までに公表された、日本国内における上場会社に対する買付予定数に上限を設けていない公開買付けの事例135件(マネジメント・バイアウト(MBO)(注27)、親会社による子会社の非公開化を目的とした取引の事例を除きます。)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日の終値に対して41.78%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.60%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して43.33%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して46.36%)と比較しても、公表日前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値 、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについて、同種事例の中央値を上回っていることを考慮すれば、遜色のない合理的なプレミアムが付されていると考えられること。
(注27) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が対象者の役員である取引、又は公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
(c) 当該価格が、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても当該措置が採られた上で決定されており、関連する内容のプレスリリース等での開示を含めて少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
(d) 当該価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。また、本スクイーズアウト手続を実施するための手法として株主総会決議による本株式併合を行う場合、本株式併合の実施の可否は理論上確実ではないものの、①公開買付者から、本特別委員会に対して、当社の定時株主総会における議決権行使率や公開買付者が同種と考えている事案の分析等を踏まえた本スクイーズアウト手続に係る議案が承認される蓋然性に関する説明がなされたこと、②公開買付届出書を通じて一般株主に対してもそれらの説明がなされること、③本特別委員会の要請により、本株式併合に係る株主総会の議決権行使率が90%以上とならない限り本株式併合の実施が確実に承認される水準まで買付予定数の下限が引き上げられたこと、④上記のとおり妥当であると認められる本公開買付価格での売却機会を一般株主に対して提供する本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化することにより一般株主の利益を保護する観点等に鑑みると、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても不合理であるとはいえないと判断されていること。
以上の経緯のもとで、当社は、2025年2月4日開催の取締役会において当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記取締役会決議の詳細は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるKPMGに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、KPMGは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、KPMGから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
KPMGは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値にあたり採用すべき算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はKPMGから2025年2月3日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。
買付者株式価値算定書において、採用した手法及び該当手法に基づいて算出された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法 :661円から716円
DCF法 :855円から1,229円
市場株価平均法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月3日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値685円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値661円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値670円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値716円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を661円から716円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2025年3月期から2033年3月期までの9期分)(以下「本事業計画」といいます。)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が当社に対して2024年11月上旬から2024年12月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年3月期第4四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を855円から1,229円と算定しているとのことです。なお、本事業計画は、本取引の実行を前提としていないとのことです。また、上記DCF法の算定の基礎となる本事業計画については、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、営業利益について、診断事業における肺がんコンパクトパネル🄬の更なる販売数の拡大や検査診断コンテンツの拡充により、2025年3月期においては対2024年3月期比で大幅な増益(営業利益76百万円)、2026年3月期においては対2025年3月期比で大幅な増益(営業利益193百万円、153.2%増)、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な増益(営業利益379百万円、96.5%増)、2029年3月期においては対2028年3月期比で大幅な増益(営業利益688百万円、59.8%増)を見込んでいるとのことです。また、フリー・キャッシュ・フローについては、2026年3月期及び2027年3月期において予定している設備投資により、2025年3月期においては対2024年3月期比で大幅な増加(137百万円)、2026年3月期においては対2025年3月期比で大幅な減少(▲608百万円)、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な増加(78百万円)、2028年3月期においては対2027年3月期比で大幅な増加(394百万円、404.0%増)を見込んでいるとのことです。
