名称 カヤバ株式会社
所在地 東京都港区浜松町二丁目4番1号
普通株式
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2024年11月11日開催の当社取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、2024年11月11日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。
当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の本特別委員会(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」において定義されます。以下同じです。)に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2024年12月24日、当社は、公開買付者から、日本の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領いたしました。これを踏まえ、2025年1月16日、当社は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で当社取締役会に対して提出した答申書(以下「2024年11月11日付答申書」といいます。)の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請いたしました。そして、2025年1月28日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了すること等の前提条件(注1)(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
(注1) ①当社取締役会が、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)を表明することを決議し、これが公表され、かつ、本賛同意見が維持されていること、②本公開買付けに関連して設置された本特別委員会が、当社取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申を行い、当該答申を行ったことが公表され、かつ、当該答申が維持されていること、③日本における独占禁止法上のクリアランスの取得が完了していること又は本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の末日の前日までに当該クリアランスの取得が完了していると合理的に見込まれること、④本取引(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)のいずれかが法令等の違反を構成せず、また、司法・行政機関等(裁判所、仲裁人、仲裁機関、監督官庁その他の国内外の司法機関・行政機関及び金融商品取引所その他の国内外の自主規制機関を総称していいます。以下同じです。)に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も継続しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと、⑤本公開買付けの開始日において、当社に係る業務等に関する重要事実(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第166条第2項)で公表(法第166条第4項)されていないものが存在せず、また、当社株式に関する公開買付け等の実施に関する事実(法第167条第2項)であって公表(法第167条第4項)されていないものが存在しないこと、⑥法第27条の11第1項ただし書に定める当社又はその子会社の業務等に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情が生じていないこと、及び、⑦当社グループ(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。)の事業、財政状態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境の重大な変化その他本取引の実行が客観的に不可能又は著しく困難となる事情が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが見込まれていないことの充足を前提条件としているとのことです。
本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年2月4日付答申書」といいます。)を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の当社の業況や本取引を取り巻く環境に重要な影響を与える事情が発生していないことを踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年2月6日現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、2024年11月11日開催及び2025年2月6日開催の取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)メイン市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1,107,000株(所有割合(注1):11.56%)を所有する当社の主要株主である筆頭株主とのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年1月10日付で公表した「2025年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年11月30日現在の当社の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(46,067株)を控除した株式数(9,575,483株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、当社株式に係る所有割合の計算において同じです。)をいいます。
公開買付者は、公開買付者が公表した、2024年11月11日付「知多鋼業株式会社(証券コード:5993)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2024年11月11日付公開買付者プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、2024年11月11日開催の取締役会において、本公開買付前提条件が充足(又は公開買付者により放棄)されていることを条件として、当社の発行済株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議し、2025年1月下旬頃までに本公開買付けを開始することを目指していたとのことです。
今般、公開買付者は、本公開買付前提条件の全てが充足されたことを確認したことから、2025年2月6日付の取締役会において、本公開買付けを2025年2月7日から開始することを決議したとのことです。なお、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)や買付け予定数の下限を含め、2024年11月11日付公開買付者プレスリリースで公表した主要な買付条件に変更はないとのことです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を5,276,700株(所有割合:55.11%)と設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の発行済株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておりませんので、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(5,276,700株)は、当社第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、当社第2四半期決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(46,067株)を控除した株式数(9,575,483株)の3分の2に相当する株式数の1単元(100株)未満に係る数を切り上げた株式数(6,383,700株)を基礎として、これから公開買付者が本書提出日現在所有する当社株式の数(1,107,000株)を控除した株式数(5,276,700株)としているとのことです。かかる買付予定数の下限の設定は、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるように設定したものとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者が当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
当社は、公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程につき、公開買付者より以下の説明を受けております。
公開買付者は、1919年11月に創業者の萱場資郎が創業した萱場発明研究所に起源を有しているとのことです。1927年1月に個人経営の萱場製作所が発足し、1935年3月には株式会社萱場製作所が創立され、航空機用油圧緩衝脚やカタパルト等を製作していたとのことです。1945年には、同社は商号を萱場産業株式会社に変更したとのことです。その後、同社は、1948年11月に企業再建整備法に基づく第二会社として萱場工業株式会社を設立し、萱場工業株式会社へ株式会社萱場製作所の資産を移行させた上で、株式会社萱場製作所については清算したとのことです。その後、萱場工業株式会社は、1985年10月に商号をカヤバ工業株式会社に変更した後、2015年10月にはKYB株式会社に変更し、さらに、2023年10月には現在のカヤバ株式会社に変更したとのことです。また、公開買付者の株式については、1959年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)に上場し、その後、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行したとのことです。
公開買付者は、本書提出日現在、公開買付者の関係会社(連結子会社29社、持分法適用関連会社4社、非連結子会社3社、持分法非適用関連会社3社。以下、公開買付者及び公開買付者の関係会社を総称して「公開買付者グループ」といいます。)とともに、「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」を経営理念として持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たしていると考えているとのことです。公開買付者グループは、油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売並びに各事業の統轄及び油圧緩衝器の物流業務等の関連するサービス業務等を行っているとのことです。公開買付者は、「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、及び「航空機器事業」の3つを報告セグメント(注1)としていますが、特装車両事業及びその他(物流業務、海外子会社の統轄業務及び保険代理業務等)については、報告セグメントに含まれないその他に区分しており、これらの事業内容は以下のとおりとのことです。
(注1) 「報告セグメント」とは、企業会計基準第17号のセグメント情報等の開示に関する会計基準に基づき量的基準に従って決定したセグメントとのことです。
ア.AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業
AC事業では、国内においては、連結子会社の金山カヤバ株式会社等から製品・部品等の供給を受け、公開買付者が四輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造の上、自動車メーカー及び市販・サービス市場等へ販売しているとのことです。また、連結子会社のカヤバモーターサイクルサスペンション株式会社から製品・部品等の供給を受け、二輪車用油圧緩衝器等を二輪車メーカー等へ販売しているとのことです。連結子会社のカヤバロジスティクス株式会社は、物流・サービス提供等に係わる事業を行っているとのことです。
海外においては、連結子会社のKYB Americas Corporation等は、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造し、各国の自動車メーカー等へ販売しているとのことです。また、関係会社間において、製品・部品等の供給も行っているとのことです。連結子会社のKYB Europe GmbH等は、欧州・米国・中国・東南アジア及びその他地域の市販市場等へ販売しているとのことです。連結子会社の凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っているとのことです。
イ.HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
HC事業では、国内においては、公開買付者、連結子会社の株式会社タカコ等が産業用油圧機器等を製造の上、建設機械メーカー等へ販売しているとのことです。また、海外においては、連結子会社の凱迩必機械工業(鎮江)有限公司等が産業用油圧機器を製造し、各国の建設機械メーカー等へ販売しているとのことです。連結子会社の凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っているとのことです。
ウ.航空機器事業
