1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   MBFアクセラレーション株式会社

所在地  東京都千代田区丸の内一丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸の内

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)本公開買付けに関する意見の内容

 当社は、2025年2月17日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては当社の株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者及び公開買付者株主に関する記載は、公開買付者及び公開買付者株主から受けた説明に基づいて記載しております。

① 本公開買付けの概要

 公開買付者によれば、公開買付者は、公開買付者株主が発行済株式(普通株式10株)の全てを所有する株式会社(取締役会非設置、監査役非設置)であり、本公開買付けのために2025年1月31日に設立されたとのことです。公開買付者株主は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)グロース市場(以下「東証グロース市場」といいます。)に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に関し、本日現在において、筆頭株主として、企業買収等の際に生ずる買収価格や価値の上乗せが得られるいわゆる支配権プレミアム(注1)を享受することを目的として33.19%の保有割合(注2)(所有割合(注3)は34.05%)を有しているとのことです。また、本日現在、公開買付者は、当社株式を所有しておらず、保有もしていないとのことです。

 公開買付者は、特別関係者である公開買付者株主の所有部分と合わせて、当社株式を買増しするために、本公開買付けを実施するとのことです。

 公開買付者の代表取締役藍健樹氏は、2025年1月31日付けで、本公開買付けの実施を決定したとのことです。

 公開買付者及び公開買付者株主は、当社株式の上場廃止を企図していないとのことです。

 なお、本日現在において、公開買付者及び公開買付者株主は、具体的に支配権プレミアムが享受できる当社に対する企業買収について特段の想定を有していないものの、将来的には、当社に対する買収等が行われる可能性はあると考えており、買増しの目的は支配権プレミアムの享受であり、経営参加は目的としていないとのことです。

 公開買付者株主は、当社株式18,030,000株を立花証券株式会社における制度信用取引により取得しており、取得した日付は2024年10月16日から同年11月15日までであり、以下のとおりとのことです。

年月日

取得数

年月日

取得数

2024年10月16日

4,506,800株

2024年10月18日

1,167,300株

2024年10月21日

921,900株

2024年10月22日

966,500株

2024年10月23日

1,000,000株

2024年10月24日

1,723,200株

2024年10月25日

1,782,300株

2024年10月28日

1,068,400株

2024年10月29日

534,400株

2024年10月30日

1,989,300株

2024年10月31日

207,800株

2024年11月1日

409,300株

2024年11月5日

362,400株

2024年11月6日

279,200株

2024年11月7日

566,400株

2024年11月8日

200,200株

2024年11月11日

117,000株

2024年11月12日

65,200株

2024年11月13日

113,400株

2024年11月14日

41,400株

2024年11月15日

7,600株

 

 

(注1)「支配権プレミアム」とは、公開買付者によれば、経営を支配又は経営に影響を与える可能性がある一定のまとまった割合の株式を取引する際に現れる、まとまった割合ではない市場取引における通常の価格に上乗せされる部分又は当該上乗せを前提とする評価額若しくは価格をいうとのことです。

(注2)「保有割合」とは、公開買付者によれば、当社の発行済株式総数に対する公開買付者及び/又は公開買付者株主の保有株式数の比率とのことです。2024年10月15日に公表された2025年2月期第3四半期決算短信(日本基準)(非連結)(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年11月30日現在の当社の発行済株式総数(54,320,100株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しているとのことです(以下、別段の記載がある場合を除き、比率の記載において同じです。)。

(注3)「所有割合」とは、法第27条の2第8項の「株券等所有割合」と同じ意味を有し、総株主の議決権の数に対する公開買付者の所有議決権数の比率です。当社が2025年1月14日に公表した当社決算短信に記載された2024年11月30日現在の当社の発行済株式総数(54,320,100株)から、期末(2024年2月末日)自己株式数(1,358,000株)を控除し、さらに当社が2024年10月15日に公表した2025年2月期半期報告書に記載の単元未満株式数(18,100株)を除いた株式数(52,944,000株)に係る議決権数(529,440個)に占める割合をいいます。なお、当社の新株予約権の権利行使により発行される株式数については発行済株式総数に含めておりません。以下、所有割合の記載において同じとします。

 

 公開買付者によれば、本公開買付けは、2024年12月上旬から計画され、2024年12月10日には、公開買付者株主の代理人である狛グローカル法律事務所の山中眞人弁護士(同弁護士は、公開買付者の設立時に、公開買付者の代理人にも就任しております。)(以下「公開買付者代理人」といいます。)と当社との間で本公開買付けに関する協議の場が持たれました。その段階においては、公開買付者株主個人が公開買付者となることが想定されておりました。しかしながら、公開買付者と関東財務局との事前相談の過程において、本公開買付けはいわゆる支配権プレミアムを享受することを目的としているところ、公開買付者株主個人を買付者とした場合には買付者及び特別関係者となる当社の役員の株券等所有割合の合計が、総議決権の3分の2以上となることが見込まれることが判明し、全部勧誘義務、全部買付義務が生じることとなり、公開買付者株主個人の本公開買付けの目的と異なる状況になることから、公開買付者株主個人が全株式を所有する株式会社を設立して買付者することで特別関係者を公開買付者株主個人のみとし、全部勧誘義務、全部買付義務を回避することとしたとのことです(以下「本スキーム変更」といいます。)。なお、当社は、本スキーム変更に関しては関与しておりませんが、公開買付者及び公開買付者代理人に対し、本スキーム変更の金融商品取引法や関連法令における適法性や有効性につき確認を求めましたが、本スキーム変更は法令に違反するものではなく、本スキーム変更後の本公開買付けは適法であると公開買付者側の監督官庁の担当に確認したとの説明を受けております。

 

 また、公開買付者によれば、本公開買付けに関連して、下記に述べる者を除き、応募予定株主は存在しないとのことです。

 

 公開買付者株主は、本公開買付けにおいて、応募数が少なく、上限まで取得できない可能性を危惧し、2024年12月6日付けでTHE UBIQUITOUS MASTER SERIES TRUST MELCO GROUP MASTER FUND(ケイマン法に基づくユニット・トラストであり、インベストメント・マネージャーはSTM Heritage Pte. Ltd.です。)(以下「STM」といいます。)に対して、本公開買付けの実施に関する事実を伝達し、秘密を保持することを合意の上、公開買付者株主に当社株式の売付け等(法第167条第1項柱書に定める「売付け等」を意味します。以下同じです。)をする目的をもって当社株式の買付け等(法第167条第1項柱書に定める「買付け等」を意味します。以下同じです。)を行うことを要請し、STMは、2025年1月14日付けで当該要請に応じる旨を回答したとのことです。公開買付者によれば、本日現在、STMによる当社株式の所有株式数は537,700株(保有割合0.99%)となっているとのことです。

 公開買付者によれば、STMに関する情報は次のとおりとのことです。

(1)名称

THE UBIQUITOUS MASTER SERIES TRUST MELCO GROUP MASTER FUND

(2)所在地

One Nexus Way Camana Bay Grand Cayman KY1-9005, Cayman Islands

(3)設立根拠等

ケイマン法に基づくユニット・トラスト

(4)組成目的

投資運用

(5)組成日

2004年10月22日

(6)出資者・出資比率・出資者の概要

開示の同意が得られていないため、不記載。

(7)当社との関係

取引関係、資本関係、人事関係はない。

(8)業務執行組合員又はこれに類する者の概要

名称       :STM Heritage Pte. Ltd.