公開買付者は、KPMGから取得した買付者株式価値算定書の算定結果に加え、当社に対して2024年11月上旬から2024年12月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向、当社との協議・交渉の結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の有無及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果を踏まえ、最終的に2025年2月4日開催の取締役会において、本公開買付価格を1,100円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である1,100円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値685円に対して60.58%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値661円に対して66.41%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値670円に対して64.18%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
また、本公開買付価格である1,100円は、本書提出日の前営業日である2025年2月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値719円に対して52.99%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
(注27)KPMGは、当社株式価値の算定に際して、当社から提供を受けた情報、ヒアリングにより聴収した情報及び一般に公開された情報等、採用したそれらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でKPMGに対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。またKPMGは当社の資産及び負債(簿外資産・負債・その他偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。また、かかる算定において参照した当社の財務予測については、公開買付者による現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたことを前提としていること、並びにかかる算定は2025年2月3日までの情報と経済情勢を反映したものであることを前提としているとのことです。
当社は、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日に、対象者株式価値算定書を取得いたしました。なお、プルータスは、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、プルータスの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。なお、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、プルータスから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、本取引に係るプルータスに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりません。
プルータスは、当社株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社株式の価値算定を行っています。プルータスは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を用い、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。
プルータスが上記の手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :661円から716円
DCF法 :779円から1,275円
市場株価法では、2025年2月3日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値685円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値661円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値670円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値716円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を661円から716円と算定しております。
DCF法では、本事業計画、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を779円から1,275円と算定しております。
なお、本事業計画については、大幅な増益及び大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減を見込んでいる事業年度が含まれます。具体的には、営業利益について、診断事業における肺がんコンパクトパネル🄬の更なる販売数の拡大や検査診断コンテンツの拡充により、2025年3月期においては対2024年3月期比で大幅な増益(営業利益76百万円)、2026年3月期においては対2025年3月期比で大幅な増益(営業利益193百万円、153.2%増)、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な増益(営業利益379百万円、96.5%増)、2029年3月期においては対2028年3月期比で大幅な増益(営業利益688百万円、59.8%増)を見込んでおります。また、フリー・キャッシュ・フローについては、2026年3月期及び2027年3月期において予定している設備投資により、2025年3月期においては対2024年3月期比で大幅な増加(29百万円、118.3%増)、2026年3月期においては対2025年3月期比で大幅な減少(▲571百万円、2097.9%減)、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な増加(105百万円、118.4%増)、2028年3月期においては対2027年3月期比で大幅な増加(460百万円、338.9%増)を見込んでおります。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、プルータスがDCF法に用いた事業見通しには加味されておりません。
