第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、オペレーティングリース会社として、お客さまに優秀な品質、優れた技術、行き届いたサービス等による顧客満足を提供し、その結果として、安定した業績と適正な利益を確保することを経営の基本としています。なお、当社の主業務である仮設建物リースは、震災時の応急仮設住宅等、公共性の高い事業であり、迅速かつ安定した供給を継続して行い、社会的貢献を果たすことを目指しております。

また、オペレーティングリース業として、最近の環境問題にも配慮し、廃材を抑え、繰り返しリース供給できる商品を開発し市場に提供することが、当社の社会的存在意義ととらえております。

こうした方針のもと、今後とも、当面の間は厳しい経営環境が続くと思われるなか、単なる売上の量的拡大による収益の回復を目指すのではなく、運営の効率化とコスト削減を主とした採算性重視の経営に徹し、以下の四つを重点課題として鋭意取組んでおります。

① 新商品の開発と商品および施工技術の品質改善
② 全事業所の運行機能とシステム資質の尖鋭化
③ 原価の徹底追及による利益の確保
④ 財政運営の安定化と、有利子負債の圧縮

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは2005年3月期において減損会計の早期適用を始めとする経営体質の大幅な改善を図り、売上の量的拡大に依らず、収益性を重視した安定経営を目指しております。次期の目標としては営業利益率、経常利益率とも5%以上を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

上記「(1)会社の経営の基本方針」に記載の、四つの重点課題に注力してまいります。

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

次期の見通しにつきましては、資材の入手難などによる原価高騰が懸念されますが、当社グループといたしましては、更なる仮設建物の質の向上、コスト抑制を図ることにより、業績への影響を低減すべく取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループ(当社および連結子会社)の経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 当社グループのユーザーの動向について

当社グループの主要なユーザー先は建築・土木業界であります。

同業界の動向が、量・単価の両面で当社グループの受注状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当社グループのリース用資産の特性について

当社グループの主要なリース用資産であるリース用仮設建物部材は、仮設建物の持つ機動性や、いかなる大きさにも対応可能であるといった汎用性の高さから、競合他社との優劣がつきにくい特性があります。

また、建上・解体工事も、ユーザーからの工期短縮・迅速施工への要求に応えるため、簡易工法が確立されております。

当社グループといたしましては、仮設建物の範疇に捉われない高い居住性と、優れた機動性を追求すべく、日々技術革新や、品質改良に努めておりますが、その汎用性の高さから、差別化が難しい一面をもっており、結果、当社グループの受注環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 当社グループの事業内容について

当社グループは創業以来一貫して、オペレーティングリース会社として、リース商品の賃貸だけでなく、製造・運送・工事・補修も含めたトータルなサービスを提供し続けております。

また、パイオニアカンパニーとして、多角化を排除し、当社グループが主力とする仮設建物リースを中心とした事業活動を通じて、社会的貢献を果たすことを使命としております。

しかしながら、ユーザーのニーズも多様化し、仮設建物のみならず、あらゆるものがリースで賄える時代の流れにおいて、商品の先進化と新たな商品の出現に対する対応如何によっては、当社グループの経営成績および今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気後退から一時持ち直しの兆しが見られたものの、感染再拡大により個人消費の低迷が継続し、また海外においてはウクライナ情勢の緊迫化などにより、先行きが極めて不透明な状況となっています。

仮設建物リース業界におきましては、一部の民間需要において設備投資に対する慎重姿勢が見られるなど、予断を許さない状況にあります。

 このような状況のなか、当社グループは一層のお得意先様満足を獲得すべく安全衛生管理の徹底を図るとともに、外注工事のリース商品化を継続推進しております。

以上の結果、民間需要における受注額の期首繰越も寄与し、売上高は16,420百万円(前年同期比8.8%増)となりました。損益面につきましては、原材料を含む原価が上昇したことなどにより営業利益は564百万円(前年同期比3.1%減)、経常利益は593百万円(前年同期比4.7%減)、特別損失に従業員用社宅の老朽化による取り壊しによる除却損や、連結子会社である東海ハウス株式会社の工場内の火災事故に伴う災害による損失など77百万円、そして法人税等221百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は324百万円(前年同期比6.0%減)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。

また、当社グループは従来「日本」および「中国」の2つを報告セグメントとしてまいりましたが、当連結会計年度より「仮設建物リース業」の単一セグメントに変更しております。