所在地      :18 Robinson Road, 18 Robinson #15-01, Singapore 048547

代表者の役職・氏名:ディレクター  高木 秀和

事業内容     :投資運用業

資本金      :1,000,000シンガポールドル

 公開買付者によれば、STMにより要請が受諾され2025年1月14日付けで成立した合意(以下「本件合意」といいます。)の内容は次のとおりとのことです。

1.買付け割合:発行済株式総数の1%未満

2.日々の買付け割合:関与率10%以下

3.公開買付者に対する当社株式の売付け日:本公開買付けの公開買付期間の最終日

4.東京証券取引所の市場内取引(かつ立会外取引は含まない。)での買付けに限られる

 本スキーム変更に伴い、2025年2月5日付けで、STMは公開買付者及び公開買付者株主との間で公開買付応募契約(以下「以下「本応募契約」といいます。)を締結し、公開買付期間の最終日までにSTMは537,700株(以下「STM所有株式」といいます。)の全てについて本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。

 本公開買付けにおいて、公開買付者は、公開買付者株主の所有株式を基に買い増すことを目的としているため、買付予定数の下限を設定していないとのことです。

 他方、公開買付者及び特別関係者である公開買付者株主は、支配権プレミアムの享受のための買増しを目的としており、本公開買付け実施後も当社株式の上場を維持する方針であることから、当社株式が東京証券取引所の定める上場維持に係る流通株式比率を満たさなくなることは意図していないとのことです。

 公開買付者は、当社の経営の自主性を尊重するため、議決権の過半数を取得するものではなく、また本公開買付け実施後の所有割合を法第27条の2第5項及び令第8条第5項第3号並びに法27条の13第4項及び令第14条の2の2に基づく全部勧誘義務及び全部買付義務が生じない株券等所有割合(3分の2未満)である41.02%(保有割合において39.99%)とするとのことです。なお、買付株数の上限を3,690,000株とし、所有割合にして6.97%(保有割合において6.79%)で、上限まで買い付けた場合の公開買付者及び特別関係者である公開買付者株主の合計の所有株式数は21,720,000株(議決権は217,200個)となり、当社発行済株式総数54,320,100株に対する保有割合は39.99%で、当社の議決権総数529,440個に対する株券等所有割合は41.02%となるとのことです。

 公開買付者は、本公開買付けにおいて、本公開買付けに応じて応募された株券等の総数が買付予定数の上限(3,690,000株、所有割合にして6.97%、保有割合において6.79%)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行うとのことです。

 また、公開買付者は、本公開買付けに要する資金を、公開買付者株主からの融資により賄うことを予定しているとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

 公開買付者及び公開買付者株主が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針は、以下のとおりです。なお、以下の記載のうち、公開買付者に関する記載(当社、当社代表者、当社の株価、当社事業の成長性や当社を取り巻く事業環境等に対する、公開買付者の見解、主張、分析等を含みますが、これらに限られません。)は、公開買付者から受けた説明に基づくものであり、当社において独自に検証を行っているものではありません。

(ⅰ)公開買付者及び公開買付者株主が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 当社は、2022年11月に東証グロース市場に株式を上場しました。2024年10月16日に公開買付者株主が当社株式の買付けを開始する前は、当社と公開買付者株主との間に資本関係は一切ありませんでした。また、本日現在、当社と公開買付者又は公開買付者株主との間に取引関係や人事上の関係は一切ありません。

 当社の事業の方針及び事業の内容は次のとおりです。

 当社は、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションのもと、特に栄養に関する課題を解決するため、完全栄養(注1)の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」・「BASE BREAD」・「BASE Cookies」・「BASE FOOD Deli」)の開発と販売を行っており商品製造については、外部業者に委託しております。

 栄養バランスのとれた食生活を実践するには、栄養や食事の正しい知識や、それを実践する時間の余裕が必要となります。しかし、1980年には614万世帯(注2)であった共働き世帯数が2020年には1,240万世帯(注3)に増加しており、仕事や家事、育児などで忙しいために食生活に気を配る余裕がなく、調理に手間をかけない人(注4)も増加しております。“食”に掛ける時間の減少の結果、生活習慣病リスクは増大し、社会保障給付費は1980年度の24.9兆円(注5)から2020年度には132.2兆円(注6)まで増加するという社会問題につながっております。当社が開発するBASE FOODシリーズは、低脂質、低糖質、低塩分で、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど1日に必要な33種類の栄養素が含まれ、1食で1日に必要な栄養素の1/3がバランスよくとれる完全栄養の主食を中心とした商品であり、栄養バランスの良い食事を通じて健康寿命を延ばすことで日本の社会問題を解決しうると考えております。

 健康でありたいという人間の根源的な欲求を背景に、BASE FOODシリーズは2017年2月の販売開始から累計1.5億袋販売(2023年9月時点)を達成しました。新型コロナウイルス感染症の拡大により人々の健康への意識は一層高まり、栄養バランスの取れた食生活へのニーズも益々高まっていると考えております。

 また、消費者の食に関する志向(現在の食の志向)としては「健康志向」「経済性志向」「簡便化志向」が3大志向(注7)とされており、当社の商品コンセプトともマッチしていると考えております。

 

(注)1.1食(BASE PASTAは1袋、BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋、BASE FOOD Deliは1袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、全ての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含んでいることを意味します(当社第8期(自2023年3月1日至2024年2月29日まで)有価証券報告書)

2.総務省統計局「労働力調査特別調査」

3.総務省統計局「労働力調査(詳細集計)(年平均)」

4.東京ガス都市生活研究所「生活定点観測レポート2020」

5.国立社会保障・人口問題研究所「令和3年度社会保障費用統計」

6.厚生労働省推計(予算ベース)

7.株式会社日本政策金融公庫「消費者動向調査(令和4年7月調査)」

 

 当社は販売開始時より、自社ECにおいては卸などを介さず顧客に直接販売を行うD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマ)モデルでの販売を続けております。また、定期購入者向けのオンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」のアプリをリリースしており、顧客がコミュニティ内でアレンジレシピの共有、商品開発や改善、新商品に関する意見の投稿など、情報交換ができる場を提供しております。なお、2024年2月時点で、「BASE FOOD Labo」のユーザー数は44,000人以上となっております。これにより、顧客からのフィードバックをタイムリーに受け取る事が可能となり、かかるフィードバックや購買情報をもとに商品の開発・改善、マーケティング及びサービスの改善を行っており、商品リリース後においても味の改善・バージョンアップを繰り返すことで「かんたん・おいしい・からだにいい」を追求しております。

 

1.取扱い商品

 当社の商品ラインナップは次のとおりであります。(2024年2月29日時点)

商品名

発売開始年月日

商品の特色等

BASE PASTA

2017年2月

小麦の全粒粉やチアシードなどをベースに、1~2分でゆで上がる風味豊かな生パスタ。

フェットチーネ、アジアンの2種類を展開

BASE BREAD

2019年3月

全粒粉や大豆、チアシードなど主に自然由来の厳選した10種類以上の原材料を使用した約1ヶ月の賞味期限のあるロングライフパン。プレーン、チョコレート、カレー、シナモン、メープル、ミニ食パン・プレーン、ミニ食パン・レーズン、リッチの8種類を展開

BASE Cookies

2021年6月

安全で栄養バランスの良いお菓子。ココア、アールグレイ、抹茶、ココナッツ、さつまいもの5種のフレーバーを展開

BASE FOOD Deli

2023年2月

調理済みですぐに食べることのできる「料理」。2023年2月にボロネーゼの販売開始。

 

2.事業モデル

 当社は顧客に対し、主に自社ECでの直接販売、他社ECを経由してのセット販売、卸販売の3つのチャネルで当社の商品を販売しております。それぞれの販売チャネルの特性を活かしながら、当社及び当社の商品に対する認知及び顧客の商品体験の拡大・定着を図っております。

(1)自社EC

 当社ホームページを経由した自社ECにおいて商品の販売を行っております。インターネットを通じて直接購入者へ商品を販売します。自社ECにおける注文の約99%(2024年2月期)は、4週間に1回の頻度で顧客が定期的に購入し配送されるサブスクリプションモデル(定期購入)となっております。サブスクリプションモデルを採用することで、精度の高い需要予測が可能になり、生産や売上の安定性を確保することが可能となります。また、顧客には、定期的にBASE FOODが自宅に届くことで、栄養バランスの良い食事を継続的にとることができる、何を食べるか悩む時間を削減できる、買い物の手間が省ける、といった付加価値を提供しております。

 当チャネルにおける主な収益構造は、サブスクリプション会員による定期購入であります。サブスクリプション会員数の拡大、顧客継続率増加を目的として、オンライン広告やTVCMなどのプロモーション活動や商品開発を積極的に実施しております。

 なお、2024年2月時点でのサブスクリプション会員数は20.6万人、顧客継続率は93.4%(注)となっております。

(注) 顧客継続率は1-(当月解約者/前月定期購入者)で算出

(2)他社EC

 Amazon、楽天市場及びYahoo!ショッピングなどのECプラットフォームに商品を出品し、複数の商品をセットにして販売を行っております。当社ホームページに訪れたことのない顧客もこれらのプラットフォームに訪問した際に、当社の商品を発見し購入することが出来るため、当社の商品の認知及び商品体験の拡大に繋がります。2022年5月から香港、2023年5月からは中国で、「BASE BREAD」の販売を開始しています。特に香港では、香港最大級のECショッピングモール「HKTV Mall」に加え、2023年10月には公式ECサイトをオープンし、「BASE BREAD」及び「BASE Cookies」の公式サイトからの直購入及び継続コース利用による定期販売をスタートし、2024年1月時点での累計販売数は30万袋を突破しています。2024年1月からは新たにシンガポールと台湾での販売を開始することで、越境ECは累計4地域での展開になります。世界中の人々の「健康をあたりまえに。」の実現に向け、今後も海外展開を広げてまいります。