(注28) プルータスは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の役職員(ただし、公開買付者から独立した者に限ります。)による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、プルータスは、算定の基礎とした本事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本事業計画については、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社株式に係る議決権の数の合計が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定であるとのことです。
株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対して交付することを定める予定であるとのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主から、その所有する当社株式の全てを取得するとのことです。そして、公開買付者は、売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対して、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定であるとのことです。
なお、当社は、公開買付者から株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社の取締役会において、かかる株式売渡請求を承認することを予定しております。
株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、当該申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社株式に係る議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定であるとのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定であるとのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年6月中旬頃を予定しています。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、当社の株主の皆様は、本株式併合がその効力を生ずる日において、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。なお、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格について、公開買付者は、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対して交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定であるとのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社の株主が公開買付者のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に対して要請する予定であるとのことです。
株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する当社株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であるとのことです。
なお、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び従業員に付与された当社の本譲渡制限付株式については、本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、現在譲渡制限期間中であるところ、譲渡制限期間中に株式の併合(当該株式の併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は株式売渡請求に関する事項が当社の取締役会で承認された場合には、当社の取締役会の決議により、本株式併合の効力発生日の前営業日の直前時又は特別支配株主による当社株式の取得日の前営業日の直前時をもって、譲渡制限を解除するとされております。
本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の規定に従い、本株式併合の効力発生日の前営業日の直前時又は特別支配株主による当社株式の取得日の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式併合又は株式売渡請求の対象とする予定であるとのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した後、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続の実施を予定しておりますので、その場合には東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
また、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合であっても、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案についてご承認を得た場合には、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。なお、本臨時株主総会において本株式併合が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、並びに本臨時株主総会における議決権行使率等も踏まえた上で、本株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(法において認められる場合に限ります。)により、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(ただし、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(当社が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とします。)にて、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を行う予定とのことです。
なお、上場廃止となる見込みを伴う本公開買付けを実施する目的は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおりであり、本公開買付けの実施に伴う少数株主への影響及びそれに対する考え方は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しませんが、本書提出日現在において、公開買付者は、(ⅰ)当社株式を937,474株(所有割合:13.87%)所有していること、(ⅱ)監査等委員でない社外取締役(非業務執行・非常勤)1名及び監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)1名を当社に派遣していることを踏まえ、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。また、以下の記述中の公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるKPMGに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日付で買付者株式価値算定書を取得したとのことです。なお、KPMGは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、KPMGから本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者が2025年2月3日付でKPMGから取得した買付者株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日に、対象者株式価値算定書を取得いたしました。なお、プルータスは、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