この変更は、中国国内でのリース事業の撤退に伴い、「中国」の量的な重要性が乏しくなったためこれらを統合しました。この変更により、セグメント情報の記載を省略しております。

財政状態については、次のとおりであります。

(資産の部)

当連結会計年度の資産合計は前連結会計年度より4,812百万円減少し、31,776百万円となりました。理由の主なものは受取手形、売掛金及び契約資産の減少5,772百万円であります。

(負債の部)

当連結会計年度の負債合計は前連結会計年度より4,915百万円減少し、16,250百万円となりました。理由の主なものは前受リース収益の減少4,792百万円であります。

(純資産の部)

当連結会計年度の純資産合計は前連結会計年度より102百万円増加し、15,526百万円となりました。理由の主なものは親会社株主に帰属する当期純利益の計上324百万円および配当金の支払い241百万円であります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

オペレーティングリース会社である当社グループは、営業用資産であるリース用資産の取得を、投資活動によるキャッシュ・フローと位置づけております。一方、リース用資産の減価償却費は非資金取引として営業活動によるキャッシュ・フローの減価償却費に含めて記載しております。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,421百万円の収入(前年同期比15.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益552百万円と減価償却費1,751百万円によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,020百万円の支出(前年同期比48.2%減)となりました。これは主に、リース用資産の取得による支出2,073百万円と定期預金の払戻による収入1,255百万円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは624百万円の支出(前年同期比72.2%増)となりました。これは主に、短期および長期借入金の返済によるものです。

以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より835百万円増加し、2,449百万円(前年同期比51.8%増)となりました。

 

③ 生産、受注および販売の実績

当社および連結子会社の事業は仮設建物リース業であり単一のセグメントであるため、生産、受注および販売の実績についてはセグメント別の記載を省略しております。

a.生産実績

事業の種類

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

仮設建物リース業

1,748,238

113.4

 

(注) 上記金額は、主にリース用資産の製造高であります。

 

b.受注実績

期首契約残高

期中契約高

期中契約実行高

期末契約残高

金額(千円)

金額(千円)

前年同期比
(%)

金額(千円)

前年同期比
(%)

金額(千円)

前年同期比
(%)

9,432,760

16,279,922

104.2

16,420,559

108.8

9,292,122

98.5

 

 

c.販売実績

事業の種類

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

仮設建物リース業

16,420,559

108.8

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債および収益・費用に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価、見直しを行っておりますが、急激な環境の変化により、実際の結果と異なることがあります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。

 

(売上高)

売上高は、前連結会計年度より1,324百万円増加し16,420百万円(前年同期比8.8%増)となりました。主な要因としては、前連結会計年度からの民間需要における受注繰越分が寄与したためです。

 

(売上総利益)

売上総利益は、前連結会計年度より3百万円減少し2,788百万円(前年同期比0.1%減)となりました。主な要因としては、原材料を含む原価が上昇したことにより、前連結会計年度より原価率が1.5%増加したことによるものです。

 

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より14百万円増加し2,223百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度より18百万円減少し564百万円(前年同期比3.1%減)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、スクラップ売却益の増加などにより16百万円増加し144百万円となりました。営業外費用は、銀行借入金の支払手数料の増加などにより27百万円増加し115百万円となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度より29百万円減少し593百万円(前年同期比4.7%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、連結子会社である東海ハウス㈱で発生した火災に対する保険金32百万円等を計上した結果37百万円となりました。

特別損失は、当社佐倉社宅老朽化に伴う取り壊しによる除却損を含む固定資産除却損55百万円、連結子会社である東海ハウス㈱で発生した火災による損失22百万円等を計上した結果、前連結会計年度より14百万円増加し77百万円(前年同期比22.7%増)となりました。

 

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より20百万円減少324百万円(前年同期比6.0%減)となりました。

 

 

b.資本の財源および資金の流動性についての分析

(資本の財源および資金の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、専従協力業者ならびに外注業者の工事費と販売費及び一般管理費等のリース事業を運行するための管理費用であり、設備投資資金需要のうち主なものは、リース用資産の取得によるものであります。

運転資金の調達については、営業活動により得られたキャッシュ・フローおよびコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。

設備投資資金の調達については、営業活動により得られたキャッシュ・フローおよび金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務等を含む有利子負債残高は11,513百万円となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。