航空機器事業では、公開買付者が航空機用離着陸装置、操舵装置、制御装置及び緊急装置等を製造し、販売しているとのことです。なお、航空機器事業につきましては、経営資源の選択と集中による企業競争力強化を図るべく、2029年までに撤退することを基本方針として決定しているとのことです。
エ.特装車両事業及びその他
特装車両事業及びその他の製品では、国内においては公開買付者が製造した特装車両等を、特約販売会社等へ販売しているとのことです。
一方、当社は、1946年11月に愛知県知多郡大野町(現・常滑市)において創業された知多鋼業所を継承し、1956年3月に現商号である知多鋼業株式会社として設立し、線ばね、薄板ばね、ボルト、ナット、自動車用金具の製造・販売を開始いたしました。また、当社株式については、1979年8月に社団法人日本証券業協会(以下「日本証券業協会」といいます。)名古屋地区協会に店頭登録、1981年10月に日本証券業協会への店頭登録を取消し、名古屋証券取引所の市場第二部に上場しました。その後、2022年4月の名古屋証券取引所における市場区分の見直しにより、名古屋証券取引所市場第二部から名古屋証券取引所メイン市場に移行しております。
当社は、本書提出日現在、当社、国内連結子会社2社、国内非連結子会社1社及び海外連結子会社3社、海外関連会社2社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)により構成されており、自動車関連を中心とする各種ばねの製造・販売を主として営んでいます。当社グループは、「QCD(注2)いずれにおいても競争力No.1」という「知多ブランド」を確立し、世界のお客様に選び続けられる会社を目指しております。
(注2) 「QCD」とは、「Quality(品質)」、「Cost(コスト)」、「Delivery(納期)」のことをいいます。
連結子会社の知多鋼材株式会社は、当社が二・四輪車業界、産業機械業界等へ製造・販売している各種線ばね、薄板ばね及びパイプ成形加工品等の原材料の供給・販売を行っており、また、連結子会社の知多ゴム工業株式会社は、独立して工業用ゴム製品の製造・販売を行っており、当社の緩衝用金具を仕入れ、ゴム付け加工をし、主として二・四輪車業界向けに販売しております。
海外連結子会社のUS CHITA CO.,LTD.は、米国において主として各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しており、海外連結子会社のPT. Chita Indonesiaはインドネシア共和国において主として各種線ばねを製造・販売しております。また、海外連結子会社の知多弾簧工業(鎮江)有限公司は、中華人民共和国において主として薄板ばねを製造・販売しております。
また、海外関連会社のSIAM CHITA CO.,LTD.は、タイ王国において主として二・四輪車業界向け、各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しており、海外関連会社のKYB CHITA Manufacturing Europe s.r.o(公開買付者の連結子会社)はチェコ共和国において四輪車業界向け、各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しております。
公開買付者と当社の資本関係としては、2006年12月に、自己資本の充実により財務体質の強化を目的として当社が公開買付者(当時の保有株式数:467,683株、当時の発行済株式数の5.42%)、高周波熱錬株式会社(当時の保有株式数:583,800株、当時の発行済株式数の6.77%)及び東京窯業株式会社(当時の保有株式数:0株、当時の発行済株式数の0.00%)の3社を引受先として、当社株式計1,000,000株を割り当てる第三者割当増資を実施し、公開買付者は、普通株式640,000株の割り当てを受けたとのことです。その後、公開買付者が、2011年に当時の単元未満部分である683株を処分した結果、従前より保有していた467,000株と併せ、公開買付者は本書提出日現在において当社株式1,107,000株(所有割合:11.56%)を所有するに至ったとのことです。
公開買付者グループは、上記第三者割当増資の引受以後もサプライチェーンにおける重要かつ不可欠なパートナーとして、安定供給・コスト低減・市場拡大を目的に、当社との共同出資による海外における合弁会社の設立等を通じて、当社とグローバルでの協業体制を構築してきているとのことです。具体的には2008年8月にインドネシア共和国に各種線ばねを製造・販売するPT. Chita Indonesia(出資及び議決権比率:公開買付者30.0%、当社70.0%)を、2013年1月にチェコ共和国に各種線ばね・薄板ばねを製造・販売するKYB CHITA Manufacturing Europe s.r.o.(出資及び議決権比率:公開買付者70.0(間接)%、当社30.0%)を、2015年4月に中華人民共和国に薄板ばねを製造・販売する知多弾簧工業(鎮江)有限公司(出資及び議決権比率:公開買付者30.0%、当社70.0%)をそれぞれ共同出資して設立しているとのことです。
公開買付者グループを取り巻く足元の経営環境としては、米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化等、地政学リスクの高まりの中で、継続してサプライチェーンの分断・混乱が大きな課題となっており、製品の安定的な生産・供給に向けては調達先との最適なサプライチェーンの構築と強靭化が重要であると公開買付者では認識しているとのことです。
公開買付者グループは、2023年5月に2025年3月期を最終年度とする「2023中期経営計画」を策定し、目指す姿として「品質経営を極める」ことを掲げ、企業価値向上に努めているとのことです。同経営計画の成長戦略として、「新市場への進出・新製品の早期投入により売上・利益率向上を図る」、「新たなビジネスモデルによる利益貢献を実現する」といった方針を打ち出しており、具体的には四輪車や建設機械における電動化対応製品の投入や新顧客・新市場への参入等を掲げ、アフターマーケット(注3)領域の強化も重要な施策となっているとのことです。また、公開買付者グループは従前より、競争力を維持するために、環境変化に対応したグローバルな最適地生産を軸に、絶え間ない原価低減活動が重要と認識し、「2023中期経営計画」においても重要なテーマの一つとして実践しているとのことです。更なる競争力強化のために、革新的モノづくりとしてShip‘30(Self handling innovation plant 2030:自己完結革新工場を2030年に具現化する活動)を推進し、生産・搬送・検査の自働化や、AI・IoTを活用したモノづくり現場の情報見える化にも注力しているとのことです。
(注3) 「アフターマーケット」とは、購入後のアフターサービス市場を意味し、消耗品や補修パーツの供給、保守・修理サービス、周辺機器の販売等、製品の販売に付随して生まれるアフターサービスに関連した取引が行われる市場のことをいうとのことです。
当社グループは、二輪・四輪用線ばね・薄板ばね製品を中心に高い技術力とグローバル体制を構築しており、公開買付者グループとも強固な取引関係を有していると考えているとのことです。直近5事業年度において、当社による公開買付者及び公開買付者の連結子会社であるカヤバモーターサイクルサスペンション株式会社向けの割合は当社の一事業年度における売上のうち約3割を占めている他、海外において公開買付者と当社にて合弁会社3社を線ばねや薄板ばねの製造・販売拠点として有する等、双方にとって、サプライチェーン上極めて重要かつ不可欠なパートナーであると認識しているとのことです。当社グループの製品である薄板ばねは、公開買付者グループが製造する四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器の品質・性能を決める重要部品のひとつであり、線ばねは、公開買付者の四輪車用緩衝器のアフターマーケット領域における付加価値向上に資すると考えているとのことです。
一方で、当社グループを取り巻く経営環境については、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化をはじめとする地政学的リスクの高まりやインフレ抑制に向けた各国の金融引き締めにより景気の減速が懸念される状況であり、特に自動車産業においては、自動車の製造における資材価格やエネルギー価格の高止まり、物流費の上昇、為替相場の動向等の様々なコストアップを受けて、各社においてグローバルな最適調達の強化を進めている状況にあると、公開買付者は認識しているとのことです。このような状況下においては、サプライチェーン強靭化やコスト低減が当社グループの喫緊の課題になっており、公開買付者は、公開買付者グループ及び当社グループとの取引関係を一層深化させることにより、サプライチェーンの強靱化を図ることが必要であると考えているとのことです。特に、コスト低減により価格競争力を向上させるには、当社グループにおいて、生産設備のデジタル化による効率的な生産体制を構築する必要があると考えているとのことです。公開買付者は、既に当社グループがかかる課題への対応を進めていることは認識しているものの、昨今の技術革新の状況を踏まえれば、よりスピーディーに対応することが不可欠であると考えており、そのためには、公開買付者グループにおけるデータ及びデジタル技術を活用するノウハウ・知見の活用が有効であると考えているとのことです。さらに、公開買付者は、当社グループが自動車の製造に関連する顧客への販売を通じて事業を拡大してきた一方で、他の事業セグメントにおける新規顧客の開拓や新製品の企画及び開発を通じた新規領域の拡大を実現できていない状況にあると認識しているとのことです。当社の主要な顧客である公開買付者グループにおいては、当社の既存顧客及び潜在的顧客のニーズを詳細に把握できており、経営資源・ノウハウの共有や情報交換等を通じて、新規製品の企画から製造及び販売までを相互連携して行うことにより、そのようなニーズを満たす製品の開発・製造・販売を行うことができると考えているとのことです。
また、当社の前々代表取締役社長である三輪容功氏が2024年5月24日に病気療養のため退任し、前代表取締役会長の吉田修氏は、2024年5月から再度当社の社長に就任し、会長と社長を兼務する体制となっておりました。なお、その後、2024年12月9日に、当社の常務取締役である太田晴之氏も代表取締役常務へ就任し、代表取締役は吉田修氏及び太田晴之氏による2名体制へ変更されたものの、同月11日に、吉田修氏が逝去されたことにより、同日をもって代表取締役を退任し、代表取締役は太田晴之氏の1名体制へ移行しており、2025年1月10日に、太田晴之氏が吉田修氏の後任として代表取締役社長へ就任しております。当社においては引き続き経営人材の確保・育成が喫緊の課題となっているものと公開買付者は認識しており、かかる課題の解消にあたっては、マネジメント人材を含めた公開買付者グループの人材リソースの活用が有効であると考えているとのことです。
もっとも、公開買付者は当社株式を一定程度所有することに留まっており、公開買付者と当社がそれぞれ、上場企業として独立した経営を行っている現状においては、公開買付者グループ及び当社グループが相互に経営資源・ノウハウを活用したり、情報を交換したりする場合、その有用性や取引としての客観的な公正性について、当社の一般株主の皆様を含む各ステークホルダーの利益を考慮する必要があり、パートナーシップの強化にあたって一定の制約が生じうる状況にあるとのことです。具体的には、公開買付者が当社に対して企業価値の向上に資する経営資源やノウハウの提供を行っても、利益の一部が当社の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてそのような経営資源やノウハウの提供に経済合理性を認めにくい状況が生じる可能性があるとのことです。また、公開買付者と当社との取引関係においても、当社の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び当社の置かれた状況が複雑化し、このような当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得るとのことです。このように、構造的に公開買付者と当社の一般株主の皆様との間で利益相反関係が生じうるため、経営資源・ノウハウの共有や情報交換には慎重にならざるを得ず、構造的に公開買付者と当社の一般株主の皆様との間で利益相反関係を生じ得る事項に関しては、迅速かつ機動的な意思決定を行うことも困難と考えているとのことです。そのため、公開買付者は、当社を完全子会社化することで構造的な利益相反の解消を図り、双方の経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが必要と考えているとのことです。
かかる認識に基づき、公開買付者は、公開買付者グループ及び当社グループの一層の事業拡大及びサプライチェーンの安定化を図っていくためには、公開買付者として、当社との資本関係を更に強化し、これまで以上の一体化した経営を行うことにより、協業体制の構築や事業成長への経営資源の集中、人材を含めた経営資源・ノウハウの共有化、意思決定の迅速化・簡素化を図ることが重要であるとの認識に至ったとのことです。他方で、資本関係の更なる強化による公開買付者グループと当社グループの一体的な経営は、当社グループの中長期的な企業価値の向上の観点からは必要と考えられるものの、その有用性や客観的公正性の観点から、部分的に当社の一般株主の皆様の利益を損なう可能性も否定できないため、一体的な経営の実現のためには、当社を公開買付者の完全子会社とすることが最適であると、公開買付者は2024年8月8日に判断したとのことです。
なお、公開買付者が、本取引において想定している具体的なシナジー効果としては以下のとおりとのことです。
(ア)公開買付者グループ及び当社グループとの相互連携によるサプライチェーン強靭化