なお、当社は、本取引に際して実施されている本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、プルータスから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
当社がプルータスから取得した対象者株式価値算定書の詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、西村あさひを選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
なお、西村あさひは、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、西村あさひに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
当社は、当社の取締役会において本取引の是非を検討するに際して、本取引に関する当社の意思決定過程の恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2024年11月20日に、当社の取締役会における決議により、久慈正一氏(当社社外取締役)、川本祥子氏(当社社外取締役)及び岡田孝太郎氏(弁護士・東京国際法律事務所)の3名から構成される、公開買付者及び当社並びに本取引の成否から独立した本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員の報酬については、当社の取締役会において時間単位又は固定額の報酬を想定した合理的な範囲の報酬の負担を決議しており、成功報酬は採用しておりません。また、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)。なお、当社の社外取締役(監査等委員を含みます。)は4名(久慈正一氏、川本祥子氏、橋詰和寛氏及び岡村友之氏)であるところ、橋詰和寛氏及び岡村友之氏の2名は公開買付者の役職員との兼任であることを考慮し、公開買付者と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、委員に選任することは適当ではないと考え、独立性を有する久慈正一氏及び川本祥子氏の2名は本特別委員会の委員とすべきものと判断いたしました。一方で審議の充実の観点からは、本特別委員会の員数は3名以上とすることが望ましいため、当社において久慈正一氏及び川本祥子氏の2名に加え、外部有識者1名を当該委員として選任することを検討いたしました。その上で、当社は、長年にわたりM&A等を専門として企業法務に関する職務に携わり、その経験を通じて、上場会社を完全子会社とすることを目的とした取引について豊富な知見を有する外部有識者である岡田孝太郎氏を本特別委員会の委員として選任いたしました。
当社は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)に関する事項、(ⅱ)本取引の取引条件の公正性・妥当性に関する事項、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性に関する事項、(ⅳ)本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないか、(ⅴ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下「本諮問事項」と総称します。)について諮問いたしました。更に、当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しております。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)適切な判断を確保するために、当社の財務アドバイザー、第三者評価機関、法務アドバイザーその他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」という。)を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)適切な判断を確保するために、本特別委員会のアドバイザー等を選任する権限、(ⅲ)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限及び(ⅳ)必要に応じて、本取引の取引条件等の交渉を行う権限を付与いたしました。これを受けて、本特別委員会は、当社の第三者算定機関であり、かつ、ファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス及び当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひにつき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社の第三者算定機関兼ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認し、また本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
本特別委員会は、2024年11月25日より2025年2月3日までの間に合計10回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。具体的には、本特別委員会は、(ⅰ)公開買付者に対する、本取引の目的・背景、本取引の条件及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、(ⅱ)当社に対する、プルータスによる当社株式の株式価値算定の前提とした本事業計画の内容及び策定方法、並びに公開買付者の提案内容及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、並びに(ⅲ)プルータスに対する、当社株式の株式価値算定に関する事項のヒアリング等を行っております。また、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひから、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けております。
更に、本特別委員会は、プルータスから受けた財務的見地からの助言を踏まえ、公開買付者からより高い価格を引き出すための交渉方針について審議・検討するとともに、当社が公開買付者から本公開買付価格に関する提案を受領する都度、適時に報告を受け、プルータスから受けた財務的見地からの助言も踏まえて、公開買付者に対する交渉方針を審議・検討すること等により、公開買付者との間の本公開買付価格に関する協議・交渉に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月3日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