(3)卸販売

 卸業者を経由してコンビニエンスストアやドラッグストア、スポーツジムで「BASE BREAD」及び「BASE Cookies」を販売しております。顧客は全国の実店舗で買いたい時に1袋から手軽に購入することができるようになっております。実店舗での販売を行うことで、オンラインでリーチできなかった顧客に対して、オフラインでの当社の商品の認知及び商品体験の拡大を行っております。また、自社ECへの送客にも寄与しております。なお、2024年2月時点での展開実店舗数は、51,091店舗となっております。

 

 当社の以上の状況を踏まえ、公開買付者は、以下のとおり本公開買付けの実施を決定するに至ったとのことです。

 公開買付者は、公開買付者株主が発行済株式の100%を所有する株式会社であり、本公開買付けのために2025年1月31日に設立されたとのことです。公開買付者株主は、2003年に京都大学経済学部経済学研究科を卒業し、その後、実父が創業した株式会社メルコホールディングス(以下「メルコホールディングス」といいます。)(注)傘下の会社に入社したとのことです。

 公開買付者株主は、2006年1月のライブドアショックに端を発したメルコホールディングスの金融事業撤退を受け、シンガポールのグループ会社の株式全てをMBOにより取得したとのことです。その後、同社をMAM PTE LTD.と改称し、代表者として外部資金の運用受託を行う投資運用業に進出したとのことです。

 公開買付者株主は、2013年に、その実父が闘病生活に入っていたこともあり、MAM PTE LTD.を廃業し投資運用業の経営から退くことを決断し、日本に帰国し、メルコホールディングスの常勤取締役となり、2014年6月にはメルコホールディングス代表取締役社長に就任し、IT関連事業を主として経営に従事しているとのことです。

 公開買付者株主は、メルコホールディングスの代表取締役社長就任後、食品事業シマダヤの100%子会社化、IT関連事業の法人ビジネス推進等により、2022年3月期に連結でグループ史上最高業績を達成したとのことです(連結の経常利益130億円)。

 このように公開買付者株主は、金融業界での実務経験を基礎に、上場企業会社の最高責任者として経営全般とIT・ファイナンスに深い理解と経験があると考えているとのことです。なお、公開買付者株主個人は、過去に、保有割合が発行済株式総数の5%以上となる株式を買付ける規模の純投資は行ったことはなかったとのことです。公開買付者株主個人は、発行済株式総数の5%を超える規模の株式を買付ける純投資(但し、2024年11月15日以降は、支配権プレミアムの享受が所有目的となっているとのことです。)として、2024年10月16日に当社株式への投資を開始したとのことです。

  (注)公開買付者によれば、メルコホールディングスは持株会社であり、同社のグループは、2024年10月1日現在、同社、子会社15社及び関連会社1社により構成されており、デジタル家電及びパソコンの周辺機器の開発・製造・販売、ネットワークインフラの構築・施工・保守、データ復旧サービス、ネットワーク・ストレージソフトウェアの開発・販売、ダイレクトマーケティング事業を行うIT関連事業を主な事業内容としているとのことです。なお、2024年10月1日付でシマダヤ株式会社の株式の現物配当(株式分配型スピンオフ)を実施したことに伴い、2024年10月1日以降、シマダヤ株式会社は同社連結子会社から除外されたとのことです。

 

 公開買付者株主は、2024年10月15日に公表された「2025年2月期第2四半期(中間期)決算短信[日本基準](非連結)」及び「2025年2月期第2四半期決算説明資料」に基づき、新規事業の創設に関して、喩えるならば、「当社は食品業界のテスラ・インク(Tesla, Inc.)(以下「TESLA」といいます。)に匹敵する時価総額を有する企業になる可能性がある」と考えるに至ったとのことです。TESLA(日本の拠点は、Tesla Japan(テスラジャパン))は100兆円を超える時価総額があるとのことです(注)。

  (注)TESLAの時価総額は、2024年9月30日のUNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION FORM 10-Qに掲載の発行済株式数である3,210百万株に、2024年10月15日の終値株価219.57米ドル及び米ドルと日本円の為替レート149.20円を乗じて算出した約105兆円となるとのことです。

 

 公開買付者が上記のように考えた理由としては、公開買付者株主自身が当社の製品を愛好していること及び以下の(a)から(c)で述べる理由によるとのことです。

 公開買付者によれば、当社は2022年の株式上場以降、株価が公募価格の800円を超えられずに低迷してきた中で、以下の(a)から(c)で述べる理由から、公開買付者及び公開買付者株主は、現在も当社の潜在的な成長性と比べると当社株式の株価が著しく割安と考えているとのことです。公開買付者株主は、当社株式の本来の価値が正しく評価されずに割安となっていると考えて、個人の財産運用として当社株式の購入を開始することとしたとのことです。

 なお、公開買付者は、割安であると公開買付者が考えている当社株式の取得を通じて、公開買付者株主の所有分と合わせて、支配権プレミアムを享受することを目的としておりますが、当社に対して重要提案行為等を行う意図はないとのことです。

 公開買付者の代表取締役は、公開買付者株主の意向を受けて、2025年1月31日付けで本公開買付けの実施を決定したとのことです。

 上記のような経緯及び理由により、公開買付者及び公開買付者株主は、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。なお、下記はあくまで公開買付者株主及び公開買付者の代表取締役の見解であるとのことです。

(a)強固な定期購入会員の存在

 当社の2025年2月期第3四半期決算説明資料に記載のとおり、2025年2月期第3四半期における当社の製品の定期購入会員は22万人を超えております。同四半期における客単価は5,600円まで上昇しており、月間解約率は5.6%です。公開買付者株主及び公開買付者は、食品業界ひいては食品加工業において、直販を行う定期購入会員の獲得は高い評価に値すると考えているとのことです。

 公開買付者株主及び公開買付者によれば、当社が創業から8年足らずでこのように十万人単位の定期会員を獲得していることは、食品業界の歴史においても珍しいことであると考えており、また、月次解約率5.6%との記載も一般的な健康食品の平均解約率とほぼ同水準であると考えているとのことです。公開買付者株主及び公開買付者は、当社が定期購入会員の獲得により、直接お客様の声や動向を知ることができ、商品開発を含むマーケティング活動において圧倒的な情報の優位性を獲得していると理解しているとのことです。

(b)海外展開こそが本命のビジネスモデル

 公開買付者株主及び公開買付者は、原材料が小麦粉であっても、パスタ・パン・まぜそば・クッキー全てを展開している会社は世界的にも珍しい存在と考えており、それを可能にしているのは商品の研究開発に特化し、製造を外注するビジネスモデルであると考えています。公開買付者株主及び公開買付者は、このビジネスモデルは国内においては食糧管理法で原材料価格が規制されていることから、範囲の拡大=原材料調達量の拡大をしてもコストダウンには大きなメリットがないと考えられるものの、海外展開が本格化し、現地生産が開始されれば、規模の経済が効いて、大きな利益率改善が見込まれると考えているとのことです。公開買付者株主及び公開買付者は、当社の2025年2月期第3四半期決算説明資料に照らし、当社が、日本で研究開発とマーケティングを行い、ブラシュアップされた商品で海外に打って出る意図であると認識しているとのことです。公開買付者株主及び公開買付者は、世界的にも舌の厳しい日本の消費者と円安を取り込める素晴らしいビジネスモデルを当社は有していると考えているとのことです。

(c)完全栄養食市場の成長

 公開買付者によれば、完全栄養(注1)食の市場は国内食品業界においても成長している市場であり、新型コロナの流行を背景とした栄養摂取意識の高まりによって2020年、2021年と市場は拡大し、2021年末頃からの当社によるCVSなど小売店への全国展開、2022年の日清食品による新ブランド「完全メシ」の発売により、一般消費者の認知が急速に広がっているとされており、2030年には全体で546億円まで成長するといわれているとのことです(注2)。