公開買付者は、社会情勢を踏まえ、サプライチェーンの安定化は極めて重要と考えているとのことです。本取引により当社を完全子会社化することにより、経営資源及びノウハウの共有や情報の交換について存在していた一定の制約を受けずに、より迅速かつ詳細に、サプライチェーンに関する課題の共有や顧客ニーズの伝達を行うことができることから、公開買付者グループにとってばねをはじめとする製品群の調達安定化に繋がるものと認識しているとのことです。また、当社グループにとっても、上記のような制約が解消されることにより、公開買付者グループとの調達・購買・配送体制の共同化や、製造・販売の一体化を進めることができるため、サプライチェーン強靭化やコスト低減に繋がるものと考えているとのことです。
(イ)ノウハウの共有化によるコスト低減・品質向上
公開買付者グループは、長年にわたる絶え間ないモノづくり活動・コスト低減活動の実践を通して蓄積してきたノウハウ・知見を有しているとのことです。当社グループに対して公開買付者グループのモノづくりの仕組みや品質管理システムを共有することにより、当社製品の製造コスト低減・品質向上・収益拡大に繋げていくことが可能と考えているとのことです。また、生産・搬送・検査の自働化・無人化や、AI・IoTを活用したモノづくり現場の情報見える化等の革新的モノづくりの考え方を当社と共有することにより、当社グループの製造現場における生産性向上や品質均一化を推進することが可能であると考えているとのことです。これまでは、当社グループにおけるノウハウのみによって、これらの取り組みを行っていたものの、当社の完全子会社化後には、公開買付者及び公開買付者グループにおけるノウハウも制約なく共有できるようになることから、当社グループにおけるコスト低減や品質向上を推し進めることができると考えているとのことです。
(ウ)公開買付者グループ及び当社グループとの相互連携による製品企画・開発
公開買付者グループは当社製品の線ばねや薄板ばねを調達することによって、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器等の製品を製造・販売しているとのことです。当社の完全子会社化後には、制約なく経営資源及びノウハウの共有や情報の交換ができるようになることから、公開買付者グループ及び当社グループによる企画・設計段階からの共同開発やノウハウ・情報の共有化、必要リソースの共通化を通じ、より効率的にコスト競争力があり、お客様ニーズを充足可能な製品を開発・販売することが実現できると考えているとのことです。アフターマーケット領域においては、ばねと油圧緩衝器のモジュール販売の要求も高く、ばね及び油圧緩衝器の一体的な製品企画・開発が重要であると考えているとのことです。また、当社グループは緩衝用金具を仕入れ、ゴム付け加工をした防振ゴムを二・四輪車業界向けに販売しており、アフターマーケット領域における防振ゴムを開発・拡大することによって、公開買付者のコスト競争力向上に資すると考えているとのことです。公開買付者グループ及び当社グループとの開発・製造・販売体制の連携により、新規領域や新技術のニーズ把握を効果的に推進するとともに、ニーズを価値ある製品の実現、早期収益化に繋げていきたいと考えているとのことです。
(エ)人材やガバナンスの観点からの当社グループにおける体制強化
グローバルに事業展開を行う製造業においては、製造業の根幹でもある「生産・技術・品質保証・研究開発人材」に加えて、「経営企画人材」、「購買・営業人材」、「海外事業人材」、「経営管理人材(財務・経理・法務等)」、「IT人材」等、多種多様な人材リソースを確保することが重要であると考えているとのことです。当社が公開買付者の完全子会社となれば、公開買付者グループの人材リソースを購買実務や営業活動、IT投資、経営管理等の様々な分野に対して効果的に活用することが可能となり、マネジメント人材も含めた、当社における人材不足等の問題も解決可能と考えているとのことです。加えて、公開買付者グループ及び当社グループの双方にとって、人材交流や人材配置を通じた人材育成・組織活性化が期待できるものとも考えているとのことです。
(オ)公開買付者及び当社の意思決定の迅速化・簡素化
当社は、公開買付者の子会社又は関連会社には該当しない独立した上場会社であり、公開買付者グループに属さないため、経営資源・ノウハウの共有や情報交換には一定の制限があるとのことです。また、公開買付者は、当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社の取締役7名のうち公開買付者の従業員を兼務している者が1名存在することから、公開買付者と当社の一般株主の皆様との間には利益相反の関係があると考えられるため、公開買付者と当社との間では、当社の一般株主の皆様の利益にも配慮した慎重な判断をする必要があるとのことです。その結果として、公開買付者と当社においては、相応の協議、プロセスを経なければ、共通の施策を機動的に推し進めることが困難であるところ、本取引を通じて当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、上記の利益相反関係を解消することで、公開買付者と当社との間の意思決定プロセスの迅速化・簡素化を実現し、サプライチェーンにおける安定供給と品質確保や、環境変化への迅速な対応が可能になると考えているとのことです。
本取引は、上記(ア)から(オ)にて記載している各種シナジー創出策の実行及び効果最大化にあたって懸念される利益相反構造の解消、ガバナンス体制の強化・明確化に資すると考えられることから、公開買付者ではその実施が必要不可欠であると考えているとのことです。
このような認識や考えのもと、公開買付者は2024年7月下旬に本取引の本格的な検討を開始したとのことです。公開買付者は、2024年7月31日、当社に対して、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨を伝達し、2024年7月31日、当社から協議に応じる旨の回答を得たとのことです。これを受け、公開買付者は、2024年8月8日、本取引の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を当社に対して提出したとのことです。2024年8月中旬、公開買付者は、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、財務・税務アドバイザーとしてPwCアドバイザリー合同会社・PwC税理士法人を、環境アドバイザーとしてイー・アンド・イーソリューションズ株式会社をそれぞれ選任したとのことです。公開買付者は、2024年8月9日に、当社よりデュー・ディリジェンスに合理的な範囲で協力する旨の通知を受け、当社に対するデュー・ディリジェンスを2024年9月初旬から同年10月下旬まで実施したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年10月7日、当社が開示している決算短信や有価証券報告書といった客観的な資料、2024年9月上旬から同日まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果並びに提案日の前営業日における当社株式の終値、同日までの過去1ヶ月間、過去3ヶ月間及び過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム率等を勘案し、当社に対し、本公開買付価格を1,400円(1,400円は、当該提案がなされた2024年10月7日の前営業日である2024年10月4日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値917円に対して52.67%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値909円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値平均値の計算において同じです。)に対して54.02%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値939円に対して49.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値971円に対して44.18%のプレミアムを加えた金額とのことです。)として当社に提示したとのことです。これに対し、2024年10月10日、当社から、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は当社の一般株主にとって到底満足し得る水準には達していないとして、本公開買付価格の引上げを行うよう要請されたとのことです。公開買付者は、当社からの上記の回答を真摯に検討し、2024年10月15日に、当社に対し、本公開買付価格を1,650円(1,650円は、当該提案がなされた2024年10月15日の前営業日である2024年10月11日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値900円に対して83.33%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値909円に対して81.52%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値932円に対して77.04%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値968円に対して70.45%のプレミアムを加えた金額とのことです。)とする旨の再提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月16日、当社から、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、PBRの水準という観点でも当該提案価格は引き続き当社の一般株主にとって到底満足し得る水準には達していないことから、本公開買付価格の引上げを行うよう再度要請を受けたとのことです。公開買付者は、当社からの上記の回答を真摯に検討し、2024年10月23日に、当社に対し、本公開買付価格を1,850円(1,850円は、当該提案がなされた2024年10月23日の前営業日である2024年10月22日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値890円に対して107.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値908円に対して103.74%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値921円に対して100.87%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値962円に対して92.31%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月30日、当社から、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は当社の一般株主の利益に十分に配慮された価格とはいえないものと考えており、当社の本源的価値及び当社が保有する現預金、投資有価証券等の規模感を勘案し、本公開買付価格を2,250円まで引上げを行うよう再度要請を受けたとのことです。公開買付者は、当社からの上記の回答を真摯に検討し、2024年11月1日に、当社に対し、本公開買付価格を2,000円(2,000円は、当該提案がなされた2024年11月1日の前営業日である2024年10月31日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値855円に対して133.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値889円に対して124.97%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値905円に対して120.99%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値955円に対して109.42%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行ったとのことです。これに対し、2024年11月5日、当社から、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は一般株主保護の観点から一定程度評価できる水準にあると認識しているものの、当社の一般株主の利益に十分に配慮された価格とはいえないものと考えており、本公開買付価格を2,100円まで引上げを行うよう再度要請を受けたとのことです。公開買付者は、当社からの上記の回答を真摯に検討し、2024年11月8日に、当社に対し、本公開買付価格を2,010円(2,010円は、当該提案がなされた2024年11月8日の前営業日である2024年11月7日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値848円に対して137.03%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値875円に対して129.71%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値904円に対して122.35%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値950円に対して111.58%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行ったとのことです。これに対し、当日に当社から、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、最終的な意思決定は2024年11月11日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提に、本公開買付価格を2,010円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を受領したとのことです。