(ア)本取引の目的等
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の当社の事業内容に照らして、当社が、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、ライフサイエンス及び医療分野における著しい技術の進歩及び様々な社会問題解決のため予防医療に係る新しい診断ツールの開発が期待されている事業環境下において、当社の検査診断事業のコンテンツの拡充及び売上の向上、更に受託解析サービスの事業拡大を中長期的に維持発展させていくためには、情報化時代に即した、最新の技術を取り入れるとともに、より一層の研究開発投資と売上拡大のための施策を講じることが急務であるとの経営課題を認識している点について、不合理な点は認められない。
そして、公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、①公開買付者の「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業での新領域への展開、②当社の診断事業の拡大・加速、③当社の経営基盤強化をシナジーとして想定している。また、公開買付者は、上記シナジーに関する具体的な当社の企業価値向上施策として、本意向表明書並びに本特別委員会からの書面質問及びインタビューに対する回答として、(ⅰ)公開買付者の資金・人材や研究関連機関・ベンチャー企業とのネットワークの活用によるヘルスケア分野で激化する人材獲得競争における競争力の確保、事業規模の拡大にあたってのオペレーション強化及びセールス&マーケティング活動におけるアクションの幅広さや柔軟性の確保、(ⅱ)公開買付者による法務、知財、経営管理機能、グループファイナンス、HR、物流等のアドミ支援サービスの提供及び公開買付者の各種コーポレート機能・基盤の活用、(ⅲ)新規テーマ開発によるパイプライン拡充、(ⅳ)公開買付者の欧米、アジア拠点や、各拠点が保有するステークホルダーとの関係などを活用することによる、肺がんコンパクトパネル🄬の海外展開、及び(ⅴ)公開買付者のCVC等との連携による中長期的な開発テーマパイプライン・技術基盤の拡充を挙げているところ、上記シナジー及び企業価値向上施策の説明について不合理な点は認められず、当該企業価値向上施策による各シナジーの発現が合理的に見込まれると考えられる。
また、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、本取引により公開買付者の完全子会社となることで、①両社の独自技術や材料を組み合わせた新しい検査診断サービス及び新規事業(創薬やヘルスケア分野事業)の創生、②公開買付者の海外ネットワークを利用した海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大、③研究開発投資による検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進、④公開買付者の経営資源を利用した人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用が実現可能となると考えているところ、上記公開買付者の提示するシナジー及びその企業価値向上施策と相互に矛盾抵触せず、整合的であるとともに、内容として不合理な点は認められず、シナジーの発現が合理的に見込まれるものと認められる。また、本特別委員会は、公開買付者が当社の検査診断事業であるコンパクトパネルの事業を高く評価していると考えられるところ、当社のコンパクトパネル以外の事業展開も期待して中長期に当社株式を保有している一般株主が存在すると考えられることに鑑み、上記当社の想定しているシナジーである新規事業の創生に関して、公開買付者の考え方を確認するため、インタビュー及び複数回の書面質問を行った。この点について、公開買付者は、市場拡大が見込まれる再生医療領域におけるバイオマーカー探索・遺伝子解析や培養細胞の品質評価・有効性評価等における当社技術の活用による価値創出等、中長期的な新領域展開のアイデアを含む回答を行い、当該想定についても内容として不合理な点は認められず、シナジーの発現に寄与することが合理的に見込まれるものと認められる。
公開買付者は、経営方針について、本意向表明書並びに本特別委員会からの書面質問及びインタビューに対する回答として、経営体制について、現社内取締役には引き続き経営への参画を要請しつつ、公開買付者グループから取締役会の過半数の取締役を派遣することを想定している旨、当社従業員について合理的かつ止むを得ない事情のある場合を除き従前どおりの処遇にて継続雇用する旨、グループファイナンス制度に加入することが検討されている旨、公開買付者グループに対するものと同様の経営に対する規律を保つ旨、本取引後においても当社の既存の顧客や調達先等の取引先との取引を継続することを想定している旨、その他重大な経営方針の変更について現状は想定していない旨説明しており、企業価値を毀損する不合理な点は認められない。
上場廃止の影響について、公開買付者は、公開買付者グループへの参画による当社の信用力や財務的安全性の向上が見込まれ、当社従業員の公開買付者への出向等の方策により、従業員のリテンションは維持でき、本取引後の公開買付者の活用によるシナジーの実現により、既存の顧客に対してより付加価値の高いサービス・製品を提供することができ、信用力・財務的安全性の向上により、安心して取引関係が構築されることを期待することができ、増資や社債発行といった直接金融による資金調達手段の限定は生じるもののグループファイナンスの供与が想定され、グループガバナンスに則った運営も考慮すると、信用力・認知度、人的リソース、取引関係、資金調達、ガバナンスその他事項について特段のデメリットや懸念事項は想定していないものとしている。
また、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上等のメリットを喪失することになる一方で、グループファイナンスの供与による資金調達が見込まれること、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、必ずしも非上場化することでブランド力等を失うわけではないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的と考えている。
上記、両社の検討について、直接金融による資金調達手段の限定については、公開買付者のグループファイナンスの供与により影響は限定的と考えられ、また、当社の社会的信用については、当社が上場会社であることではなく当社の事業活動を通じて獲得・維持されており、上場会社でなくなることで直ちに失われてしまうものとは認められず、むしろ公開買付者グループへの参画により信用力や認知度の向上も期待できること等からすると、上場廃止の影響が限定的であるとの認識に、特段不合理な点は認められない。
なお、本特別委員会は、公開買付者と当社が既に資本業務提携契約に基づく業務提携を実施しているところ、一般論として、当社の企業価値及び株主価値の向上を実現するために、当該資本業務提携の継続や更なる第三者割当増資等の代替取引により両社が上場を維持した上で相互に事業成長することも可能とも考えられるところ、そうした代替的な取引ではなく、当社を完全子会社化する必要性の有無及び内容について、インタビュー及び複数回の書面質問を行った。