(注1) 1食(BASE PASTAは1袋、BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋、BASE FOOD Deliは1袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、全ての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含んでいることを意味します(当社第8期(自2023年3月1日至2024年2月29日)有価証券報告書)

(注2) 株式会社富士経済の2023年2月24日付けリリース「変革期を迎える完全栄養食の現状と将来展望」(https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=23010

 公開買付者株主及び公開買付者によれば、インバウンド需要により、日本の「食」が世界的にも極めて水準が高いことは国内だけでなく、海外においても周知の事実になったと考えており、また、独自の食文化や流通構造が作り出した強い事業インフラが存在すると考えているとのことです。

 

 以上のことから、公開買付者株主は、当社の潜在的な成長性と創業者である代表取締役の橋本舜の経営能力を高く評価し、当社株式に対する投資を行うに至ったとのことです。

 この点、公開買付者株主は、2024年10月16日に当社株式への投資を開始し、信用取引による市場取引(取引所取引)により、本日現在で33.19%の保有割合(所有割合:34.05%)まで当社株式を買い付けましたが、それ以上の買付けについては、流動性が低いことなどから、買付けが進みにくい状況となったとのことです。

 なお、公開買付者及び公開買付者株主は、当社の既存株主及び市場関係者に対して、支配権プレミアムを享受することを目的としており重要提案行為等を行わないことを周知し、それにより、当社の株主に対し当社株式の売却に係る強圧性を生じさせないことを意図しているとのことです。

 これらに照らして、公開買付者及び公開買付者株主は、買増しの手段として、本公開買付けを選択し、公開買付届出書を通じて、本公開買付けの目的について、当社の既存株主及び市場関係者に対して周知するとともに、当社の役員、既存株主を含む全ての利害関係者に対して、上記の通り、当社の潜在的な成長性と創業者である代表取締役の橋本舜の経営能力を高く評価していることから、例えば代表取締役の交代を求めることや、非公開化を求めることを含む、当社の企業価値を毀損する一切の行為を行わないことを明示することとしたとのことです。これは、公開買付者株主が当社株式につき2024年11月15日に公開買付者が関東財務局長宛に提出した大量保有報告書の変更報告書No.12で既に公表していることを、改めて公表するものであるとのことです。

 また、公開買付者株主及び公開買付者は、本公開買付けにより、全ての既存株主に対して、平等かつ公正に売却の機会を付与するとともに、買付割合を、上場維持基準の1つである流動性基準(25%)に抵触しない限度にとどめることで、強圧性を排除し、当社の株主として残りたい株主にはそのまま株主として残っていただける環境を整えることができると判断したとのことです。

 

 公開買付者によれば、本公開買付けの実施に至るまでの、公開買付者及び公開買付者株主と当社との協議の状況は以下のとおりとのことです。

 2024年12月10日、公開買付者代理人は、当社のコーポレート部門の統括責任者であるCOO(最高執行責任者)とコーポレート部門の責任者(VP of Corporate)の2名と対面での面談を行い、公開買付者代理人から当社に対し、公開買付者株主の概要、当社株式を所有する意図(所有目的や所有方針等)、議決権行使の方針(特に、取締役の選任議案について反対の意思を表明しないこと)、重要提案行為等を行う予定がないこと、及び、企業価値を毀損する行為を行う意図がないこと等について説明が行われました。

 当該面談において、公開買付者代理人から、当社に対して、本公開買付けの意向がある旨及び本公開買付けの基本方針として、当社株式の上場維持は必須のものとした上で、取得株数については保有割合で40.00%に相当する株数を上限とする旨の説明を受けました。また、公開買付者代理人から、公開買付者株主が買増しの手段として本公開買付けを選択したのは、企業価値の毀損の意図がないこと及び買増しの意図を公開買付届出書で説明することで、強圧性を排除でき(全部買付けではなく、また重要提案行為等も行わないことから、当社の株主として残りたい人には残っていただけること)、また公開買付届出書にて開示を行い、当該開示を読んで納得した株主のみ応募して頂くことができる手段であると考えていることが理由であることの説明を受けました。また、公開買付者代理人から、当社に対して、本公開買付価格の算定は客観的な根拠に基づいて行いたいことの説明を受け、資料提供についての協力を求められ、当社は、できる限りの協力をする旨回答いたしました。

 2024年12月13日には、公開買付者代理人と、当社コーポレート部門の責任者(VP of Corporate)が電話で協議を行いました。その際、当社は、公開買付者株主代理人に対して、2024年8月31日(当社の2025年2月期半期報告書における発行済株式総数等の基準日)の後、当社の発行済株式総数は増加していること、また2025年2月期半期報告書提出後、大株主の中で当社株式を売却された株主が存在し、株主の状況に異動が生じていることを説明いたしました。

 その後、当社が本公開買付けに対する意見を述べるための情報を得るため、公開買付者株主本人と当社との面談の場を設けた方が良いとの方向性となり、2024年12月28日に、公開買付者株主本人、同代理人、当社の代表取締役(橋本舜)、コーポレート部門の統括責任者であるCOO(最高執行責任者)及びコーポレート部門の責任者(VP of Corporate)による対面とWEBを併用した面談の場が持たれました。当該面談では、公開買付者株主が当社に対して有する期待、公開買付者が当社をどう見ているのかが協議されました。

 さらに、公開買付者株主は、自身が当社の筆頭株主となるものの、重要提案行為等は一切行わずに、経営については現経営陣に完全に委ねることとしたい旨を当社に伝えました。また、同日において、公開買付者株主は、当社の企業価値を毀損する行為を行わない一方、企業価値の向上については、当社の現経営陣に完全に委ねることとしたい旨を当社に伝えました。

 併せて、公開買付者株主は、議決権行使につき、株主総会において、買収防衛策の導入以外の議案に反対しない旨を当社に伝えました。

 当社は、公開買付者株主が筆頭株主として当社株式を買い増すことに対して、真摯に検討する旨を述べました。

 公開買付者によれば、東証グロース指数(東証グロース市場に上場する普通株式の全銘柄を構成銘柄として、時価総額加重方式により算出される株価指数を意味します。以下も同じとします。)は、当社が所属する東証グロース市場の全銘柄加重平均指数のため、東証グロース市場に上場している全銘柄の加重平均の数値とのことです。この数値は、東証グロース市場に所属する上場企業が当該企業の株主に対して提供したリターンの平均値と評価できるものであり、上場時の公募価格で設定された超長期の成長前提が変わっておらず、当社の業績が市場の平均レベルであるとの想定の下、当社株式についても同じ評価が妥当すると公開買付者は考えているとのことです。

 なお、当社株式の上場時の公募価格は800円となっており、上場日の前日(2022年11月14日)の東証グロース指数は983.64とのことです。

 また、2024年12月27日(公開買付者株主が初めて当社と協議した日の前日)の東証グロース指数は831.88であったとのことです。2022年11月14日から2024年12月27日までの期間のリターン(配当込みリターン)は△15.43%であったとのことです。これらの数値を用いて、当社株式に妥当する株価を算定すると、800×(1-15.43%)=677円(小数点以下四捨五入)となるとのことです。この677円という数値については、公開買付者株主及び公開買付者代理人より、2024年12月28日に当社に伝えられましたが、当社からは、当該数値を含め本公開買付け全体について真摯に検討する旨を回答しております。

 2025年1月11日に、当社の代表取締役(橋本舜)と公開買付者株主本人(両名とも、当社の大株主であり、所有割合にして前者は33.42%で第2位株主、後者は34.05%で筆頭株主です。(保有割合では、前者は32.57%、後者は33.19%です。))がWEBで面談を行い、本公開買付け自体及び本公開買付けの実施後における公開買付者及び公開買付者株主による株式の保有及び当社の経営等の対応について協議がなされました。具体的には、次の方向での議論がなされましたが、確約には至りませんでした。

 1.公開買付者株主は、本公開買付けの実施後の当社株式の保有割合を40%未満にとどめること。

 2.公開買付者株主は、本公開買付けの実施後、信用取引の現引き又は信用取引のクロス取引に係るものを除き、当社株式の追加買付けを行わないこと。

 3.上記1及び2を前提に、当社の取締役会は本公開買付けに賛同し、応募推奨については株主である役職員が個人としての判断で応募することを妨げないものとすること。

 4.公開買付者株主と当社とは、本公開買付け後、守秘義務契約の締結又はそれに準ずる合意を行った上で、中長期的な企業価値向上を目的とした建設的な対話(いわゆるエンゲージメント)を開始するものとすること。