以上の検討、協議及び判断を踏まえ、当社の2025年2月期の期末配当が無配であることを前提にして、公開買付者は、2024年11月11日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施すること、及び本公開買付価格を2,010円とすることを決議したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年12月24日、当社に対して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を行い、そして、2025年1月28日、当社に対して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日より開始することを予定している旨の連絡を行ったとのことです。
また、公開買付者は、当社より、2025年2月6日、同日時点において、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応以外の本公開買付前提条件の全てについても充足された旨の報告を受けたとのことです。公開買付者は、当社からの連絡を踏まえ、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付前提条件の全てが充足されたことを確認したことから、2025年2月6日開催の取締役会において、本公開買付けを2025年2月7日から開始することを決議したとのことです。
③ 当社における意思決定に至る過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年8月8日、公開買付者から、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の取得に係る提案を含む提案書を受領いたしました。
公開買付者は当社の支配株主には該当しないものの、公開買付者が当社の主要株主かつ筆頭株主であるとともに当社の主要な取引先でもあることを踏まえ、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、速やかに、公開買付者から独立した立場で本取引について検討・交渉等を行うことができる体制を構築いたしました。具体的には、当社は、2024年8月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、2024年9月上旬、第三者算定機関として東京共同会計事務所を、それぞれ選任いたしました。また、当社は、2024年9月3日開催の臨時取締役会(以下「本臨時取締役会」といいます。)における決議により、当社の社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏及び平山勝觀氏、並びに外部有識者である川城瑛氏(弁護士・サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業)の3名によって構成される、公開買付者及び当社から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、本取引における手続の公正性、取引条件の妥当性等について諮問いたしました(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、及び第三者算定機関である東京共同会計事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。さらに、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築すると共に、かかる検討体制につき独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)交渉の経緯
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、SMBC日興証券、森・濱田松本法律事務所及び東京共同会計事務所の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して慎重に検討を行い、公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2024年10月7日、公開買付者から、本公開買付価格を1,400円(提案日の前営業日である2024年10月4日の当社株式の終値917円に対して52.67%のプレミアムを加えた価格です。以下「第1回提案価格」といいます。)とする提案を受けました。2024年10月10日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第1回提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は当社株主にとって到底満足し得る水準には達していないため、大幅な引上げの要請をいたしました。
2024年10月15日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を1,650円(提案日の前営業日である2024年10月11日の当社株式の終値900円に対して83.33%のプレミアムを加えた価格です。以下「第2回提案価格」といいます。)とする提案を受けました。2024年10月16日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第2回提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は当社株主にとって到底満足し得る水準には引き続き達していないため、大幅な引上げの要請をいたしました。
2024年10月23日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を1,850円(提案日の前営業日である2024年10月22日の当社株式の終値890円に対して107.87%のプレミアムを加えた価格です。以下「第3回提案価格」といいます。)とする提案を受けました。2024年10月30日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第3回提案価格は名古屋証券取引所メイン市場における当社株式に対して、当社株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であるものの、引き続き当社株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,250円とする旨の提案を行いました。
2024年11月1日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を2,000円(提案日の前営業日である2024年10月31日の当社株式の終値855円に対して133.92%のプレミアムを加えた価格です。以下「第4回提案価格」といいます。)とする提案を受けました。2024年11月5日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第4回提案価格は名古屋証券取引所メイン市場における当社株式に対して、当社株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であり、一定程度評価できる水準であるものと認識しているものの、引き続き当社株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,100円とする旨の提案を行いました。
2024年11月8日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を2,010円(提案日の前営業日である2024年11月7日の当社株式の終値848円に対して137.03%のプレミアムを加えた価格です。以下「第5回提案価格」といいます。)とする提案を受けました。同日、当社は公開買付者に対し、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、最終的な意思決定は2024年11月11日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提に、本公開買付価格を2,010円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を行いました。
その後、2024年12月24日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領し、そして、2025年1月28日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
(ⅲ)当社の意思決定の内容
当社グループは、自動車関連を中心とする各種ばねの製造・販売を主として営んできましたが、創業以来、多品種・少量生産で取引先との関係強化を図り、堅調に売上高を進展させてきました。近時においては、自動車業界が急激な変革期にあると考えており、カーボンニュートラル等脱炭素社会の実現に向けた対応とあいまって、電動化、自動運転の技術開発が進展しています。当社グループにおいても、部品の軽量化への対応が必要となっている状況にある中で、取引先からの要求仕様に的確に応える製品を製造・販売することにより信頼を獲得し、営業基盤を築いてまいりました。
もっとも、近年では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化をはじめとする地政学的リスクの高まりやインフレ抑制に向けた各国の金融引き締めにより景気の減速が懸念される状況であり、特に自動車産業においては、自動車の製造における資材価格やエネルギー価格の高止まり、コロナ感染症による受注減及び工場稼働率の低下、電気・消耗品経費、機械修繕費、物流費及び人件費の高騰や為替相場の動向等の様々なコストアップにより、当社グループの収益性の低下が続いていると認識しています。また、当社グループの製造する各種ばねについては自動車製造に関連する顧客への販売が中心となっているところ、他の事業セグメントを営む顧客を新規に開拓することが当社グループの事業拡大につながる可能性があることを認識しつつも、当社が独自に新規開拓するための経営資源、生産技術力やノウハウには限界があり、実現できていない状況と認識しています。加えて、当社グループにおいては、経営層・管理職層の人材不足が進んでおります。当社グループは、組織統制を課題と捉え、組織力強化のために外部人材を採用して機能の補完、人材の育成を図ってきたものの、必ずしも十分な状況にないと認識しています。
また、当社は、公開買付者をサプライチェーン上極めて重要かつ不可欠なパートナーとして認識しており、資本関係の維持を続けながら、友好な関係を築いてまいりました。具体的には、公開買付者は、当社株式1,107,000株(所有割合:11.56%)を所有する当社の筆頭株主であるとともに、当社売上に占める公開買付者グループ向けの割合は3割超となっており、海外においては、公開買付者と当社にて合弁会社3社を線ばねや薄板ばねの製造・販売拠点として有しております。
一方で、当社は公開買付者の子会社ではないことにより、公開買付者グループ及び当社グループ間の経営資源・ノウハウの共有や情報交換には慎重にならざるを得ないという限界があるものと認識しています。具体的には、公開買付者が当社に対して企業価値の向上に資する経営資源やノウハウの提供を行っても、利益の一部が当社の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてそのような経営資源やノウハウの提供に経済合理性を認めにくい状況が生じる可能性があります。また、公開買付者と当社との取引関係においても、当社の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び当社の置かれた状況が複雑化し、このような当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得ます。このように、当社に一般株主が存在する状況では、公開買付者と当社の一般株主との間に利益相反関係が存在することになり、公開買付者の経営資源を活用した取引を行うにあたっても、当社の一般株主の利益を考慮する必要があるため、迅速かつ機動的な意思決定が難しい状況にあると認識しています。
かかる状況の中、当社は、本取引が実行され、当社が公開買付者の完全子会社となることで、当社グループの企業価値向上を実現できると考えております。具体的には、以下のようなシナジーが実現可能であると考えており、これにより当社が取り組むべき課題や問題意識の解決につながることから、当社グループの企業価値向上に資すると判断しております。
(ア)公開買付者グループとの連携の深化
本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることにより、当社グループと公開買付者グループの連携の強化が図られるものと考えています。具体的には、公開買付者グループの幅広い業務領域において当社グループと協働・連携することによって、当社の顧客の既存業務領域を拡大して業績増強に繋げられるととともに、製造技術の向上を図ることができると考えております。また、当社は、本取引を通じて、当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者と当社の少数株主の間の利益相反の懸念が無くなります。これにより、製品の企画・設計段階からの共同開発やノウハウ・情報の共有化及び公開買付者との相互連携によるサプライチェーン強化やそれに伴うコスト軽減が可能となるとともに、公開買付者の経営資源を活用した取引についてより迅速かつ機動的な意思決定が可能となり、当社グループの企業価値の向上に資すると判断いたしました。
(イ)公開買付者グループとの人材交流