その結果、公開買付者は、当社が公開買付者に提示した本事業計画の達成には当社の従来の体制・機能の拡充に向けた資源投下や機能整備が必要であり、本取引の実行によりそうした面での貢献が可能である旨、公開買付者は現状の資本業務提携に基づき経営管理システムとその運用の強化、拡販に向けた施策、その他体制の強化について支援をしているが、これらの実現のためには人員の更なる投入や有経験者によるハンズオンで各種強化を行う必要がある旨、現在の資本関係においては利益供与とみなされない範囲での限定的な公開買付者による支援の提供に制限される一方で、当社が公開買付者のグループ会社となることでより積極的に支援が可能である旨を回答した。また、公開買付者は、特に当社の完全子会社化を企図する理由について、当社の上場維持のための労力・コストの負担がなくなることにより本業に専念・集中できる旨、公開買付者以外の株主が残存し当社の生んだ利益の一部が公開買付者以外にも還元される状況では公開買付者として十分な人材派遣や支援をすることができない旨を回答した。
公開買付者による当該回答について、当社を完全子会社とする本取引を実施した場合における上記企業価値向上施策によるシナジーの発現への期待や、本件において上場廃止によるデメリットが限定的であると考えられることに鑑みると、公開買付者の支援が制限される他の代替取引によらず、本取引の実行により当社の経営課題に対応し、企業価値向上を目指すという判断は不合理なものとは認められない。
以上を踏まえれば、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められる。
(イ)小括
以上のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は正当性・合理性を有するものであると考えられる。
(ア)本取引の取引条件等
本公開買付価格及び買付予定数の下限等の取引条件は、プルータス及び西村あさひの助言を踏まえ、本特別委員会と公開買付者との間の真摯な取引条件の交渉の結果決定されており、本取引の取引条件に係る協議・交渉過程については、本特別委員会が実質的に関与している。また、当該取引条件の交渉の結果として、本公開買付価格は、公開買付者が第1回提案において提案した当社株式1株当たり900円から1,100円まで合計で200円の引き上げ、買付予定数の下限は、公開買付者が第1回提案において提案した2,911,600株(所有割合:43.07%)から3,119,000株(所有割合:46.14%)まで207,400株(所有割合:3.07%)の引き上げを引き出している。
以上を踏まえると、本取引の取引条件に関する協議・交渉の過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
当社は、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」のとおり、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日に、対象者株式価値算定書を取得している。対象者株式価値算定書によれば、市場株価法661円から716円、DCF法779円から1,275円と算定されているところ、本公開買付価格である1株当たり1,100円は、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、DCF法に基づく算定結果の中央値を上回る水準であり、かつ、プルータスによる対象者株式価値算定書及び算定に用いた当社の本事業計画の内容に関する説明及び質疑応答の結果等からすると、プルータスが当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理と認められる点はないと考えられる。また、その他に、本事業計画の策定に当たり設定された仮定及びそれに基づく計画数値についても特段不合理な点は認められない。
以上のほか、本特別委員会は対象者株式価値算定書の内容を検討するとともに、プルータスから、対象者株式価値算定書の内容について説明を受け、質疑応答を行った。この結果、プルータスが当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理な点は認められなかった。
また、本公開買付価格である1株当たり1,100円は、本公開買付けの公表日の直前営業日(2025年2月3日)の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値685円に対して60.58%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの計算において同じ。)、過去1ヶ月(2025年1月6日から2025年2月3日)の終値単純平均値661円に対して66.41%、過去3ヶ月(2024年11月5日から2025年2月3日)の終値単純平均値670円に対して64.18%、過去6ヶ月(2024年8月5日から2025年2月3日)の終値単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムを加えた価格となっており、合理的なプレミアムが付された価格であると考えられる。
本取引においては、本公開買付け後に本スクイーズアウト手続の実施が予定されているが、買付予定数の下限は3,119,000株(所有割合:46.14%)と設定されており、本公開買付けがかかる下限で成立した場合に公開買付者の所有割合が60.00%となるよう設定されているため、本公開買付けが成立した後、本スクイーズアウト手続を実施するための手法として本臨時株主総会による株式併合を行う場合、当該株式併合に係る議案が可決されるか否かは理論上確実ではない。
この点について、本特別委員会は、本意向表明書において、2,913,300株(所有割合:43.09%)を買付予定数の下限として設定する想定が記載されていたため、第1回特別委員会から検討を開始し、公開買付者に対するインタビューにおいても、買付予定数の下限の見直しの有無や、本公開買付け後に公開買付者が有する議決権が総株主の議決権の3分の2を下回るおそれがある下限が本公開買付けの目的の達成のために必要かつ適当と考えた理由、強圧性の問題に対する考え方等を質問するとともに、公開買付届出書における一般株主への説明の充実を求めた。また、第1回提案において買付予定数の下限を2,911,600株(所有割合:43.07%)に設定する旨の取引条件が当初提案されたところ、本特別委員会は一般株主に対する公開買付者の説明の想定を確認し、2025年1月27日付回答書において、同日時点での公開買付者の説明状況を踏まえ買付予定数の下限の引き上げを要請した。
これに対して、公開買付者は、買付予定数の下限を3,119,000株(所有割合:46.14%)に引き上げつつ、①当社における直近5事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が42%から56%と比較的低い水準にあり、本スクイーズアウト手続として想定される株式併合に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があることを公開買付者の選定した事案に基づき説明し、また、②当社の株主構成を踏まえて、本公開買付けの成立を安定的なものとし本取引の成立の蓋然性を最大化すること、及び③本公開買付けの後に、公開買付者が総株主の議決権の3分の2を所有するに至らない場合においても上記株式併合の議案が現実的に承認されるよう、株式併合に係る株主総会の議決権行使率が90%以上にならない限り公開買付者が実際に行使される当社の総議決権の3分の2以上の議決権を所有する水準となるよう買付予定数の下限を設定している旨を説明した。また、公開買付者は、株式併合の議案が当社株主総会に付議された場合、3,500株を保有する当社取締役が賛成の議決権行使を行うと見込んでいる。