 なお、上述内容を書面にて合意するための試みが2025年1月14日から1月28日まで行われましたが、合意には至りませんでした。

 また、公開買付者株主は、公開買付者株主が当社株式を20%以上所有していることに照らし、関東財務局との事前相談の過程で、本公開買付けは「支配権プレミアム」を享受することを目的としていることに対し、公開買付者株主個人を買付者とした場合には買付者と特別関係者となる当社の役員の株券等所有割合の合計が、総議決権の3分の2以上となることが見込まれることが判明し、全部勧誘義務、全部買付義務が生じることとなり、公開買付者株主個人の本公開買付けの目的と異なる状況になることから、公開買付者株主は、公開買付者株主個人が全株式を所有する株式会社を設立して買付者とし、特別関係者を公開買付者株主個人のみとし全部勧誘義務、全部買付義務を回避することとしたとのことです。公開買付者株主は、2025年1月28日に、本スキーム変更を決定し、その旨を当社に伝えました。当社は、本スキーム変更により上記論点が解消又は解決されたか否かについて当社の正式な見解を公開買付者株主に伝えておりません。なお、その上で当社は本公開買付けについて引き続き真摯に検討していく旨を述べました。

 2025年2月7日に、公開買付者及び公開買付者株主は、主に次の内容を「公開買付の実施についての事前のお知らせ」と題する書面(以下「本件事前通知」といいます。)で、当社に告知しました。

(1)

本公開買付けの対象

当社発行の普通株式

(2)

本公開買付けの期間

2025年2月18日~2025年4月15日(39営業日)

(3)

公開買付価格

普通株式1株につき、金688円(注)

(4)

買付予定の株券等の数

買付予定数      3,690,000株

買付予定数の下限 設定しない

買付予定数の上限 3,690,000株

  (注)当社株式の上場時の公募価格は800円となっておりました。上場前日(2022年11月14日)の東証グロース指数は983.64とのことです。

     東証グロース指数は当社が所属する東証グロース市場の全銘柄加重平均指数のため、当該上場日から当該日(公開買付者は2025年1月31日を選定しているとのことです。)までの期間リターンが東証グロース市場に上場している全銘柄の加重平均の数値となるとのことです。2025年1月31日の東証グロース指数(配当込みリターン)は845.41となるとのことであり、期間リターン(配当込みリターン)は△14.05%であったとのことです。

     この数値は、東証グロース市場に所属する上場企業が株主に対して提供したリターンの平均値と評価できるものと公開買付者は考えているとのことです。

     当社株式の上場日以降の期間リターンが、東証グロース指数と同じであったとの想定における当社の株価は、2025年1月31日を基準とした場合、800×(1-14.05%)=688円(小数点以下四捨五入)となるとのことです。

 その後、2025年2月12日に、当社は公開買付者に対して、『「公開買付の実施についての事前のお知らせ」の受領のご連絡』と題する書面にて、本件事前通知に対する回答を行いました。当該書面では、本件事前通知を受領した旨及び本公開買付けが当社株主、取引先及び従業員を含む全てのステークホルダーの利益の最大化に資するか否かについて真摯に検討をしている旨を記載しております。

 2025年2月12日及び13日に公開買付者代理人から当社に連絡があった際には、さらなる検討結果については、別途通知すると伝え、当社は、2025年2月14日に、本件公開買付けに関して引き続き真摯に検討していく旨を述べました。

 

(ⅱ)本公開買付け後の経営方針

(a)経営方針

 公開買付者株主は、2024年10月25日提出の大量保有報告書の変更報告書No.6保有目的欄にて、「主要株主として長期安定保有します。重要提案行為等を行う予定はありません。」と記載し、「重要提案行為等を行う予定はありません。」との部分は、本日現在においても変わっておらず、今後も変わる予定はないとのことです。

 公開買付者及び公開買付者株主は本公開買付け後の経営方針の内容について、当社の経営の自主性を尊重する観点より、公開買付者株主は役員の就任その他の重要提案行為等を行うことを予定していないとのことです。

 また、公開買付者及び公開買付者株主は、既存株主及び市場関係者に対して、支配権プレミアムを享受することを目的としており重要提案行為等を行わないことを周知することを意図しているとのことです。これらに照らして、公開買付者及び公開買付者株主は、買増しの手段として、本公開買付けを選択し、公開買付届出書を通じて、本公開買付けの目的について、既存株主及び市場関係者に対して周知するとともに、当社の役員、既存株主を含む全ての利害関係者に対して、公開買付者及び公開買付者株主は、「3.(2)②(ⅰ)公開買付者及び公開買付者株主が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の通り、当社の潜在的な成長性と当社の創業者である代表取締役橋本舜の経営能力を高く評価しており、例えば代表取締役の交代を求めることや、非公開化を求めることなど、当社の企業価値を毀損する一切の行為を行わないことを改めて公表することとしたとのことです(これは、2024年11月15日に公開買付者株主が関東財務局長宛に提出した大量保有報告書の変更報告書No.12で既に公表していることを、改めて公表するものであるとのことです。)。

 公開買付者株主は、2024年11月15日提出の大量保有報告書(変更報告書No.12)において、保有目的を「筆頭株主として、特別な権利いわゆる支配権プレミアムを享受するために保有します。企業価値を毀損する行為や重要提案行為等を行う予定はありません。」と公表しており、その目的は、本日現在、変更されていないとのことです。

 公開買付者及び公開買付者株主は、支配権プレミアムの享受を目的とし、当社の経営支配を行う意図を全く有していないため、当社の経営方針については、当社の現経営陣に対して完全に委ね、当社に対して一切の重要提案行為等を行う予定はないとのことです。

 また、公開買付者及び公開買付者株主は、当社から何らかの要請があれば、その要請に真摯に対応することを検討するものの、公開買付者株主は、当社から要請があっても、当社の役員に就任することはないとのことです。

 

(b)当社株式を取得した後の売買方針

 公開買付者によれば、当社株式を取得した後の売買方針について、本公開買付けは、支配権プレミアムの享受を目的とするものであり、本日現在において所有する当社株式及び本公開買付けを通じて取得した当社株式について、現時点で具体的な売却の予定はないとのことです。

 公開買付者及び公開買付者株主は、投資ファンド等とは異なり、取得する株式等の投資期間を事前に定めていないため、当社株式の具体的な売却予定時期の想定もないとのことであり、また、売却方法については、公開買付届出書提出日現在において所有する当社株式及び本公開買付けを通じて取得した当社株式の全てを、市場への影響等を勘案しながら、公開買付者、公開買付者株主及び当社にとって最適な時期に最適な方法で売却する方針であるものの、現在具体的に決定している事項はないとのことです。

 なお、公開買付者及び公開買付者株主は、本日現在において、本公開買付け実施後、当社株式を追加で取得することは予定していないとのことです。

 

(c)当社株式の議決権行使の方針

 当社は、当社株式の議決権の行使方針について、公開買付者株主から、2024年12月28日に当社と協議した際に、当社の2025年2月期に係る当社の株主総会において、買収防衛策の導入以外の議案に反対しない旨の説明を受けております。

 但し、本日現在において、公開買付者株主が所有する当社株式の全てが信用取引によるものであるところ、公開買付者株主は、2025年2月末日までに現引きを行うことは意図していないとのことです。よって、当社の2025年2月期に係る定時株主総会では、公開買付者株主は議決権行使を行わない予定とのことです。

 

③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

 当社においても、2024年12月10日に公開買付者代理人との対面での面談にて、本公開買付けの意向があることの説明を受け、本公開買付けに関する意見表明についての検討を開始するとともに、本公開買付けによる企業価値向上の有無及び程度を判断するに足る十分な判断材料を得るために、公開買付者株主と当社との協議の申し入れを行いました。

 2024年12月10日以降、当社は、公開買付者株主と応募予定株式の取得に関する基本方針及び本公開買付け後の方針について協議を重ねました。協議を重ねる中で、公開買付者株主より、本公開買付け成立後において、当社の経営を支配する意図を全く有さず当社の経営方針と業務執行を当社の現経営陣に完全に委ねること、当社に対して一切の重要提案行為等を行わない方針であること、当社株式の上場を維持する方針であること、並びに公開買付者株主が当社役員に就任する意向を持たず筆頭株主として必要に応じて保持する知見等を通じて当社の企業価値向上に寄与する方針であることについて説明を受けました。これら説明を踏まえ、当社の企業価値及び株主利益に資するものであるかといった観点から、社外役員4名を含む当社役員全員及び当社事務局メンバーとの間において、対面、WEB及び電話を含めた複数回の打合せによる協議を重ねて参りました。