本取引後は、公開買付者との人材交流を通じて、公開買付者が有する人材リソースを活用し、当社のコーポレート機能の強化が可能になると考えております。また、当社は、経営人材の確保・育成が喫緊の課題となっておりますが、かかる課題の解消にあたっても、マネジメント人材を含めた公開買付者グループの人材リソースの活用が有効であると判断しております。なお、下記「④ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、本取引後の当社の経営体制については、本公開買付けの成立後、当社の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び当社との間で協議を行い決定していく予定とのことであり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、公開買付者及び当社との間で当社の経営体制に関して交渉は行っておりません。
(ウ)上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減
本取引後は、有価証券報告書等の継続的な情報開示等の一般株主をはじめとする投資家に対するIR活動等が不要となり、当社株式の上場を維持するために必要な人的・金銭的なコストが軽減され、この結果、当社が上場維持のために用いてきた経営資源を、当社の事業部門へ振り替えることで、当社の事業の成長の加速に繋げることができるものと考えております。
なお、当社株式が非公開化されることのデメリットとして、独自の資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、当社においては、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれていないこと、また、本取引を通じて公開買付者の子会社となることで、公開買付者の子会社として引き続き社会的な信用力が維持されることを勘案すると、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えており、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
また、本公開買付価格について、(a)本公開買付価格である2,010円は、公表日の前営業日である2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値855円に対して135.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値872円に対して130.50%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値903円に対して122.59%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、かつ、これは、1989年10月に記録した、当社株式の上場来最高値である1,420円に41.55%のプレミアムを加えた価格であり、当社の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されていること、(b)近時の同様の事案(2019年7月から2024年10月までの期間に公表された日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除く。)172件におけるプレミアムの水準の中央値は、公表日前営業日の終値に対して42.23%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.02%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.36%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して43.56%)と比較して高い水準のプレミアムが付された価格であること、(c)本公開買付価格は、下記「(3)算定に関する事項」に記載されている東京共同会計事務所による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、類似上場会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内の水準となっていること、(d)本公開買付価格は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2024年11月11日付答申書において、妥当であると認められると判断されていること、(e)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられており、少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年8月31日時点の簿価純資産額である24,555,974千円を自己株式控除後の発行済株式数(9,575,483株)で割ることにより算出した1株当たり純資産である2,564円(本公開買付価格は当該金額との比較で21.61%のディスカウント)を下回っているものの、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産価額がそのまま換価されるわけではなく、当社が所有する資産のうち、工場や本社においては、建築後相当程度の年月が経過し老朽化しており、また工場においては、汎用性が乏しく即時一括での売却が困難であることを踏まえると、簿価により売却することは困難であり、また、更地での売却が必要であることが見込まれるものの、その場合には不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用及び土壌汚染調査費用等が必要になると考えられること、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されます。なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。また、純資産価額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2024年11月11日開催の取締役会において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載のとおり、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2024年12月24日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領いたしました。これを踏まえ、2025年1月16日、当社は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請いたしました。そして、2025年1月28日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、当社取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の当社の業況や本取引を取り巻く環境に重要な影響を与える事情が発生していないことを踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年2月6日現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
④ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引を通じて当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、協業体制の構築や経営資源・ノウハウの最大化、意思決定の迅速化・簡素化、事業成長への経営資源の集中の実現に向けた最適な経営体制の構築に取り組んでいく方針とのことです。
なお、本書提出日現在において、当社の取締役7名のうち公開買付者の従業員を兼務している者として、田坂康浩氏1名がおります。本取引後の当社の経営体制については、本公開買付けの成立後、当社の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び当社との間で協議を行い決定していく予定とのことであり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、公開買付者及び当社との間で当社の経営体制に関して交渉は行っておりません。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するため、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、東京共同会計事務所に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月11日付で株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)を取得しました。なお、東京共同会計事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、東京共同会計事務所の独立性に問題がないことを確認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認した上で、東京共同会計事務所を当社の第三者算定機関として承認しております。本取引に係る東京共同会計事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
なお、当社は、当社及び公開買付者において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を実施し、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、東京共同会計事務所から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
(ⅱ)算定の概要
東京共同会計事務所は、当社の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社の株式価値の算定を行いました。東京共同会計事務所は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が名古屋証券取引所メイン市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、当社の株式価値を算定いたしました。東京共同会計事務所が上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :872円から949円
類似上場会社比較法:1,818円から2,029円
DCF法 :1,904円から2,592円
市場株価法では、2024年11月8日を算定基準日として、名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の直近1ヶ月間の終値の単純平均値872円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値903円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値949円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を872円から949円までと算定しております。
類似上場会社比較法では、当社類似上場会社3社の直近決算期を基準とした、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,818円から2,029円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年2月期から2027年2月期までの3期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づく収益予測や投資計画、2025年2月期から2027年2月期までの当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年2月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,904円から2,592円までと算定しております。なお、東京共同会計事務所がDCF法による分析に用いた本事業計画には大幅な増減益を見込んでいる事業年度はないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年2月期において、システム構築に関する設備投資を予定しておりますが、2027年2月期において、前年度における設備投資額の影響が剥落することにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加が見込まれております。また、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではないため、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、当該事業計画には加味しておりません。
② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して公開買付者及び当社との利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。また、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、公開買付者及び当社に対して、また、みずほ証券のグループ企業であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)は、公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等は実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行は公開買付者の株主たる地位を有しているとのことですが、本取引に関して公開買付者及び当社との利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行との間の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の貸付人及び株主の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、当社の株式価値算定にあたり、みずほ証券が過去に上場会社の完全子会社化の事案での第三者算定機関としての実績を有していることに加え、みずほ証券において適切な利益相反管理体制が構築され、かつ実施されていること等に鑑み、第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されていると判断し、みずほ証券を第三者算定機関に選定したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