更に、当該株式併合が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得し、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、並びに株主総会における議決権行使率等も踏まえた上で、株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(法において認められる場合に限る。)により、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(ただし、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(当社が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)。)にて、公開買付者の所有割合、当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、並びに市場株価等も踏まえて可能な限り速やかに適宜当社株式を追加取得し、追加取得後速やかに当社株式の非公開化を行う予定であるとしている。
上記のとおり、本公開買付けは、当社の少数株主に対して、当社の企業価値を適正に評価した合理的なプレミアムが付された本公開買付価格での売却機会を提供するものであると考えられるところ、本公開買付けの成立を安定的なものとし本取引の成立の蓋然性を最大化することにより本公開買付けに応募する少数株主の利益を保護する観点から、上記の公開買付者の説明は不合理とまでは認められず、当該買付予定数の下限の設定がいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を上回る水準に設定されていることも踏まえると、本取引の実施方法として直ちに不合理であるとまではいえない。
また、本スクイーズアウト手続は会社法第179条に基づく株式売渡請求又は会社法第180条に基づく株式併合により行われる予定であり、当該手続上は、本取引に反対する株主に株主買取請求権又は価格決定請求権が確保されている。また、(i)本公開買付けが成立した場合には株式売渡請求又は株式併合による本スクイーズアウト手続を行う旨及び(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることが開示される予定である。このように、当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているといえ、一定の合理性が認められる。
以上を総合すると、本スクイーズアウト手続に係る取引条件は、公正かつ妥当であるといえる。
なお、公開買付者は、本取引に係る資金を、手元資金で賄うことを予定しており、金融機関等からの調達は想定していないとのことであり、当社の財務状況に重大な悪影響を及ぼすおそれはない。
このほか、以上に記載した条件のほかには、本取引に係るその他の取引条件について、他の類似事例と比較して、当社の少数株主にとって不利益となる事情は認められない。
(イ)小括
以上より、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)は、公正・妥当であると考えられる。
(ア)本取引に係る手続等
独立した特別委員会の設置に関して、①設置時期については、本特別委員会は2024年11月20日に本特別委員会を設置する旨の決議を行い、その後、2024年11月25日に第1回の特別委員会が開催され、2024年12月26日の公開買付者からの初回価格提案前の段階から本特別委員会が本取引への関与を開始しており、本取引に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が本取引に対して関与する状態が確保されており、②委員構成については、当社の社外取締役(監査等委員)であり、かつ東京証券取引所が求める独立役員にも該当する久慈正一氏及び川本祥子氏の2名に加えて、社外有識者であり、弁護士としてM&Aに関する専門性を有する岡田孝太郎氏を、当社及び公開買付者からの独立性を確認した上で、委員に選任し、本特別委員会の委員はそれぞれ独立性を有することが確認されており、専門性・属性にも十分配慮して選任されており、③本特別委員会の設置、権限及び職責、委員の選定や報酬の決定の各過程において、当社の独立社外取締役が主体性をもって実質的に関与する形で行われる体制が確保されており、④当社の取締役会が選任したアドバイザー等が独立性及び十分な専門性を有しているとして、本特別委員会が当該アドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した上で、当該アドバイザー等を利用しており、⑤本特別委員会は、公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められ、⑥非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて本取引の是非や取引条件の妥当性について検討・判断を行うことのできる体制を整備しており、⑦成功報酬は採用せず、⑧当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しており、本取引については取締役会が特別委員会の意見を尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されており、⑨一連の本取引の協議・交渉過程に橋詰和寛氏及び岡村友之氏は当社取締役の立場としては関与しておらず、本公開買付けへの賛同の意見表明及び株主に対する本公開買付けへの応募推奨に係る取締役会決議にも橋詰和寛氏及び岡村友之氏は参加しないことで当社において公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されており、公正M&A指針に配慮した上で、独立性を有する特別委員会が設置され、有効に機能していることが認められる。
また、当社は法務アドバイザーである西村あさひから必要な法的助言を取得し、第三者算定機関兼財務アドバイザーであるプルータスから価格交渉等についての助言及び対象者株式価値算定書を取得している。
他の買収者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック)として、本公開買付けの公開買付期間は41営業日に設定されており、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することが企図され、公開買付者及び当社は、対抗的買収提案者と接触することを一切禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。
更に、「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件が設定されており、一般株主の過半数が取引条件について満足していることを直接確認することを通じて、一般株主による判断機会の確保をより重視し、また取引条件の形成過程における当社の交渉力が強化され、一般株主にとって有利な取引条件で本取引が行われることに資する。