 2024年12月16日の取締役及び監査役の全員が参加して行った社内協議では、公開買付者株主による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて検討・議論を行い、社外役員より、本公開買付けの検討に資する情報を取集すべく、2024年12月末で調整していた公開買付者株主との面談における質問事項の方針について提言がなされました。また、当社及び公開買付者株主から独立した立場から、本公開買付けについて当社の企業価値及び株主共同の利益に資するか否かを真摯に検討するために、取締役会とは別に、東京証券取引所の定める独立役員である当社の社外取締役2名及び社外監査役2名の計4名のみで協議を行うことといたしました。

 2024年12月28日に開催した公開買付者株主、同代理人、当社の代表取締役橋本舜、当社のコーポレート部門の統括責任者であるCOO(最高執行責任者)及びコーポレート部門の責任者(VP of Corporate)による対面とWEBを併用した面談では、公開買付者株主から本公開買付けの目的及び背景、本公開買付け成立後は、当社の経営を支配する意図を全く有さず当社の経営方針及び業務執行を当社の現経営陣に完全に委ねること、当社に対して一切の重要提案行為等を行わない方針であること、当社役員に就任する意向を有していないこと、並びに当社株式の上場を維持する方針であること旨を当社に説明しました。併せて、公開買付者株主は、株主総会における議決権行使につき、買収防衛策の導入以外の議案には、反対しない旨を当社に説明しました。これらを踏まえ、当社は、公開買付者株主による本公開買付けに対して、真摯に検討する方針を固めました。

 2025年1月10日の社外役員のみで行った協議では、2024年12月28日に公開買付者株主から当社に伝えられた上述方針を踏まえ、公開買付者株主による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて、客観的な立場から検討・議論を行うとともに、必要に応じて公開買付者株主に対し本公開買付けに関する情報提供をするよう要請していくことの提言がなされました。

 2025年1月11日に開催した公開買付者株主と当社の代表取締役橋本舜とのWEB面談では、本公開買付け自体及び本公開買付けの実施後における、公開買付者及び公開買付者株主による株式の保有及び当社の経営等の対応について協議がなされました。具体的には、次の方向での議論がなされましたが、確約には至りませんでした。

  1.公開買付者株主は、本公開買付けの実施後の当社株式の保有割合を40%未満にとどめること

  2.公開買付者株主は、本公開買付けの実施後、信用取引の現引き又は信用取引のクロス取引に係るものを除き、当社株式の追加買付けを行わないこと

  3.上記1及び2を前提に、当社の取締役会は本公開買付けに賛同し、応募推奨については株主である役職員が個人としての判断で応募することを妨げないものとすること

  4.公開買付者株主と当社とは、本公開買付け後、守秘義務契約の締結又はそれに準ずる合意を行った上で、中長期的な企業価値向上を目的とした建設的な対話(いわゆるエンゲージメント)を開始するものとすること

 なお、上述の内容を書面にて合意するための試みが2025年1月14日から1月28日まで行われましたが、合意には至りませんでした。

 2025年1月14日の取締役及び監査役の全員が参加して行った社内協議では、2025年1月11日に公開買付者株主と当社の代表取締役橋本舜との間で協議した、公開買付者株主が本公開買付け終了後において原則的に当社株式保有割合を40%未満に留める点、原則的に当社株式の追加取得を行わない点、必要に応じて中長期的な企業価値の向上を目的とした建設的な対話(いわゆるエンゲージメント)を開始する点を踏まえ、公開買付者株主による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて検討・議論を行い、公開買付者株主の本公開買付けの実施は、大要以下(ⅰ)から(ⅲ)の理由から、長期的な当社の企業価値及び株主利益の向上を実現することが可能になり得ると判断し、本公開買付けに対して前向きに検討する方針を固めました。

 しかし、2025年1月28日に公開買付者株主代理人より、公開買付者株主が公開買付者となることが想定されていたところ、関東財務局との事前相談の過程において、本公開買付けは「支配権プレミアム」を享受することを目的としていることに対し、公開買付者株主を公開買付者とした場合には、公開買付者株主と特別関係者となる当社の役員の株券等所有割合の合計が、総議決権の3分の2以上となることが見込まれることが判明し、全部勧誘義務及び全部買付義務が生じることとなったことから、公開買付者株主による本公開買付は行わず、別途手段を検討する旨の連絡がありました。その後、2025年1月30日に公開買付者代理人から、公開買付者株主個人が全株式を所有する株式会社を設立して、公開買付者となる旨の連絡がありましたが、当社は、本スキーム変更により上記論点が解消又は解決されたか否かについて当社の正式な見解を公開買付者代理人に伝えておりません。なお、その上で当社は、本公開買付けについて引き続き真摯に検討していく旨を述べました。

 その後、2025年2月7日に当社は公開買付者から本件事前通知を受領し、本件事前通知において公開買付者から、公開買付者が決定した本公開買付けの諸条件が示されました。

(1)

本公開買付けの対象

当社発行の普通株式

(2)

本公開買付けの期間

2025年2月18日~2025年4月15日(39営業日)

(3)

公開買付価格

普通株式1株につき、金688円(注)

(4)

買付予定の株券等の数

買付予定数      3,690,000株

買付予定数の下限 設定しない

買付予定数の上限 3,690,000株

  (注)当社株式の上場時の公募価格は800円となっておりました。上場前日(2022年11月14日)の東証グロース指数は983.64とのことです。

     東証グロース指数は当社が所属する東証グロース市場の全銘柄加重平均指数のため、当該上場日から当該日(公開買付者は2025年1月31日を選定しているとのことです。)までの期間リターンが東証グロース市場に上場している全銘柄の加重平均の数値となるとのことです。2025年1月31日の東証グロース指数(配当込みリターン)は845.41となるとのことであり、期間リターン(配当込みリターン)は△14.05%であったとのことです。

     この数値は、東証グロース市場に所属する上場企業が株主に対して提供したリターンの平均値と評価できるものと公開買付者は考えているとのことです。

     当社株式の上場日以降の期間リターンが、東証グロース指数と同じであったとの想定における当社の株価は、2025年1月31日を基準とした場合、800×(1-14.05%)=688円(小数点以下四捨五入)となるとのことです。

 

 

 また、併せて、本件事前通知には、以下の事項が記載されていました。

  ・公開買付者は、公開買付者株主が発行済株式の100%を所有する株式会社であり、本公開買付けのために2025年1月31日に設立されたものであること

  ・公開買付者株主は、2025年2月7日現在、当社の筆頭株主として、企業買収等の際に生ずる買収価格や価値の上乗せが得られるいわゆる支配権プレミアムを享受することを目的として、18,030,000株の当社株式を所有していること(2024年11月30日現在の当社の発行済株式総数54,320,100株に対して、33.19%の保有割合。)

  ・公開買付者は、公開買付者株主の所有部分と合わせて、当社株式を買い増しするために本公開買付を実施すること

  ・公開買付者株主は、当社の潜在的な成長性及び当社創業者である代表取締役の橋本舜の経営能力を高く評価して、2024年10月16日から当社株式への投資を開始しており、今後も、当社の経営は代表取締役の橋本舜に委ねられるべきであると考えており、公開買付者も同様の立場にあること

  ・したがって、公開買付者及び公開買付者株主は、次の方針を有していること

    ①公開買付者及び公開買付者株主は、橋本舜が当社の代表取締役である限り、当社株式の上場廃止を企図しておらず、本公開買付け後においても、当社株式の東証グロース市場における上場を維持する方針であること