(ⅱ)算定の概要
みずほ証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2024年11月8日付で株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得して参考にしたとのことです。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者株式価値算定書において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価基準法:855円から949円
類似企業比較法:1,987円から2,309円
DCF法 :1,317円から2,709円
市場株価基準法では、基準日を2024年11月8日として、名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の基準日終値855円、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値872円、同日までの直近3ヶ月間の終値の単純平均値903円及び同日までの直近6ヶ月間の終値の単純平均値949円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を855円から949円と算定しているとのことです。
類似企業比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,987円から2,309円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2025年2月期から2027年2月期までの3期分。フリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2024年9月初旬から同年10月下旬まで当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において一定の調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、2025年2月期第3四半期以降において当社が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,317円から2,709円と算定しているとのことです。なお、上記DCF法の算定の基礎とした本事業計画については、対前期比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、本取引の実行により実現されることが期待されるシナジー効果については、算定時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
(ⅲ)公開買付者株式価値算定書を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由
公開買付者は、本公開買付価格がみずほ証券から取得した公開買付者株式価値算定書の市場株価基準法に基づく算定結果のレンジを上回るとともに、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジの価格であることに加え、2024年9月初旬から同年10月下旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日から2024年10月31日までの期間に公表された国内案件における完全子会社化を前提とした公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除きます。)の際に付与されたプレミアムの実例172件(プレミアムの中央値は公表日前営業日が42.23%、直近1ヶ月間が43.02%、直近3ヶ月間が42.36%、直近6ヶ月間が43.56%)、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果を踏まえ、当社の2025年2月期の期末配当が無配であることを前提として、最終的に2024年11月11日開催の取締役会において本公開買付価格を2,010円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である2,010円は、公表日の前営業日である2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値855円に対して135.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値872円に対して130.50%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値903円に対して122.59%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格である2,010円は、本公開買付けの開始についての公表日の前営業日である2025年2月5日の当社株式の名古屋証券取引所メイン市場における終値1,999円に対して0.55%のプレミアムを、本書提出日の前営業日である2025年2月6日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値2,000円に対して0.50%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となるとのことです。
(注) みずほ証券は、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としているとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。みずほ証券の算定は、2024年11月8日までの上記情報を反映したものとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、名古屋証券取引所メイン市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを予定していますので、その場合、当社株式は名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を名古屋証券取引所メイン市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
当社は、公開買付者より、本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的として、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に対して要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が当社の発行済株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するように要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。本臨時株主総会を開催する場合、2025年5月下旬頃を目途に開催する予定ですが、その具体的な手続及び実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者の株券等所有割合並びに公開買付者以外の当社株式を所有する当社の株主の株券等所有割合及び所有の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。
また、公開買付者は、当社に対して、本スクイーズアウト手続の完了を条件として、本公開買付け成立後最初に招集される当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することができる株主を公開買付者のみとするため、本定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定とのことです。そのため、当社の2025年2月28日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても、本定時株主総会において権利を行使できない可能性があるとのことです。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は当社の支配株主には該当いたしませんが、公開買付者は当社の主要株主かつ筆頭株主であるとともに当社の主要な取引先であることを踏まえ、公開買付者及び当社は、本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、それぞれ以下の措置を講じております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。
公開買付者がみずほ証券から取得した当社の株式価値に関する公開買付者株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、東京共同会計事務所に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月11日、当社株式価値算定書を取得しました。
当社が東京共同会計事務所から取得した当社株式価値算定書の詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、森・濱田松本法律事務所を選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、森・濱田松本法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、本臨時取締役会において、本特別委員会を設置いたしましたが、当社は、これに先立つ2024年8月8日に、公開買付者から本意向表明書を受領しました。当社は、公開買付者は当社の支配株主には該当しないものの、公開買付者が当社の主要株主かつ筆頭株主であるとともに当社の主要な取引先でもあることを踏まえ、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2024年8月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、また、2024年9月上旬、第三者算定機関として東京共同会計事務所を、それぞれ選任し、速やかに、公開買付者から独立した立場で、本取引について検討・交渉等を行うことができる体制を構築いたしました。具体的には、特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役及び社外有識者について、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して利害関係を有していないことを確認した上で、当社の独立社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏及び平山勝觀氏、並びに社外有識者である川城瑛氏(弁護士・サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業)の3名によって構成される本特別委員会を設置いたしました。なお、当社は、当初から上記3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会の委員の互選により、川城瑛氏が本特別委員会の委員長に就任しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、川城瑛氏は当社の取締役ではありませんが、当社は、川城瑛氏が、弁護士として多数のM&A案件に関与した経験を有することを理由として、社外有識者として特別委員に就任することを依頼しております。
そして、当社は、本臨時取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かについて検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(ⅱ)当社取締役会における本取引についての決定が、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(なお、(ⅰ)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性(本取引のために講じられた公正性担保措置の内容を含む。)について検討・判断するものとする。)(以下(ⅰ)及び(ⅱ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとすること、及び本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引の実施を承認しない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)ものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、公開買付者との間で取引条件等について自ら交渉を行うこと(当社役職員やファイナンシャル・アドバイザー若しくは第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーを通じた間接的な交渉を含みます。)、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザー等を選任し(この場合の費用は当社が負担します。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができます。)、本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議いたしました。
