第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要に支えられて、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながらウクライナ情勢の長期化や中東地域での地政学的リスク、また資源高及び人手不足の継続によるインフレ圧力等、内外経済が下振れするリスクがあることから、先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。

当社グループが属するライフサイエンス業界においては、新型コロナウイルス感染症を発端とした感染症対策に加え、免疫力向上等の感染症予防を促進するための機能性表示食品開発等、健康管理へのニーズの高まりを受けた研究開発の増加傾向が継続しています。またバイオエコノミー推進政策によるバイオ業界の研究開発も増加が見込まれています。

このような状況の中、当社グループでは高感度網羅解析サービスの営業活動を精力的に行うことで先端研究開発支援事業、機能性素材開発包括支援サービスを中心とするヘルスケア・ソリューション事業の受注拡大を図りました。また研究開発においては、高感度網羅解析の新サービス開発、「バイオものづくり」生産性向上支援のための研究開発に集中して取り組みました。

これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は、684,482千円(前年同期比8.1%増)と増収となり、加えて収益性の高い製品・サービスの売上が増加したことにより、売上総利益は438,539千円(前年同期比10.8%増)と増加いたしました。営業利益は104,603千円(前年同期比46.2%増)、為替差損の計上により経常利益は94,721千円(前年同期比34.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は、93,218千円(前年同期比31.2%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

ⅰ) 先端研究開発支援事業

 当事業セグメントにおいては、国内では高感度網羅解析サービスが堅調に推移しました。アカデミア分野の売上が前倒受注などにより増加しました。食品分野及び製薬分野も大型案件の獲得により増加し、国内全体で売上が大きく増加しました。一方、欧米ではアカデミア分野に加え、製薬分野も受注が苦戦し、また売上計上も遅れていることから地域全体での大幅な売上減となりました。

 この結果、セグメント全体での売上高は527,801千円(前年同期比2.1%増)となりました。また「バイオものづくり」生産性向上支援サービスの研究開発に集中投資を行った結果、セグメント費用が増加したため、全社費用配賦後セグメント利益は76,052千円(前年同期比19.6%減)となりました。

 

ⅱ) ヘルスケア・ソリューション事業

 当事業セグメントにおいては、機能性素材開発支援サービスの新規受注獲得に注力した結果、本サービスの売上が増加しました。また皮膚ガスの売上も増加しました。

 この結果、売上高156,680千円(前年同期比35.2%増)となりました。先端研究開発支援事業分野に研究開発投資をシフトした結果、セグメント費用が大きく減少し、全社費用配賦後セグメント利益は28,550千円(前年同期は23,025千円のセグメント損失)となりました。

 

 

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産は1,920,924千円となり、前連結会計年度末に比べ174,703千円減少しました。これは売掛金が6,241千円、未払金の支払、賞与支給及び法人税の納付等により現金及び預金が191,193千円減少したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産は526,699千円となり、前連結会計年度末に比べ18,926千円増加しました。これはフェルメクテス株式会社への投資49,980千円や設備投資として工具、器具及び備品が108,858千円増加したものの、リース期間満了のリース資産が108,886千円減少したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債は500,110千円となり、前連結会計年度末に比べ132,646千円減少しました。これは未払金が147,241千円、賞与引当金が39,789千円減少したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

 当中間連結会計期間末における固定負債は21,112千円となり、前連結会計年度末に比べ2,817千円減少しました。これは、リース債務が2,829千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は1,926,400千円となり、前連結会計年度末に比べ20,312千円減少しました。これは、親会社株主に帰属する中間純利益93,218千円を計上しましたが、配当金88,733千円の支払い、満期償還により新株予約権が25,083千円減少したこと等によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ191,193千円減少し、1,597,312千円となりました。当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは66,061千円の増加となりました。これは主に税金等調整前中間純利益119,804千円を計上したものの、未払金の減少66,002千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは163,244千円の減少となりました。これは工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出113,393千円や、投資有価証券の取得による支出49,980千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは95,584千円の減少となりました。これは配当金の支払いによる支出88,324千円及びリース債務の返済による支出7,260千円によるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費は、89,714千円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年9月11日開催の取締役会において、フェルメクテス株式会社(以下フェルメクテスとする)との間で資本業務提携を行うこと及びフェルメクテスが実施する第三者割当による新株式の引受を決議し、同日付で資本業務提携契約を締結いたしました。

 

 1.本資本業務提携の内容等

  (1)資本提携の内容

 当社は、フェルメクテスとの間で、2024年9月11日付で資本業務提携契約を締結し、当社はフェルメクテスが発行する普通株式14,000株を引受しております。

  (2)業務提携の内容

 フェルメクテスは、「納豆菌を主原料とした食品の開発」に取り組んでいる企業となります。当社の強みであるメタボロミクス技術を用いたメタボロームデータや、それを活用した代謝分析等により「バイオものづくり」における製造原価低減のための収益率向上を主目的とした研究開発を協働で実施しております。

 

 2.本第三者割当引受の概要

(1) 払込期日

2024年9月30日

(2) 引受予定の株式数

普通株式 14,000株

(3) 引受価額

当社普通株式1株当たり3,570円

(4) 払込金額の総額

49,980,000円