    ②公開買付者及び公開買付者株主は、橋本舜が当社の代表取締役である限り、当社に対して重要提案行為等を行わない方針であること

    ③公開買付者及び公開買付者株主は、橋本舜が当社の代表取締役である限り、当社の経営方針及び業務執行については橋本舜に対して一任する方針であること

    ④公開買付者及び公開買付者株主は、橋本舜が当社の代表取締役である限り、当社の経営を支配する意図は有していないこと

    ⑤公開買付者及び公開買付者株主は、橋本舜が当社の代表取締役である限り、当社の役員に就任する意向を有していないこと

 なお、本件事前通知の送付に際し、公開買付者代理人と当社との間で電話での連絡が数度に渡ってなされており、公開買付者及び公開買付者株主は当社に対し、仮に、当社の代表取締役が橋本舜でなくなったとしても、上記①については、当社株式の上場廃止を企図しておらず、本公開買付け後においても、当社株式の東証グロース市場における上場を維持する方針である旨、並びに、上記②乃至⑤については、これらに反する行為を行う意思を2025年2月7日時点では有していない旨、及び具体的な事項は公開買付者・公開買付者株主が新代表取締役(又はその候補者)と協議して決定する旨の説明を行っております。また、この際に、当社は公開買付者代理人に対し、当社の代表取締役の交代は予定していないとの説明を行っております。

 これを受け、当社は、公開買付者に対し、2025年2月12日に真摯に検討する旨を回答するとともに、引き続き、検討・議論を進めました。

 2025年2月14日の社外役員のみで行った協議では、これまでに当社に提供されている情報は、本公開買付けによる企業価値向上の有無及び程度を判断するに足る判断材料であると判断し、公開買付者による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて検討・議論を行い、公開買付者の本公開買付けの実施は、大要以下(ⅰ)から(ⅲ)の理由から、長期的な当社の企業価値及び株主利益の向上を実現することが可能になり得ると判断し、社外役員として本公開買付けに対して賛同する方針を固めました。

(ⅰ)公開買付者株主は、テクノロジー企業及び食品企業の経営等の経験より、当社の潜在的な成長性を認識し、当社の潜在的な成長性を中長期的視点で顕在化し最大化する方針を支持するものであり、これは他の市場参加者にとって当社への期待を再評価する契機となり得るものであることや、このような支援的な大株主の存在は、当社が戦略的な意思決定をより大胆かつ迅速に行う後押しとなり、当社の収益力及び競争優位性が強化され得るものであることを踏まえると、本公開買付け実施後は、当社の企業価値の更なる向上が期待され、株主全体の利益に資するものであると判断したこと

(ⅱ)当社の経営陣の求めに応じて公開買付者株主が保持する知見等を通じて当社の企業価値向上に寄与することの説明を受けており、このような補完的な関係性は、経営支援を目的とした健全な投資姿勢を反映しており、短期的な利益ではなく、長期的な企業価値や株主利益の最大化を重視する姿勢と認識し、株主全体の利益に資するものと総合的に判断したこと

(ⅲ)公開買付者株主との協議を行う中で、本公開買付け実施後においては、当社株式の上場を維持することの説明をしており、これは、当社の自律的な経営判断の尊重を基本とするものであり、当社の継続的な成長と企業価値の最大化を目指す観点に基づくものと判断したこと

 このような経緯を経て、当社は、本日開催の当社取締役会において、本公開買付けが当社の企業価値及び株主利益に資するか否かについて、慎重に協議及び検討を行った結果、上記(ⅰ)から(ⅲ)の理由により、中長期的な当社の企業価値及び株主利益の向上を実現することが可能になると判断し、本公開買付けに関して、当社の取締役全員が出席し、出席した取締役の全員一致により、賛同の意見を表明することを決議いたしました。

 一方で、2024年12月28日に公開買付者より伝達を受けた当時の公開買付価格(1株当たり677円)及び、本公開買付価格(1株当たり688円)に関しては、当社株式の上場時の公募価格である800円を基礎とするものであり、公募価格は当社の基盤的な企業価値を示す指標でもあるという点を踏まえると、一定の合理性が認められると判断するものの、2025年2月14日の東証グロース市場における当社株式の終値(534円)は本公開買付価格を下回る水準で推移していること、また当社の株主の皆様としては本公開買付け後も当社株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることに鑑み、本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場をとり、当社の株主の皆様のご判断に委ねることを併せて決議いたしました。

 当社における本公開買付けに対する意見及び意思決定の過程については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」も併せてご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 本公開買付価格に関しては、当社の現在の市場価格を基礎とするものではなく、当社株式の上場時の公募価格である800円を基礎とするものです。この点、本公開買付価格は現在の市場価格に一定のプレミアム(2025年2月14日の東証グロース市場における当社株式の終値(534円)を基準とすると28.84%のプレミアム)が付加されていること、当社の株主の皆様としては本公開買付け後も当社株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることを踏まえると、独立した第三者算定機関による算定書及び本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を新たに取得する必要性が必ずしも高くないと判断したことから、当社は、本公開買付けに当たり、第三者算定機関から算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しておりません。

 

② 公開買付者における算定方法

 当社は2022年11月15日に三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社を主幹事として東証グロース市場に新規上場いたしました。当社株式の上場時の公募価格は800円です。

 公開買付者によれば、当社株式の上場時の公募価格である800円を基礎に、東証グロース市場の特性を踏まえた株価算定を企図した結果、以下が算定の基礎となったとのことです。

  ●上場前日(2022年11月14日)の東証グロース指数は983.64であったこと

  ●東証グロース指数は当社が所属する東証グロース市場の全銘柄加重平均指数のため、上場日から当該日(公開買付者は2025年1月31日を選定しているとのことです。)までの期間のリターンが東証グロース市場の平均の数値となるとのことです。また2025年1月31日の東証グロース指数は845.41となり、2022年11月14日から2025年1月31日までの期間リターン(配当込みリターン)は△14.05%であったこと、これらの数値は、東証グロース市場に所属する上場企業が株主に対して提供したリターンの平均値と評価できるものであり、当社株式についても同じ評価が妥当すると公開買付者は考えていること

  ●上記のように、上場時の公募価格で設定された超長期の成長前提が変わっておらず、当社の業績が市場の平均レベルであるとの想定における当社の株価は、800×(1-14.05%)=688円(小数点以下四捨五入)と算定されること

  ●688円は、2025年1月31日の終値である533円に対して29.08%のプレミアムを付加するものであり、本公開買付けが公表された日である本日の前営業日である2025年2月14日の当社株式の終値534円に対してのプレミアム率は28.84%であり、同日までの過去1か月間の終値単純平均値496円(小数点以下を四捨五入。以下終値単純平均値の計算において同じです。)に対してのプレミアム率は38.71%であり、同日までの過去3か月間の終値単純平均値420円に対してのプレミアム率は63.81%であり、同日までの過去6か月間の終値単純平均値358円に対してのプレミアム率は92.18%であること

 また、公開買付者及び公開買付者株主が第三者算定機関による株式価値算定書を取得しなかった理由も上記①記載の理由と同様とのことです。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、本日現在、東証グロース市場に上場されておりますが、本公開買付けは当社株式の上場廃止を企図するものではないとのことであり、公開買付者及び公開買付者株主は、買付予定数の上限を3,690,000株(所有割合:6.97%、保有割合:6.79%)と設定しているため、本公開買付け成立後も当社株式の東証グロース市場への上場は維持される見込みです。

 なお、公開買付者及び公開買付者株主は、本公開買付けの実施後も当社株式の上場が維持されることが必須と考えていることから、仮に上場維持基準に適合しない状態となった場合には、上場廃止の回避のための対応について当社と協議の上、当社株式の上場維持に向けた最適な方策を実行したいと考えているとのことですが、本日現在で具体的な方策について予定している事項はないとのことです。

 また、本公開買付けにより、全ての既存株主に対して、平等かつ公正に売却の機会を付与するとともに、公開買付者による買付割合を、上場維持基準の1つである流動性基準(25%)に抵触しない限度にとどめることで、強圧性を排除し、当社の株主として残りたい株主にはそのまま株主として残っていただける環境を整えることができると判断したとのことです。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、当社株式の上場廃止を企図したものではないことから、本日現在において、本公開買付けが成立した場合には、当社株式を追加で取得することは予定していないとのことです。

 

(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 当社は、本公開買付けが支配株主との重要な取引等に該当しないものの、慎重を期して、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、当社が起用した法律事務所から意思決定主体や方法に関して助言や指摘があった事項のうち、当社が必要と認めた以下のような措置を実施いたしました。

① 当社における社外役員全員の協議

 当社並びに公開買付者及び公開買付者株主から独立した立場から、本公開買付けについて当社の企業価値及び株主共同の利益に資するか否かを真摯に検討するために、取締役会とは別に、東京証券取引所の定める独立役員である当社の社外取締役2名及び社外監査役2名の計4名のみで協議を行うことといたしました。