本特別委員会は、2024年9月5日から2024年11月8日までに、会合を合計10回、約13時間開催したほか、会合外においても必要に応じて都度電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。
具体的には、まず、2024年9月5日に開催された第1回の会合において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、及び第三者算定機関である東京共同会計事務所について、いずれも独立性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認しております。
また、本特別委員会は、第1回会合において、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。また、本特別委員会は独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、当社取締役である佐藤宰氏を、本特別委員会事務局の構成員とすることを承認しております。
その上で、本特別委員会は、当社から、事業内容、経営環境、経営課題やそれに対して現状想定している経営戦略、事業計画の内容及び前提、当社における本取引の検討体制及び検討経緯並びに本取引の背景、目的及び効果等について説明を受け、これらの点に関する検討及び協議を行いました。その中でも、東京共同会計事務所が当社株式の株式価値の算定において基礎とする事業計画に関しては、本特別委員会は、当該事業計画の作成過程において、現に公開買付者の役職員を兼任する当社の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった当社の職員は関与させていないことについて確認するとともに、その作成過程においても、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。また、公開買付者と直接面談を行うこと等を通じて、当社の経営環境、経営課題、本取引の目的及び背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。)、経緯、非公開化の必要性、目的及び効果等、本取引後の経営方針、本取引のスキーム、本取引における諸条件等について、確認を行いました。
さらに、本特別委員会は、東京共同会計事務所から、当社株式の株式価値の算定に関する説明を受け、質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討いたしました(なお、東京共同会計事務所は、DCF法の算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回に亘って当社と質疑応答を行い、その内容を分析及び検討しており、また、本特別委員会は、その内容及び作成経緯等について、当社の一般株主の利益に照らして不合理な点がないことを確認しております。)。また、森・濱田松本法律事務所から、本特別委員会の意義・役割等を含む本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けました。そして、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,010円とする旨の提案を受けるに至るまで、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を当社に複数回意見するなどして、公開買付者との交渉過程に実質的に関与いたしました。その結果、当社は、2024年11月8日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり2,010円とすることを含む提案を受け、結果として合計5回の提案を受け、本公開買付価格を引き上げております。
以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に審議及び検討を重ねた結果、2024年11月11日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2024年11月11日付答申書を提出いたしました。
(ⅰ)答申内容
(a)本取引は、当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付けについて当社取締役会は賛同するべきと考える。また、当社の一般株主の利益を図る観点から検討した結果、本取引の取引条件は、妥当と認められ、本取引のために講じられた公正性担保措置の内容を含めて本取引の手続全体が公正に行われたものと認められる。したがって、当社は、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきと考える。
(b)その他本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の一般株主にとって不利益なものであると考える事情として指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。結論として、本取引は当社の一般株主にとって不利益なものではないと判断する。
(ⅱ)答申理由
ⅰ.当社は本公開買付けについて賛同の意見表明をすべきか否か
本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容について、公開買付者及び当社に対して、それぞれヒアリングを実施し、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載の内容の説明を受け、その具体的内容を確認し検討した。ヒアリングによれば、公開買付者グループは、当社売上高の3割超を占める最大取引先であり、公開買付者及び当社は海外合弁会社3社を有すること等、2024年11月11日時点における当社と公開買付者の事業上の関係性を踏まえると、本取引を実施することにより、公開買付者グループとの連携の深化による調達安定化、コスト低減、製品企画・開発の強化は具体的に見込まれ、また、当社における経営人材の確保・育成という当社の経営課題を踏まえると、公開買付者グループとの人材交流は有効な対応策と考えているとのことである。加えて、本取引に伴う非公開化により上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減も見込むことができるとのことである。本特別委員会において、公表情報の調査並びに公開買付者及び当社それぞれとの質疑応答を行った限りにおいて、上記のシナジーに関する説明に不合理な点は見当たらず、いずれも具体的かつ現実的であり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断するに至った。
なお、本取引に伴い、当社が非公開化されることのデメリットとして懸念され得る事項として、①資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②当社自体が上場会社であることに伴う知名度や社会的信用の喪失による人材採用や顧客との取引関係への悪影響、③公開買付者グループと競合する可能性のある取引先との取引への影響も考えられるものの、当社においてエクイティ・ファイナンスは当面見込まれないこと、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者のグループ企業となることが、かえってブランドとしての信用力向上につながると考えられること、公開買付者グループが、当社の取引先との競合関係の有無にかかわらず当社の現行の取引関係を維持する方針であることを踏まえ、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると判断した。
したがって、2024年11月11日時点においては、本取引は当社の企業価値向上に資するものと考えられるため、本公開買付けに対しては賛同の意見表明をすべきである。
ⅱ.当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきか
(a)本取引の取引条件の妥当性
以下の各理由から、本特別委員会としては、2024年11月11日時点における判断として、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断した。
ア.東京共同会計事務所による株式価値算定書
当社が、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関である東京共同会計事務所から取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると872円から949円、類似上場会社比較法によると1,818円から2,029円、DCF法によると1,904円から2,592円とされている。
本特別委員会は、東京共同会計事務所から株式価値評価に用いられた算定方法について詳細な説明を受けるとともに、評価手法の選択、割引率の算定根拠、継続価値の算定方法の選択、余剰現預金や投資有価証券を含む非事業用資産の取扱い等に関する質疑応答を行った上で検討したが、不合理な点は認められなかった。また、算定との基礎となる事業計画については、その作成過程、内容及び重要な前提条件について、当社に対する質疑応答を行い、同事業計画の作成過程に公開買付者からの関与は一切なく、事業計画の作成経緯に不合理な点はないことを確認した。
そして、本公開買付価格は、東京共同会計事務所の株式価値算定書における市場株価法における算定結果のレンジの上限の2倍を超過するとともに、類似上場会社比較法における算定結果のレンジの上限に近い価格となっている。また、DCF法による算定結果のレンジの範囲内となっている。
加えて、本公開買付価格は、2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値855円に対し135.09%、2024年11月8日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値872円に対して130.50%、直近3ヶ月間の終値単純平均値903円に対して122.59%、直近6ヶ月間の終値単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。これは近時の公開買付けを用いた非公開化事例におけるプレミアム水準に照らしても非常に高い水準である。また、本公開買付価格は、当社株式の上場来高値である1,420円を大幅に上回っていることをも考え合わせるならば、本公開買付価格は、当社の株主に対して合理的な売却機会を付与するものと評価できる。
イ.PBRとの関係
本公開買付価格は、2025年2月期第2四半期末(2024年8月31日)時点における1株当たり連結簿価純資産額を下回っている。しかし、仮に当社が清算する場合であっても、工場施設その他の事業用資産に関しては一括処分を想定した場合の減額や清算に伴う追加コストの発生等による毀損が見込まれるため、簿価純資産額がそのまま換価される訳ではない。加えて、純資産額は当社の将来の収益性を反映するものでないため、継続企業である当社の株式価値の算定において、過度に重視しすぎることも相当ではない。本特別委員会は、公開買付者からの公開買付価格に関する提案を評価するための指標の一つとして、PBRを重視した交渉を実施したが、上記の理由から、本特別委員会としても、1株当たり簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用していない。したがって、本公開買付価格が、当社1株当たり連結簿価純資産額を下回ることの一事をもって本取引の取引条件の妥当性が否定されるものではない。
ウ.交渉過程の公正性
下記「(b)手続の公正性」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
エ.本公開買付け後のスクイーズアウト手続の条件
本公開買付けに応募しなかった少数株主には、本公開買付けの後に実施される予定のスクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されるが、当該手続において交付される金銭の額は、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である。
(b)手続の公正性
以下の各要素を踏まえ、本特別委員会としては、2024年11月11日時点における判断として、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引においては、十分な公正性担保措置が講じられており、意思決定過程の公正性は担保されていると判断した。
ア.本特別委員会の設置
当社は、本臨時取締役会において、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、本取引の検討プロセスに関する当社の意思決定の恣意性を排除し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、本特別委員会の設置を決定し、公開買付者及び当社と利害関係を有しない、当社の独立社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏(辻巻総合法律事務所代表弁護士)及び当社の独立社外取締役(監査等委員)である平山勝觀氏(税理士、平山勝觀税理士事務所代表)並びに川城瑛氏(弁護士、サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業パートナー)の3名を委員として選任した。また、本臨時取締役会において、本特別委員会による答申内容を最大限尊重した意思決定を行うこと及び本特別委員会が本取引の実施または取引条件が妥当でないと判断した場合には、その実施を承認しないことを決議している。なお、本特別委員会の委員の報酬については固定額となっており、本公開買付けを含む本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていない。