特別委員会及び本取引に関する情報についても、公正M&A指針が求める情報を十分に開示するものと認められる。
本取引においては、買付予定数の下限において本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続のための本臨時株主総会について、本株式併合の実施の可否は理論上確実ではないものの、公開買付者が選定した事案における株主総会の議決権行使状況等の公開買付者による説明や、公開買付届出書を通じて一般株主に対してもそれらの説明がなされること、本特別委員会の要請により、株主総会の議決権行使率が90%以上とならない限り株式併合の実施が確実に承認される水準まで買付予定数の下限が引き上げられたこと、本公開買付価格のプレミアム水準等に鑑みると、一般株主に対する強圧性は限定的と考えられる。また、株式売渡請求及び株式併合の手続については、当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているといえ、一定の合理性が認められる。
(イ)小括
以上のとおり、本取引においては公正M&A指針に定められる各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。したがって、本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられる。
以上のとおり、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられ、また、本取引の取引条件は公正・妥当であり、また本取引に係る手続は公正であると考えられるから、本取引を行うこと(当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
以上のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられるから、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは妥当であり、また本取引の取引条件は公正・妥当であり、本取引に係る手続は公正であると考えられるから、当社取締役会が当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することも妥当であると考えられる。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年10月24日に本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の提案書を受領した後、西村あさひから受けた助言を踏まえ、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者の役職員を兼務しておらず、かつ過去に公開買付者の役職員としての地位を有していたことのない当社役員2名(的場亮氏、佐藤慶治氏)及び職員6名の計8名のみから構成されるものとしております。また、かかるプロジェクトチームは、本特別委員会とともに当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に専属的に関与しており、かかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、2024年11月25日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会の承認を得ております。
当社取締役会は、西村あさひ及びプルータスから受けた助言及び対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関して、当社の企業価値向上、本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格(1,100円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月4日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した取締役(橋詰和寛氏及び岡村友之氏を除く4名。監査等委員を含みます。)の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対し公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当社の取締役6名(的場亮氏、佐藤慶治氏、橋詰和寛氏、久慈正一氏、川本祥子氏、岡村友之氏。監査等委員を含みます。)のうち、橋詰和寛氏及び岡村友之氏の2名は公開買付者の役職員を兼任していることから、公開買付者と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における本取引の検討に関する審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場において、本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにおいて、3,119,000株(所有割合:46.14%)を買付予定数の下限として設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(3,119,000株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。かかる買付予定数の下限(3,119,000株)は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(6,767,174株)から、同日現在の自己株式数(6,638株)及び本書提出日現在の公開買付者が所有する当社株式の数(937,474株)を控除した株式数(5,823,062株)の過半数に相当する株式数(2,911,532株))を上回るものとなるとのことです。
このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の少数株主の皆様の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことです。
公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けに係る公開買付期間(以下「公開買付期間」といいます。)を41営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を、法定の最短期間である20営業日よりも長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数には、譲渡制限付株式報酬として付与された当社の譲渡制限付株式を含んでおります。
(注3) 当社は、法令で定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠の監査等委員である取締役1名を選任しております。補欠の監査等委員である取締役の所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数は次のとおりであります。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上