 2025年1月10日に実施された協議では、2024年12月28日に公開買付者株主から当社に伝えられた本公開買付けの目的及び背景、公開買付者株主が本公開買付け成立後は当社の経営を支配する意図を全く有さず当社の経営方針及び業務執行を当社の現経営陣に完全に委ねること、当社に対して一切の重要提案行為等を行わない方針であること、当社役員に就任する意向を有していないこと、並びに、当社株式の上場を維持する方針であること等を踏まえ、公開買付者株主による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて客観的な立場から検討・議論を行うとともに、必要に応じて公開買付者株主に対し本公開買付けに関する情報提供をするよう要請していくことの提言がなされました。

 2025年2月14日の社外役員のみで行った協議では、これまでに当社に提供されている情報は、本公開買付けによる企業価値向上の有無及び程度を判断するに足る判断材料であると判断し、公開買付者による本公開買付けの実施が当社の企業価値向上に資するものであるかについて検討・議論を行い、公開買付者の本公開買付けの実施は、大要以下「② 当社における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」の(ⅰ)から(ⅲ)の理由から、長期的な当社の企業価値及び株主利益の向上を実現することが可能になり得ると判断し、社外役員として本公開買付けに対して賛同する方針を固めました。

② 当社における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の経緯を経て、当社は、2025年2月17日開催の当社取締役会において、本公開買付けが当社の企業価値及び株主利益に資するか否かについて、慎重に協議及び検討を行った結果、以下の理由により、中長期的な当社の企業価値及び株主利益の向上を実現することが可能になると判断し、本公開買付けに関して、当社の取締役全員が出席し、出席した取締役の全員一致により、賛同の意見を表明することを決議いたしました。

(ⅰ)公開買付者株主は、テクノロジー企業及び食品企業の経営等の経験より、当社の潜在的な成長性を認識し、当社の潜在的な成長性を中長期的視点で顕在化し最大化する方針を支持するものであり、これは他の市場参加者にとって当社への期待を再評価する契機となり得るものであることや、このような支援的な大株主の存在は、当社が戦略的な意思決定をより大胆かつ迅速に行う後押しとなり、当社の収益力及び競争優位性が強化され得るものであることを踏まえると、本公開買付け成立後は、当社の企業価値の更なる向上が期待され、株主全体の利益に資するものであると判断したこと

(ⅱ)当社の経営陣の求めに応じて公開買付者株主が保持する知見等を通じて当社の企業価値向上に寄与することの説明を受けており、このような補完的な関係性は、経営支援を目的とした健全な投資姿勢を反映しており、短期的な利益ではなく、長期的な企業価値や株主利益の最大化を重視する姿勢と認識し、株主全体の利益に資するものと総合的に判断したこと

(ⅲ)公開買付者株主との協議を行う中で、本公開買付け成立後においては、当社株式の上場を維持することの説明をしており、これは、当社の自律的な経営判断の尊重を基本とするものであり、当社の継続的な成長と企業価値の最大化を目指す観点に基づくものと判断したこと

 一方で、2024年12月28日に公開買付者より伝達を受けた当時の公開買付価格(1株当たり677円)及び、本公開買付価格(1株当たり688円)に関しては、当社株式の上場時の公募価格である800円を基礎とするものであり、公募価格は当社の基盤的な企業価値を示す指標でもあるという点を踏まえると、一定の合理性が認められると判断するものの、2025年2月14日の東証グロース市場における当社株式の終値(534円)は本公開買付価格を下回る水準で推移していること、また当社の株主の皆様としては本公開買付け後も当社株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることに鑑み、本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場をとり、当社の株主の皆様のご判断に委ねることを併せて決議いたしました。

 上記取締役会には、当社の監査役全員が出席し、その全てが、当社の取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明し、かつ、本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、当社株主の皆様の判断に委ねることについて異議がない旨の意見を述べております。

 

(7)本公開買付けに関する重要な合意に関する事項

 当社と公開買付者及び公開買付者株主との間における特段の合意事項はありません。

 公開買付者株主は、本公開買付けにおいて、応募数が少なく、上限まで取得できない可能性を危惧し、2024年12月6日付けでSTMに対して、公開買付けの実施に関する事実を伝達し、秘密を保持することを合意の上、公開買付者に当社株式の売付け等をする目的をもって当社株式の買付け等を東京証券取引所(立会内取引のみ)にて行うことを要請し、STMは、2025年1月14日付けで当該要請に応じる旨を回答したとのことです。

 公開買付者によれば、STMにより受諾され、2025年1月14日付けで成立した本件合意の内容は次のとおりとのことです。

  1.買付け割合:発行済株式総数の1%未満

  2.日々の買付け割合:関与率10%以下

  3.公開買付者に対する当社株式の売付け日:本公開買付けの公開買付期間の最終日

  4.東京証券取引所の市場内取引(かつ立会外取引は含まない。)での買付けに限られる

 公開買付者によれば、本日現在、STMによる当社株式の所有株式数は537,700株(保有割合0.99%)となっているとのことです。

 公開買付者によれば、STMに関する情報は次のとおりとのことです。

(1)名称

THE UBIQUITOUS MASTER SERIES TRUST MELCO GROUP MASTER FUND

(2)所在地

One Nexus Way Camana Bay Grand Cayman KY1-9005, Cayman Islands

(3)設立根拠等

ケイマン法に基づくユニット・トラスト

(4)組成目的

投資運用

(5)組成日

2004年10月22日

(6)出資者・出資比率・出資者の概要

開示の同意が得られていないため、不記載。

(7)当社との関係

取引関係、資本関係、人事関係はない。

(8)業務執行組合員又はこれに類する者の概要

名称       :STM Heritage Pte. Ltd.

所在地      :18 Robinson Road, 18 Robinson #15-01, Singapore 048547

代表者の役職・氏名:ディレクター  高木 秀和

事業内容     :投資運用業

資本金      :1,000,000シンガポールドル

 そして、公開買付者株主は、本公開買付けの実施に当たり、STMとの間で、STMが本公開買付けの公開買付期間の最終日時点で所有する当社株式の全てについて、STMが本公開買付けに応募する旨を2025年1月15日付けで合意しているとのことです。公開買付者によれば、本スキーム変更に伴い、2025年2月5日付けで、STMは公開買付者及び公開買付者株主との間で本応募契約を締結し、本公開買付けの公開買付期間の最終日までにSTMはSTM所有株式の全てについて応募を行う(以下「本応募」といいます。)旨を合意しているとのことです。なお、STMによる本応募の前提条件はないとのことです。

 本応募契約に基づき、STMは次の事項を表明し保証しているとのことです。

   (1) (権限及び手続)

     STMは、STM所有株式のすべてについて、本応募契約を適法かつ有効に締結する権限を有しており、また、本応募契約を締結し、本応募契約を履行するために必要な手続をすべて履践していること。

   (2) (株式の所有)

     STM所有株式は、STMが所有している当社株式のすべてである。また、STMは、STM所有株式のすべてをいかなる担保権、請求権その他の負担・制約もない状態で適法かつ所有していること。

 本応募契約により、STMは、次の事項を誓約しているとのことです。

   本応募を行った後、それを撤回せず、また、本応募により成立した当社株式に係る売買契約を解除しない。但し、本公開買付価格(本公開買付に公開買付けにおける公開買付価格をいいます。以下も同じとします。)よりも高い公開買付価格による公開買付けが第三者により開始され(以下「第三者公開買付け」といいます。)、公開買付者が、第三者公開買付けの開始日(又は、第三者公開買付けの公開買付価格が本公開買付価格よりも高い価格に変更された日)から5営業日以内(但し、遅くとも本公開買付けの期間の末日の5営業日前まで)に本公開買付価格を第三者公開買付けの公開買付価格以上の価格に変更しない場合には、STMは、本応募を撤回したうえで、第三者公開買付けに応募することができる。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

氏名

役名

職名

所有株式数(株)

議決権数(個)

橋本 舜

代表取締役

17,691,300

176,913

齋藤 竜太

取締役

1,033,100

10,331

小林 紘子

取締役

426,000

4,260

田中 宏隆

取締役

田中 道昭

取締役

小川 英樹

監査役(常勤)

3,000

30

長瀬 大樹

監査役

500

5

永井 公成

監査役

500

5

 

19,154,400

191,544

 (注1) 所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。

 (注2) 取締役田中宏隆及び田中道昭の各氏は、社外取締役です。

 (注3) 監査役長瀬大樹及び永井公成の各氏は、社外監査役です。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。