イ.当社による協議・交渉
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」の「(ⅱ)交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、2024年10月7日に公開買付者から初回の公開買付価格(1株当たり1,400円)の提案を受けて以来、本公開買付価格について、実質的協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。具体的には、SMBC日興証券を窓口として、本特別委員会が承認した回答書の提示を含む価格交渉を実施し、最終的に1株当たり2,010円という本公開買付価格の決定に至るまでには、本特別委員会の指示に基づき計4回の価格引き上げ要請を行い、総額610円の価格引き上げを引き出している。
ウ.外部専門家からの専門的助言の取得
当社は、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、東京共同会計事務所に当社株式の株式価値算定を依頼するとともに、独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたって専門的助言を受けている。
エ.本取引の交渉過程における特別利害関係人の不関与
当社は、2024年7月31日、公開買付者から、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨の伝達を受けた時点以降、現に公開買付者の役職員を兼任する当社の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった当社の職員について、当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程や、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に関与させていない。その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
なお、当社取締役のうち、現に公開買付者の従業員を兼務している田坂康浩氏は、本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加していない。
オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定
公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の下限を、公開買付者と重要な利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数を上回る数に設定する予定である。かかる条件の設定は、一般株主の過半数による応募が得られない場合には、本公開買付けを実施しないこととなるため、一般株主の意思に配慮するものと評価できる。
カ.取引保護条項の不存在
公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。
キ.本公開買付けに対する応募について適切な判断機会の確保
本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定のスクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定されるとのことであり、強圧性が生じないよう公正性の担保に配慮されているといえる。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定する予定とのことである。公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、上記取引保護条項の不存在とあわせ、対抗的な買付けの機会が確保され、公正性の担保に配慮されているといえる。
(c)応募推奨の当否
上記ⅰ.及びⅱ.の検討によれば、本取引の取引条件は妥当と認められ、その意思決定過程の手続も公正性が担保されていたと評価できる。したがって、本公開買付けは、当社の一般株主の利益が図られており、当社取締役会としては、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であると判断するに至った。
ⅲ.本取引についての決定が、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものでないか
本取引においては、本公開買付けにより、当社株式の全てを取得できなかった場合には、株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウト手続により、公開買付者が当社を完全子会社化することが予定されている。上記「ⅱ.(b)キ.本公開買付けに対する応募について適切な判断機会の確保」に記載のとおり、本公開買付けに応募しなかった少数株主に対して、スクイーズアウト手続で交付される金銭の額は、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた金額と同一となるよう算定されるとのことであり、仮に当社株主が本公開買付けに応募しなかったとしても不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないよう、強圧性を排除する配慮がなされていると認められる。
その他上記ⅰ.及びⅱ.において検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の一般株主にとって不利益なものであると考える事情として指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。結論として、本取引は当社の一般株主にとって不利益なものではないと考える。
その後、2024年12月24日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領しました。これを踏まえ、2025年1月16日、当社は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請いたしました。そして、2025年1月28日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、2025年2月4日に第11回特別委員会を約15分開催し、改めて、当社に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、当社取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出いたしました。
⑤ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年7月31日、公開買付者から、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨の伝達を受けた時点以降、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、現に公開買付者の役職員を兼任する当社の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった当社の職員について、当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程や、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に関与させないこととしており、かかる取り扱いを継続しております。
また、かかる取り扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては本特別委員会の確認を経ております。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認
当社は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、東京共同会計事務所から取得した当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2024年11月11日付答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引に関する諸条件について企業価値の向上ひいては株主利益の最大化の観点から慎重に検討を行いました。
その結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格(2,010円)は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年11月11日開催の取締役会において、田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
その後、2024年12月24日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領しました。これを踏まえ、2025年1月16日、当社は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請いたしました。そして、2025年1月28日、当社は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、当社取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の当社の業況や本取引に重要な影響を与える事情が発生していないことを取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、取締役の田坂康浩氏は、現に公開買付者の職員を兼務していることから、利益相反のおそれを回避する観点より、上記取締役会の審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)を上回る買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を5,276,700株(所有割合:55.11%)と設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数の下限である5,276,700株(所有割合:55.11%)は、公開買付者と重要な利害関係を有さない当社の株主(注1)が所有する当社株式の数に係る議決権の数の過半数に相当する株式数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」(当社第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(46,067株)及び公開買付者が本書提出日現在所有する当社株式の数(1,107,000株)を控除した株式数(8,468,483株)に係る議決権の数(84,684個)の過半数に相当する数(42,343個)に相当する当社株式数(4,234,300株))を上回る株式数となるとのことです。
これにより、当社の一般株主の皆様の意思を重視して、公開買付者の利害関係者以外の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないことになるとのことです。
(注1) 本公開買付けにおいては、公開買付者と応募契約を締結した株主が存在しないことから、公開買付者を除いて、公開買付者と重要な利害関係を有する当社の株主は存在しないとのことです。
⑧ 取引保護条項の不存在
公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
⑨ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、2024年11月11日付で本公開買付けの開始予定に関する公表を行い、当該公表より本公開買付けの開始までに約3ヶ月弱の期間が経過しているため、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。さらに、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。このように、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
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氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
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太田 晴之 |
代表取締役社長 |
19,915 |
199 |
|
田坂 康浩 |
取締役 |
- |
- |
|
原田 育広 |
取締役 総務部長 |
19,997 |
199 |
|
小田 勲 |
取締役 各務原東工場長 |
12,332 |
123 |
|
佐藤 宰 |
取締役(監査等委員) |
20,025 |
200 |
|
辻巻 真 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
|
平山 勝觀 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
|
計 |
- |
72,269 |
721 |
(注1) 所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれに係る議決権の数を含めた数を記載しております。
(注3) 取締役辻巻真及び平山勝觀は、社外取締役です。